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法事の疑問

法事で食事をしない時は、持ち帰り用のお弁当を渡すのがベスト!

法事の食事は持ち帰り用のお弁当でOK!というテキストの背景にある折詰弁当

お坊さん歴20年以上の未熟僧みじゅくそうと申します。

こんな人に向けて書いています
  • 法事の食事はしないで、お弁当を渡しちゃっていいよね?
  • お弁当はどんなものを用意すればいいんだろう?
  • 法事で渡すお弁当の【値段の相場】を知りたい。

最近は【法事の食事をしない】という人が増えています。

施主としても法事の食事がなければ非常にラクですから、そのような人が増えるのは当然ですし、法事は《法要だけ》でもまったく問題ありません。

とはいえ、ただ単に『法事の食事はしない』というわけにはいけません。

法事の食事をしない場合、参列者には持ち帰り用の『お弁当』を渡すようにしましょう。

この記事では、

  • 法事の食事をせずにお弁当を渡すことの正当性
  • 参列者へ渡すお弁当の選び方

について書いています。

法事の後に渡す『お弁当』の疑問や悩みが解消されますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

法事の食事をしないケースが急増中!

両手でバツをする喪服を着た女性

施主にとって【法事の食事】というのはけっこう大変で、正直なところ面倒なものです。

法事で食事をするとなれば、

  1. 事前に必ず出欠の連絡をしてもらい、食事をする人数を確認する。
  2. 食事の場所を選んで予約をする。
  3. 料理の内容をよく見て、財布と相談しながら注文をする。
  4. 参列者みんなに【食事の場所】を正確に伝え、予約時間にはちゃんと始められるようにする。
  5. 食事の前の挨拶をする(事前に言う事を考えておく必要あり)。
  6. 参列者みんなにお酌をしながら挨拶をして回る。
  7. みんなが予想以上に飲み物を頼んでしまい、予算オーバーで気分が萎える。

これらのことをしなきゃいけません。

そのせいか、最近では法事の食事をしないというケースが急増しています。

これは、ここ数年で【身内だけで法事をする】という人が増えたことも影響しているのでしょう。

少し前までは、法事のときには多くの親戚を招いて必ず食事をしており、それをしないと親戚から文句を言われたんですよね。

ところが、新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、多くの人が【身内だけ】で法事をするようになり、その結果【かしこまった食事の席】を設ける必要もなくなりました。

法事の食事がなければ、金銭面・精神面・体力面でかなり負担が減るので施主にとってはメリットだらけです。

だから、みんな「ここがチャンス!」とばかりに、どんどん法事の後の食事をヤメてしまいました。

【関連記事】:法事は身内だけでやりたい!親戚を呼ばないで法事をするときの注意点

法事の食事をしない時は『お弁当』を渡す

折詰二段弁当

法事の食事をしなくなるのは時代の流れですから、無理に食事の席を設ける必要はありません。

ただ、そうはいっても「食事はしません。」と参列者に伝えるだけではいけません。

法事の食事をしないときは『お弁当』を渡すようにしましょう。

以前であれば、法事には食事がつきもので、施主は参列者に食事をふるまうことで【感謝の気持ち】を伝えていました。

ですから、ただ食事を無くしてしまうだけでは参列者に対して失礼となるため、それなりに《食事の代わりになるもの》が必要になります。

そこで、食事をふるまう代わりに【お弁当を渡す】ことで感謝の気持ちを伝えるようになりました。

そして、法事の食事をしない場合は、もう1つ大事なことがあります。

お弁当を渡すときには『返礼品』も一緒に渡すようにしてください。

たまに「お弁当を渡すんだから返礼品はいらないでしょ?」という人がいますが、それは違います。

お弁当は【法事の食事の代わり】ですが、『返礼品』には別の意味があります。

法事に参列する人は必ず【御仏前】を持参しますが、施主は【御仏前】を頂いたことへの御礼として『返礼品』を渡します。

ですから、法事の食事の有無に関係なく、法事に参列してくれた人には『返礼品』を渡すのが礼儀です。

ちなみに、『返礼品』は、

  • サイズが小さいもの(30㎝四方以内)
  • 重量の軽いもの(1kg以内)
  • 残らないもの(お茶・食べ物・調味料など)

などを選ぶと、参列者に余計な負担をかけないのでイイですよ。

ということで、法事の後の食事をしない場合は、

  1. 参列者には『お弁当』を渡す
  2. 必ず『返礼品』も一緒に渡す

というのがベストな対応です。

法事のお弁当の選び方

右斜め上を向いて考える白いセーターを着た中年男性

法事の後の食事はしないと決め、ちゃんと返礼品も用意することになったら、次は【どんなお弁当を渡すのか】を考えます。

法事の食事の代わりに渡すお弁当ですから、参列者に失礼とならないようなものを選びましょう。

懐石料理の『折詰弁当』を用意する

お弁当といえば、海苔弁当、から揚げ弁当、幕の内弁当あたりが人気ですよね。

しかし、これらのような人気のあるお弁当でも、法事のときに渡すお弁当としては不適切です。

法事の後の料理としては『懐石料理』が最も多いので、参列者へ渡すお弁当も《懐石料理と同じような内容》というのが基本です。

となると、お弁当は懐石料理の『折詰弁当』が適しています。

懐石料理の『折詰弁当』の手配は【仕出し弁当を提供している料理業者】に注文すれば、あなたの指定した時間に届けてくれますし、お弁当の内容もしっかりしているので、参列者に対して《十分に丁寧なお弁当》を渡すことができますよ。

お弁当に使われている食材に注意

折詰弁当といっても料理の食材にはいろんなものが使われています。

この記事は【法事】で渡すお弁当がテーマなので、法事に適したお弁当にするための注意点について書いていきます。

精進料理にする必要はない

法事というのは、言うまでもなく【仏事】です。

そして、【仏事】における食事というのは基本的に『精進料理しょうじんりょうり』です。

『精進料理』とは、肉や魚などの食材、動物性の調味料を一切使用しない料理のことで、これは仏教の『不殺生(生き物を殺してはいけない)』という教えに順じたものです。

とはいえ、法事の食事は無理に『精進料理』にする必要はないですよ。

もちろん、本来なら『精進料理』が理想的ですが、それだと内容がどうしても貧相というか物足りません。

施主としては参列者に満足してもらえるような料理を出したいので、昔のように法事の食事で『精進料理』を出す人なんて今はほぼいません。

ですから、法事のお弁当は『精進料理』ではなく参列者に喜んでもらえるような内容のものを渡して大丈夫です。

できるだけ【長持ち】する食材を選ぶ

お弁当を持って帰ってもらうということは、お弁当に使われている食材が【傷みにくいもの】でなければいけません。

参列者の中には、遠くから来ている人もいるでしょうから、そのあたりの配慮は必要です。

ですから、お弁当の内容はできるだけ長持ちする食材を選ぶようにしましょう。

別の言い方をすれば、できるだけ【生もの】を減らすということでもあります。

お刺身やお寿司などは懐石料理に欠かせないものですが、お弁当の場合は避けた方が無難です。

最近では技術が進んでいるため長時間の保存も可能ですが、それでも季節によっては心配なので、【生もの】を完全に無くすことはできなくても、なるべく量を減らすように心がけてください。

『祝い』の要素が強い食材は避ける

次に、法事のお弁当の食材にはもう1つ注意点があります。

それは、『祝い』の要素が強い食材は避けるということです。

法事というのは《亡くなった人の供養》の場なので、【お祝い】の要素は無い方がいいんですよね。

なので、「お弁当が貧相だと失礼になるから」といって、

  • 伊勢海老
  • 金箔入りのもの
  • 紅白の組み合わせのもの

などの『祝い』の要素が強い食材を選ぶのはヤメておきましょう。

とはいえ、べつにお葬式ではないですから、そこまで気にしなくていいのかもしれませんけど、マナーにうるさい親戚とかに後から文句を言われると面倒なので、気をつけておいた方が無難です。

お弁当の値段の相場

参列者へ渡すお弁当ですが、お弁当の値段の相場が気になりますよね。

法事のときに渡す折詰弁当の相場は、

4,000円~7,000円(税込み)

くらいです。

僕の経験上、この金額以下だと明らかに【もの足りない】ですし、逆にこれ以上だと【豪華すぎて恐縮させる】ことになってしまうんですよね。

なので、折詰弁当を選ぶ際には、上記金額の範囲内で注文するようにしましょう。

法事で渡すお弁当は【洋食】でもよい

法事の食事というのは懐石料理などの『和食』が基本です。

しかし、和食より『洋食』が好きな人もいますが、参列者に渡すお弁当は『洋食』ではダメなのでしょうか?

僕は、法事で渡すお弁当は【洋食】でもよいと思います。

先ほども言いましたように、法事で渡す『お弁当』には【参列者への振る舞い】の意味があるので、参列者に喜んでもらえるものを優先するべきです。

そして、最近では法事の食事として精進料理が選ばれることはありません。

だとすれば、べつに『和食』にこだわる必要がないんですよね。

参列者に喜んでもらえるお弁当を渡すことが大事なんですから、場合によっては『洋食』であってもかまいません。

実際に、今まで僕が施主様からいただいたお弁当の中にも『洋食』の品がたくさん入っていましたので、いっそのこと全部『洋食』だっていいはず。

日本の食文化が変わってきているのですから、法事のお弁当の内容も変えなきゃいけません。

ということで、法事のお弁当は『和食』でも『洋食』でも、そのあたりは柔軟に考えて選んでOKですよ。

まとめ:法事の食事をしないなら【折詰弁当】を渡しましょう

最近では、法事の後の食事をせず、代わりに『折詰弁当』を渡すという人が増えています。

折詰弁当の内容を選ぶ際には、

  • 長持ちする食材を使う
  • 祝いの要素が強い食材は避ける

という配慮を忘れないようにしてください。

また、折詰弁当の価格としては、

4,000円~7,000円(税込)

が相場で、料理の内容もこれくらいの価格帯が丁度よいです。

今後はきっと、法事のときに『参列者みんなで集まって食事をする』という慣習は無くなっていくでしょう。

しかし、法事にふさわしい内容と量の折詰弁当を用意して、ちゃんと返礼品も一緒に渡していれば、参列者から文句を言われることもありません。

法事の食事をしたくない場合は、堂々と折詰弁当を渡してあげてください。

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