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お墓の疑問

お墓参りをする意味とは?お墓参りのやり方と注意点も詳しく解説

こんな人に向けて書いています
  • お墓参りって何のためにしているの?
  • お墓参りはしなくちゃいけないものなの?
  • お墓参りの正しいやり方を知りたい。
  • お墓参りでの注意点は何?

あなたはいつもどうやってお墓参りをしていますか?

お墓の掃除をして、お花とお水とお線香を供えて、最後に手を合わせる、みたいなカンジでしょうか?

大丈夫ですよ、そのやり方で問題ありませんから。

でも、お墓参りをしていて、

  • お墓参りは何のためにするんだろう?
  • 正しいお墓参りのやり方はあるのかな?

と疑問に思ったことはないですか?

お墓参りは、

  1. ご先祖様や亡き家族と私たちが通じ合うコミュニケーション
  2. あなた自身の修行

のためにするのです。

そして、お墓参りには『基本的な手順』が一応はあります。

この記事では、お坊さん歴20年以上の僕が、

  • お墓参りをすることの意味
  • お墓参りの基本的な手順と注意点

について詳しく解説しています。

この記事を読めば、今までとは『お墓参りの質』が変わりますので、ぜひ一度読んでみてください。

※お墓参りへ行く前にコチラの記事も読んでみてください。

お坊さんが紹介する『お墓参りの持ち物』17選。用途やマナーも詳しく解説

お墓参りをする意味

日本人のほとんどは、一度くらいはお墓参りをしたことがあるはずです。

お盆やお彼岸をはじめ、命日や法事の時にもお墓参りをしています。

ところで、あなたはお墓参りにどのような意味があるのかご存じでしょうか?

昔の記憶や、見よう見まねで何となくお墓参りをしていませんか?

じつは、お墓参りには、

  1. ご先祖様や亡き家族と通じ合うためのコミュニケーション
  2. あなた自身の修行

という2つの重要な意味があるんです。

お墓を通じて、ご先祖様や亡き家族と通じ合う

お墓というのは【あの世とこの世を結ぶ場所】です。

あなたがいつもお参りしているお墓は、あの世とこの世を結んでいる神聖でありがたい場所なのです。

お墓参りをすることで、日頃の感謝の気持ちや何か伝えたいことを、お墓を通じてあの世のご先祖様や亡き家族に届けているのです。

逆に、あの世のご先祖様や亡き家族は、この世の私たちに向けて、お墓を通じて『ご利益やお導き』といった恵みをもたらしてくれます。

つまり、

お墓参りは、【あの世にいるご先祖様や亡き家族】と【この世にいる私たち】がお互いに通じ合える、大切なコミュニケーション

なんですよね。

とはいえ、日頃のお墓参りはそんなに身構えてするものでもないです。

ご先祖様や亡き家族にちょっと挨拶をしに行く、という感覚でOKです。

ちなみに、よく「他の用事のついでにお墓参りをするのはよくない」と言う人がいますが、僕は【ついで】でもイイと思いますよ。

ついでにお墓参りをしちゃいけない理由は《仏様のことを優先させていないから》です。

まぁ言いたいことは分かりますが、、他の家のお墓じゃなくて、自分のご先祖様や亡き家族に挨拶をしに行くんですよ?

もちろん仏様のことは大事にしなきゃいけませんが、身内の仏様に対してそこまで気を遣わなくてもいいんじゃないでしょうか?

だから、別にフラッと立ち寄るみたいなカンジでお墓参りをしたってかまわないですよ。

【ついで】でもかまわないので、お墓へ行って心を込めて手を合わせることが重要。

どうぞ、余計なことは気にせずに、お気軽にお墓へ立ち寄ってください。

ついでのお墓参りについては、『ついで参りの何がダメなの?他の用事と一緒にお墓参りをしてOK。余計なことは気にするな!』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。

あなた自身の修行

あなたはお墓に行ったら何をしますか?

お墓の掃除から始まり、お花・お線香・お水などを供えて手を合わせますよね?

お墓参りは、ご先祖様や亡きご家族と通じ合い、お互いにコミュニケーションをとりながら『供養』をしています。

でも、じつはそれだけではありません。

お墓参りで『供養』をすることは、お墓参りをしている人にとっては、それが【仏道の修行】になっているんです。

供養をすることは、仏教用語でいうところの【善行(善い行い)】にあたります。

善行を続けると、たくさんの徳やご利益が積み重なります。

それをさらにずっと続けていくと、やがて悟りを開くことができる、と言われています。

つまり、供養(=お墓参り)は自分自身が悟りを開くための【仏道の修行】そのものであるといえます。

あなたは、お彼岸にもお墓参りをしていますよね?

お彼岸のお墓参りは、まさに自分自身の【仏道の修行】のためのお墓参りなのです。

お彼岸に関しては、『お彼岸にお墓参りをする理由とお彼岸の意味をお坊さんが解説します。』の記事で詳しく説明をしていますので読んでみてください。

お墓参りのやり方

ここからは、基本的なお墓参りのやり方を書いていきます。

先に大事なことを言っておくと、

お墓参りのやり方には【絶対にこうするべき】という決まりはありません。

お墓参りのやり方は地域または宗派によって違いますので、本当は『正しいお墓参りのやり方』というものはありません。

『正しい』ではなく『基本的な』という表現の方が適しているかと。

あなたも、この記事を参考にして、あなたの住む地域でのやり方を加えてお参りをしていただければ結構です。

お墓参りに持って行く物

まず始めに、お墓参りに持って行った方がよい物を紹介します。

お墓参りに持って行った方がよい物は以下のとおりですが、その中でも比較的重要度の高いものは『★』をつけています。

  • ★お花
  • ★お線香
  • ★お供物
  • ★手桶と柄杓
  • 数珠
  • ロウソク
  • ★ライター(ターボライターがおすすめ)
  • ★ゴミ袋(レジ袋のサイズがおすすめ)
  • 剪定ばさみ
  • ★スポンジ(墓石の清掃用)
  • ★新しいタオルや布(墓石の拭きあげ用)
  • ほうき
  • ちりとり
  • 小さなタワシ(金属製のタワシは不可)
  • ★バケツ
  • 軍手(またはゴム手袋)
  • 帽子(※真夏の熱中症対策)

これらの物があれば、しっかりと丁寧なお墓参りができると思います。

お墓参りの基本的なやり方

では、お墓参りの基本的なやり方を紹介します。

まずはじめに、お墓へ向かう前に1つ注意点があります。

あなたの家のお墓が【お寺の敷地内にある】という場合は、お寺に着いたらまず最初に、

本堂にお参り

をしてください。

本堂の外から手を合わせるだけでもかまいません。

これをせずにお墓へ直行する人がけっこう多いです。

あなたの家のお墓やお寺全体を守ってくれているのは、本堂におられるご本尊様(仏様)です。

だから、まず最初にちゃんとご本尊様にあいさつをしましょう。

お墓が霊園やお堂(仏様)のない集合墓地などにある場合は、そのままお墓に向かっていただいてかまいません。

お墓についたら、さっそく掃除を・・・始めてはいけませんよ。

まずは、お墓の前で『手を合わせる』または『礼』をしましょう。

それが終わってから掃除とお参りをしてください。

お墓参りの基本的な手順は、

  1. 墓地全体の清掃をする
  2. お水を供える
  3. お花を供える
  4. お供物を供える
  5. お灯明(=ロウソク)に火を灯して供える
  6. お線香を供える
  7. 手を合わせる
  8. 後片付けをする

です。

お供えの順番は前後してもかまいません。

ちなみに、②・③・④・⑤・⑥の5つのお供えは『五供(ごく)』といい、お墓参りやお仏壇参りの時の【基本的なお供え】です。

ただ、あくまで基本的なものというだけですから、できる範囲で供えてもらえればOKです。

【関連記事】:お墓参りの時にお供えする『5つの供物=五供(ごく)』の意味。

墓地全体の清掃をする

お墓の前に着いたら、墓地内と墓石をていねいに清掃しましょう。

まずは、落ち葉などがあれば取りのぞきます。

時期によっては雑草が生えていますので、できる範囲で雑草も取りのぞきます。

次に、濡らした布で墓石全部をキレイに拭いてください。

墓石全部とは、『◯◯家之墓』と彫ってある墓石だけではなく、墓地を囲っている外柵(がいさく)石、戒名などを記すための墓誌、なども含みます。

続いて、生花を供えるために花筒(=花立て)を水でしっかりと洗います。

ちなみに、洗った花筒を重ねちゃいけませんよ。

重ねた花筒どうしでハマってしまうと、どんなに力を入れても取り外せなくなるんです。

もしも取り外せなくなったら、別記事の『お墓の『花立て』を重ねて取れなくなった時の対処法』を読んでみてください。

花筒を洗った後は、前回のお参りで供えた古いお花をビニール袋などに包みゴミ箱へ捨ててください。

次に、お線香を供えるために香炉をキレイにします。

前回のお参りで残った線香の灰をゴミ袋に入れて、乾いた布などで香炉を拭くといいでしょう。

もしも、水を使って香炉を洗う時は、しっかりと灰を洗い落としてくださいね。

灰に水分が残ったままにしておくと、灰が固まってしまい、それを洗い落とす時に面倒です。

水を供える

墓石の真ん中あたりにある、だ円形で少し凹んだところを水鉢(みずばち)といいますが、ここには水を注いでください。

おそらく、柄杓で2〜3回注ぐとあふれてしまうと思いますので、そこらへんはうまく加減してください。

あっ、水があふれ出てしまってもかまいませんからね。

水を供えることは【施し】を意味しますので、『あふれ出るくらいたくさんの施しをした』と考えましょう。

そして、お水が供えられ、【施し】がされた墓石は全体的に清められるのです。

ちなみに、お墓に供える水は、

できるだけキレイな水

を供えるように心がけましょう。

その理由については『仏壇に【水】を供える意味をお坊さんが詳しく解説します。』の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

お墓にお水を注ぐといえば、ときどき、

お墓参りのときに、お墓の上から水をかけてはいけない。

と言う人がいます。

その理由は、お墓の上から水をかけることは『ご先祖様の頭の上から水をかけているのと同じだから』というものです。

ちなみに、柄杓を使ってお墓へ水をかけることを、『かけ水』や『打ち水』といいますが、僕もこれらはしなくてよいと考えています。

でもそれは、ご先祖様の頭の上から水をかけているのと同じだから、という理由ではなく、

お墓に水をかける必要がない

と考えているんです。

僕はべつに『水をかけることがダメだ』と言っているわけじゃないですよ。

水は水鉢に供えればそれで十分。

そもそも、何のために墓石の上から水をかけるのでしょう?

  • 墓石についた汚れを水で洗い流している
  • 墓石のお清めをしている
  • 何となくのイメージでしているだけ

というようなカンジでしょうか?

僕には【墓石の上からお水をかける理由】がイマイチ分からないんですよ。

僕は、

  • 汚れを取り除くには【濡れた布やスポンジで拭き上げる】のが一番きれいに清掃できる。
  • お清めをするなら、水鉢へ水をお供えするだけで墓石全体が十分に清められる。
  • 何となくのイメージでしているだけなら、それは時間の無駄。

って思うんですよね。

特に、隣のお墓との距離が近い『霊園』の場合は、水がはねて隣のお墓を汚す可能性があります。

それで、もしトラブルが起きてしまったら大変です。

大げさに言うのではありません、実際にウチの寺が管理している霊園にこういう内容のクレームが来たんですから。

必要以上にトラブルの原因となるようなことは控えるべきです。

というわけで、僕の考えとしては、

お水を供える時は、水鉢にお水を注ぐだけで十分。お墓の上からお水を注ぐことはしなくていい。

となります。

水鉢に関する詳細は、『お墓の真ん中にある【くぼみ】は何?湯呑みやコップを置くための場所?』の記事で解説していますので読んでみてください。

お花を供える

洗った花筒(花立て)へ新しいお花を供えてください。

お花には、

  • 何事にも耐え忍ぶ強い心【=忍辱(にんにく)】を象徴するもの
  • あの世でご先祖様や亡きご家族が着ている【衣服】に相当するもの
  • たくさんの色彩豊かなお花が咲いている【あの世の風景】を表現するもの

といったように、いろんな説があります。

仏花として供えるお花は『白菊』が一般的ですが、近年では特に制限はなく、いろんなお花を供えています。

ちなみに、お供えするお花として良いとされているものは、『蘇悉地羯羅経』に記されている、

  • 蓮(はす)
  • 百合(ゆり)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 牡丹(ぼたん)

などです。

もしも生花店にこれらのお花があれば、他のお花と混ぜてみてもいいでしょう。

でも、やはり一番は【亡きご家族が好きだったお花】を供えるのがいいでしょうね。

ただし、いくら故人が好きだったとはいえ、仏様に供えるお花は【トゲのあるお花】や【毒を持つお花】を避けるのが一般的です。

要するに、仏様に危害が及ぶ可能性のあるお花はやめておきましょう、ってことですね。

でも僕は、トゲのある花については、注意しながらトゲを全部取り除いてしまえばOKだと思っています。

毒を持つお花は・・・ヤメておいた方がいいですね。

お供物を供える

墓石の前など、空いている場所にはお供物を供えてください。

お供物は食べ物を供えることが多いです。

注意点としては、お墓参りが終わったら、お供物は必ず持ち帰ってください。

お供物をそのまま置いて帰ってしまうと、カラスや猫などがそれを狙って居ついてしまいます。

そうすると、お墓を汚してしまったり、人に危害を加えてしまうこともあるんです。

特にカラスは、時期によっては攻撃的になりますので注意しなくてはなりません。

今は、ほとんどの寺や霊園で『お供物は持ち帰る』という規則があったり、注意喚起の看板が出ていたりします。

昔は、仏様へお供えした物はそのまま置いておく、というのが一般的でした。

しかし、今となってはお供物を持帰ることがマナーなので厳守してください。

お灯明(ローソク)に火を灯す

お灯明(ローソク)に火を灯して、それをお墓の脇などへ建てます。

お灯明の明かりというのは、その光で闇夜の中でも道を照らしてくれます。

つまり、お墓の前でローソクに火をつけるのは《仏様に正しい道へと導いてもらうため》なのです。

それと同時に、お灯明を灯すことは、私たちが「正しい道を進みます」という決意も表しています。

また、お線香に火をつける時には、このお灯明の火を使うようにしましょう。

とはいえ、最近ではお墓にローソクを建てることはあまりしなくなっています。

火をつけるときにヤケドをしたり、溶けたロウソクが汚く残ってしまうことがあるからですね。

あなたの墓地に、ロウソクを建てる専用の場所があるならいいのですが、そのような場所が無ければ無理をしてロウソクに火をつける必要はありません。

お線香を供える

キレイに掃除した香炉へお線香を供えてください。

お線香に火をつけると、お線香の良い【香り】が出てきます。

じつは、この【香り】というのが大事なのです。

なぜなら、あの世のご先祖様たちはこの【香り】を主に食べていらっしゃるからです。

ちなみに、これを『香食(こうじき)』といいます。

そして、お香から出る【香り】は、その場所やそこにいる人々を清める力もあるのです。

ですから、お墓参りにはお線香が欠かせません。

お線香を横に寝かせてそなえる場合は、火のついている方の端がお墓に向かって左側』になるようにしてください。

お線香はたくさん供え過ぎると、香皿からこぼれたり、時には火が出てしまいます。

一般的な大きさの香炉の場合、市販のお線香であれば3束程度が供えられる限界かと思います。

立てる形式の香炉であれば、そのまま入る分だけお線香を立てて供えてください。

お香に関する詳細は、『お線香のあげ方やマナーを場面別に詳しく紹介。お焼香の作法も合わせて紹介』の記事で解説していますので読んでみてください。

また、お線香に火をつけると、風にあおられて火が出てしまい、その火をなかなか消せないことがあります。

火がなかなか消えないと、慌てて【口で息を吹きかけて】消したくなります。

しかし、仏様へ供えるお線香やローソクの火を【息を吹きかけて消す】のはヤメましょう。

線香から火が出てしまった場合は、

線香を、火がついている方を上へ向けて、地面に対して垂直に立てるように持ち、そのまま真下へ「シュッ!」っと下げる

という方法で消すことができます。

線香の火の消し方については、『【超簡単!】お線香の火を消す時のコツ。1番スマートな消し方を伝授。』の記事で詳しく紹介しています。

手を合わせる

諸々のお供えが終わったら、お墓に向かって手を合わせて、ご先祖様や亡きご家族へいろいろなご報告をしてください。

手を合わせると、心身ともに清められるといわれています。

ご先祖様や亡きご家族を前にする時は、必ず手を合わせて自分自身を清めましょう。

【関連記事】:【お坊さんが徹底解説】合掌の意味と手を合わせるときの作法

後片付けをする

お参りが終わったら、ゴミなどを墓地に残さないようにし、寺や霊園の手桶を使っていた場合は、それを決められた場所へ戻しておきましょう。

最後に、お寺を出る前にもう一度ご本尊様に手を合わせると、さらに丁寧なお参りとして締めくくれます。

お墓参りの注意点

お墓参りの基本的な手順に続いて、その他にも、細かいことですが注意すべきことを紹介します。

お墓参りに行く時間

お墓参りをするには【どのような時間帯】に行くのがいいのでしょうか?

まず、原則として、

お墓参りに行く時期や時間には何の決まりもない

ので、いつお参りしてもいいのです。

しかし、一般常識として【お寺や霊園の門が開いている時間】に行くようにしてくださいね。

特に霊園の場合は、時間外にお墓参りをして、そこで何らかのトラブルが発生しても誰も対処できないのです。

では、【門が開いている時間】の中でも、どのような時間帯に行くのがよいか。

じつは、お墓参りだけではなく、

仏事は【午前中】に行うことが望ましい

と考えられているのです。

でもこれは、決して午後がダメというわけではなくて、ただ『午前中が望ましい』というだけです。

あなたは、日頃の生活で『大事なことから優先的にとりかかる』ようにしていませんか?

お墓参りも同じ考え方です。

敬うべきご先祖様や亡きご家族へ挨拶をしに行くことをまず優先するのです。

ですから、お墓参りに行くのなら、なるべく早めの時間帯(=午前中)が理想的である、となるのです。

また、あの世では『食事をするのは午前中まで』というルールがあるそうですよ。

ということは、お墓参りのときにあなたが何か食べ物(お供え物)を供えても、それが午後であれば、せっかくのお供えをすぐに召し上がっていただけないのです。

このようなことを考えると、やはり『お墓参りは午前中が望ましい』となります。

ただし、これはあくまで午前中に他の用事がなかったらの話です。

もしも午前中が忙しくて午後にしかお墓参りに行けない場合は、あなたの都合に合わせて午後でもかまいません。

ただし、日没後など【夜のお墓参り】はダメですよ、暗くなってからのお墓参りは何かと大変ですし、なによりも『危険』です。

例えば、

  • 墓地や墓石の掃除をしても、どこに汚れが残っているかがわからない。
  • 雑草を取り除こうにも小さな雑草がよく見えない。
  • 視界が悪いので、何かにつまづいて転びやすくなる。
  • 暗いと距離感が狂うので、墓石などに身体をぶつけてしまう。
  • 人によっては、夜の墓地が怖い。
  • 夜の墓地にいるあなたを見た他の人の方がもっと怖がるかもしれない。

というようなことが考えられます。

ですから、日が暮れたらお墓参りはやめておきましょう。

【関連記事】:お墓参りにはいつ行くべき?お墓参りをするタイミングと時間

お線香の火をつけるにはターボライターがおすすめ

お墓の前でお線香に火をつけようとしても、風が吹くと火が消えてしまってイライラしたことはありませんか?

特に風の強い日は、普通のライターやマッチではなかなかお線香に火がつきません。

なので僕は、お墓参りでお線香に火をつける時は『ターボライター』を使うことをおすすめします。

取り扱いには少し注意が必要ですが、ターボライターを使えば、風にも負けない強い火力で簡単に火をつけられます。

昔は、お墓の前で紙を燃やして、その火でお線香に火をつけたりもしました。

しかし、これは誤ってヤケドをしてしまったり、燃やした紙が風で飛んでしまう等の危険もあるのでやめましょう。

ホームセンターに行けば【お墓参り用のターボライター】も販売されています。

手頃な値段のターボライターもたくさんあるので一度探してみてください。

ちなみに、僕のおすすめするライターは『【火がつかないイライラを解消】お墓参りに1番適したライターはこれだ!』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ一度使ってみてください。

墓石に触ってヤケドをしないように注意

お盆の時期など『真夏のお墓参り』の時には、うかつにお墓に触らないよう注意をしてください。

真夏は、照りつける日射しで墓石が非常に熱くなっています。

特に、まったく日陰もなく、風もあまり吹かないような場所にお墓がある場合は要注意です。

よく、古くなったお花を花筒から取ろうとして、体を支えるために墓石に片手をつきます。

これで手のひらをヤケドする人が多いのです。

僕もこのミスをしてしまい、しばらくは手が赤くなってました。

真夏の墓石は本当にヤケドをしてしまいますので、墓石には布の上から触れると安全です。

【関連記事】:夏のお墓参りの注意点。暑さ対策(水分補給や服装)が特に重要!

墓石の掃除にタワシを使ってもいいの?

先日、あるテレビ番組で、

『お墓の掃除にタワシを使ってはいけません。ご先祖様の身体をタワシでこするようなものです。』

という放送がされていました。

ぼくは、この放送の表現が少し不適切かなと思います。

墓石は【ご先祖様の身体】ではありません。

長年にわたりタワシでこすり続けると、墓石表面の加工が落ちて傷がつき、その部分から劣化が進んでしまいます。

だから、タワシは必要以上に使わないほうがイイですよ、というだけのことです。

基本的に墓石の掃除をする時には【濡らした布】でキレイに拭いてあげてください。

そして、布ではなかなか取りきれないような部分や汚れがあれば、そこだけタワシ(金属のタワシは不可)を使ってください。

服装はどうすればいい?

お墓参りのときの服装ですが、特に『決められた服装』というものはありません。

ですから、日頃のお墓参りをする時には【普段着】でかまいません。

もしかすると、『仏事=喪服』というイメージがあって「お墓参りの時にも喪服を着なくちゃいけないの?」と思う人もいるかもしれません。

べつに喪服でもかまいませんが、そこまで正式な服装をしなくても大丈夫です。

お墓参りは、『日常的な仏事』とでも言いましょうか、日頃の生活の中で行われる仏教的行為です。

例えば、あなたはお仏壇に手を合わせる時にわざわざ喪服に着替えないですよね?

それと同じように、お墓参りも『日常的な仏事』なので、お葬式や法事とは違って【喪服】を着る必要はありません。

しかし、ご先祖様や亡きご家族を祀る場所ですから、敬意を払うという意味では、あまり派手な服装でない方がいいと思います。

また、アクセサリーを着けている時は、墓石に当たってしまわないように注意してください。

墓石に当たってしまうと、墓石とアクセサリーの両方に傷が入ってしまう可能性があります。

もしも久しぶりにお墓参りへ行くのであれば、墓地の掃除をしなくてはならないでしょう。

掃除することを考えると、普段着でも動きやすい服装の方がよいでしょう。

夏の炎天下でお墓の掃除をする場合は、必ず帽子を着用し、日焼けを考慮した服装にしてください。

犬を一緒に連れてお参りするのはヤメておきましょう

お墓参りは、できれば家族みんなでしてほしいところです。

でも、いくら【大事な家族の一員】だからといって、『犬』を一緒に連れてお墓参りをするのはヤメておきましょう。

お墓というのは、各家のご先祖様達の遺骨が納められている『大事な場所』です。

また、この世とあの世をつなぐ『神聖な場所』でもあります。

そこへ人間以外の動物が踏み入ることは好ましくありません。

そして、普段はどんなに利口な犬だとしても、動物である以上は【失敗】をしてしまうことがあります。

万が一にも飼い犬が他の家の墓石に尿をかけてしまったら大問題となります。

大事な家族の一員であるワンちゃんですが、お墓参りに行く時は自宅で【お留守番】をしてもらいましょう。

【関連記事】:お墓参りに犬を一緒に連れて行くのはダメ?犬を連れる時の注意点。

まとめ

お墓参りは、あの世とこの世を繋いでくれるお墓を通じて、

  1. ご先祖様や亡き家族との大切なコミュニケーション
  2. あなた自身の仏道修行

をしているのです。

そして、お墓参りであなたがしていることの全てが『供養』になっています。

ですから、お墓参りでしていることの一つ一つに大事な意味があるということです。

となると、お墓参りを【正しい方法や手順】で行いたいなと思いますよね。

しかし、お墓参りには一応の決まりや手順というものはありますが、じつは【これが絶対に正しい】というものではないんですよ。

宗派や地域によっても違いますし、仮に同じ宗派と地域であっても、その寺の住職さんの考え方によって違ったりもするんです。

だから、本来お墓参りって、ある程度は【自由】でかまわないんですよね。

今回は、お墓参りの意味と手順について詳しく紹介しましたが、特に手順に関してはあくまでも【基本的なもの】だけを書きました。

ですから、結局何が言いたいかというと、

お墓参りをするのは大事なこと。

でも、【お墓参りの手順】だけではなく、ご先祖様や亡き家族に感謝をする【気持ち】が大事ですよ。

ってことです。

この記事をご覧のあなたは、『間違いのないよう、ちゃんとお墓参りをしたい』と思っておられるはずです。

それはきっと、ご先祖様や亡きご家族のことを大切にする気持ちがあるから、そのように思うのです。

あなたのその思いは必ずご先祖様や亡きご家族に伝わっています。

そして、きっと喜んでおられることと思います。

※お墓参りへ行く前にコチラの記事も読んでみてください。

お坊さんが紹介する『お墓参りの持ち物』17選。用途やマナーも詳しく解説