- お墓参りって何のためにしているの?
- お墓参りはしなくちゃいけないものなの?
- お墓参りの正しいやり方と注意点を知りたい。
あなたはいつもどうやってお墓参りをしていますか?
お墓の掃除をして、お花とお水とお線香を供えて、最後に手を合わせる、みたいなカンジでしょうか?
大丈夫ですよ、そのやり方で問題ありませんから。
でも、お墓参りをしていて、
- お墓参りは何のためにするんだろう?
- 正しいお墓参りのやり方はあるのかな?
と疑問に思ったことはないですか?
お墓参りは、
- ご先祖様や亡き家族と私たちが通じ合うコミュニケーション
- あなた自身の修行
のためにするのです。
そして、お墓参りには『基本的な手順』が一応はあります。
この記事では、お坊さん歴20年以上の僕が、
- お墓参りをすることの意味
- お墓参りの基本的な手順と注意点
について詳しく解説しています。
今までとは『お墓参りの質』が変わりますので最後まで読んでみてください。
※お墓参りへ行く前にコチラの記事も読んでみてください。
お墓参りをする意味

日本人のほとんどは、一度くらいはお墓参りをしたことがあるはずです。
お盆やお彼岸をはじめ、命日や法事のときにもお墓参りをしています。
ところで、あなたはお墓参りにどのような意味があるのかご存じでしょうか?
昔の記憶や、見よう見まねで何となくお墓参りをしていませんか?
じつは、お墓参りには、
- ご先祖様や亡き家族と通じ合うためのコミュニケーション
- あなた自身の修行
という2つの重要な意味があるんです。
お墓を通じて、ご先祖様や亡き家族と通じ合う
お墓というのは【あの世とこの世を結ぶ場所】です。
お墓参りをすることで、日頃の感謝の気持ちや何か伝えたいことを、お墓を通じてあの世のご先祖様や亡き家族に届けています。
逆に、あの世のご先祖様や亡き家族は、この世の私たちに向けて、お墓を通じて『ご利益やお導き』といった恵みをもたらしてくれます。
つまり、お墓参りは、【あの世にいるご先祖様や亡き家族】と【この世にいる私たち】がお互いに通じ合える、大切なコミュニケーションなんですよね。
とはいえ、日頃のお墓参りはそんなに身構えてするものでもありません。ご先祖様や亡き家族にちょっと挨拶をしに行く、という感覚でOKです。
ちなみに、よく「他の用事のついでにお墓参りをするのはよくない」と言う人がいますが、僕は【ついで】でもイイと思いますよ。
ついでにお墓参りをしちゃいけない理由は《ご先祖様のことを優先させていないから》ということですが、他の用事のついでにお墓参りをしても、ご先祖様は怒りませんし、失礼にもなりません。
【ついで】でもかまわないので、お墓へ行って心を込めて手を合わせることが重要ですから、余計なことは気にせずに、何かのついでにお墓へ立ち寄ってください。
ついでのお墓参りについては、『ついで参りの何がダメなの?他の用事と一緒にお墓参りをしてもOK。』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
あなた自身の修行
あなたはお墓参りに行ったら、まずはお墓の掃除から始まり、その後にお花・お線香・お水などを供えて手を合わせますよね?
お墓参りは、ご先祖様や亡きご家族と通じ合い、お互いにコミュニケーションをとりながら『供養』をしていますが、じつはそれだけではありません。
お墓参りで『供養』をすることは、お墓参りをしている人にとって【仏道の修行】になっているんです。
供養をすることは、仏教でいうところの【善行(良い行い)】にあたります。
善行を続けると、たくさんの徳やご利益が積み重なります。
それをさらにずっと続けていくと、やがて悟りを開くことができるとされています。
つまり、供養(=お墓参り)は自分自身が悟りを開くための【仏道の修行】そのものであるといえます。
あなたは、お彼岸にもお墓参りをしていますよね?
お彼岸のお墓参りは、まさに自分自身の【仏道の修行】のためのお墓参りなのです。
お彼岸に関しては、『彼岸にお墓参りをする理由。彼岸の意味と過ごし方をお坊さんが解説』の記事で詳しく説明をしていますので読んでみてください。
お墓参りのやり方

ここからは、基本的なお墓参りのやり方を書いていきます。
先に大事なことを言っておくと、お墓参りのやり方には【絶対にこうするべき】という決まりはありません。
お墓参りのやり方は地域または宗派によって違います。
本当は『正しいお墓参りのやり方』というものはないので、あなたの住む地域でのやり方を加えてお参りをしていただければ結構です。
お墓参りに持って行く物
まず始めに、お墓参りに持って行った方がよい物を紹介します。
お墓参りに持って行った方がよい物は以下のとおりです。
- 花
- 線香
- 供物
- 手桶と柄杓
- 数珠
- ロウソク
- ライター(ターボライターがおすすめ)
- ゴミ袋(レジ袋のサイズがおすすめ)
- 剪定ばさみ
- スポンジ(墓石の清掃用)
- 新しいタオルや布(墓石の拭きあげ用)
- ほうき
- ちりとり
- 小さなタワシ(金属製のタワシは不可)
- バケツ
- 軍手(またはゴム手袋)
- 帽子(※真夏の熱中症対策)
これらの物があれば、しっかりと丁寧なお墓参りができると思います。
お墓参りの基本的なやり方
では、お墓参りの基本的なやり方を紹介します。
まずはじめに、お墓へ向かう前に1つ注意点があります。
あなたの家のお墓が【お寺の敷地内にある】という場合は、お寺に着いたらまず最初に『本堂にお参り』をしてください。
本堂の外から手を合わせるだけでもかまいません。これをせずにお墓へ直行する人がけっこう多いです。
あなたの家のお墓やお寺全体を守ってくれているのは、本堂におられるご本尊様(仏様)なので、まず最初にちゃんとご本尊様にあいさつをしましょう。
お墓が霊園やお堂(仏様)のない集合墓地などにある場合は、そのままお墓に向かってかまいません。
そして、お墓についたら、さっそく掃除を・・・始めてはいけませんよ。
まずは、お墓の前で『手を合わせる』あるいは『礼』をしましょう。それが終わってから掃除とお参りをしてください。
お墓参りの基本的な手順は、
- 墓地全体の清掃をする
- 水を供える
- 花を供える
- 供物を供える
- 灯明(=ロウソク)に火を灯して供える
- 線香を供える
- 手を合わせる
- 後片付けをする
です。
お供えの順番は前後してもかまいません。
ちなみに、②・③・④・⑤・⑥の5つのお供えは『五供(ごく)』といい、お墓参りや仏壇参りのときの【基本的なお供え】です。
ただ、あくまで基本的なものというだけですから、できる範囲で供えてかまいません。
【関連記事】:お墓参りの時にお供えする『5つの供物=五供(ごく)』の意味。
墓地全体の清掃をする
お墓の前に着いたら、墓地内と墓石を掃除します。
まずは、落ち葉などがあれば取りのぞきましょう。時期によっては雑草が生えていますので、できる範囲で雑草も取りのぞいてください。
次に、濡らした布で墓石全部をキレイに拭きます。墓石全部とは、『◯◯家之墓』と彫ってある墓石だけではなく、墓地を囲っている外柵(がいさく)石、戒名などを記すための墓誌なども含みます。
続いて、生花を供えるために花筒(=花立て)を水でしっかりと洗います。
ちなみに、洗った花筒を重ねちゃいけませんよ。重ねた花筒どうしでハマってしまうと、どんなに力を入れても取り外せなくなるんです。
もしも取り外せなくなったら、別記事の『お墓の『花立て』を重ねて取れなくなった時の対処法』を読んでみてください。
花筒を洗った後は、前回のお参りの古いお花をビニール袋などに包みゴミ箱へ捨てましょう。
次に、お線香を供えるために香炉をキレイにします。
前回のお参りで残った線香の灰をゴミ袋に入れて、乾いた布などで香炉を拭くといいでしょう。
もしも、水を使って香炉を洗うときは、しっかりと灰を洗い落としてくださいね。灰に水分が残ったままにしておくと、灰が固まってしまい、それを洗い落とすときに面倒ですよ。
水を供える
墓石の真ん中あたりにある、だ円形で少し凹んだところを『水鉢(みずばち)』といいますが、ここには水を注いでください。
おそらく、柄杓で2〜3回注ぐとあふれてしまうと思いますので、そこらへんはうまく加減しましょう。
あっ、水があふれ出てしまってもかまいませんよ。水を供えることは【施し】を意味しますので、『あふれ出るくらいたくさんの施しをした』と考えてください。
そして、お水が供えられた墓石は全体的に清められます。
ちなみに、お墓に供える水は、できるだけキレイな水を供えるように心がけましょう。その理由については『仏壇に【水】を供える意味をお坊さんが詳しく解説します。』の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。
お墓にお水を注ぐといえば「お墓参りのときに、お墓の上から水をかけてはいけない。」と言う人がいます。その理由は、『ご先祖様の頭の上から水をかけているのと同じだから』です。
お墓へ水をかけることを、『かけ水』や『打ち水』といいますが、僕もこれらはしなくてよいと思います。
でもそれは、ご先祖様の頭の上から水をかけているのと同じという理由ではなく、お墓に水をかける必要がないと考えているんです。
水は水鉢に供えればそれで十分ですよ。
そもそも、何のために墓石の上から水をかけるのでしょう?
- 墓石についた汚れを水で洗い流している
- 墓石のお清めをしている
- 何となくのイメージでしているだけ
というようなカンジでしょうか?
僕には【墓石の上からお水をかける理由】がイマイチ分からないんですよね。
僕は、
- 汚れを取り除くには【濡れた布やスポンジで拭き上げる】のが一番きれいに清掃できる。
- お清めをするなら、水鉢へ水をお供えするだけで墓石全体が十分に清められる。
- 何となくのイメージでしているだけなら、それは時間の無駄。
と思うんですよね。
特に、隣のお墓との距離が近い『霊園』の場合は、水がはねて隣のお墓を汚す可能性があります。
それで、もしトラブルが起きてしまったら大変です。大げさに言うのではありませんよ、実際にウチの寺が管理している霊園にこういう内容のクレームが来たんですから。
トラブルの原因となることは控えるべきなので、僕としては【お水を供えるときは、水鉢にお水を注ぐだけで十分。お墓の上からお水を注ぐことはしなくていい。】と考えています。
花を供える
洗った花筒(花立て)へ新しいお花を供えてください。
お花には、
- 何事にも耐え忍ぶ強い心【=忍辱(にんにく)】を象徴するもの
- あの世でご先祖様や亡きご家族が着ている【衣服】に相当するもの
- たくさんの色彩豊かなお花が咲いている【あの世の風景】を表現するもの
といったように、いろんな説があります。
仏花として供えるお花は『白菊』が一般的ですが、近年では特に制限はなく、いろんなお花を供えています。
ちなみに、お供えするお花として良いとされているものは、『蘇悉地羯羅経』に記されている、
- 蓮(はす)
- 百合(ゆり)
- 芍薬(しゃくやく)
- 梅
- 桜
- 牡丹(ぼたん)
などです。
もしも生花店にこれらのお花があれば、他のお花と混ぜてみてもいいでしょう。
でも、やはり一番は【亡きご家族が好きだったお花】を供えるのがいいでしょうね。
ただし、いくら故人が好きだったとはいえ、仏様に供えるお花は【トゲのあるお花】や【毒を持つお花】を避けるのが一般的です。要するに、仏様に危害が及ぶ可能性のある花はNGということですね。
ちなみに、僕は、トゲのある花はトゲを全部取り除いてしまえばOKだと思っています。
毒を持つ花については・・・ヤメておいた方がいいですね。
【関連記事】:お墓に供える花は【菊】が無難である理由。逆に、適さない花はどんな花?
供物を供える
墓石の前など、空いている場所には供物を供えてください。
供物として食べ物を供えることが多いですが、お墓参りが終わったら供物は必ず持ち帰ってください。
供物をそのまま置いて帰ってしまうと、カラスや猫などがそれを狙って居ついてしまい、その結果、お墓を汚してしまったり、人に危害を加えてしまうこともあるんです。特にカラスは、時期によっては攻撃的になりますので注意しなくてはなりません。
今は、ほとんどの寺や霊園で『お供物は持ち帰る』という規則があったり、注意喚起の看板が出ていたりします。
昔は、仏様へお供えした物はそのまま置いておくのが一般的でしたが、今はお供物を持ち帰ることがマナーなので注意してください。
灯明(ローソク)に火を灯す
灯明(ローソク)に火を灯して、それをお墓の脇などへ建てます。
灯明の明かりというのは、その光で闇夜の中でも道を照らしてくれます。
つまり、お墓の前でローソクに火をつけるのは《仏様に正しい道へと導いてもらうため》なのです。
それと同時に、灯明を灯すことは、私たちが「正しい道を進みます」という決意も表しています。
また、線香に火をつけるときには、この灯明の火を使うようにしましょう。
とはいえ、最近ではお墓にローソクを建てることはあまりしなくなっています。火をつけるときにヤケドをしたり、溶けたロウソクが汚く残ってしまうことがあるからですね。
あなたの墓地に、ロウソクを建てる専用の場所があるならいいのですが、そのような場所が無ければ無理をしてロウソクに火をつける必要はありません。
線香を供える
キレイに掃除した香炉へ線香を供えてください。
線香に火をつけると、線香の【香り】が出てきますが、じつは線香から出る【香り】が大事なのです。
なぜなら、あの世のご先祖様たちはこの【香り】を主に食べていらっしゃるからです。ちなみに、これを『香食(こうじき)』といいます。
そして、お香から出る【香り】は、その場所やそこにいる人々を清めるチカラもあるのです。
ですから、お墓参りには線香が欠かせないんですよね。
線香を横に寝かせて供える場合は、火のついている方の端が『お墓に向かって左側』になるようにしてください。
お線香はたくさん供え過ぎると、香皿からこぼれたり、時には火が出てしまいます。一般的な大きさの香炉の場合、市販のお線香であれば3束程度が供えられる限界かと思います。
立てる形式の香炉であれば、そのまま入る分だけお線香を立てて供えてかまいません。
お香に関する詳細は、『お線香のあげ方やマナーを場面別に詳しく紹介。お焼香の作法も合わせて紹介』の記事で解説していますので読んでみてください。
また、線香に火をつけると、風にあおられて火が出てしまい、その火をなかなか消せないことがあります。
火がなかなか消えないと、慌てて【口で息を吹きかけて】消したくなりますが、仏様へ供えるお線香やローソクの火を【息を吹きかけて消す】のはヤメましょう。
線香から火が出てしまった場合は、線香を、火がついている方を上へ向けて、地面に対して垂直に立てるように持ち、そのまま真下へ「シュッ!」っと下げるという方法で消すことができます。
線香の火の消し方については、『【超簡単!】お線香の火を消す時のコツ。1番スマートな消し方を伝授。』の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は読んでみてください。
手を合わせる
諸々のお供えが終わったら、お墓に向かって手を合わせて、ご先祖様や亡きご家族へいろいろなご報告をします。
手を合わせると、心身ともに清められるといわれています。
ご先祖様や亡きご家族を前にするときは、必ず手を合わせて自分自身を清めましょう。
【関連記事】:【お坊さんが徹底解説】合掌の意味と手を合わせるときの作法
後片付けをする
お参りが終わったら、ゴミなどを墓地に残さないようにし、寺や霊園の手桶を使っていた場合は、それを決められた場所へ戻しておきましょう。
最後に、お寺を出る前にもう一度ご本尊様に手を合わせると、さらに丁寧なお参りとして締めくくれます。
お墓参りの注意点

お墓参りの基本的な手順に続いて、その他にも、細かいことですが注意すべきことを紹介します。
お墓参りに行く時間
ときどき信者さんから「お墓参りに適した時間帯はありますか?」と聞かれます。
原則として、お墓参りに行く時期や時間には何の決まりもないので、いつお参りしてもかまいませんよ。
しかし、当然ですが【お寺や霊園の門が開いている時間内】に行くようにしてくださいね。
ごくまれに、時間外なのに「お墓参りをしたいから、少しの時間だけ門を開けてもらえませんか?」という人がいます。忙しいのかもしれませんが、ちゃんとルールを守って時間内にお墓参りをしましょう。
特に霊園の場合は、無断で時間外にお墓参りをして、そこで何かトラブルが発生しても誰も対処できません。
では、【門が開いている時間内】の場合は、どのような時間帯に行くのがよいのでしょうか。
お墓参りは午前中に行くのが望ましいです。じつは、お墓参りだけではなく、仏事は【午前中】に行うことが望ましいんですよね。
決して午後がダメというわけではありませんよ、ただ『午前中が望ましい』というだけです。
あなたは、日頃の生活で『できるだけ大事なことから優先的にとりかかる』ようにしていませんか?お墓参りも同じで、敬うべきご先祖様や亡きご家族へのご挨拶を優先しましょう、ということです。
ですから、お墓参りに行くのなら、なるべく早めの時間帯(=午前中)が理想的である、となります。
また、あの世では『食事をするのは午前中まで』というルールがあるそうです。ということは、お墓参りのときにあなたが何か食べ物(お供え物)を供えても、それが午後であれば、せっかくのお供えをすぐに召し上がってもらえません。
このようなことを考えると、やはり『お墓参りは午前中が望ましい』となるんですよね。
ただし、これはあくまで午前中に他の用事がない場合の話であり、午前中が忙しくて午後にしかお墓参りに行けなければ、あなたの都合に合わせて午後でもかまいません。
ただし、日没後など【夜のお墓参り】はダメですよ、暗くなってからのお墓参りは何かと大変ですし、なによりも『危険』です。
例えば、日没後のお墓参りは、
- 墓地や墓石の掃除をしても、どこに汚れが残っているかがわからない。
- 雑草を取り除こうにも小さな雑草がよく見えない。
- 視界が悪いので、何かにつまづいて転びやすくなる。
- 暗いと距離感が狂うので、墓石などに身体をぶつけてしまう。
- 人によっては、夜の墓地が怖い。
- 夜の墓地にいるあなたを見た他の人の方が怖がる。
というようなことが考えられます。
ですから、日が暮れたらお墓参りはやめておきましょう。
【関連記事】:お墓参りにはいつ行くべき?お墓参りをするタイミングと時間
線香の火をつけるにはターボライターがおすすめ
お墓の前で線香に火をつけようとしても、風が吹くと火が消えてしまってイライラしたことはありませんか?
特に風の強い日は、普通のライターやマッチではなかなか線香に火がつきません。
なので僕は、お墓参りで線香に火をつける時は『ターボライター』を使うといいですよ。
取り扱いには少し注意が必要ですが、ターボライターを使えば、風にも負けない強い火力で簡単に火をつけられます。
昔は、お墓の前で紙を燃やして、その火でお線香に火をつけたりもしました。しかし、これは誤ってヤケドをしてしまったり、燃やした紙が風で飛んでしまう等の危険もあるのでおすすめしません。
ホームセンターに行けば【お墓参り用のターボライター】も販売されています。手頃な値段のターボライターもたくさんあるので一度探してみてください。
ちなみに、僕が長年愛用しているライターは『【火がつかないイライラを解消】お墓参りに1番適したライターはこれだ!』の記事で紹介していますので、興味のある方は読んでみてください。
墓石に触ってヤケドをしないように注意
お盆の時期など『真夏のお墓参り』のときには、うかつに墓石に触ってヤケドをしないように注意をしてください。
真夏は、照りつける日射しで墓石が非常に熱くなっています。特に、まったく日陰もなく、風もあまり吹かないような場所にお墓がある場合は要注意です。
よくあるのは、古くなったお花を花筒から取ろうとして、体を支えるために墓石に片手をついて手のひらをヤケドする、というケースです。
僕もこのミスをしてしまい、しばらくは手が赤くなっていました。
真夏の墓石は本当にヤケドをしてしまいますので、墓石には『布の上から触れる』ようにすると安全ですよ。
【関連記事】:夏のお墓参りの注意点。暑さ対策(水分補給や服装)が特に重要!
墓石の掃除にタワシを使ってもいいの?
先日、あるテレビ番組で『お墓の掃除にタワシを使ってはいけません。ご先祖様の身体をタワシでこするようなものです。』という放送がされていました。
僕は、この放送の表現が少し不適切かなと思います。
とりあえず、墓石は【ご先祖様の身体】ではないですよ。墓石はご先祖様が宿る場所ですから、ここをまず強調しておきます。
ですから、タワシを使ってお墓の掃除をしても《ご先祖様の身体をこする》ことにはなりません。
しかし、長年にわたりタワシでこすり続けると、墓石表面の加工が落ちて傷がつき、その部分から劣化が進んでしまいます。
なので、基本的に墓石の掃除をするときにタワシは必要以上に使わないほうがイイので、なるべく【濡らした布】でキレイに拭くのがいいですよ。
そして、布ではなかなか取りきれないような部分や汚れがあれば、そこだけタワシ(金属のタワシは不可)を使ってみてください。
服装はどうすればいい?
お墓参りのときの服装ですが、特に『決められた服装』というものはありません。
ですから、日頃のお墓参りをするときには【普段着】でかまいません。
もしかすると、『仏事=喪服』というイメージがあって「お墓参りのときにも喪服を着なくちゃいけないの?」と思う人もいるかもしれません。
喪服でもかまいませんが、お墓参りは日常的な宗教行為なので、そこまでしなくても大丈夫です。
例えば、あなたはお仏壇に手を合わせるときにわざわざ喪服に着替えないですよね?
それと同じように、お墓参りも『日常的な宗教行為』なので、お葬式や法事とは違って【喪服】を着る必要はありません。
しかし、お墓はご先祖様や亡き家族を祀る場所ですから、敬意を払うという意味では、あまり派手な服装でない方が無難だと思います。
また、アクセサリーを着けているときは、墓石に当たってしまわないように注意してくださいね。墓石に当たってしまうと、墓石とアクセサリーの両方に傷が入ってしまう可能性があります。
あとは、久しぶりにお墓参りへ行くのであれば、墓地の掃除をすると思うので、普段着でも動きやすい服装の方がいいですよ。
ちなみに、夏の炎天下でお墓の掃除をする場合は、必ず帽子を着用し、日焼けを考慮した服装にしてください。
犬を一緒に連れてお参りするのはヤメておきましょう
お墓参りは、できれば家族みんなでしてほしいところです。
でも、いくら【大事な家族の一員】だとしても、『犬』を一緒に連れてお墓参りをするのはヤメた方がいいと思いますよ。
お墓というのは、各家のご先祖様達の遺骨が納められている『大事な場所』です。また、この世とあの世をつなぐ『神聖な場所』でもあります。
そこへ人間以外の動物が踏み入ることは、仏教的に好ましいことではないんですよね。
普段はどんなに利口なワンちゃんでも、動物である以上は【失敗】をしてしまうことがあります。万が一にも飼い犬が他の家の墓石に尿をかけてしまったら大問題です。
大事な家族の一員であるワンちゃんですが、お墓参りに行くときは自宅で【お留守番】をしてもらいましょう。
【関連記事】:お墓参りに犬を一緒に連れて行くのはダメ?犬を連れる時の注意点。
まとめ
お墓参りは、あの世とこの世を繋いでくれるお墓を通じて、
- ご先祖様や亡き家族との大切なコミュニケーション
- あなた自身の仏道修行
をしています。
でも、お墓参りには一応の手順はあっても、それが【絶対に正しい】ということではありません。
お墓参りのやり方は宗派や地域によっても違いますし、同じ宗派と地域であっても、その寺の住職さんの考え方によって違ったりもします。
だから、お墓参りはある程度【自由】というか【柔軟に対応した方法】でかまわないんですよね。
今回は、お墓参りの意味と手順について紹介しましたが、あくまでも【基本的なこと】だけを書きました。
この記事をご覧のあなたは、『間違いのないよう、ちゃんとお墓参りをしたい』と思っておられるはず。
それはきっと、ご先祖様や亡きご家族のことを大切にする気持ちがあるからでしょう。
あなたのその思いはちゃんとご先祖様や亡きご家族に伝わっており、きっと喜んでおられると思いますよ。
※お墓参りへ行く前にコチラの記事も読んでみてください。