お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 法事に参列するときは何を持って行くの?
- 法事の持ち物で注意することはある?
- 恥をかかないように、法事の持ち物を確認しておきたい。
法事の日程が決まったら、遅くとも法事当日の1週間前までには【法事の持ち物】の確認をしておくことが大事です。
法事の間近になってから準備をすると、忘れ物をしたり、法事に不適切な物を持って行ってしまうことがあるんですよね。
法事の持ち物というのはある程度決まっているので、余裕を持って準備をしておきましょう。
この記事では『法事に参列するときの持ち物とマナー』について詳しく紹介しています。
最後まで読むと【法事の持ち物】が一通り分かりますので参考にしてみてください。
本記事で紹介している『法事の持ち物』の中には、
- Amazon(アマゾン)
- 楽天市場
- Yahooショッピング
で購入できる商品があります。
商品の詳細については商品画像右側の『◯◯で探す』ボタンから各Webサイトに入って確認をしてみてください。
法事に参列するときの持ち物
法事に参列するときの持ち物として、下記の一覧表にあるものを用意しておきましょう。
喪服 | ワイシャツ(白色無地) |
黒ネクタイ | 御仏前 |
袱紗 | 数珠 |
ハンカチ&ティッシュ | バッグ |
小さめの財布 | 腕時計 |
一連のネックレス | 黒スッキング(予備) |
折り畳み傘 | 扇子 |
手袋 | コート |
日焼け止め | メイク道具 |
また、法事の持ち物は、
- 色は『黒色』または『濃紺』か『濃いグレー』
- 光沢のないもの
- 派手な装飾や金具のないもの
- 模様や柄のないもの
- 毛皮や革製品ではないもの
- サイズが大きすぎないもの
というのが基本となっています。
喪服
まずは『法事に着ていくべき物』から紹介します。
法事に参列するときは、できるだけ『喪服』を着用してください。
よく「法事の場合は、喪服でなくてもよい。」と言われますが、法事には喪服を着ていくのが基本です。
法事で喪服を着るのは故人の冥福を祈る気持ちを表すためであり、それをしないということは「私はべつに故人の冥福を祈るつもりはありません。」と言ってるようなもの。
ただし、施主から「当日は平服でお越し下さい。」と言われた場合は、喪服ではなく暗くて落ち着いた色のスーツなどを着用しましょう。
また、喪服のズボンのベルトは黒色で金具が少なく光沢がないものにし、靴下は黒一色のものを着用、靴については金具がない黒色の革靴をはくのがベストです。
ただし、子どもの服装については喪服着用が必須ではないので、園服や学校の制服を着ていれば問題はありません。
【関連記事】:法事の服装で悩む人が続出!喪服と平服のどちらを着るべきか。
ワイシャツ(白色無地)
喪服の中にはワイシャツを着用しますが、ワイシャツは【白色】で【無地】のものにしてください。
法事で身に着けるものはシンプルであることが望ましいので【白以外の色】や【柄】が入っているものは控えましょう。
また、喪服を着用するときは、できるだけ肌を露出させないために『長袖』のワイシャツを着用するのがマナーとされています。
しかし、別記事の『暑いから脱ぎたい!夏のお葬式でも喪服の上着は着るべきなのか。』でも書いていますが、真夏の場合はマナーよりも体調管理を優先させて半袖のワイシャツを着てもかまいません。
黒ネクタイ
法事に参列するときは、ワイシャツやハンカチを除き、基本的にはすべて『黒色』のものを使うので、男性の場合は黒ネクタイを着用します。
ただし、法事において光沢や柄は【不要な装飾】となるため、黒ネクタイは【無光沢】で【無地】のものを使用するのがマナーです。
黒ネクタイは、紳士服店だけでなく《大手オンラインショップ》や《コンビニ》などでも購入できるので、喪服を着るときは必ず黒ネクタイをしてください。
また、喪服を着用する場合、ネクタイピンも【不要な装飾】となるため使わないように注意してください。
ネクタイを結ぶのが苦手な人はコチラを使ってみてください。
御仏前
法事に参列するときには『御仏前』を忘れないでください。
『御仏前』のように、仏事において現金を入れる袋のことを【不祝儀袋】といいます。
法事の場合、不祝儀袋の表書きをするときは『御仏前』と『御霊前』の2パターンがありますが、基本的には『御仏前』で書けば間違いはありません。
市販されている不祝儀袋であれば最初から印字されているものが多いので、そのようなものを使用しても大丈夫です。
『御仏前』の水引の下部中央にはフルネームを表書きしますが、このときには普通の黒墨色で書くようにしましょう。
お葬式のときは薄墨で書くことにより『深い悲しみ』を表しますが、法事であれば黒墨で大丈夫です。
そして、気になる御仏前の金額の相場は、
- 【親しい友人・職場関係】3千円~5千円
- 【親戚】1万円
- 【兄弟】1万円~5万円
- 【故人が親の場合】3万円~10万円
といったように【故人との関係性】によって違います。
しかし、御仏前の相場というのは地域や参列者自身の考え方によって変わりますので、上記の金額はあくまで目安です。
御仏前の中に入れる現金は、お葬式のときとは違ってできるだけ新札を使用しましょう。
また、御仏前に加えて『お供物』を持って行くケースもあります。
基本的には御仏前かお供物のどちらかを持って行けば大丈夫ですが、地域の習慣に合わせて持参するようにしてください。
お供物を持って行く場合は、なるべく日持ちのする物で、なおかつ軽くてかさばらない物を選びましょう。
しかし、お供物を持ってい行く習慣のない場合は、お供物を持って行くと施主の迷惑になることがありますので注意しましょう。
【関連記事】:不祝儀袋(御香典・御霊前・御仏前)の書き方とお札の入れ方を詳しく解説。
袱紗(ふくさ)
御仏前は、そのまま持参するのではなく『袱紗(ふくさ)』に包むのがマナーです。
御仏前を購入したときの透明なビニール袋に入れて持って行くのはマナー違反なのでヤメましょう。
袱紗に包むのは御仏前を丁寧に扱うためなので、故人や遺族に失礼とならないように袱紗を使ってください。
袱紗は、四方から包む【風呂敷タイプ(台+爪つき)】の方が、不祝儀袋の大きさに合わせて調整ができるので便利です。
一方向だけが開く【金封袱紗】もありますが、収納できる幅が決められてしまうため、少し大きな不祝儀袋だとうまく収まりませんのでご注意ください。
また、袱紗の色については『紫色』がおすすめで、法事だけではなく結婚式の御祝儀袋を包むときにも使えていいですよ。
数珠
法事で焼香をするときには、ちゃんと『数珠』を持ちましょう。
数珠には《仏様のチカラ》が宿るとされ、数珠の持ち主の体を清めてくれます。
故人を前にして焼香をするときには、数珠を持ってしっかりと自分の体を清めてから手を合わせるのが故人に対する礼儀。
数珠の貸し借りをする人もいますが、故人や数珠の持ち主に対して失礼なのでヤメましょう。
数珠はあまり高価なものを買う必要はなく、値段が【3千円~2万円】くらいの『略式念珠』であれば十分に品質の高い数珠が買えます。
数珠を買うときはスマホやパソコンを使って【大手オンラインショップ】で購入するのがおすすめです。
どんな数珠を買えばいいのか迷ったら、以下の記事を読んでみてください。
ハンカチ&ティッシュ
法事にはハンカチやティッシュを持って行きましょう。
言うまでもなく、ハンカチやティッシュは御手洗いなどで濡れた手をふくときに使いますので忘れずに持参してください。
ハンカチについては、ワイシャツと同様に【白色】で【無地】が無難です。
少しくらい白色の刺しゅうや柄が入っていても大丈夫ですが、派手で華やかものが入っているのはNGです。
また、タオル地のものはカジュアルな印象を与えてしまうのでヤメておいた方がいいですよ。
バッグ
法事に参列するときは、御仏前や数珠やハンカチなど、いろんな物を入れておくバッグが必要です。
男性の場合は、大きなバッグは持たずに『セカンドバッグ』などのコンパクトなバッグ、女性の場合は小さめの『ハンドバッグ』が適しています。
法事に持って行くバッグなので、
- 色は【黒】【グレー】【濃紺】
- 革製ではなく【布製】
- 光沢がない
- 金具や装飾が少ない
- 肩掛けではない
といったものがいいですよ。
小さめの財布
法事の持ち物は、基本的にすべて【小さな物】を持つ方がいいです。
大きな物だと、
- 荷物が周りの人のジャマになる
- 変に目立ってしまう
- 音を立ててしまいやすい
など、法事という厳粛な場には不適切です。
法事に持って行く財布も小さめの財布が望ましく、セカンドバッグやハンドバッグに入るくらいのサイズで、長財布が入らない場合は『二つ折の財布』を使用しましょう。
また、法事に持って行く財布なので、
- 色が、黒、茶、紺、グレーなど暗くて光沢のないもの
- 革製品ではないもの
- あまり金具や装飾がないもの
が無難です。
このような財布がなければ、あなたの持っている財布の中で上記の条件に1番近いものを使用してください。
腕時計
最近では、腕時計や懐中時計ではなく【スマホ】で時間の確認をする人が増えています。
しかし、法事に参列するときは腕時計を使用した方がいいですよ。
法事の最中にスマホで時間を確認すると、それを他の人が見たら【退屈だからスマホを触っている】と勘違いされる可能性があります。
ただし、法事に着けていく腕時計にも注意点があり、
- ベルトの色は黒かシルバー
- 盤面の形は、丸、長方形、正方形
- 盤面の表示はアナログ
- 盤面の色は、黒、白、シルバー
- フレームの装飾はなし
- 多機能なものはNG
というものをつけるようにしましょう。
【関連記事】:お葬式に着けていく腕時計の6つの注意点。色や形のマナーを詳しく解説
一連の真珠のネックレス
お葬式と同様に、法事でもネックレスをつけてかまいませんが、やはり一連の真珠のネックレスに限ります。
真珠の形は『涙』を連想させるものなので、アクセサリーですが法事でも使えます。
ただし、法事でつける真珠のネックレスは【一連】でなければいけません。
ネックレスには、二連、三連などもありますが、複数というのは『不幸を重ねる』ことを連想させてしまうため、法事でつけるのは一連のものに限ります。
ネックレス以外のアクセサリーは原則として着けないようにすべきですが、どうしても着けたい場合は真珠のついたイヤリングやピアスなどシンプルなものにしましょう。
黒ストッキング(予備)
女性用の喪服の多くはスカートです。
法事ではできるだけ素肌の露出を控えることが大事なので、スカートの場合は、その下に『黒ストッキング』を着用しましょう。
黒ストッキングであれば肌の色が分かりにくいので最適なんですよね。
ちなみに、黒ストッキングは【30〜60デニール】くらいのものがいいです。
30デニール未満だと肌の色が出すぎており、60デニールより濃いとカジュアルな印象を与えてしまいます。
また、ストッキングは伝線してしまうこともあるため、1つ予備を持っておきましょう。
折りたたみ傘
日本は、年間を通じて約3割が【雨の日】だという統計がありますので、できれば『折りたたみ傘』を持って行くようにしてください。
荷物が1つ増えてしまいますが、コンパクトに持ち運びができる折りたたみ傘を持って行けば安心です。
折りたたみ傘は『黒色で無地』が理想的ですが、それが無ければグレーや紺色など、できるだけ暗い色で無地のものを持って行きましょう。
扇子
法事は夏にも執り行われ、非常に暑い日もあるでしょう。
真夏の喪服はかなり暑いので、そんなときには『扇子』を使うのがおすすめです。
扇子なら、使わないときは折りたためて持ち運びにもとても便利で、しかも扇子の風というのは意外と威力があって涼しいですよ。
ただし、法事で使うものなので、できれば黒色で無地の扇子が理想的です。
手袋
夏に法事が行われるように、当然ながら冬にも法事は行われます。
冬は手が冷えますので、外にいるときには『手袋』をしましょう。
また、ネイルが気になる人も手袋をして隠しておくことができます。
ただし、法事にしていく手袋は、
- 光沢がなく黒色のもの
- 革製ではなく【布製】のもの
- ファーのついていないもの
にしてください。
手袋は、屋外にいるときには寒いので着用していてかまいませんが、原則として式場内に入ったら手袋を外すのがマナーです。
とくに、焼香をするときには必ず外すようにしてください。
コート
冬の法事は、外にいるときがとても寒いので『コート』を着て行きましょう。
そして、法事に着て行くコートにも注意点があり、
- 黒色で光沢のないもの
- 装飾や金具が少ないもの
- 毛皮のコートは厳禁
- ファーがついていないもの
- こすれたときに、音の少ない素材のもの
という点に気をつけてください。
上記のようなコートがない場合は、できるだけ暗い色で地味なデザインのコートを着て行きましょう。
コートの形状については、
- トレンチコート
- チェスターコート
- ステンカラーコート
が無難です。
【参考記事】:お葬式に着て行く『コート』の注意点。色、形、素材のマナーを詳しく紹介。
日焼け止め
法事に参列するときは『日焼け止め』を持って行くことをおすすめします。
近年では、太陽の陽射しがとても強いです。
法事の後にはみんなでお墓参りをしますが、夏は強烈な日差しが照りつけます。
また、最初からお墓の前で法事(『墓前法要』といいます)をすることもあり、当日になって初めてそれを聞かされることもあるでしょう。
そのようなケースに備えて、念のために『日焼け止め』を持って行ったほうがいいですよ。
しかし、日焼け止めクリームだと手がベタついてしまうので、サッと手軽に使える【日焼け止めミスト】がおすすめです。
メイク道具
当然のことかもしれませんが、法事のときにはちゃんと『メイク道具』を持っておきましょう。
法事というのは慎ましやかに装う場面なので、基本的にメイクは薄めにしておくべきです。
しかし、薄めのメイクとはいえ、メイクが崩れたときには直さなくてはいけません。
真夏の法事ではかなりの汗をかくでしょうから、メイク道具を持って行った方が安心です。
法事に持って行くメイク道具は、小さなバッグに入るくらいの最低限のものに抑えておきましょう。
まとめ:法事の持ち物は事前にしっかりと確認しよう
法事に参列するときは、御仏前や数珠以外にもいろいろと持ち物があります。
法事では、持ち物についてもマナーがあるので事前にしっかりと確認をすることが大事です。
法事の持ち物で注意すべき共通点は、
- 色は『黒色』あるいは『濃紺』や『濃いグレー』
- 光沢のないもの
- 派手な装飾や金具のないもの
- 模様や柄のないもの
- 毛皮や革製品ではないもの
- サイズが大きすぎないもの
を持って行く、ということです。
法事は、お葬式とは違って当日までに十分な時間がありますので、忘れ物をして親戚の前で恥をかかないよう、本記事をご参考にしっかりと『法事の持ち物』の確認をしてくださいね。