法事で施主をすることになったあなた。
何をすればいいのか分からず、少し不安になっていませんか?
親戚への通知、お坊さんの依頼、食事や返礼品の手配など、施主のやることはたくさんあります。
法事の準備をするのはたしかに面倒ですが、事前に【施主がすべきこと】を知っていれば何も難しいことはありません。
この記事では、法事の事前準備から当日の持ち物にいたるまで、お坊さんの僕が詳しく紹介しています。
この記事に書いていることを1つずつ確認して、当日は万全の状態で臨んでください。
『回忌法要までの年数』は合っていますか?
まずはじめに、あなたに質問です。
『七回忌』は、故人が他界されてから何年目に執り行うものですか?
どうでしょうか、即答できましたか?
正解は、6年目です。
7年目ではありません。
この『回忌法要までの年数』を誤解している人がとても多く、ほとんどの人が1年遅れて計算してしまうのです。
回忌法要までの年数は以下のとおりです。
- 【一周忌】故人が他界された日から1年目
- 【三回忌】故人が他界された日から2年目
- 【七回忌】故人が他界された日から6年目
- 【十三回忌】故人が他界された日から12年目
- 【十七回忌】故人が他界された日から16年目
- 【二十三回忌】故人が他界された日から22年目
- 【二十七回忌】故人が他界された日から26年目
- 【三十三回忌】故人が他界された日から32年目
- 【五十回忌】故人が他界された日から49年目
- 【百回忌】故人が他界された日から99年目
回忌法要の計算方法は、
回忌-1年=故人が他界された日からの経過年数
となります。
ただし、一周忌は除きます。
七回忌の法要をする場合、計算方法は『七回忌-1年=故人が他界された日からの経過年数』となりますので、故人が他界されてから6年目の命日が七回忌となるのです。
回忌の計算を間違える人は本当に多いので、法事の日程を決める前によく確認をしておきましょう。
法事の当日までの準備
法事はお葬式と違って、ある程度は施主の都合で事前に決めることができます。
法事の当日になってから慌てることがないよう、余裕をもって事前の確認などをしておきましょう。
法事の日程と場所を決める
法事を行うにあたり、まず最初に『法事の日程と場所』を決めてください。
決めるといっても、一旦あなたの中で仮に決めておく、という意味です。
まずは『あなたの考えている予定』を立てて、それから実際にお寺や霊園に申し込みをしましょう。
日程を決める
まず、法事の日程を決めましょう。
日程は、できるだけ『故人の命日当日』か『命日の少し前の日』を選ぶのがいいですよ。
法事の日程はなるべく命日を過ぎない方がよいとされています。
命日を過ぎると、故人を守り導いてくださる13の仏様への挨拶が遅れてしまうのです。
また、多くの人は『命日の少し前の土日祝日』に法事をしています。
故人の命日は、平日であることが多いはずです。
平日でも命日に行うことが可能であれば、ぜひ命日に法事をしてあげてください。
しかし、実際は、平日だと家族以外の参列者が都合をつけづらいので、多くの人が『命日の少し前の土日祝日』に法事を行います。
たまに「故人の命日を過ぎてしまったから法事はできない。」という人がいますが、命日を過ぎてしまったとしても法事は執り行ってかまいません。
回忌にあたる年なのに何もしないという方が、故人は寂しく思うのではないでしょうか?
ちなみに、法事の日程を決めるときには、友引や仏滅などは一切気にしなくて大丈夫ですよ。
場所を決める
次に、法事をする場所を決めます。
法事をする場所には決まりや条件はありませんので、参列者の人数や法要後の食事場所などを考慮して決めましょう。
法事の場所は一般的に、お寺、自宅、霊園、葬儀社の式場などで行います。
ちなみに、お寺での法事はメリットがたくさんあるので、お坊さんの僕としてはおすすめです。
ただし、お寺でも『お墓の前』での法要はやめておきましょう。
お墓の前での法要は『墓前法要(ぼぜんほうよう)』といいますが、墓前法要はデメリットが多いのでヤメておきましょう。
開始時間を決める
最後に、法要の開始時間を決めます。
まず、お寺や霊園に『法要はどのくらい時間がかかるのか』を確認しておいてください。
次に、あなたの『日頃のお墓参りにかかる時間』を確認してください。
その次は、食事をする場所までの移動時間を確認してください。
法要にかかる時間、お墓参りにかかる時間、食事をする場所までの移動時間が把握できたら、食事を開始する時間が決められます。
これらの時間をすべて逆算していけば、法要の開始時間が決められるでしょう。
ただし、ここではまだ『あなたの考えている予定』の段階です。
申し込み(法要の予約)をする
あなたの考えている予定が決まったら、次は実際に『申し込み(法要の予約)』をします。
お寺や霊園で法事を行う場合は、できるだけ希望の日の2〜3ヶ月前に申し込みをしておきましょう。
参列者が多くなる予定であれば、なおさら早めに申し込んだ方がいいですよ。
お寺や霊園は、収容人数の都合により同じ日に複数の家の法事を入れないこともあるので、予約は早い者勝ちです。
小さなお子様(乳幼児)がいる場合は、事前に『授乳できる場所』の有無を聞いておきましょう。
さすがに授乳室までは用意されていないと思いますが、それに代わる部屋くらいはあると思います。
あとは、車椅子が必要な場合も伝えておいた方がいいですよ、最近では多くの寺や霊園でも車椅子を用意してくれています。
法事を自宅で行う場合は、1〜2ヶ月前の予約でも大丈夫でしょう。
ただし、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始など、長い連休の前後は法事の申し込みが多くなるのでご注意ください。
なお、自宅で法事を行う場合は、お坊さんが車で来ることが多いです。
自宅に駐車場がない家は、必ずお坊さん用の駐車場所を他に確保しておくようにしましょう。
霊園にお墓がある場合
ここで、霊園にお墓がある人に重要なお願いがあります。
お墓に納骨をしたい場合は、必ず事前に【納骨の予約手続き】をしておいてください。
霊園の多くは『宗教・宗派を問わず使用が可能』なので、いろんな宗派のお坊さんが法要のために霊園まで来ています。
時には、他の場所で法事を済ませてから、お坊さんと一緒にお墓参りだけをしに霊園に来られます。
これに関しては全く問題ありません。
しかし、霊園にとって非常に困るケースがあります。
例えば、他の場所で49日忌法要をして、その後に霊園へ移動して納骨供養をする、というような場合に、霊園に何の事前連絡もしてくれない人がいることです。
霊園にあるお墓へ納骨をしたい場合は、必ず事前に【納骨の予約手続き】をしておいてください。
何の連絡もなく、いきなり霊園にお骨を持ってきて「今日は49日忌で、さっき家で法要を終えたので、今から納骨してください。」って言う人、本当にやめてほしい。
何の事前連絡もなしに、いきなり納骨なんて無理。
納骨の準備にはそれなりに時間が必要なんですから。
さすがにそのときは、施主様には申し訳ないですが、当日の納骨はお断りしました。
霊園では他の家の法事もありますので、スケジュール管理をしながら運営しています。
予約手続き無しの法要や納骨はできませんので、どんなに遅くとも一週間前には連絡をしておいてください。
最後に、法事の日時と場所が確定したら、食事をする場所へ予約をしておきましょう。
この時点では人数を『参列者全員が会食する』ことを前提に予約をしておく方が無難です。
付き合いのある【お寺】がない場合
法事をしようと思っても、日頃から付き合いのある【お寺】がないという場合もあるでしょう。
お墓が霊園にあるなら、霊園の管理事務所で『お坊さんの手配』をしてもらえます。
多くの霊園では、いろんな宗派のお寺と提携をしています。
事前に管理事務所へ希望の宗派を伝えておけば、法事の当日に希望の宗派のお坊さんが来て法要をしてくれます。
お墓が霊園にない場合は、お葬式を依頼した葬儀社に『お寺の手配』をしてもらうのがいいでしょう。
霊園と同様に、葬儀社もいろんな宗派のお寺と提携をしていますので、希望の宗派のお寺を手配してくれますよ。
その他にも、今ではインターネットで申し込みをするだけで僧侶を手配できるサービスもあります。
このようなサービスは、とても便利ですし、比較的お布施も安価ではありますが、どんなお坊さんが来るか分からない点に注意が必要です。
霊園や葬儀社は、いろんなお寺との長いお付き合いの中で『信頼と実績のあるお寺』を手配してくれています。
しかし、インターネットだけの情報だと、その部分が申込者にはわかりません。
もしもインターネットでお寺を手配する場合は、複数のサイトをしっかりと見て、じっくり比較検討をしてから申し込むようにしましょう。
複数の仏様の回忌が重なった場合
同じ家に複数の仏様がおられる場合、回忌が重なってしまうことがあります。
例えば、『今年は、父の13回忌と、母の7回忌の両方に該当する』というようなケースです。
このような回忌が重なるというのは本当によくあり、特に、昔から永く続いている家や、古い仏様の法事をちゃんと執り行う家に出てくる事象です。
そうすると、きっと、
- それぞれの仏様ごとで、別々に日を改めて法事をするの?
- 一緒にまとめることはできるの?
という疑問が出るでしょう。
本来なら別々に法事をする方がいいです。
でも、親戚に何度も来てもらったり、会食も含めて法事の準備を何度もするのは大変ですよね。
複数の仏様の回忌が重なってしまった場合、それぞれの仏様の法事を一回にまとめて大丈夫です。
複数の仏様の回忌法要をまとめて執り行うことを『併修(へいしゅう)』といい、ちゃんとそのような供養のやり方があるのでご安心ください。
次に、
- 法事の日程はどのようにすればよいか?
- どの仏様の命日に合わせるのか?
という疑問が出ることでしょう。
併修の場合は、一番早く命日を迎える仏様に合わせて日程を組むのがよいと思います。
法事はできるだけ命日を過ぎない方がよいのです。
命日が二番目以降の仏様にとっては少し早めの法事となってしまいますが、どの仏様も命日を過ぎてしまわないことを優先させてください。
当日の持ち物を先に確認しておく
法事の当日はいろいろな物を持って行かなければなりません。
法事の申し込みをする際には、必ず当日の持ち物を聞いておきましょう。
当日の持ち物を減らすためのコツですが、生花やお供物などお寺や霊園で手配してもらえるものはできるだけ任せてしまうほうがラクです。
自分で買うよりは割高になってしまうかもしれませんが、持って行くのを忘れてしまうことも無いですし、何よりも荷物が減るというのがメリットです。
施主となる人はいろいろと大変ですから、少し出費が増えたとしても法事はできるだけラクをした方がいいと思いますよ。
また、持ち物のほかに、お坊さんへの『お布施』の金額なども確認しておく方が無難です。
今はだいたい【目安の金額】を言ってくれるので、その分だけ納めれば問題はありません。
そして、宗派によっては法事の際に《塔婆(とうば)》を建てます。
塔婆を建てる場合は、遅くとも法事の一週間前までには申し込むようにしましょう。
【関連記事】:塔婆(卒塔婆)って何なの?塔婆の意味と必要性を説明します
法事の案内を出す
申し込みが終わり、日時と場所が確定したら、できるだけ早めに親戚などの参列予定者へ『法事の案内』を送っておきましょう。
文例としては、
謹啓 ◯◯の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、来る◯◯月◯◯日は、父(母)◯◯◯◯の◯◯回忌にあたります。
つきましては、◯◯年◯◯月◯◯日(◯曜日)に菩提寺の△△寺におきまして、回忌法要を執り行いたく存じます。
また、法要後は、供養のしるしとして粗餐を差し上げたく存じます。
公私共にご多用のところ誠に恐縮ではございますが、御来駕賜りたくご案内申し上げます。
謹白
記
日時:◯◯年◯◯月◯◯日(◯曜日)
場所:《△△寺》◯◯県◯◯市〜
◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯◯◯(←施主の名前)
と、このような文面でよいかと思います。
後日、案内を送った人全員の出欠が確認できたら、まずはお寺や霊園へ参列する人数を連絡しておきましょう。
食事をする場所へ料理の注文をする
次に、食事をする場所へ連絡をして、最終的な予約人数と料理の内容を確定させておきましょう。
気になる1人あたりの平均的な料理の金額ですが、僕の見てきた限りだと【2,500円〜5,000円】くらいです。
なお、料理を注文する際には、参列者全員分の他に『故人の分』を用意してあげてくださいね。
ちなみに、故人の分の料理のことを『陰膳(かげぜん)』といいます。
陰膳は最後に施主が自宅へ持ち帰りますので、陰膳は、参列者分の料理とは別にして【折詰】になっているものがおすすめです。
返礼品を用意する
法事に参列をしてくれた親戚などには、帰宅時に『返礼品』を渡します。
身内だけの法事なら必要ないかもしれませんが、ある程度の範囲で親戚を呼ぶ場合は返礼品を用意しておくのが礼儀です。
参列者の人数が決まったら、返礼品の数を先に割り出しておきます。返礼品は、施主本人や家族の分は省略してかまいません。要するに、法事の案内を出した人には返礼品を渡すという認識でOKです。
返礼品の数が決まったら、
- 専門の業者
- 以前に使用した葬儀社
- 料理屋
のいずれかに発注をしておきましょう。
返礼品は、各業者ごとにセットで販売されているので、それを選んでいる人がほとんどです。
また、返礼品には【のし】をつけておくとよいでしょう。【のし】の表書きには、水引の上部へ『志』、下部へ『◯◯家』と業者に頼んで印字をしてもらってください。
返礼品の内容ですが、以前はお茶や海苔や缶詰のようなものが多かったです。でも、最近では参列者に品物を自由に選んでもらうために『カタログギフト』を返礼品として渡す人が増えています。
返礼品の怖いところは、もらった人が「えっ、こんなの使えないし、いらないなぁ。」と思うことで、渡した方も受け取った方も残念な気持ちになります。
ならば、ここは割り切って『相手が自分自身で好きなモノを選ぶ』という形式がベストだと思いますよ。
\ 1番喜ばれる返礼品はカタログギフトです /
法事の当日に用意するもの
法事は事前準備もいろいろと大変ですが、当日に持って行くモノもたくさんあるので注意してくださいね。
法事の当日に用意するのは以下のようなものです。
- 故人の位牌《浄土真宗は位牌無しでよい》
- 故人の遺影(=写真)
- お供物
- お花【祭壇用+お墓用】
- お布施
- その他費用【諸々の使用料や手数料、法事終了後の食事代金など】
- 必要な提出書類【火埋葬許可証など】
- 参列者への返礼品
- 数珠《これが忘れ物のNo. 1です!》
- 線香
- ライター《※ターボライターがおすすめ》
- 花切りハサミ
- 予備の現金《これが意外と大事です》
このように持ち物はけっこうありますので、忘れ物をしないようしてくださいね。
特に、位牌を忘れないように気をつけてください。
浄土真宗の場合は、位牌は無いかと思いますので『過去帳(かこちょう)』を持って行きましょう。
最後に、当日の【服装】に関しては、【喪服(礼服)】の着用をおすすめします。
法事の服装は、お葬式のときほど喪服にこだわらなくてもいいのですが、あまりラフすぎる服装も考えものです。
喪服を着ることには『故人を偲び、弔う』という意味もあるので、やはり仏事においては喪服の方が無難であることは間違いありません。
もしも喪服を持っていない場合は、別記事の『喪服を持っていない時はどう対処する?喪服の意味と必要性を解説します』を読んでみてください。
まとめ : 法事の施主は大変ですが、しっかり準備をして万全の状態で臨みましょう。
法事の施主を務めると、事前の準備なども含めていろいろとすべきことがあるので少し不安になりますよね?
しかし、【事前にすべきこと】が先に全部わかっていれば不安は無くなります。
この記事の内容を、順を追ってしっかりとやれば問題なく法事を終えることができますから、見出しの順番で、1つずつ確実にクリアしていってください。
施主を務めるのは本当に大変です。法事が全て終わる頃には、きっとあなたは疲れてクタクタになっているはず。
でも、あなたのその頑張りをあの世の故人はちゃんと見ています。
あなたが一生懸命に施主を務める姿を見て、故人も「ありがとう」と言っていることでしょう。
※法事で施主をする人はコチラの記事もご参考にどうぞ




