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数珠

お坊さんもやっている『数珠の洗い方』と『曲がった房の直し方』を紹介

数珠の手入れ方法

お坊さん歴20年以上の未熟僧みじゅくそうと申します。

こんな人に向けて書いています
  • 汚れた数珠をキレイに洗いたい
  • 折れ曲がった数珠の房を元に戻したい

せっかく買った数珠はできるだけ長い間使いたいですよね。

しかし、管理方法によって数珠の寿命は大きく変わります。

何もメンテナンスをしなければ、珠が変質したり房のヒモが折れ曲がったりして、数珠の寿命が縮んでしまうのです。

そうならないために、この記事では『数珠の手入れ方法(洗い方)』や『曲がった房の直し方』を紹介します。

どの方法もそんなに難しくはないので、適切に管理をして、できるだけ長く使い続けてください。

未熟僧
未熟僧
お坊さんの僕も実際にやっている方法なので試してみてください。

数珠の手入れ方法(洗い方)

数珠を使うと汗や皮脂などの汚れが付着しますが、それを放っておくと珠や房の劣化が早く進み、数珠の寿命を縮めてしまいます。

使い終わった数珠はちゃんと手入れをしておきましょう。

数珠の手入れの方法は、

  • 布で拭き取る
  • 洗剤などを利用し水洗いをする

という2つがあります。

布で拭き取る

数珠に付いた汗や皮脂などの汚れを落とすには『布で拭き取る』のが基本です。

数珠を使うと汗や皮脂が付着しますが、それをそのまま放っておくと珠やヒモが変質してしまうことがあります。

特に『真珠』や『珊瑚』など繊細な素材のものは、皮脂が付着したままだと変色する恐れがあるので、なるべく早めに拭き取りましょう。

未熟僧
未熟僧
数珠を使ったその日のうちに手入れをするのが理想です。

数珠を拭くときは、綿など肌触りの優しい布を使用してください、その方が珠を傷つけずにツヤや輝きを保てますので。

そして、拭くときはあまり力を強く入れず、優しく拭くようにしてください。

数珠の汚れを拭き取るときは【優しく扱う】ということに注意をしましょう。

洗剤などで水洗いをする

数珠についた汚れがなかなか落ちないこともあります。

そんなときは『洗剤などで水洗いをする』という方法でもかまいませんが、洗剤を使用した後は十分にすすいでください。

せっかく汚れを落としても、洗剤が残っていると、それが原因で数珠が変質してしまいます。

また、水で洗った後は、水分が残らないように充分に乾燥させましょう。

柔らかい布で数珠についた水分をしっかりと拭き取り、風通しのよい場所でよく乾燥させてください。

未熟僧
未熟僧
ドライヤーで乾かさないでくださいね。熱で変質していしまいますので。

しかし、数珠の手入れをするときに洗剤を使って水洗いするのは、正直言うとあまりおすすめしません。

木製の数珠なんかは、水洗いすると変色しやすく、乾燥が不十分だとカビが生えてしまう可能性もあります。

しかも、洗剤で水洗いをすると、洗剤がヒモの中まで浸透して、それが完全には洗い流せないんですよね。

なので、なかなか取れない汚れがついたときは、できるだけ水洗いをせず、布に洗剤を含ませて、汚れた部分だけを拭き取る方がよいと思います。

ただし、なかなか汚れが落ちないからといって、研磨剤入りの洗剤を使うのは避けてください。

珠の表面に細かい傷がついてしまい、ツヤがなくなり、変色や変質しやすくなります。

曲がった房の直し方

数珠の手入れは汚れを落とすことだけではなく、数珠の房を真っすぐに保つこと、つまり【房の管理】も大事です。

未熟僧
未熟僧
僕は【房の管理】の方が大事だと思っています。

数珠には必ず『房』があり、その多くは《たくさんのヒモが束ねられた形状》になっています。

そして、数珠の管理状態が悪いとヒモが折れ曲がって変なクセがついてしまうんですよね。

ヒモに変なクセがつくのは、数珠を使った後にヒモを真っすぐ整えないまま保管してしまうからです。

ヒモを整えないまま放置すると、場合によっては曲がった部分のヒモが切れてしまうため、できるだけヒモは真っすぐに直しておきましょう。

房のヒモをまっすぐに直すときは、蒸気を利用するのがおすすめです。

曲がった部分を蒸気にあてながら優しく手で伸ばしてあげると、少しずつヒモが直線的になってきますよ。

ただし、蒸気に当てるときは手をヤケドしないように注意してください。

また、あまり長時間蒸気にあて続けると、ヒモの繊維が変質してしまう可能性があるので注意しましょう。

やかんでお湯を沸かす

蒸気にヒモをあてるときは『やかん』でお湯を沸かすという方法があります。

やかんでお湯を沸かし、注ぎ口から出てくる蒸気に曲がった房をあててください。

このとき、蒸気でヤケドをしないようにするのはもちろんですが、やかんに触れてしまったり、コンロの火があたらないように注意しましょう。

電気ポットを再沸騰させる

やかんが無いという場合は『電気ポット』を使う方法があります。

電気ポットには【再沸騰】という機能がついていることが多いです。

再沸騰させると吹出し口から蒸気が出てきますので、それにヒモをあてます。

このときはもちろん、出てきた蒸気でヤケドをしないように、蒸気とヒモの距離を適度にとってください。

スチームアイロンの蒸気を利用する

蒸気を出すために『スチームアイロン』を使うこともあります。

スチームアイロンには蒸気を出すスイッチがあるので、曲がった部分に蒸気をシューッと吹き付け、それから少しずつヒモを伸ばしていきます。

これを何度か繰り返すうちに房がきれいに整うんですよね。

でも、何度も言いますが噴き出した蒸気で手をヤケドしないように十分注意してください。

数珠の保管方法

数珠の汚れや房の変形というのは、使った後に手入れをせずに放置してしまうことで起こります。

数珠を使った後は、これから紹介する方法で管理をしてみてください。

使ったら、なるべく早く汚れや皮脂を拭き取る

まずは、基本的なことから。

数珠を使ったら、なるべく早く汚れや皮脂をふき取るようにしましょう。

衣類と同じように、拭き取るのが早いほど汚れは落ちやすく、跡にも残りません。

しかし、数珠のことは後回しにされやすく、そのまま何ヶ月も放置してしまう人が多いのです。

なので、数珠はできるだけ使った当日に手入れをするようにしてください。

房を整え、数珠袋または桐箱に入れておく

手入れをした数珠は、房を整えてからちゃんと数珠袋または桐箱に入れておくといいですよ。

ときどき、数珠をそのままタンスや棚の上に置きっぱなしにしている人がいますが、それはヤメましょう。

数珠を何にも入れずにいると、数珠の素材によっては乾燥して割れ目が入ったり、逆に湿気で汚れが付着してベタついたりします。

なので、数珠は個々に数珠袋や桐箱へ入れて保管をするのがベストです。

最近では数珠を購入すると数珠袋も一緒についてくることが多いので、使用後は数珠袋へ入れて保管しましょう。

また、数珠によっては桐箱に入って販売されていることもありますので、使用後は桐箱に戻しておいてもいいです。

ちなみに、お坊さんの僕としては数珠を『桐箱』に入れておくのがおすすめです。桐箱なら湿度を自然に調整してくれて、なおかつ数珠の形が崩れる心配もありません。

未熟僧
未熟僧
さらに数珠袋や桐箱の近くに防虫剤とか乾燥剤が置いてあれば最高ですね。

直射日光が当たらず風通しの良い場所で保管する

もしも数珠袋や桐箱がない場合は、数珠を直射日光が当たらず風通しの良い場所で保管するように心がけてください。

数珠は直射日光に当たり続けると劣化が進んでしまいますので、必ず日陰での保管をお願いします。

そして、数珠は湿気にも強くはないので、なるべく風通しの良い場所を選んでくださいね。

また、人によっては「数珠を何かに掛けて吊るしておくのがいい。」という意見もありますが、僕は反対です。

確かに、数珠を吊るしておけば常に通気性がよく、さらに房のヒモが自然に下へ垂れるので【房の変形】もありません。

しかし、数珠を吊るすと、頂点の一部分だけに負荷がかかり続け、そこが極端に弱くなって切れてしまうことがあるんです。

未熟僧
未熟僧
数珠はちゃんと房を整えてから寝かせて保管をしましょう。

ヒモが編み込んである形状の房なら管理がラクです

数珠の汚れについては、早めに拭き取ってあげればあまり問題はありません。

先ほども言いましたように、数珠の管理で大事なのは【房のヒモ】の部分なのですが、いちいち気を遣うのは面倒ですよね。

じつは、数珠の房には手入れがラクなものがあります。

それが、こちらのような【房のヒモが編み込んである形状】の数珠です。

このように、房のヒモが編み込まれていれば、ヒモが変な形に曲がったり、一部だけ切れたりすることはありません。

汚れだけに気をつけていれば大丈夫なので、管理が非常にラクですよ。

なので、僕としては、もしも新たに数珠を買うなら【房のヒモが編み込んでいる形状】のものをおすすめします。

※男性用もちゃんとありますよ。

まとめ

数珠を使い続けていると、汚れがついたり、房のヒモが曲がったりしますので、使い終わったらちゃんと手入れしてください。

数珠についた汚れを落とすには、

  • 布で拭き取る
  • 洗剤などを利用し水洗いをする

という方法があります。

また、房のヒモが曲がってしまった場合は、

  • やかん
  • 電気ポット
  • スチームアイロン

などの蒸気にヒモをあてて真っすぐに整えましょう。

せっかく買っ数珠ですから、丁寧に管理をして長い間使い続けてくださいね。