- 法事でお弁当を渡すことの正当性
- 参列者へ渡すお弁当の選び方
最近は「法事の食事をしない」という人が増えています。
施主としても法事の食事がなければ非常にラクですから、そのような人が増えるのは当然です。
法事は、食事をせず法要だけでもまったく問題ありません。
とはいえ、ただ単に『法事の食事はしない』というわけにはいけませんよ。
法事の食事をしない場合、参列者には持ち帰り用の『お弁当』を渡すようにしましょう。
この記事を最後まで読めば、参列者に渡す『お弁当』の疑問が解消されますので、ぜひチェックしてみてください。
未熟僧少し気楽に法事ができるようになりますよ。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴25年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
法事の食事をしないケースが急増中!
施主にとって【法事の食事】というのはけっこう大変で、正直なところ面倒なものです。
法事で食事をするとなれば、
- 事前に必ず出欠の連絡をしてもらい、食事をする人数を確認する。
- 食事の場所を選んで予約をする。
- 料理の内容をよく見て、財布と相談しながら注文をする。
- 参列者みんなに【食事の場所】を正確に伝え、予約時間にはちゃんと始められるようにする。
- 食事の前の挨拶をする(事前に言う事を考えておく必要あり)。
- 参列者みんなにお酌をしながら挨拶をして回る。
- みんなが予想以上に飲み物を頼んでしまい、予算オーバーで気分が萎える。
これらのことをしなきゃいけません。
そのせいか、最近では法事の食事をしない人が急増しています。
これは、ここ数年で【身内だけで法事をする】という人が増えたことも影響しているのでしょう。
少し前までは、法事のときには多くの親戚を招いて必ず食事をしていました。



食事をしないと親戚から文句を言われたんですよね。
ところが、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、身内だけで法事をするようになり、結果としてた食事の席を設ける必要もなくなりました。
法事の食事がなければ、金銭面・精神面・体力面の負担が大幅に減るので施主にとってはメリットだらけです。
だから、みんな「ここがチャンス!」とばかりに、どんどん法事の後の食事をしなくなりました。
ちなみに、僕がいる寺では、以前は『70%』の人が食事をしていましたが、最近では『30%』くらいに減りました。
これは、参列者の人数が減ったこともありますが、それ以上に、法事の食事は【施主の負担】が大きいということですね。
法事の食事をしないときは『お弁当』と『返礼品』を渡す
法事の食事をしなくなるのは時代の流れですから、無理に食事の席を設ける必要はありません。
そうはいっても、ただ「食事はしません。」と参列者に伝えるだけではだめです。
法事の食事をしないときは『お弁当』を渡すようにしましょう。
以前であれば、施主は食事をふるまうことで、参列者に対して感謝の気持ちを伝えていました。
ですから、ただ食事を無くしてしまうだけでは参列者に対して失礼となるため、食事の代わりになるものが必要となります。



そこで、食事の代わりに『お弁当』を渡すことで感謝の気持ちを伝えるのです。
そして、法事の食事をしない場合は、もう1つ大事なことがあります。
お弁当を渡すときには『返礼品』も一緒に渡すようにしてください。
たまに「お弁当を渡すんだから返礼品はいらないでしょ?」という人がいますが、それは違います。
お弁当は【食事の代わり】ですが、『返礼品』には別の意味があります。
法事に参列する人は、必ず御仏前を持参しますよね。
施主は、御仏前を頂いたことへの御礼として『返礼品』を渡します。
法事の食事の有無に関係なく、法事に参列してくれた人には『返礼品』を渡すのが礼儀です。
ちなみに、『返礼品』は、
- サイズが小さいもの(30㎝四方以内)
- 重量の軽いもの(1kg以内)
- 残らないもの(お茶・食べ物・調味料など)
などを選ぶと、参列者に余計な負担をかけないのでいいですよ。
法事の食事をしない場合は、
- 参列者には『お弁当』を渡す
- 必ず『返礼品』も一緒に渡す
というのがベストな対応なので、今後はこれでやってみてください。
法事のお弁当の選び方
法事の食事はしないと決め、ちゃんと返礼品も用意することになったら、次は【どんなお弁当を渡すのか】を考えます。
法事の食事の代わりに渡すお弁当ですから、参列者へ失礼にならないものを選びましょう。
懐石料理の『折詰弁当』を用意する
お弁当といえば、海苔弁当、から揚げ弁当、幕の内弁当あたりが人気ですよね。
しかし、これらのような人気のあるお弁当でも、法事のときに渡すお弁当としては不適切です。
法事の後の料理としては『懐石料理』が最も多いので、参列者へ渡すお弁当も【懐石料理と同じような内容】というのが基本です。
となると、参列者へ渡すお弁当には、懐石料理の『折詰弁当』が適しています。
懐石料理の『折詰弁当』の手配は【仕出し弁当を提供している料理業者】に注文すれば、あなたの指定した日時に届けてくれます。
お弁当の内容もしっかりしているので、参列者に対して十分に丁寧なお弁当を渡すことができますよ。
お弁当に使われている食材に注意
折詰弁当といっても料理の食材にはいろんなものが使われています。
この記事は【法事】で渡すお弁当がテーマなので、『法事に適したお弁当』にするための注意点を書いていきます。
精進料理にする必要はない
法事というのは、言うまでもなく【仏事】です。
仏事における食事は基本的に『精進料理(しょうじんりょうり)』となります。
『精進料理』とは、肉や魚などの食材、動物性の調味料を一切使用しない料理のことです。
これは仏教の『不殺生(生き物を殺してはいけない)』という教えに順じたものです。



とはいえ、法事の食事は無理に『精進料理』にする必要はありませんよ。
本来なら『精進料理』が理想的ですが、それだと内容がどうしても貧相というか物足りません。
施主としては参列者に満足してもらえるような料理を出したいので、昔のように法事の食事で『精進料理』を出す人なんて今はほぼいません。
法事のお弁当は『精進料理』ではなく、参列者に喜んでもらえるような内容のものを渡してください。
できるだけ【長持ち】する食材を選ぶ
お弁当を持って帰ってもらうということは、お弁当に使われている食材が【傷みにくいもの】でなければいけません。
参列者の中には、遠くから来ている人もいるでしょうから、そのあたりの配慮は必要です。
ですから、お弁当の内容はできるだけ『長持ちする食材』を選ぶようにしましょう。
別の言い方をすれば、できるだけ『生ものを減らす』ということでもあります。
お刺身やお寿司などは懐石料理に欠かせないものですが、お弁当の場合は避けた方が無難です。
最近では技術が進んでいるため長時間の保存も可能ですが、それでも季節によっては心配なので、生ものの量を減らすように心がけてください。
『祝い』の要素が強い食材は避ける
次に、法事のお弁当の食材にはもう1つ注意点があります。
それは、『祝い』の要素が強い食材は避けるということです。
法事というのは、亡くなった人の供養の場なので、お祝いの要素はあまり無い方がいいんですよね。
なので、「お弁当が貧相だと失礼になるから」といって、
- 鯛
- 伊勢海老
- 金箔入りのもの
- 紅白の組み合わせのもの
などの『祝い』の要素が強い食材を選ぶのは避けておきましょう。
べつにお葬式ではないので、そこまで気にしなくていいのかもしれませんが、マナーにうるさい親戚から文句を言われると面倒なので、気をつけておいた方が無難です。
お弁当の値段の相場
参列者へ渡すお弁当ですが『お弁当の値段の相場』が気になりますよね。
法事のときに渡す折詰弁当の相場は【4千円~7千円(税込)】程度です。
僕の経験上、この金額以下だと明らかに物足りず、逆にこれ以上だと豪華すぎて参列者を恐縮させてしまいます。
折詰弁当を選ぶ際には【4千円~7千円(税込)】程度の範囲内で注文するのがベストです。
法事で渡すお弁当は『洋食』でもよい
法事の食事というのは懐石料理などの『和食』が基本です。
しかし、和食より『洋食』が好きな人もいますよね。
僕は法事で渡すお弁当は『洋食』でもよいと思います。
最近では、法事の食事として精進料理が選ばれることはほぼありませんから、べつに『和食』にこだわる必要もないんですよね。
法事で渡す『お弁当』には【参列者への振る舞い】の意味があるので、参列者に喜んでもらえるものを優先するべきです。
実際に、今まで僕が施主様からいただいたお弁当の中にも『洋食』の品がたくさん入っていました。



ならば、いっそのこと全部『洋食』でもいいじゃないですか。
日本の食文化が変わってきているのですから、法事のお弁当の内容も変えなきゃいけません。
法事のお弁当は『和食』でも『洋食』でも、そのあたりは柔軟に考えてください。
洋食好きの参列者が多いなら『洋食』のお弁当を渡してあげましょう。
まとめ:法事の食事をしないなら『折詰弁当』を渡しましょう
最近では、法事の後の食事をせず、代わりに『折詰弁当』を渡してもかまいません。
折詰弁当の内容を選ぶ際には、
- 長持ちする食材を使う
- 祝いの要素が強い食材は避ける
という配慮を忘れないようにしてください。
また、折詰弁当の価格としては、【4千円~7千円(税込)】程度が相場で、料理の内容もこれくらいの価格帯がベストです。
今後はきっと、法事のときに『参列者みんなで集まって食事をする』という慣習は無くなっていくでしょう。
しかし、法事にふさわしい内容と量の折詰弁当を用意して、ちゃんと返礼品も一緒に渡していれば、参列者から文句を言われることもありません。
法事の食事をしない場合は、堂々と折詰弁当を渡しましょう。
※施主となる人はこちらの記事もご覧ください。









