お墓

塔婆(卒塔婆)って何なの?塔婆の意味と必要性を説明します

この記事は、

要するにコレ!
  • 塔婆にはどのような意味があるのか
  • なぜ塔婆を建てるのか

ついて書いています。

あなたは『塔婆(とうば)』というものをご存じですか?

お墓の後ろに建ててあって、木の板に何かの字が書いてあるヤツですよ。

思い出しましたか?

そうです、風が吹くとカタカタと鳴ってうるさいヤツ、そう、それ!

塔婆って法事とかお盆供養のたびに新しいものを建てていますよね?

何となく【法要の時には建てるもの】として認識している人が多いのですが、塔婆を毎回建てるのにはちゃんと意味があるんです。

じつは、塔婆にはものすごいチカラがあります。

というか、塔婆を建てると、とても『お得』です!

この記事には塔婆の申し込み手順についても書いていますので、近いうちに法事をする予定がある方は、ぜひ一度ご覧いただくことをおすすめします。

塔婆(卒塔婆)って何?

『塔婆(とうば)』とは、ご先祖様や故人を供養する時に建てる【木製の長い板】のことです。

正式には『卒塔婆(そとうば・そとば)』といいます。

塔婆は、法事やお盆供養の時などに建てることが多いんですけど、特に【◯◯の時に建てなさい】という決まりはないので、いつでも建ててかまいません。

また、塔婆は、法要の代表者である施主だけでなく、参列者の誰でも建てることができますので、できるだけ多くの方々に建てていただきたいなと思います。

塔婆の長さについてはいろいろありますが、だいたい《120cm~180cm》くらいが一般的なサイズですね。

霊園などでは、お墓へ建てる塔婆の長さに制限を設けているところもありますので、法事などで塔婆を建てる場合は事前に確認をしておく方がよいでしょう。

塔婆の起源と意味

塔婆とは、お釈迦(しゃか)様の遺骨を納めた土饅頭のお墓である『ストゥーパ』が起源だといわれています。

塔婆の正式名称である『卒塔婆(そとうば)』の語源は、この『ストゥーパ』です。

『ストゥーパ』は『仏塔』とよばれ、『仏塔』はやがて『五重塔』に形が変わります。

あなたも『五重塔』と聞けば何となく形をイメージしやすくなりますよね?

さらに『五重塔』をもとに『五輪塔』が造られました。

『五輪塔』は、最近ではあまり見かけなくなりましたが、昔ながらのお墓の形です。

五輪塔の形は、【五輪】といわれるように『5段構成』で造られており、一つ一つに意味があります。

それぞれの意味は、以下のとおり、

  1. 【最上段】の宝珠形の部分は『空』
  2. 【4段目】の半円形の部分は『風』
  3. 【3段目】の三角形の部分は『火』
  4. 【2段目】の円形の部分は『水』
  5. 【最下段】の四角形の部分は『地』

となっており、これらの5つは、

『全宇宙を構成している5つの要素』

として考えられています。

ちょっと塔婆の形を思い出してみてください。

塔婆にはいくつかの【切り込み】が入っています。

塔婆はこの【切り込み】を入れることによって『五輪塔』に形を似せているのです。

五輪塔は、ぼく達がいつも見ている【お墓】の原形でもあります。

つまり、

【塔婆】を建てるのは【お墓】を建てることと同じ

意味があるのです!

先ほどからぼくが、塔婆を『立てる』と書かず『建てる』と書いているのはこれが理由だからです。

なぜ塔婆を建てるの?

塔婆の意味はおわかりいただけましたか?

じゃあ、次に【なぜ塔婆を建てるのか?】という理由が気になりませんか?

ぼくは、塔婆を建てる理由は2つあると思うんですよね。

それは、

  1. 塔婆を建てることで『最高級の供養』になるから
  2. 塔婆が『故人に宛てた手紙』の役割をするから

という理由です。

塔婆を建てることは最高級の供養

まず、一つ目の理由から。

法事やお盆の時に塔婆を建てるのは、ご先祖様や故人を供養するためです。

でも、それだけじゃないです。

亡くなった人たちを偲び、心を込めて供養するという行為は、仏教の考え方において、

【善行】=良い行いをすること

になるんですね。

それで、善行をした人は、

福徳(功徳)が得られる

といわれています。

つまり、

亡くなった人たちを供養すると、供養する側の私たちにも同じように【仏様のお力やご利益】が注がれるよ!

というわけ。

だから、あなたが供養をすればするほど、あなた自身にも【お得なこと】があるんです。

じゃあ、亡くなった人たちに対してどんな供養をすればいいんでしょう?

一番いい供養は、『お墓を建てる』ということです。

供養にはいろんな種類がありますが、その中でも、

『お墓を建てる』ことが【最高級】の供養

になるんです。

ということは、ですよ。

『お墓を建てる』ことによって、

お墓を建てた人へ注がれる《仏様のお力やご利益》だって【最高級】になる

わけです。

はい、ここで【塔婆】に話が戻りますよ。

先ほど、『塔婆を建てることは、お墓を建てることと同じ』と説明しましたよね。

つまり、

塔婆を建てることは、故人に【最高級の供養】をすること

という意味になるのです。

そうすると必然的に、塔婆を建てた人にも【最高級の仏様のお力やご利益】が注がれる、ということになるんです!

すごいですよね、塔婆を建てることで、

【亡くなった人たち】と【塔婆を建てた人】がお互いに最高級のメリットを得られる

のですから。

だから、法要の時には、できるだけ塔婆を建てた方がいいと思うんですよね。

故人に宛てた手紙の役割もある

塔婆を建てるもう一つの理由を説明します。

塔婆は、

『故人に宛てた手紙』の役割をする

といわれています。

亡くなった人は、仏様の世界(=あの世)でいろんな修行を続けておられます。

そんなあの世の故人に向けて、塔婆という形でこの世から『手紙=メッセージ』を送ることができるんです。

塔婆って、わかりづらいですが表面と裏面がちゃんとあるんです。

表面には、【仏様を表す文字】や【故人の戒名】、そして【◯◯回忌】などの法要内容が書かれています。

裏面には、同じく【仏様を表す文字】、そして【塔婆を建てた日付】や【塔婆の建立者名】が書いてあります。

それで、塔婆の、

  • 【表の面】:手紙の『宛名』と『本文』
  • 【裏の面】:手紙の『差出人』と『書いた日付』

に相当しているんです。

塔婆を建てて、あの世の故人に向けて、

「今日はみんなで◯◯回忌の法要をしましたよ。そちらでの修行はどうですか?いつも見守ってくれてありがとうございます。」

と手紙を出すのです。

あの世で修行を続けている故人は、あなたや他の家族、または親戚や知人達からの手紙を受け取ります。

きっと、故人は喜ぶと思いますよ、修行の励みになるにちがいありません。

ちなみに、浄土真宗では塔婆を建てることをしていません。

浄土真宗には、【阿弥陀様がすべて救ってくださる】という『他力本願』という考え方により、そもそも《仏道の修行をしている故人を供養する》という発想自体がありません。

ですから、当然ながら塔婆の供養をすることもないのです。

塔婆の申し込み手順は?

塔婆を建てるにはどうすればよいのでしょう。

塔婆を建てる時の手順を簡単に紹介しておきますね。

当たり前ですけど、塔婆は【寺】または【霊園】に申し込みをします。

塔婆は以下の手順で申し込んでください。

  1. 位牌に書いている内容を確認し、戒名などをメモしておく
  2. 霊園で建てられる塔婆の長さを確認する〈※霊園にお墓がある場合〉
  3. 寺で用意してもらえる塔婆の長さを確認する〈※霊園にお墓がある場合〉
  4. 申し込みをする時に、【塔婆を建てたい日】を伝える
  5. 塔婆の申込書へ、位牌のメモを見て戒名などを記入する
  6. 塔婆を建てる人の名前(漢字や読みがな)を正確に伝える(=申込書へ記入する)
  7. どんなに遅くても、法要の1週間前までに申し込む〈※法要当日に申し込むなんて言語道断!〉
  8. できる限り電話での申し込みはしない
  9. 塔婆料の相場は、2,000~5,000円程度

ザッとですが、流れはこんな具合です。

塔婆には、【◯◯家先祖代々】あるいは故人の【戒名】など、誰にどのような供養をしたのかが書かれています。

申し込みをする前には、塔婆に書き入れる戒名を、位牌を見てメモするなどして、あらかじめ確認をしておいてください。

また、霊園にお墓がある人は【塔婆の長さ】にも注意ですよ。

多くの霊園では、建てられる塔婆の長さを制限していますから。

まず霊園で建てられる長さを確認し、それから、付き合いのある寺には[その長さの塔婆でも問題なく申し込めるのか]を確認してください。

寺の敷地内にあるお墓へ塔婆を建てるという人は、わざわざ塔婆の長さの確認をする必要はありません。

寺ごとで決められた塔婆しか建てられませんのでね。

塔婆料の相場は、1つにつき、だいたい2,000円〜5,000円くらいだと思います。

霊園などでは、塔婆の【お焚き上げ料=焼却供養料】も一緒に支払うところが多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

お焚き上げ料は、塔婆1つにつき300〜500円程度必要となるのが一般的です。

それでは、申し込みを進めていきます。

寺あるいは霊園へ、まずは、いつ塔婆を建てたいのか(=塔婆に書き入れる日づけ)を必ず伝えてください。

次に、位牌のメモを見ながら、塔婆の申込書に戒名などを記入します。※ほとんどの寺や霊園では、塔婆の申込書があると思います。

そして、申し込みをする際には、塔婆を建てる人の名前を正確に伝えて(記入して)ください。

この時に、できれば名前の読み方も伝えましょうね。

人の名前ってけっこう厄介なんですよね。

「えっ?この漢字でそう読むの?」みたいな名前の人、あなたの周りにもいませんか?

塔婆の申し込みは、電話ではなく【書面で伝える】ことを強くオススメします。

というか、お坊さんの立場としては、是非とも書面での申し込みをお願いしたいのです。

書面でないと字の間違いがおこりやすくて本当に困るんですよ。

大切な塔婆に間違いがあると嫌じゃないですか、施主も寺もお互いにね。

なので、寺や霊園によってはメールでも申し込みを受け付けるところもあります。

できるだけ、電話での申し込みはしないでください。

最後に、これも重要なところですが、塔婆の申し込みは、

どんなに遅くても法要の1週間前

までに済ませてください。

ほんと、これだけはちゃんと守って!

塔婆は、木の板に墨で書き入れます。

墨の種類によっては、しばらく乾燥させておかないと、書いた文字が雨に濡れてツーっと流れてしまうことがあるんですよ。

そして、まれに法要当日に追加の申し込みをする人がいますが、あれはマジで勘弁して!!!

塔婆はね、居酒屋の【ビール】じゃないの。

「すいませ~ん、塔婆一つ追加ねっ!」って言われて、数分後に、

「失礼しま~す、こちら塔婆になりま~す。」みたいに出てこないから!

塔婆の申し込みは【法要の1週間前まで】です、なにとぞご協力をよろしくお願い申し上げます。

ちなみに、塔婆を建てるタイミングのほとんどは回忌法要(=法事)をする時ですよね。

法事に関することは、

法事をする必要性と意味。法事の注意点も合わせて解説します

の記事で詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。

古い塔婆はどうすればいいの?

あなたが法要のたびに塔婆をちゃんと建ててくださると、いずれはお墓の後ろが塔婆でいっぱいになってくるはずです。

そうなると、きっと「新しい塔婆を建てたくても、古い(前の)塔婆はどうすればいいんだろう?」と思うでしょう。

そのような時には、

古い塔婆から順番に撤去

していけばいいんですよ。

例えば法事(回忌法要)の塔婆であれば、あなたが【三回忌】の塔婆を建てる場合には、前回の【一周忌】の塔婆はすべて撤去してかまいません。

また、お盆の塔婆であれば、同じように前年のお盆の塔婆はすべて撤去してかまいません。

あとは、撤去した塔婆はどこへ持って行けばいいのか?

簡単です。

どこの寺や霊園にも『古い塔婆を納める場所』がありますので、そこへ古い塔婆を納めればよいだけです。

まとめ : 塔婆は建てた方がお得です!

お墓を建てることは、故人にとっては【最高級の供養】になり、あなたにとっても【最高級のご利益】をいただくことです。

とはいえ、お墓をそんな簡単に建てられませんよね。

でも、その代わりができてしまうのが塔婆なんです。

浄土真宗の信者さんには必要ありませんが、他の宗派の信者さんは建てた方がいいんじゃないでしょうか。

だって、毎日建てるものでもありませんし、せっかく法事をやるのなら、塔婆を建てないと、ものすごくもったいないですよ。

たまにテレビ番組で『人気のパワースポット』みたいな特集をしていたりしますが、ぼくから言わせると、

中途半端なパワースポットなんかに行くよりも、塔婆を建てた方がよっぽどパワーをもらえますよ。

ハッキリ言って『雲泥の差』だと思っています。

でも、ぼく達お坊さんがそういった塔婆のチカラの説明を怠っていたのが悪いんですよね。反省します。

そんな反省の気持ちから今回の記事を書いてみました。

最後にもう一度。

法要をするなら塔婆を建てた方がお得ですよ!