お仏壇

仏壇に【水】を供える意味をお坊さんが詳しく解説します。

この記事はこんな人に向けて書いています
  • 仏壇へ供えている水にはどういう意味があるんだろう?
  • 仏壇にはどうやって水を供えたらいいの?
  • 水じゃなくて、お茶とかジュースを供えたらダメかな?
  • そもそも仏壇には水を供えなきゃいけないものなの?

毎日のように仏壇へお水を供えていると、

「仏壇のお水って何のために供えているんだろう?」

って思いますよね?

お参りのたびにお水を供えているのに、その意味をよく知らないという人はけっこう多いです。

意味を知らずにお供えしているということは、つまり、

何となく『見よう見まね』だけでお水を供えている

ということです。

もしも、あなたのお子様やお孫さんから「ねぇ、どうしてここにお水を置いてるの?」って聞かれて何も答えられなかったら・・・恥ずかしい思いをするのではないですか?

せっかくお水を供えているんですから、ちゃんとその意味を知っておきましょう。

お水を供えることには、

  1. ご先祖様や亡き家族など、仏様たちの喉をうるおしてもらう=感謝の気持ち
  2. すべての生き物に対して【布施】をする=施しの心

という意味があります。

この記事では、水を供える『意味』や『供え方』をそれぞれ具体的にしっかりと解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

読み終わる頃にはきっと、仏壇のお水に関しては『他の人にも説明できるレベルの知識』が身についていることでしょう。

そうなれば、その後は誰から何を聞かれても答えられますし、しかも今までより【質が高いお参り】に変わっていますよ♪

仏壇に水を供える意味

まずは『仏壇に水を供える意味』を解説します。

仏壇に水を供えることの意味には、

  1. ご先祖様や亡き家族など、仏様たちの喉をうるおしてもらう=感謝の気持ち
  2. すべての生き物に対して【布施】をする=施しの心

の2つがあります。

これらの意味を分かった上で水を供えると、今までよりもずっと【質の高いお参り】に変わります。

せっかく仏壇にお参りをするんですから【質の高いお参り】でご先祖様や亡き家族を供養してあげてくださいね。

仏様たちの喉をうるおしてもらい、感謝の気持ちを伝える

まずは、仏壇に水を供える意味の1つめです。

1つめの意味はとても単純で、

ご先祖様や亡き家族など、仏様たちに喉をうるおしてもらう

という意味があります。

仏様だって喉が渇くでしょうから、水を供えて喉をうるおしていただこうということです。

  • 【※注意】後述しますが、宗派の違いやお坊さんの考え方によっては「極楽浄土には清らかで美味しく安全な水があるから、仏様は喉なんか渇かない。」と主張する人もいます。

でも、ただ喉をうるおしていただくのではなく、そこには私たちの気持ちが込められています。

それは、仏様に対する、

感謝の気持ち

です。

どちらかといえば、こちらの方が大事です。

仏様は未熟な私たちをいつでも見守ってくれて、正しい方へと導き、しかも困った時には助けてくれます。

それなのに、私たちはいつまでたっても未熟なので、仏様にはたくさん負担をかけてしまっているんです。

きっと、仏様は汗水を垂らして私たちを救ってくれていることでしょう。

そんな仏様に、お供物やお水を供えて、

  • 「いつも本当にありがとうございます。よかったらこれ、どうぞ召し上がってください。」

と『感謝の気持ち』をお伝えするわけです。

また、水には物や身体を清めるチカラがあるとされています。

神社やお寺に行くと【手水舎(ちょうずや)】で手や口を洗ってからお参りをしますよね?

あれは、神様や仏様へお参りする前に手や口を水で清めているのです。

仏壇へ水を供えることにより、

  • 「おかげさまで、今日も水を飲むことができ、身体も清めることができています。」

と、毎日お水を飲めることだけではなく、自分の身体も清められることに対する感謝の気持ちも表しているんです。

すべての生き物に対して【布施】をする

次に、仏壇に水を供える2つめの意味を解説します。

私たちは生きていくために【水】というものが必要不可欠です。

そして、水を必要不可欠としているのは私たち人間だけではなく、他の動物や植物にとっても同じです。

つまり、【水】がないと動物や植物などの生物は命を保つことができません。

ですから、【水】というものはあらゆる生物にとって、

命の源

なんですよね。

そんな『命の源』となる水を仏壇に供えることによって、仏様の喉をうるおすという目的だけではなく、

この世のすべての生き物に対して【布施=施し】をする

という意味もあるんです。

水を供えることは立派な【布施】になる、ということです。

未熟僧
未熟僧
じつは、仏壇に水を供える主な目的となるのは、この【布施】の部分なのです。

そもそも、仏壇は『お寺の本堂の代わり』をしているものです。

ですから、仏壇へ何かを供えるという行為は、お寺の本堂でお供えをすることと同じ意味になります。

それって、文句なしの【布施】なんですよね。

なぜなら、本堂で行なっていることはすべてが『修行』であり、何かを供えることも修行の1つの【布施】になるからです。

つまり、仏壇に水を供えることは立派な修行の1つの【布施】となるんです。

では、【布施】として仏壇に水を供えたら一体どんなことがあるのでしょうか?

布施をする人には【仏様のご利益】とか【仏様のチカラ】といったものが注がれるのです。

ですから、仏様のために水を供えるつもりが、じつはそれが【布施】になっていて、結果的にあなたに仏様のご利益やチカラが注がれている、ということです。

つまり、水を供えることは、じつは『あなた自身のため』でもあるわけです。

ちなみに、仏壇に関することは『仏壇の意味と役割とは?仏壇の準備からお参り方法まで丁寧に解説』で詳しく書いていますので読んでみてください。

浄土真宗の場合は水を供えなくてよい

今さらですけど、仏壇に水を供えることは【必須】というわけではありません。

そんなに窮屈に考えなくてもいいですよ。

じつは、『仏壇をお参りする時はできるだけ供えましょうね』というレベルです。

特に、

浄土真宗

の門徒(信者)さんの場合は、仏壇に水を供えなくてもいいですよ。

浄土真宗では、

  • 人が亡くなったら、すぐに阿弥陀様が極楽浄土へ連れて行ってくれる。
  • 極楽浄土では、飢えとか喉の渇きみたいな【苦しみ】というものがまったくない世界である。
  • しかも、極楽浄土には『八功徳水(はっくどくすい)』という、清らかな水が常に湧き出ている。

と考えているんです。

なので、極楽浄土にいるご先祖様や亡き家族は、喉も渇かないし清らかな水だってちゃんとある、だから水の心配はしなくてもいい、というわけですね。

つまり、浄土真宗の場合は「仏壇に水なんかいらん!」という教義なので、無理に水を供える必要はありません。

仏壇にはどうやって水を供えればいいの?

仏壇に水を供えることの意味はお分かりいただけたと思います。

では次に、『どうやって水を供えればいいか』について書いていきます。

とはいえ、仏事では『絶対にこうしなきゃダメ!』というものは無いんですよね。

なので、これから紹介する内容も、あくまで【目安】として参考にしてください。

お水を供える場所

まずは、水を供える場所について。

仏壇に水を供える場合、一般的には、

仏壇の中段

にお供えします。

でも、これは『一般的には』ということでしかありませんから、置くスペースがないようでしたら他の場所へ供えたってかまいません。

ただし、仏壇の上段には置かない方がいいです。

仏壇の上段は【仏像】や【各宗派の偉いお坊さんの掛軸】を置くための段だからです。

ということで、水を供えるのは中段以下にしましょう。

お水を入れる器は何を使えばいいの?

仏壇に供えるお水はどのような器を使えばいいのでしょう?

仏様へお水を供えるときには、基本的には【茶湯器(ちゃとうき)】を使います。

名前に【茶】という字がついていますが、べつにこれは《お茶専用の器》というわけではないです。

茶湯器にお水を入れて供えたってかまいません。

仏壇を購入したときに茶湯器を一緒に買っていたなら、ぜひそれにお水を入れて供えてください。

・・・あっ、べつに【コップ】や【グラス】を使ってもいいですよ。

故人が生前に愛用していたコップやグラスがあるなら、それを使ってお水を供えてください。

じつを言うと、仏壇にお水を供える器はべつに何だっていいんです。

大事なのは器ではなく、ちゃんと【お水】が供えられている、ということです。

【重要!】お茶やジュースではなく、なるべく『水』を供えよう

ここまで読んでくれたあなたは、もしかすると、

さっきから【水】のことばかり書いてあるけど、ひょっとして【お茶】とか【ジュース】は供えちゃダメだったの?

と思っているかもしれませんね。

まぁ、一応は大丈夫です、べつにお茶やジュースを供えてもいいですよ。

仏様の喉をうるおしてもらおうと『感謝の気持ち』を伝えるために供えてるんですから、お茶でもジュースでもダメではありません。

とくに、お茶を供える人は多いです。

さらには、水とお茶の両方を供えている人だっています。

水とお茶の両方を供える場合、水とお茶は左右どちらに供えればいいのかという質問をよく受けます。

本来は左右で考えるのではなく、『お茶は東側』『水は西側』に供えるというように方角で考えます。

仏事において東側は上位となる方角なので、より手間のかかるお茶を東側に供えるのです。

しかし、家によって仏壇の向きはさまざまなので、仏壇に向かって『お茶は右側』で『水は左側』と覚えておいてもよいでしょう。

というわけで、仏壇へ供えるのはお茶でもジュースでも大丈夫です。

大丈夫なんですけど・・・僕はできれば『水』だけを供えた方がいいと思ってます。

なぜなら、仏様へ供えるは、できるだけ【澄んだ水】でなければならないからです。

仏様に供える水のことを『閼伽水(あかみず)』または『功徳水(くどくすい)』といいます。

僕が修行をしていた時には、この閼伽水を取るために深夜の2時頃に井戸まで水をくみに行ってました。

なぜそんな時間に水をくみに行くかといいますと、深夜2時頃は一日の中で『最もキレイな水』が取れる時間帯だからです。

つまり、

仏様に供える水は、できるだけ『余計なものが入っていない澄んだ水』が望ましい

ということなんです。

余計なものが入っていない透明な水は『仏様の清らかで澄みきった徳』を象徴するものでもあるんですよね。

だから、お茶やジュースのように『余計なものが入っている』ものは、仏様へのお供えとしては適していないのです。

水道水でもかまいませんから、できるだけ【水】を供えるようにしましょう。

ちなみに、僕のいる寺では仏様へ供える水には【ウォーターサーバー】の水を使っています。

僕のいる寺は、地質のせいなのか井戸水があまりキレイではないんですよね。

間違いなく『飲み水』としては使えません。

そんな水を仏様に供えるわけにはいきません。

だから、仏様用の水には、井戸水ではなく水道水を使っていたんです。

とはいえ、僕はなんとなく『水道水』っていうところにも引っかかっていましてねぇ。

もちろん水道水でもいいんですが、仏様へ供えるものなので可能な限りキレイな水にしたいじゃないですか。

それで、ある時「あっ、そういやウチの寺にはキレイな水が出てくるウォーターサーバーがあるやんか!」って気づいて以来、ずっとウォーターサーバーの水を使うようにしています。

ウォーターサーバーはとても便利ですよ。

キレイでおいしい水がいつでも飲めて、『熱いお湯』も常に出せるようになっているので、急にお客さんが来てもすぐにお茶を出せる。

しかも、レンタルウォーターサーバーだったら空いたボトルを業者さんが持って行ってくれるので、面倒なペットボトルのゴミ出しをすることもありません。

今は【飲み水を買う】というのは当たり前の時代です。

どうせ水を買うんだったら、ウォーターサーバーを使った方がペットボトルの処分をしなくていいですし、総合的に考えても圧倒的にラクだと思いますよ。

ウォーターサーバーの水は、普段の飲み水だけでなく、仏様へ供える水など、いろんな使い方ができて便利なのでおすすめです。

【関連記事】:ウォーターサーバーの【クリクラ】を使った感想は『便利で超優秀!』です

水は毎回供えるべき?

先日、法事が終わった後に信者さんから、

毎日お仏壇にお線香をあげてるんですけど、やっぱりお水も毎日あげた方がいいんでしょうか?

と質問されました。

先ほどもチラッと言いましたが、水を供えることは【仏壇参りの基本】ではありますが【必須】というわけではありませんよ。

必須ではないんですけど、できれば毎日(あるいは毎回)お供えしてほしいなと思います。

べつに、「毎回新しいお茶を供えてくれ。」と言っているわけじゃないんです。

水でいいんですよ、水で。

水でいいんですから、それくらいの労力は惜しまないでくださいね。

仏壇に供えた水はいつ下げるの?

仏壇に水を供えるということは、どこかのタイミングで今度は水を下げなくてはいけません。

では、供えた水はいつ下げるのがいいのでしょう?

じつは、

仏様に供えたものを下げるときの決まりはない

のです。

要するに、水を下げるのはいつでもいい、ということです。

とはいえ、何らかの基準がほしいところですよね?

お坊さんの僕としては、水を下げるタイミングは、

供えてから1時間後くらい

がいいかなと思います。

もしも夏場に冷えた水を供えたとしたら、それがヌルくなっているのが1時間後くらいです。

もしも冬場に温かいお茶を供えたとしたら、それが冷めてしまっているのが1時間後くらいです。

もしも朝食の前に水を供えたとしたら、食事が終わって片付け始めるのが1時間後くらいです。

ということで、水を下げるタイミングには決まりなんてありませんが、【供えてから1時間後くらい】を目安にしてみてください。

まとめ:仏壇の水は【仏様への感謝の気持ち】と【施しの心】で供えよう

仏壇をお参りするたびにお水を取り替えるのって、毎日のことだと意外と大変ですよね?

それでも毎日お水を供えているんですから、どうせだったらその意味をちゃんと知っておきましょう。

仏壇にお水を供えるのは、

  1. 仏様たちの喉をうるおしてもらう=感謝の気持ち
  2. すべての生き物に対して【布施】をする=施しの心

という意味があります。

仏壇をお参りする時にはこの2つを意識してくださいね。

そうすれば、今までよりもグッと【質の高いお参り】になるんです。

でも、多くの人はそのことを知らないでお参りをしているので、何だかもったいないなぁと思うんですよね。

この記事を読んでくれたあなたは、もう他の大多数の人のように【ただ何となく見よう見まね】でお水を供えることはありません。

そこにどんな意味があるのかをちゃんと分かっています。

これからは、『仏壇に供える水の意味』を意識しながら【質の高い】お参りをして、より良い供養をしてくださいね。

『未熟僧ブログ』トップページを見る >