- お葬式にはどんな腕時計をしていけばいいの?
- 自分が持っている腕時計でも大丈夫かな?
- 腕時計の代わりにスマホがあればいいんじゃない?
お葬式に参列するときは、故人や遺族に対して失礼のないように【服装】や【身だしなみ】に注意しなくてはいけません。
となると、お葬式での『腕時計』にもマナーがあるのか気になりますよね?
じつは、お葬式で着ける腕時計にも注意点やマナーがあります。
せっかく服装や髪形などに気をつけていても、腕時計のマナーを知らないと恥をかいてしまいます。
この記事では、お坊さん歴20年以上の僕が、
- お葬式に着けていく腕時計の注意点
- 腕時計にも注意をすべき理由
について解説しています。
この記事を読むと、お葬式に適した腕時計がどのようなものかが分かり、しっかりとマナーを守って故人と最後のお別れができます。
お葬式に着けていく腕時計の6つの注意点
お葬式では多くの人が、服装・靴・髪型・バッグなどに気をつけて【悲しみの場にふさわしい装い】となるように注意をしています。
しかし、意外な盲点となっているのが『腕時計』。
じつは、お葬式では腕時計にもマナーがあり、
- ベルトの色は、黒かシルバー
- 形は、丸、長方形、正方形ならOK
- 盤面はアナログ(2針か3針)
- 盤面の色は、白、黒、シルバーならOK
- フレームの装飾は無し
- 多機能なモノはNG
といった点に注意が必要です。
ベルトの色は、黒かシルバー
まずは、腕時計の【ベルトの色】について。
ベルトの色に関しては、
- 黒
- シルバー
がいいです。
なるべく地味な色がいいので、【鮮やかな色のもの】や【柄のたくさんあるもの】はヤメましょう。
また、お葬式で着ける腕時計のベルトは『黒色の革ベルト』がよいとされています。
お葬式では、動物の【殺生】を連想させる皮革製品は原則としてタブーなのですが、靴と腕時計については革製品が黙認されています。
しかし、いくら黙認されているからといっても、お葬式の場で【動物の革】を使うなんて、正直言って気が引けます。
ですから、最近ではベルトの色が【シルバー】であれば金属製のものでも問題はないとされています。
ちなみに、僕は20年以上お坊さんをしていますが、お葬式の場でも金属製で色がシルバーの腕時計を使っています。
形は、丸、長方形、正方形のどれでもOK。ただし、大きさに注意!
次に【時計そのものの形】です。
腕時計にはいろんな形がありますが、お葬式で着けるなら、
- 丸形
- 長方形
- 正方形
のどれかです。
でも、腕時計の形はだいたいこの3パターンですから、形に関してはそんなに気にすることはあません。
しかし、問題は盤面の【大きさ】です。
盤面の文字を見やすくするためなのか、それとも単なるデザインなのか、あるいはその両方か。
お葬式という場では、とにかく『慎ましやか』でなくてはいけませんので、やたらと大きい腕時計はヤメておきましょう。
また、スポーツのときに使うような分厚くてゴツゴツした時計も避けた方が無難です。
盤面の表示はアナログ(2針または3針)
続いて、盤面の【表示】の部分です。
腕時計は、盤面の時間表示が、
- 針
- デジタル
の2種類あります。
そして、お葬式に適しているのは針(2針または3針)です。
なぜなら、デジタルだと『カジュアルな印象を与える』からです。
たしかに、デジタルよりも針の方が何となく【フォーマルな印象】を与えますが、僕はべつにデジタルでもいいと思いますよ。
だいたい、なぜ針がフォーマルなのでしょうね?単純に『昔の時計は針しかなかったから』というだけの気がしますが・・・。
全体的にシンプルな色や形であれば針でもデジタルでも問題ありません。
盤面の色は、黒、白、シルバー
時間表示は針でもデジタルでも、どちらでもかまいません。
しかし、【盤面の色】については注意しましょう。
お葬式に適している盤面の色は、
- 黒
- 白
- シルバー
です。
あとは、濃紺、ダークグレー、ダークブラウン、あたりでも問題はありません。
色に関してはバリエーションが多いので、鮮やかな色やゴールドは避けて、とにかく落ち着いた色、そして目立たない色にすることが大事です。
フレームの装飾は無し
お葬式には、フレームに派手な飾りがないものを着けて行くようにしましょう。
腕時計は超高級なものだと数百万円とかしますが、そういう腕時計のフレーム部分にはダイヤモンドが散りばめられていることが多いです。
しかし、せっかくの超高級腕時計でも、フレームにキラキラした飾りが多いものはお葬式には不向きです。
何度も言いますが、お葬式なので故人を偲ぶにふさわしい【慎ましやかな装い】にしてください。
多機能なモノはNG
多機能の腕時計というのは、お葬式に着けていくには不向きです。
腕時計にはいろんな機能がありますよね。
多機能なのはいいのですが、ボタンの数が多すぎて、どのボタンが何の機能なのかサッパリ分からず全然使いこなせないくらいです。
そもそも、多機能な腕時計はデザインが全体的にゴチャついており、全然シンプルではないんです。
お葬式で着ける腕時計は、すべてがシンプルなものが適しています。
お葬式で腕時計のことを気にするべき理由
本記事ではお葬式に適した腕時計を紹介していますが、「なぜ腕時計のことまで気にしなくてはいけないの?」と思いましたか?
服装や髪型ならまだしも、男性の場合だと腕時計なんて喪服の袖に隠れるので、そんなに気にする必要はなさそうですよね。
しかし、腕時計が袖に隠れているのは【腕を上げていない状態】の話です。
お葬式では【お焼香】があり、そのときには両腕を上げて胸の前で手を合わせますので、そこで腕時計がバッチリ見えてしまいます。
お葬式で『腕時計』のことを気にしなくてはいけない理由は、腕時計はお焼香のときに目立ちやすいからです。
お葬式では余計なアクセサリーを着けてはいけませんが、腕時計はアクセサリーとは違って『時刻を確認する』ために必要なものです。
そして、必要なものだからこそ、お葬式に適したものを選ぶべきであり、そのため『ファッション性』の少ない腕時計が望ましいのです。
もしもシンプルな腕時計を持っていなければ、他のできるだけ地味な腕時計を着けて行き、お葬式の間は外しておくというのがいいと思います。
スマホで時間を確認するのはダメ
本記事をここまで読んできて、「お葬式に適した腕時計がなければ、代わりにスマホで時間を確認すればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんね。
スマホで時間の確認をしてもかまいませんが、式中にスマホで時間を確認するのはダメです。
お葬式の最中にスマホを見たら、他の人からはまるで『お葬式が退屈だからスマホを見ている』ように映ります。
式中に時間の確認をするなら、スマホではなく腕時計を見てください。
ただし、お葬式で腕時計を見るときには、できるだけひっそりと素早く見るようにしてください。
じっくり見ていると、「あの人、ずっと時間を気にしてる。早く帰りたいのかな?」と勘違いをされてしまいます。
まとめ:お葬式では地味な色やデザインの腕時計を着けよう。
お葬式に参列する目的は、『故人と最後のお別れをして、感謝の気持ちを伝えること』ですから、故人を偲ぶにあたり参列者の【ファッション性】などはまったく必要ありません。
ご遺族に対する礼儀として、身に付ける物や持って行く物すべてを【地味】にしなくてはいけません。
そんな中で意外とノーマークなのが【腕時計】です。
腕時計は色が派手だったり特徴的なデザインのモノだとお焼香のときに目立ってしまいます。
お葬式に参列するときには、地味な色やデザインで、大きすぎない腕時計を着けて行くようにしましょう。
具体的に言うと、
- ベルトの色は、黒かシルバー
- 形は、丸、長方形、正方形ならOK
- 盤面はアナログ(2針)
- 盤面の色は、白、黒、シルバーならOK
- フレームの装飾は無し
- 多機能なモノはNG
という腕時計です。
もしも、このような腕時計を持っていない場合は、他のできるだけ地味な腕時計を着けて行き、お葬式の間は外しておくといいでしょう。
あるいは、今後の事も考えて、お葬式でも着けて行けるような腕時計を一つ購入することを検討してもいいと思いますし、場合によっては腕時計をして行かないというのもアリです。
お葬式は、故人との最後のお別れの日なので、腕時計を含めて【ふさわしい装い】で故人を送り出してあげてください。
※お葬式では他にも持ち物のマナーがありますので確認しておいてください。