お坊さん歴20年以上の未熟僧(みじゅくそう)と申します。
- 自宅で法事をしたいけど、正座ができないから座椅子に座りたい。
- 自宅の法事のときに使える便利な座椅子が欲しい。
- 法事で使うにはどんな座椅子を買ったらいいんだろう?
法事で長時間『正座』をしていると、足がシビれて本当にツラいですよね。
多くの人は、正座をしてから《10分》を過ぎる頃には足がシビれ始めます。
そうなるともう脚が痛くて法事どころではなくなり、そんなんじゃせっかく【故人の供養】をしている意味がありません。
ですから、正座が苦手な人は、たとえ法事であっても、
無理に正座をしなくていい
ですよ。
正座をしないで、
『座椅子』に座ってください。
普通の椅子だと座ったときに他の『正座をしている人』を上から見下ろすような形になってしまうので、法事で使うなら『座椅子』が好ましいのです。
とはいえ、どんな座椅子を買えばいいのか迷ってしまうことでしょう。
この記事ではお坊さんの僕がおすすめする【自宅の法事に最適な座椅子】を6つ紹介します。
法事で使う座椅子を選ぶときには、ぜひこの記事を参考にしていただき、足のシビれを気にすることなく故人の供養に専念してほしいなと思います。
自宅の法事でも無理に正座をせず座椅子に座ってOK!
お寺や霊園ではなく、故人の住み慣れた【自宅】で法事をしてあげたいという人は多いです。
ただ、自宅で法事をする場合、基本的には座布団を敷いて、そこへ参列者が正座します。
だから、ほとんどの人は途中から足が痛くなって法要に集中できません。
だったら、いっそのこと正座なんかしないで『座椅子』に座って法要に参加しましょう。
高齢者には正座なんて無理
昨今の日本では【高齢化】がどんどん進んでいます。
ということは、法事に参列する人もどんどん【高齢化】しているわけです。
そして、高齢者は、『ひざ』を曲げづらい、あるいはずっと曲げていられない、という人が多いのです。
つまり、
高齢者には正座なんて無理
なんですよね。
もちろん、高齢者の全員が無理なわけではありませんが、多くの高齢者は正座ができません。
だから、自宅で法事をするのはかまいませんが、高齢の参列者への配慮が必要となります。
スカートの女性はあぐらをかけない
正座で足がシビれたら、足を崩して『あぐら』をかくのが1番いいです。
『あぐら』なら座ったままで足の血流を回復させられますから。
ただ、女性用の喪服というのは多くが【スカート】です。
なので、
スカートの女性はあぐらをかけない
のです。
スカートをはいた女性は上半身を少し横へズラすくらいしかできず、完全には血流を回復させられません。
だから、じつは法事の正座で苦しんでいるのは女性が多いのです。
正座ができない人は座椅子を使ってOK!
そもそも、法事のときにはなぜ正座をするのでしょう?
じつは、法事をするにあたり『正座をしなきゃいけない』という決まりはありません。
ですから、もしも正座がツラいようなら、
座椅子を使ってOK
ですよ。
正座というのは、もともと【相手に対して敵意がないことを示す座り方】であり、それがやがて【相手に対する敬意を示す座り方】になりました。
だから『敬うべき相手』である仏様の前では正座をして敬意を示しているのです。
ただ、苦痛に歪んだ顔をしながら敬意を示したところで仏様は喜びませんよ。
だったら、座椅子に座って心穏やかに法事に臨んでください。
法事で使う時におすすめの座椅子6選
自宅で法事をするなら、できれば正座が苦手な人のために『座椅子』を用意してください。
法事で使う『座椅子』は基本的にどのようなものでもかまいません。
そうはいっても、法事にはどんな座椅子が適しているのかが分からない人がほとんどでしょう。
なので、ここからはお坊さんの僕がおすすめする『座椅子』を6つ紹介します。
とりあえず、一覧表で紹介すると以下のようなカンジなので参考にしてみてください。
商品名 | 価格 | おすすめ度 |
cyberlife 仏前用椅子 お座敷座椅子 | 7,499円 | ★★★★★ |
Eclea 背もたれ付 きらく座いす | 4,980円 | ★★★★☆ |
サンワダイレクト 折りたたみ 正座椅子 | 6,480円 | ★★★★☆ |
阿波和 正座椅子 折りたたみ携帯用 | 4,980円 | ★★★☆☆ |
山善 回転式 あぐら座椅子 | 4,999円 | ★★★☆☆ |
茶道具商 左座園 三角コンパクト 正座椅子 大 | 2,667円 | ★★☆☆☆ |
【僕のイチオシ!】法事と日常生活の両方で使えて便利
まずは僕が1番おすすめする座椅子を紹介します。
法事で使う座椅子にはたくさん種類がありますけど、コチラの座椅子はとても便利ですよ。
僕がこの座椅子をおすすめするのは、
- 手をかける部分がある
- 座面の高さを変えられる
- 腰を支える部分がある
- 足を椅子の下に入れられる
- 普段使いもできる
という理由です。
椅子から立ち上がるときには、何かに掴まるとラクです。
この座椅子には丈夫な木製フレームがあり、そこへ手をかけてラクに立ち上がることができるのです。
また、座面の高さは3段階調整ができますし、ちゃんと『腰あて』もあるので、ラクな姿勢で座ることができます。
これだけでも十分に【買い】なんですけど、さらに言うと、この座椅子であれば足を椅子の下へ入れられるのがイイです。
足を椅子の下へ入れることによって、何となく『正座をしている感』が出るので、正座をしていないことへの【後ろめたさ】が少し無くなります。
そして、この座椅子は法事に限らず日常生活でも使えるようなデザインです。
なので、普段は和室などで使えて、法事の時にも使える、という一石二鳥な座椅子です。
しかし、この座椅子にもデメリットがあります。
丈夫な木製フレームがあり、また幅46㎝という広めの座面となっているため、重量が4.6kgと少し重いのです。
その代わり、座りやすくてしっかりと安定していますから、高齢者には喜んでもらえます。
また、この座椅子を法事用にいくつか購入した場合、この座椅子は重ねることができませんので普段の置き場所に困るのです。
とはいえ、もしもあなたの家に和室があるなら、これからは来客のたびに座布団を敷くのではなく、この座椅子を普段から置いておくのもアリですよ。
この座椅子にはいくつかデメリットもありますが、座りやすくて立ち座りもラク、さらにいろんな場面で使用できて、総合的に考えたら非常に便利なので僕としては1番おすすめですよ。
背もたれ付きで折りたたみが可能
法事で使う座椅子には『折りたたみ』ができるモノもあります。
折りたたみができると、持ち運びや保管にも便利です。
そして、椅子には『背もたれ』のある方が圧倒的にラクです。
そんな『背もたれ』と『折りたたみ』の両方の機能を持ち合わせているのがコチラの座椅子です。
この座椅子は、座面が『たて長』になっていて、前方へいくほど幅が狭くなっています。
これは椅子に座りながら正座の形をとるための構造なんです。
イメージとしては、この座椅子にまたがって正座の形をとり、両ひざで座椅子の前方を挟む、みたいなカンジですね。
そして、これだけだと苦しい姿勢なんですが、そこにちゃんと【背もたれ】が付いていますので、寄りかかることで疲れずに座ることができます。
どんな椅子もそうですが、【背もたれ】があるのと無いのとでは全然違いますよ。
【背もたれ】に寄りかかるだけで腰やひざへの負担は大幅に減るんですから。
そして、この座椅子は950gと非常に軽いので、移動させたり持ち運ぶときにとてもラクなんですよね。
しかも折りたたむとコンパクトになりますので、法事が終わったら押し入れの下段とかに保管しておけばOKです。
さて、この座椅子にもデメリットがあります。
まず、この座椅子は『たて長』で前方が狭くなっているため、左右の傾斜や揺れに対して少し不安定です。
ですから、普通の座椅子としては使えず、あくまで正座っぽく座るための【補助の椅子】というカンジです。
また、軽量なのはとてもイイのですが、軽量であるがゆえに、座椅子を支えている脚の部分が少し頼りないのです。
なので、この座椅子は体重の軽い人に使ってもらうことをおすすめします。
座面が大きく折りたたみも可能
続いて、多くの家で見かける法事用の座椅子、つまり《1番無難な座椅子》を紹介します。
余裕をもって座れる大きめの座面で、しかも折りたたみができるのがコチラの座椅子。
法事では長時間座りっぱなしになるので、できるだけ座面は疲れにくい構造と素材の方がいいのです。
この座椅子であれば座面の横幅が47cmと大きく、ウレタン素材のクッションなので、座りやすくてお尻への負担も少ないですよ。
また、両端にある脚部が太くて丈夫な構造となっていますから、しっかりと体重を支えてくれて安心です。
それに、椅子の下に足を入れられるので【正座】に近い形で座ることができて、なおかつ膝への負担も軽減できます。
もちろん、『あぐら』をかいて座ることも可能で、座面が大きいからしっかりと安定した状態で座れますよ。
この座椅子の脚部は【折りたたみ】ができますし、重量も2.3kgと比較的軽いので、使わないときは脚を折りたたんで重ねて置いておけるので、保管をするときにも便利ですね。
ただ、この座椅子には『背もたれ』が無いんですよねぇ。
せっかく座面が大きくてクッションの素材も優れているのに、『背もたれ』が無いので少し腰と背中が疲れちゃいますね。
とはいえ、この座椅子は『背もたれ』ではなく【座面の質】の方にこだわって作られており、またサイズも大きいので、太ってい・・・・いや、体格の良い男性でもまったく問題なく座れる構造になっています。
コンパクトだから折りたたんで携帯もできる
あなたが法事を主催する側ではなく、法事に参列する側であった場合、法事をする場所(その家)に座椅子があるとは限りません。
そんな時には、コチラの座椅子を持って行けば安心です。
この座椅子の利点は、なんといっても【携帯できる】というところ。
とてもコンパクト&軽量なので、脚部を折りたたんで袋へ入れてしまえば、どこにでも持って行けます。
なので、どこで法事があっても対応できますから、これ1つあれば正座に関する不安は無くなりますよ。
しかも座面の素材がウレタンなのでお尻に優しいのもありがたい。
さらにこの座椅子はコンパクトなだけではなく、色も『黒色』なので、法要時に使っていても喪服の色と馴染んで目立ちにくいんですよね。
ですから、この座椅子に座って足をたためば、他の人からはまるで正座をしているように見えるでしょう。
また、体重を支える脚部も丈夫な作りになっているので、一般的な体格であれば安心して使えます。
ただし、コンパクト&軽量であるがゆえに座面が小さいので、大柄の男性なんかはゆったりと座ることは難しいかと。
しかし、女性であればほとんどの人は問題なく使用できます。
この座椅子は「正座をしなくてすむなら座椅子の座り心地はそこそこでいい。」という人には重宝されていますよ。
回転するので方向転換がラク、そして大きな『背もたれ』付き
高齢者の中には『膝を曲げること自体が苦痛』という人も多いです。
そのような人は、膝を曲げて【正座の形】にすることができないわけですから、そうなったら足腰に負担のかからないような普通の座椅子に座ってもらいましょう。
こちらの座椅子は、座面が回転するので方向転換する時にはとても便利です。
そして、座面が大きく、さらに『背もたれ』も大きいですから、《座り心地》という点では本記事で紹介する座椅子の中で1番いいです。
また、色がダークブラウンなので、法事の時でも使うことができますね。
座面と背もたれが大きいおかげで、長時間座っていても体への負担が少ないので、高齢者はもちろん大柄な男性にも重宝されますよ。
この座椅子は、椅子の下へ足を入れずにそのまま座る、またはあぐらをかく、という使い方となりますので、まぁ本当に【普通の座椅子】として使うわけですね。
普通の座椅子ということは、法事以外でも使えますので、この座椅子が1つあれば便利ですね。
ただ、座面が回転するのは便利でイイんですが、逆を言えば、立ち座りの時にクルッと回ってしまう可能性もあるんです。
特に、高齢者がこの座椅子に座るときには、誰かが背もたれを押さえておく方がいいでしょう。
そうしないと、座ったときの勢いで椅子が回り、座った人がバランスを崩して転倒してしまうことがあるのです。
座面が回るのはとても便利で使いやすいのですが、回ることのデメリットにも注意が必要なのです。
また、重量が5kgと少し重いので移動させるときなどは面倒ですが、重いだけあって座ったときの安定性は良いです。
とにかくコンパクト。使用後はたたんで収納できる
法事というのは数年に一度です。
ですから、「座椅子にはそんなに費用をかけられないよ。」という人もいるでしょう。
じつは、コチラのような座椅子があるんですよ。
この座椅子は非常に簡易的なものです。
画像を見ていただけると分かると思いますが、3枚の脚板を三角形につなぎ合わせているだけなのです。
使うときは脚板をマジックテープで止めて三角形にして、使わないときには折りたたんでおく、というカンジですね。
この座椅子は『▽』の形にして使用するので、普通の正座をするときのように《つま先を閉じた状態》で座ることができます。
そして、座面の素材に一応はウレタンを使用しているので、少しだけお尻への負担が減ります。
ちなみに、この座椅子は幅22cm×奥行16cmと非常にコンパクトで、折りたたんだときの厚さも4cmなので、これならバッグにも入れられて持ち運びも可能ですよ。
それに、なんといっても価格が安いのがいいです。
とはいえ、この座椅子を使えば正座はしなくてすみますが、『▽』の形にして座るというのは意外と大変ですよ。
接地している面積が非常に少ないので、左右にフラつきやすく不安定です。
また、座面が小さいので、座り心地も良いとはいえません。
でも、「とにかく正座さえ回避できればいい」という人であれば、値段が安くて非常にコンパクトなこの座椅子で十分でしょう。
まとめ:自宅で法事をするなら座椅子を使いましょう。
せっかく法事をしているのに、『正座』で足が痛むせいで【故人の供養】に集中できない人はとても多いです。
痛む足の方ばかりに気をとられていては何のために法事をしているのか分かりません。
だったら、法事のときは正座なんかしないで『座椅子』に座りましょう。
もしも座椅子がなければ、何個か購入しておくと安心です。
法事は平均して30分~1時間はかかりますから、長時間座り続けることを考えたら、できるだけ『背もたれ』のある座椅子を選びましょう。
法事をするにあたり《正座をしなきゃいけない》という決まりはありません。
ですから、遠慮なく座椅子を使って、できるだけ【故人の供養】に集中できるようなラクな姿勢で臨んでくださいね。