- 数珠の手入れ方法(洗い方)
- 曲がった房の直し方
せっかく買った数珠は、できるだけ長期間使いたいですよね。
数珠というのは、管理方法によって寿命が大きく変わります。
管理方法が悪ければ、珠が変質したり房のヒモが折れ曲がったりして、数珠の寿命が縮んでしまいます。
お葬式や法事の直前になって「あれっ、これじゃ使えないよ。」と慌てないように、ちゃんとメンテナンスをしておきましょう。
この記事では、お坊さんの僕が【数珠の管理方法】について解説しています。
お坊さんの僕も実際にやっている方法なので、ぜひ試してみてください。
未熟僧お坊さんの僕も実際にやっている方法なので、ぜひ試してみてください。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴25年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
数珠の手入れ方法(洗い方)
数珠を使うと、汗や皮脂などの汚れが付着します。
それを放っておくと、珠や房の劣化が早く進み、数珠の寿命を縮めてしまいます。
毎日のように数珠を使うことはないと思うので、使い終わった数珠はちゃんと手入れをしておくことが大事です。
数珠の手入れの方法は、大きく分けると、
- 布で拭き取る
- 洗剤などを利用し水洗いをする
という2つがあります。
布で拭き取る
数珠に付いた汗や皮脂などの汚れを落とすには『布で拭き取る』のが基本です。
珠や房などを、全体的に、丁寧に、なるべく『数珠を使った当日』に拭き取ってください。
特に『真珠』や『珊瑚』など繊細な素材のものは、皮脂が付着したままだと変色する恐れがあるので、なるべく早めに拭き取りましょう。
数珠を拭くときは、綿など『肌触りの優しい布』を使用してくださいね。
その方が、珠を傷つけずにツヤや輝きを保てますので。
あと、拭くときも力を入れすぎず、優しく拭いてください。
数珠の汚れを拭き取るときは優しく扱う、これが数珠の寿命を延ばすコツです。
洗剤などで水洗いをする
数珠についた汚れがなかなか落ちないこともあります。
そんなときは『洗剤などで水洗いをする』という方法でもかまいません。
ただし、洗剤を使用した後は十分にすすいでください。
せっかく汚れを落としても、洗剤が残っていると、それが原因で数珠が変質してしまいます。
また、水で洗った後は、水分が残らないように十分に乾燥させましょう。
柔らかい布で数珠についた水分をしっかりと拭き取り、風通しのよい場所でよく乾燥させてください。
あっ、ドライヤーでは乾かさないでくださいね、熱で変質しますので。
というか、正直に言うと、洗剤を使って数珠を水洗いするのはあまりおすすめしません。
木製の数珠なんかは、水洗いすると変色しやすく、乾燥が不十分だとカビが生えてしまう可能性があります。
しかも、洗剤で水洗いをすると、洗剤がヒモの中まで浸透して、それが完全には洗い流せないんですよね。
できるだけ水洗いをせず『布にほんの少しだけ洗剤を含ませて、汚れた部分だけを拭き取る』という方法がよいと思います。
ちなみに、汚れが落ちないからといって『研磨剤入りの洗剤』は使わないでください。
珠の表面に細かい傷がつき、ツヤがなくなり、変色や変質しやすくなります。
曲がった房の直し方
数珠の手入れは汚れを落とすことだけではなく、数珠の房をまっすぐに保つこと、つまり【房の管理】も大事です。
僕は、どちらかというと【房の管理】の方が大事だと思っています。
数珠には必ず【房】があり、その多くは『たくさんのヒモが束ねられた形状』になっています。
房の管理状態が悪いと、ヒモが折れ曲がって変なクセがつくんですよね。
ヒモに変なクセがつくのは、数珠を使った後にヒモをまっすぐに整えないまま保管してしまうからです。



場合によっては、折れ曲がった部分のヒモが切れてしまいます。
もしも、すでに房のヒモが折れ曲がっている場合は、なるべく早い段階でまっすぐに直しておきましょう。
房のヒモをまっすぐに直すときは、蒸気を利用するといいですよ。
蒸気を利用するには、
- やかんでお湯を沸かす
- 電気ポットを再沸騰させる
- スチームアイロンの蒸気を利用する
という方法があります。
これらの方法で、曲がった部分を蒸気にあてながら優しく手で伸ばしてあげると、少しずつヒモが直線的になってきます。
蒸気に当てるときは、手をヤケドしないように注意してくださいね。
また、あまり長時間蒸気に当てすぎると、ヒモの繊維が変質してしまう可能性があるので注意しましょう。
やかんでお湯を沸かす
蒸気にヒモをあてるときは『やかん』でお湯を沸かすという方法があります。
やかんでお湯を沸かし、やかんの注ぎ口から出てくる蒸気に曲がった房を当ててください。
このとき、蒸気でヤケドをしないようにするのはもちろんですが、やかんに触れてしまったり、コンロの火があたらないように注意しましょう。
電気ポットを再沸騰させる
やかんがなければ、代わりに『電気ポット』を使う方法があります。
電気ポットには【再沸騰】の機能がついていることが多いです。
再沸騰させると吹出し口から蒸気が出てきますので、それにヒモを当てます。
このとき、出てきた蒸気でヤケドをしないように、蒸気とヒモの距離を適度にとってください。
スチームアイロンの蒸気を利用する
蒸気を出すために『スチームアイロン』を使うこともあります。
スチームアイロンには蒸気を出すスイッチがあるので、曲がった部分に蒸気をシューッと吹き付け、それから少しずつヒモを伸ばしていきます。
これを何度か繰り返すうちに房がきれいに整うんですよね。
何度も言いますが、噴き出した蒸気で手をヤケドしないように十分注意してください。
また、熱されたアイロン自体を房に当てないようにしてくださいね。
房に当てるのは、あくまで蒸気だけです。
数珠の保管方法
数珠の汚れが残ったり房が変形するのは、使った後に手入れをせず放置してしまうことが原因です。
数珠を使った後は、これから紹介する方法で管理をしてみてください。
使ったら、なるべく早く汚れや皮脂を拭き取る
まずは、基本的なことから。
数珠を使ったら、なるべく早い段階で汚れや皮脂を拭き取ってください。
衣類と同じように、拭き取るのが早いほど汚れは落ちやすく、跡にも残りません。
数珠のことは後回しにされやすく、そのまま何ヶ月も放置してしまう人が多いんですよね。
その結果、数珠の汚れが落ちにくくなり、房も変形してしまうのです。
数珠はできるだけ使った当日に手入れをするようにしてください。
房を整え、数珠袋または桐箱に入れておく
手入れをした数珠は、房を整えてからちゃんと『数珠袋』または『桐箱』に入れておくといいですよ。
ときどき、数珠をそのままタンスや棚の上に置きっぱなしにしている人がいますが、それはやめましょう。
数珠を何にも入れずにいると、数珠の素材によっては乾燥して割れ目が入ったり、逆に湿気で汚れが付着してベタついたりします。
数珠は、できるだけ個々に数珠袋や桐箱へ入れて保管をするのがベストです。
最近では、数珠と数珠袋がセットで販売されることが多いので、使用後はちゃんと数珠袋へ入れて保管しましょう。
数珠によっては、桐箱に入って販売されていることもあるので、使用後は桐箱に戻しておくといいですよ。
お坊さんの僕としては、数珠を『桐箱』に入れておくことをおすすめします。
桐箱なら湿度を自然に調整してくれて、なおかつ数珠の形が崩れる心配もありません。
ここへさらに、数珠袋や桐箱の近くに『防虫剤』とか『少量の乾燥剤』があれば最高ですね。
直射日光が当たらず風通しの良い場所で保管する
もしも数珠袋や桐箱がない場合は、数珠を直射日光が当たらず風通しの良い場所で保管するように心がけてください。
数珠は直射日光に当たり続けると劣化が進んでしまうので、必ず日陰での保管をお願いします。
数珠は湿気にも強くないので、なるべく風通しの良い場所を選んでください。
人によっては「数珠を何かに掛けて吊るしておくのがいい。」という意見もありますが、僕は反対です。
確かに、数珠を吊るしておけば常に通気性がよく、さらに房のヒモが自然に下へ垂れるので【房の変形】もありません。
しかし、数珠を吊るすと、頂点の一部分だけに負荷がかかり続け、そこが極端に弱くなって切れてしまうことがあるんです。
数珠は、ちゃんと房を整えてから、寝かせて保管をしましょう。
ヒモが編み込まれた形状の房なら管理がラクです
数珠の汚れについては、早めに拭き取ってあげればあまり問題はありません。
先ほども言いましたように、数珠の管理で大事なのは【房のヒモ】の部分なのですが、いちいち気を遣うのは面倒ですよね。
じつは、数珠には【房のヒモが丸く編み込まれた形状】のものがあり、それなら手入れが非常にラクです。
房のヒモが編み込まれていれば、ヒモが変な形に曲がったり、一部だけ切れたりすることはありません。
汚れだけに気をつければいいのです。
もしも「数珠の管理が面倒だな」と思ったら、房のヒモが編み込まれた数珠を買うのもよいと思いますよ。



僕も日頃から『房のヒモが丸く編み込まれた数珠』を使っていますよ。
まとめ
数珠を使うと、保管方法によっては汚れがついたり、房のヒモが曲がったりします。
数珠を長期間使うために、使い終わったら、早い段階で手入れをしてください。
数珠についた汚れを落とすには、
- 布で拭き取る
- 洗剤などを利用し水洗いをする
という方法があります。
また、房のヒモが曲がってしまった場合は、
- やかん
- 電気ポット
- スチームアイロン
などの蒸気にヒモを当てて、まっすぐに整えましょう。
せっかく買った数珠ですから、丁寧に管理をして長く使い続けてくださいね。
※数珠に関するいろんな質問をこちらの記事で回答しています。
※管理がラクな【房のヒモが丸く編み込まれた形状】の数珠は、こちらを参考にしてみてください。
















