もしかして、今年はおじいちゃんの◯◯回忌にあたる年だったんじゃないの?忘れてた!
このように、後になって『年回忌にあたる命日を過ぎていた』ということに気がつく人は多いです。
たしかに法事は【数年に一度】のことですから、忘れてしまうのも仕方ないかもしれません。
僕のいるお寺でもそのような信者さんがたくさんいますが、それで質問されるのが、
命日を過ぎてからでも法事をしていいんですか?
ということです。
この記事では、お坊さん歴20年以上の僕が『法事をするのを忘れたときにはどうすればいいのか』について解説しています。
法事のことを忘れてしまい困っている人は最後まで読んでみてください。
法事をするのを忘れた!
以下は、僕のいる寺で3か月に1度くらいの頻度で繰り広げられる会話です。
祖父の△回忌をしようと思うので、〇〇月〇〇日に法事の予約をしたいんです。
はい、かしこまりました。じゃあ、故人様のデータを確認しますね。(パソコンをカチカチ)
んっ?あぁ、もう命日を過ぎちゃってるんですねぇ。
そうなんですよ、すみません。もうねぇ、ほんとうっかりしてたんですよぉ。
そうでしたか。でも、ちゃんと思い出してくださってよかったです。
すみませんでした。もっと気をつけなくちゃね、祖父に怒られちゃうよね。
と、こんなカンジのやり取りです。
昔に比べると、ずいぶんとこういうやり取りが増えた気がします。
そして、あなたも同じように【法事をするのを忘れてしまった】のですね?
少しくらい命日を過ぎてしまってもそんなに問題はありませんから大丈夫ですよ。
法事を忘れてしまったことは今さらどうしようもありませんから、そこはもう頭を切り替えましょう。
考えるべきことは、法事を忘れてしまったときに何をすればいいのか、ということです。
遅れて法事をしてもいいの?
法事をするのを忘れたときには何をすればいいか、答えはとても簡単です。
遅れて法事をすればいいんです。
そうです、もし命日を過ぎてしまっても、後から法事をしてください。
そりゃもちろん、命日を過ぎないように法事をするのが基本です。でも、忘れちゃったものは仕方ないですから、それを後からカバーするしかありません。
命日を過ぎたら故人を供養しても意味がない、なんてことはないです。
もしもあなたが、「遅れて法事をしてもいいの?」と疑問に思ったのなら、ぜひとも法事をしてほしいです。
なぜなら、【遅れても法事をする】という発想が出たのは、あなたにちゃんと『故人を供養しようという気持ち』がある証拠だから。
せっかく『故人の供養をしようという気持ち』があるのなら、遅れて法事をしてもいいんですよ、というか、ぜひ法事をするべきです。
ちなみに、法事をする日取りを決めるときには【仏滅】や【友引】などは気にしなくて大丈夫です。
その理由については『法事の日取りは友引や仏滅でもいいの?法事には六曜を考えるべき?』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
法事をしないという選択
法事をするのを忘れてしまったら、後から法事をすればいいんです。
でも、一応は【もう一つの選択肢】もありますよ。
そうです、【次の年回忌まで法事はしない】という選択です。
法事をするかどうかを決めるのはあなたなので、法事をしないという選択をしてもかまいません。ただ、お坊さんの僕としては、できればあなたにはその選択をしてほしくありません。
とはいえ、法事をするのも大変なので、もしかすると、命日を過ぎてしまったら「正直なところ、もう今さら面倒くさい。」と思ってしまうかもしれませんね。
でも、法事をしないという選択をしても、それはそれで面倒くさいことがありますよ。
あなたの親戚に【昔のやり方】にこだわる人はいませんか?
そのような人は、いい意味では《伝統を大切にしている》とも言えますが、大体の場合は単に『文句の多い面倒くさい人』です。
もしも法事をしなかったら、その親戚に文句を言われますよ?しかも、そういう人は《何年たっても、事あるごとにそのことを話題に持ち出す》んですよね。
どうでしょう?思い当たる人はいませんか?そして、あなたは、その面倒な状況に耐えられますか?
ということで、僕は、故人のためにも、あなたのためにも【法事をしない】という選択はしない方がいいと思います。
【関連記事】:法事をする必要性と意味。法事の注意点も合わせて解説します。
お墓の前で『お詫び』をする
法事を忘れてしまったことはもう今さら仕方ありません。
なので、何度も言いますが、遅れてもかまわないのでちゃんと法事をするべきだと思いますよ。
あなたも「そうだよね、やっぱり遅れても法事をしておこうかな。」と思っていますよね?
ということで、ぜひ法事をしてあげてください、お願いします。
お願いついでに、もう一つ。
法事のときには、お墓の前で、遅れて法事をすることの『お詫び』をするようにしてください。
あなたは、もしも待ち合わせに遅刻したときには、待たせた相手に対して【遅れたことのお詫び】をしますよね?
それとまったく同じです。
遅れて法事をするときには、故人に対してちゃんとお詫びをしましょう。
えっ?なんで《お墓の前》で詫びるのか、ですって?
それは、お墓が『あの世とこの世を結ぶもの』であり、あなたの気持ちが故人に一番よく伝わる場所だからです。
法事を忘れてしまったのは【わざと】ではありませんよね?遅れてしまったことを【申し訳ないな】と思っていますよね?
そのようなあなたの気持ちを全部お墓を通じて故人に伝えてあげてください。
【関連記事】:お墓の意味や役割とは何?お墓参りでお墓はパワースポットに育つ?
まとめ:遅れてもいいので法事をしましょう
法事は毎年あるものではないですし、多くの人が忘れてしまいます。
でも、もしも忘れてしまっていても、後でそれに気づいたときに遅れて法事をすればいいのです。
面倒くさいからといって「もう命日を過ぎちゃったし、法事はしなくてもいいか。」なんて思わないでください。
少人数だけでもかまいませんから、【法事をしない】という選択は無しにしませんか?
もしも何もしなかったら、いつも口うるさい親戚に何て言われるかわかりませんよ?
法事をすると故人だけじゃなくあなたにもメリットがあるので、遅くなってからでもいいので法事をしてあげましょう。
今回は法事のことを忘れてしまいましたが、次からは故人の年回忌の命日を過ぎてしまわないように気をつけてくださいね。
※法事をする場合はこちらの記事をご参考にどうぞ。