お坊さん歴20年以上の未熟僧(みじゅくそう)と申します。
- お墓の『花立て』を重ねたら取れなくなっちゃった。
- なるべく傷をつけずに取る方法が知りたい。
- なぜと重ねると取れなくなっちゃうの?
「あれっ!?重ねた『花立て』が全然取れないんだけど???」
「えっ、ウソッ!?こんなに固くしっかりとハマるの???」
お墓参りでちょくちょく発生するトラブルが、この、
お墓の『花立て』を重ねたら取れなくなってしまった
というものです。
僕もコレをやってしまった経験がありますけど、ほんとビックリするほど取れませんよね。
「えっ、溶接でもしたんか!?」っていうくらいホンマに取れません。
そんな時には、
- 厚さの薄いポイントカードなどを重なっている部分に差し込む
- 外側の『花立て』だけを温める
という方法を試してみてください。
これで今までは成功しています。
この記事を読むと、
- 重ねて取れなくなった『花立て』の【取り外し方】
- 重ねた『花立て』が取れなくなってしまう【理由】
が分かります。
最後まで読んでもらえれば、取れなくなった『花立て』をすぐに取り外せますし、もし今後同じトラブルが起きたとしても、まったく慌てることなく対処できるはずです。
今回の記事ネタは【お墓参りあるある】ですから、1度読んでおいて損はないですよ。
なぜ?重ねた『花立て』が取れなくなってしまう原因

お墓参りをした時にはお花を供えます。
お花を供える前に、まずは前回のお墓参りで供えた古いお花を処分します。
そして、次に水場で『花立て』をキレイに洗います。
それから、洗った『花立て』をお墓へ持って行くわけですが、この時、もしも他に荷物があったら『花立て』を重ねて片手で持ちたくなりませんか?
でも、それはやっちゃダメですよ。
これは、お墓参りの時の注意点の1つですが、
洗った『花立て』をスポッと重ねてはいけません!
なぜなら、
うかつに『花立て』を重ねてしまうと、ビックリするくらい取れなくなってしまう
からです。
それがさらに【水に濡れている状態】だったら、いくら力を入れたところでビクともしません。
あなたもこんな【重ねた『花立て』が取れなくて困った】という経験はありませんか?
僕はありますよ、取り外すのにメチャクチャ苦労しましたからねぇ。
当時の僕はちゃんとした対処法を知らなかったので、力まかせに無理矢理やったもんだから『花立て』に傷が入っちゃったんですよね。
今でもその『花立て』を自らの【戒め】として使っています。
ということで、『花立て』を重ねてしっかりとハマってしまうと取れなくなってしまうので十分に注意をしてください。
しかし、なぜ『花立て』は重ねると取れなくなってしまうんでしょうね?
僕も取れなくなってしまった時に調べてみたんですが、どうやら、
- 重なった『花立て』の中が【真空状態】になってしまった
- 『花立て』が濡れており、水どうしが引き合っている
ことが原因のようです。
重なった『花立て』の中が【真空状態】になってしまった
あなたは『花立て』を重ねるとしたら、慎重にそ~っと重ねますか?
たぶん違いますよね、おそらく何気なしにそのままスポッと重ねちゃいますよね?
じつは、それがマズいんですよ。
勢いよくスポッと重ねてしまうと、重なった部分の空気が抜けて密着してしまうようです。
要するに、
重なった『花立て』の中が【真空状態】になる
らしいのです。
重ねた『花立て』の中が【真空状態】になってしまうと、そこだけ気圧が低くなるので、取りたい方向とは反対の方向に力が働いてしまうのです。
だから、空気が抜けてキレイにハマってしまうと、どんなに力を入れても取れなくなってしまうんですよね。
どうしても重ねたいというのであれば、ゆっくりと静かにそっと重ねるか、重なる部分に何かを挟んで空気が入るようにしてください。
でも、原則として【花立ては重ねない】ということは覚えておいてくださいね。
『花立て』が濡れており、水どうしが引き合っている
『花立て』を重ねてしまうタイミングというのは『花立て』を洗った後が多いです。
だからこそこのトラブルが起きやすいんですけどね。
あなたは、
水は、他の水と引き合う性質がある
ということを知ってますか?
1つの水滴のすぐ近くに別の水滴をたらすと、2つの水滴は引っ付いてまとまります。
これは、水どうしが引き合って1つにまとまろうとする性質があるからです。
そして、この性質は【濡れた『花立て』を重ねた時】にもその力を発揮してしまうんですよね。
『花立て』のほんの一部だけ濡れているだけならいいのですが、広い範囲が濡れていたら、それだけ水と水が引き合う面積が大きくなり、いくら引っ張っても取れません(泣)。
ちなみに、先ほど僕は【真空状態】を回避するために、「重ねたいなら、ゆっくりと静かにそっと重ねるか、重なる部分に何かを挟んで空気が入るようにしてください。」と言いました。
でも、【真空状態】の時とは違って、濡れた『花立て』は絶対に重ねてはいけませんからね。
どんなに《ゆっくりと静かにそっと》重ねても水の性質で引き合ってしまいますので本当に注意してくださいね。
お墓の『花立て』を重ねて取れなくなった時の対処法

私たち人間というのは、《わかっていてもミスをしてしまう生き物》です。
ですから、注意をしていたつもりでも、うっかり重ねてしまって『花立て』が取れなくなることもあるでしょう。
そんな時はまず、念のため『花立て』を傷つけないように布やタオルなどに包んでから、軽くトントンと叩いてみてください。
力を入れ過ぎたらダメですよ、叩く時は【軽く】ですからね。
力任せに叩いてしまうと、かつての僕みたいに傷をつけてしまいますからね。
それで取れなかった時は、
- 厚さの薄いポイントカードなどを重なっている部分へ差し込む
- 『花立て』の内側を冷やして、逆さにしてから外側を温める
という方法で対処してみてください。
僕の経験上、今のところはこの2つの方法で解決していますので試してみてください。
ただし、これから紹介する方法は、『花立て』が【ステンレス製】であることを想定しています。
テレホンカードなどを、重なっている部分へ差し込む
まず1つめは、
テレホンカードなどを、重なっている部分へ差し込む
という方法を試してみてください。
これは、重ねて【真空状態】になっているところへ、物を差し込むことによって『すき間』を作って通気してあげるわけです。
【真空状態】のところに空気が入れば、重なった『花立て』の内側と外側の気圧が同じになり、少し引っぱれば取れるようになります。
でも、金属どうしが重なっているところへ差し込むわけですから、強度が弱かったり厚いものだと上手く差し込むことができません。
ですから、この作業は《なるべく硬くて薄いモノ》を使わないとダメなんです。
そこで、誰でも手に入るような『テレホンカード』を使うのがベストかなと思います。
とはいえ、携帯電話が完全に普及している現在で、テレホンカードを持っている人は少ないかもしれません。
テレホンカードが無ければ、どこかのお店のポイントカードみたいなものでもOKです。
『花立て』の内側を冷やして、逆さにしてから外側を温める
これはお墓の前でできる方法ではないのですが、試してみる価値はありますよ。
それは、
『花立て』の内側を冷やして、逆さにしてから外側を温める
という方法です。
この方法は、金属の、
- 冷やすと縮む
- 温めると膨らむ
という性質を利用した方法です。
具体的な手順を説明しますね。
まずは最初に【氷水】と【お湯】を用意してください。
次に、重なった2つの『花立て』の、
- 内側になっている方に氷水を入れて冷やす
- しっかりと冷やしたら、氷水を捨てる
- 重なった『花立て』を逆さにひっくり返す
- 外側になっている方にお湯をゆっくりかけながら温める
- ヤケドをしないように注意しながら取り外す
というカンジです。
要するに、内側を縮めて外側を膨らませることで、重なっている部分に『すき間』を作り出すということですね。
ただ、この方法は注意しないとヤケドをする可能性がありますし、熱湯を使うと急激な温度変化で『花立て』が割れてしまうかもしれません。
また、『花立て』が【プラスチック製】だと温度変化で割れてしまう確率が上がりますので十分に注意をしてくださいね。
まとめ:『花立て』は重ねるな!取れなくなったら温めよう!
お墓の『花立て』って、洗い終わって持ち運ぶ時につい重ねてしまうんですよね。
うかつにスポッと重ねてしまうと・・・はい、もう取れません。
と、こんな苦い経験をしている人は多いです。
重ねた『花立て』が取れなくなってしまうのは、
- 重ねた中の空気が抜けて密着してしまう
- 濡れていると水どうしが引き合って密着してしまう
というのが原因です。
重なったままビクともしない『花立て』を取り外すには、
- テレホンカードなどを、重なっている部分に差し込む
- 『花立て』の内側を冷やして、逆さにしてから外側を温める
という方法がいいですよ。
密着してしまったんですから、要するに【すき間】を空けてやればいいんですよ。
だから、カードを差し込んで無理矢理に【すき間】を作るか、あるいは温まることによる膨張を利用して自然に【すき間】を作るか、どちらかの方法で【すき間】を作ってあげましょう。
取れないからといって、カンカンと強く叩きつけたら傷が入ったりヘコんでしまいますのでヤメましょう。
慌てないで、この記事の方法でチャレンジしてみてください。
まぁ、まずは、
『花立て』を重ねてはいけない
ということ意識しておいてください。
それでもうっかり重ねてしまい取れなくなったら、その時はまたこの記事を読んでください♪