お葬式

喪服を持っていない時はどう対処する?喪服の意味と必要性を解説します

この記事では、

今回の内容は要するにコレです
  • 喪服を持っていない時はどう対処するのか
  • 喪服の意味と必要性

について書いています。

お葬式や法事など、仏事の際に着用する喪服。

喪服って普段は使わないものなので、ついつい購入を先延ばしにしていたり、買ってあったけど体型が変わってしまって肝心な時に使えない、なんてことがありますよね?

お通夜の日までに喪服を用意しなくてはいけないけれど、そんなすぐに用意をしている時間もない。

このように、いざという時に慌ててしまう人は多いものです。

でも、ご安心ください。

喪服がない時でも、それに準じた服装をするなど、いくつかの対処法でカバーできますので問題はありません。

しかし、そこにはいろんな条件がありますので、その点はご注意ください。

でも、そもそも故人を弔う時になぜ喪服を着るのでしょうね?

せっかくですから、この記事をお読みいただいて、喪服にはどのような意味があるのか、なぜ着るのか、そのような基本的なところも一緒に知っていただければと思います。

喪服がなければ他の服装でも大丈夫。ただし、条件あり。

人の命はとても儚(はかな)いもので、昨日まで元気に挨拶をしていた人が、今日にはもう帰らぬ人となってしまう、ということもあります。

ですから、訃報の知らせというものはいつも突然やって来ます。

もしもあなたにとって故人が、とても親しい方、あるいは大変お世話になった方であれば、一刻も早く駆けつけて手を合わせたいという気持ちになりますよね?

でも、ちょっと待ってください、あなたは喪服を持っていますか?

持ってない・・・ですか?

お通夜に限り、喪服でなくても大丈夫です

もし、あなたが喪服を持っていなくても、『お通夜』に参列するのであれば、喪服以外の服装でも《本来の礼儀》という意味では問題ありません。

逆に、

お通夜に喪服を着て行くのは、事前にちゃんと喪服の準備をしていたということで、それはつまり、【故人の死を待っていた】ように誤解されてしまうから、お通夜には平服を着て参列するのがマナーである

という考え方もあるのです。

ですから、急なことで喪服がすぐに用意できないのであれば、お通夜に関しては平服で参列してもかまいません。

しかし、あなたもご存じのように、『平服』とはいえ本当の普段着や作業着は避けた方が無難ですよ。

服装としては、できるだけスーツ、またはワンピース・アンサンブルなどを着用して、なおかつ、

  • 黒・濃紺・濃いグレーなど暗い色のもの
  • 中に着るワイシャツは白色で無地のもの
  • 靴下やストッキングは黒色のもの
  • 靴は金具の付いていない黒色のもの
  • 黒色でも【光沢】のないもの

という点に気をつけた方がよいと思います。

男性の場合

男性の場合、黒色のネクタイがすぐに用意できない時は、最寄りにある、

  • 紳士服店
  • デパート
  • 大手スーパー
  • 百円均一ショップ
  • コンビニ

などで購入しましょう。

喪服の購入というのは、金額面においてもそう簡単にできることではありません。

でも、喪服は無理だとしても、ネクタイなら何とか買えませんか?

また、ネクタイと合わせて、白色で無地のワイシャツが売っていれば、できるだけ購入した方がいいと思います。

女性の場合

女性の場合は、喪服ではなくても、黒色のスーツやワンピース、またはアンサンブルなどがあれば、それを着用すればよいと思います。

そして、女性の服装で注意しておいた方がよいのは、『なるべく肌の露出を少なくする』という点です。

できるだけ、袖丈は長袖〜五分丈くらいのもの、スカート丈は膝が隠れる程度のものが無難です。

また、黒色のタイツではカジュアルな印象を与えてしまうので、黒色(30デニール程度)のストッキングの方が無難です。

できれば、予備を一つ持って行くことをおすすめします。

靴はヒールの高いものは避けて、飾りのないものを選び、バッグに関しては、黒色で光沢がなく、なるだけ地味なハンドバッグを選びましょう。

アクセサリーは、基本的に結婚指輪以外はしない方がいいとは思いますが、パールを用いた一連のネックレスやピアス程度であれば問題ありません。

女性の場合は、マニキュア(今は何というのですかね?ネイル?)にも注意が必要です。

派手な色やデザインの爪は目立ってしまいます。

黒い手袋をしてもいいのですが、さすがにお焼香の時は手袋をしたままというわけにいきません。

事前に、除光液で落としておくか、どうしても落とせない場合には絆創膏(ばんそうこう)を巻いて一時的に見えないようにしましょう。

自宅でのお通夜など、法要会場によっては靴を脱ぐようなケースも想定できますので、足の爪の方にも同様の注意をしておいた方がよいと思います。

女性の場合は着用する物や持ち物が男性とくらべて多いので、物を揃えるだけでも大変ですし、注意することも多くなってしまいます。

マナーを意識しながら、『できる範囲』で準備をしましょう。

そういえば、知人の女性から聞いたのですが、手頃な価格で有名な某ファッションセンター(本社は埼玉県さいたま市にあるそうです)であれば、お葬式の時にも使えるような服や小物類など、一通り必要な物が安く買えるそうですよ。

あなたのお住まいの近くにあれば、見に行ってみる価値はありそうですね。

レンタルする

場合によっては、普通の黒色のスーツやワンピースなどもすぐには用意できない、ということだってあるかもしれません。

そういう状況なのであれば、【喪服のレンタル】ということを考えた方がいいと思います。

業者でレンタルする

一番簡単なのは、葬儀社を通してレンタルの申し込みをすることでしょう。

多くの葬儀社はレンタル衣装の業者を紹介してくれます。

どうしてもお通夜までに服を用意する時間が無い場合は、レンタルしたい喪服の種類・サイズ・必要な小物類などを、葬儀社または紹介してもらったレンタル業者へ伝えて発注をしておきましょう。

もし近くに貸衣装店があるようでしたら、もちろんそちらのお店でレンタルしてもかまいません。

実際に自分で物を見て選べますし、さまざまなアドバイスも聞けると思いますから、近くにあるのならば貸衣装店で直接借りるのが理想的です。

でも、都合よく近くに貸衣装店があるとも限りません。

ですから、近年ではインターネットで貸衣装業者からレンタルするという方法があって、これはとても便利です。

しかも、地域や時間帯によっては、申し込みをした当日に衣装の受け渡しができる業者もあります。

レンタル代金は、業者によって違うのはもちろんですが、その他にも、洋装や和装、形状や生地の質など、服の種類によって違います。

しかし、レンタルされるのは、

洋装であれば、5000円〜10000円くらい

和装であれば、10000円〜20000円くらい

というのが一般的なようです。

女性の和装の場合は、着付けを依頼すると、代金が5000円〜20000円(出張費込み)くらい追加で必要になると思われます。

知人に借りるのはヤメた方がいい

たまに、「喪服はあまり使わないし、買うともったいないから、いざとなったら知人に借りればいい。」と言う人がいますが、それはあまりおすすめできません。

借りた相手が知人だと、服を使用する時にはそれなりに気を使いますよね?

万が一、汚したり破いてしまった場合、お互いに嫌な気持ちになってしまいます。

汚れや破損がひどかったら弁償をしなければなりません。

それだと、何のために知人から借りたのかわかりません。

そうなると、喪服のことばかりが気になって、肝心の【故人を弔う気持ち】が二の次になってしまい、参列をしている意味がありません。

仮に、無事に【汚さず、破かず】に返せたとしても、何らかの【お礼】をしないとマズイですよね。

ねっ?知人に借りると、【気を使う】だけでなく結局は【それなりの出費】もあるんです。

ですから、喪服を借りると決めたら、知人ではなく【業者に申し込んでレンタルする】という方向で考えましょう。

お葬式には喪服を着用する

先ほども書きましたように、お通夜に限り喪服着用が必須というわけではありませんので、マナーを守って失礼のない服装で参列するのがよいと思います。

一方で、『お葬式』に参列する時は平服というわけにはいきません。

お通夜に限り平服でも問題ないと言っていたのは、あくまで【お通夜法要の開始時間までに喪服を用意するヒマが無い】もしくは【とにかく一刻も早く駆けつけたい】という大義名分を前提としていたからです。

お葬式はお通夜の翌日に行われますし、一日葬の場合でも、『今朝亡くなって、お昼からお葬式』なんてことはありませんので、前日までに喪服を用意する時間はあります。

ですから、お葬式にはちゃんと喪服を着て参列し、正式な服装で故人を送り出してあげましょう。

【関連記事】:暑いから脱ぎたい!夏のお葬式でも喪服の上着は着るべきなのか。

あなたが喪主や故人の遺族の場合は必ず喪服を着用する

お通夜に平服で参列しても問題がないのは、あなたが『一般参列者』の立場である場合です。

もしあなたが『喪主』や『遺族』である場合は、お通夜でも必ず喪服を着ましょう。

やはり、主になって故人を弔う側の人間としては、できるだけ正式な服装で臨み、弔問客に対しても失礼のないようにしておかなければなりません。

あなたが喪主や遺族ではなく『親族』という立場であったとしても、やはり喪服の方が無難だと思いますよ。

ある程度、故人に近い関係であるなら、お通夜から喪服を着用している方が間違いはありません。

なぜ喪服を着るのか

さて、この記事のタイトルにもある『喪服』ですが、そもそも『喪服』とはどのようなものなのでしょうか?

ここで、『なぜ仏事において喪服が着用されるのか』について解説していきます。

喪服の意味

仏事には欠かせない『喪服』。

喪服には、その名のとおり【喪に服すために着る衣服】という意味があります。

喪に服すとは、故人の逝去を悼み、そして身を慎むことをいいます。

つまり、喪服を着ることによって、大事な人を亡くし悲しみの中にいること、しばらくは行動を慎むことを故人にも他者にも示しているのです。

しかし、昔は、喪服を着るのは遺族だけでした。

喪に服すというのは、本来なら一定期間(喪中期間)は喪服を着て、さらに、

  • お祝い事全般
  • 遊び
  • 笑い
  • お酒
  • 肉や魚を食べること

を慎むことです。

喪に服し、故人を偲び行動を慎むことによって、故人の冥福を祈り弔っているのです。

つまり、喪服を着ること自体が故人の弔いにもなっているわけです。

そして、時代が進むと【参列者側】の人も喪服を着用して、遺族と同じように故人を偲び弔意を表すようになりました。

これが、現在の『仏事では喪服を着る』というふうに定着したのです。

そして、本当の喪服の意味からすると、喪中期間が終われば喪服を着る必要はありません。

しかしながら、法事の時などは『故人を偲び弔いの気持ちを示す』ということに変わりはないので、故人が亡くなって数年経った法事であっても参列者は喪服を着ます。

【関連記事】:法事の服装で悩む人が続出!喪服と平服のどちらを着るべきか。

本来の喪服は黒色ではない!?

『あなたの喪服は何色ですか?』

この質問に対して、ほとんどの人は「黒色」と答えることでしょう。

でも、喪服が【黒色】として定着したのは、どうやら比較的最近になってからのことのようです。

じゃあ、その前は何色だったかというと、もともと日本では、喪服が【白色】だったのです。

『日本書紀』などに喪服は白色であったことの記録があります。

その後、上流階級の間で、時代によっては黒色が着られていたそうですが、庶民の間では白色を着ていたようです。

ということは、【喪服=白色】として定着していた期間の方がずっと長かったわけですね。

白色は、今でも同じですけど、『穢れがなく清らかなもの』とか『新たにすること』を象徴する色です。

もしかすると、白色の喪服を着ることで、自らを清めて、死者を弔い、残された者として新たな生活を迎える決意を表していたのかもしれませんね。

では、現在のように喪服が【黒色】となったのはいつ頃からなのでしょうか?

喪服が【黒色】へと変わったのは、明治時代から第二次世界大戦の終戦頃にかけてです。

明治期の日本は、欧米諸国の文化を積極的に取り入れようとしていた頃なので、1897年の英照皇太后の大喪の時に、他国の国賓に合わせて黒い喪服を着たのをきっかけに日本国民全体に【喪服=黒色】という認識が出てきました。

また、第二次世界大戦では大勢の戦没者を出し、葬儀がいたる所で執り行われていました。

当時は喪服をレンタルすることも多く、貸衣装店としても白色の喪服を貸し出す頻度が多くなりました。

そうなると、汚れの目立ってしまう【白色】では頻繁な貸し出しにおいて不都合が多くなったので、反対に、汚れの目立たない【黒色】の喪服を貸し出すようになったといわれています。

それが、現在の私たちまで【喪服=黒色】として定着したのです。

喪服の必要性

これまで喪服がない時の対処法や喪服の意味を解説してきました。

でも、喪服ってそんなに頻繁には使用しませんよね?

しかも、前に購入しておいた喪服が、体型変化のためにいざという時に着られなかった、なんていうこともあります。

そして、あまり使用しないのにクローゼットのスペースをとってしまうんですよね。

だから、ついつい購入を先送りしてしまい、いざという時に困ってしまいます。

しかし、ぼくはちゃんと喪服を購入しておくことをおすすめします。

特に、あなたがもう社会人なのであれば尚更です。

この記事の最初で『お通夜に限り平服でも問題ない』と言いましたが、実際のところ、お通夜であっても平服で参列する人はほとんどいません。

ぼくが今までお通夜やお葬式などをお勤めしてきた経験でも、99%の人は喪服を着用して参列されています。

昔は、あえて平服でお通夜に参列することもあったようですが、少なくともぼくがお坊さんになってから20年以上の間では、平服で参列した人は本当にごくわずかです。

おそらく、近年ではお通夜の方だけに参列することも多いので、【お葬式に参列できないのなら、お通夜の時にはちゃんと正装をしよう】という意味でみなさん喪服を着るのだと思います。

ですから、現実として、お通夜やお葬式において『喪服着用は必須』であると思いますよ。

人はいつどのようになってしまうのか誰にもわかりません。

縁起でもないかもしれませんが、もしかすると、あなたの身近なところで不幸が起こらないとも限りません。

そんな時に急いで喪服を用意することは大変ですよ。

しかも、あなたが社会人であれば【喪服を持っていない】ことに対して「社会人なのに喪服を持ってないなんて、非常識だ」と言う人だっているかもしれません。

ですから、あなたがいざという時に慌てないように、そして、恥ずかしい思いをしないためにも、喪服を購入しておいた方がいいと考えています。

喪服を購入する時の目安

あなたが喪主であったり、あるいは遺族の場合は喪服が必要になります。

いざという時に慌てないように喪服は購入しておくと安心です。

そして、喪服はウエスト周りなどの調整が可能な、体型の変化に対応できるものを購入しておく方がさらに安心です。

大まかですが、一般的な喪服の販売価格を書いておきます。

喪服は比較的求めやすい金額のものから、高級なものまで幅広く種類があります。

洋装の場合、男性の正喪服はモーニングで、価格は80,000円〜100,000円のものが多いと思います。

ただ、ぼくが今まで《喪主がモーニングを着ている》のを見たのはほんの数人です。

99%の喪主は準喪服のブラックスーツを着用していました。

ブラックスーツの価格は、市販のもので一般的には、

30,000〜50,000円

くらいです。

インターネットで購入するとさらに低価格なので、

10,000~30,000円

くらいで購入できます。

あと、もちろん和装の正喪服もあるのですが、じつはぼく、喪主で和装をしている男性を一度も見たことがないんですよね。

つまり、現代のお葬式において日本の伝統的な服装というのは重要視されていない、ということなんでしょうね。

たしかに、買うとしても和装(正喪服)の場合は決まりも多いですし、費用も30万円程度が必要となってきます。

そして、和装の喪服は喪主や遺族が着るものなので、ブラックスーツに比べて非常に使用頻度が低いわりには値段が高いのです。

喪服としてブラックスーツが定着したのは、さまざまな面で使いやすいからなんです。

女性の場合、洋装であれば、ワンピースかアンサンブルを着用します。

こちらも、市販のものであれば、一般的な価格としては、

20,000円〜50,000円

だと思います。

そして、インターネットで購入する場合は、やはり、

10,000~30,000円

くらいの価格で抑えられます。

和装の場合は、男性と同様に正喪服として着用することとなり、価格もやはり30万円程度と高額になります。

しかし、男性と違って、女性が喪主となっている場合、和装をする人はけっこうおられます。

とはいうものの、経験則としては10%くらいだと思います。

やはり圧倒的に洋装が多いことは間違いありません。

ですから、利便性や価格を考慮すると、喪服を購入する時は、男女を問わず『洋装の喪服』を優先的に選んでおいた方がいい、ということになると思います。

※男性の場合は、コチラくらいの物を選んでおけば無難です。

まとめ: 喪服を持っていないなら買っておいた方がいい

喪服は誰かが亡くなった時や故人の供養をする時に使用する服です。

たしかに、喪服の用意をしておくことは『誰かの不幸に備えておくこと』なのかもしれませんし、それを「縁起でもない行為」と言う人もいることでしょう。

しかし、人はいつか必ずこの世を去ります。

誰にでも必ず訪れるものなのであれば、それに対する準備をしておくべきではないでしょうか?

喪服を着ることは、故人を偲んで哀悼の気持ちを『意思表示』することです。

つまり、喪服を用意しておくことは、誰かの不幸を待っているのではなく、『いざそうなった時に、慌てることなくしっかりと故人との最後の時間を過ごすために備えておくこと』なのだと思います。

言い方を変えれば、いざそうなった時に、故人にしっかりと哀悼の気持ちを示すことができるように、そして、故人を弔うことに集中できるように、そのために喪服を予め用意しておくのです。

誰かが他界されるたびに慌てて用意するのは大変ですよ。

喪服はできるだけ先に買っておくことをおすすめします。