お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 無宗教葬儀とはどんなお葬式なの?
- 無宗教葬儀では具体的に何をするの?
- 無宗教葬儀の注意点を知りたい。
近年では「ウチは宗教のこだわりがないし、お坊さん無しのお葬式でいいんじゃない?」と考える人が急増しています。
お坊さんがいないお葬式など、あらゆる宗教に属さない形式のお葬式を『無宗教葬儀』といいます。
お葬式の形式は自由なので、家族みんなで話し合った結果『無宗教葬儀』を選択することもあるでしょう。
しかし、『無宗教葬儀』には注意点もあるので、安易に選んで後悔しないようにしてください。
この記事では、
- 『無宗教葬儀』とは、どんなお葬式なのか
- 『無宗教葬儀』の具体的な流れ
- 『無宗教葬儀』の注意点
- 『無宗教葬儀』をした後の【遺骨】はどうするのか
について解説しています。
故人にとって『最後の晴れ舞台』となるお葬式で絶対に後悔をしないよう、ぜひ最後まで読んでみてください。
お葬式は、お坊さん無しの『無宗教葬儀』をしたい
近年、多くの人から注目を集めている無宗教葬儀。
もしもあなたが『無宗教葬儀』に興味を抱いても、大まかな内容が分からないと従来のお葬式との比較ができませんよね?
ということで、まずは『無宗教葬儀』の概要を解説します。
無宗教葬儀って何?
『無宗教葬儀』とは、あらゆる宗教に属さない形式のお葬式のことで、宗教的な行為は一切ないお葬式です。
宗教には、
- 仏教
- 神道
- キリスト教
- イスラム教
- ヒンドゥー教
- ユダヤ教
など有名なもの以外にもたくさんあり、宗教ごとにお葬式(儀式)のやり方が違います。
しかし、無宗教葬儀はどの宗教のやり方でもない自由な形式でお葬式ができるので『自由葬』とも呼ばれています。
自由な形式でお葬式ができれば、
- 『故人らしい』お葬式ができる
- 遺族の考えや希望どおりにできる
- 宗教的なものに対する出費がなくなる
といったメリットがあります。
また、お葬式というのは故人のために行うものなので、
という考えの人もいます。
そのような人にとって無宗教葬儀は、【故人】と【家族】のことだけを考えることができる理想的なお葬式なんですよね。
そのため、無宗教葬儀は従来のお葬式に対して疑問を抱いていた人からも注目を集めています。
なぜ無宗教葬儀をしたいの?
無宗教葬儀をしたい人の多くは、
- とにかく葬儀費用を節約をしたい
- 何の宗教も信仰していない(していないつもり)
- お付き合いをしているお寺がなく、そもそもお坊さんの必要性を感じない
- 故人には「無宗教でお葬式をしてほしい!」という生前からの強い要望があった
- 家族みんながそれぞれに信仰している宗教が違う
という理由です。
無宗教葬儀をしたい理由は人それぞれですが、無宗教葬儀をするなら、しっかりとした考えや信念がなければいけません。
言い方を変えれば、【無宗教葬儀にした理由】をしっかり説明できるようにしておくということです。
例えば、
- ウチは仏教をまったく信仰していないから、お葬式も仏式にはしない。
- 故人のためのお葬式だから、故人の遺志を尊重してあげたい。
- 家族がそれぞれに信仰する宗教があり、どうしても1つの宗教で行えない。
というような、他者に説明できる理由があれば無宗教葬儀を選択してもいいと思います。
一方で、しっかりとした考えや信念がなく、
- お坊さんを呼ぶと、さらに出費が増えそうだから。
- 最近は『無宗教葬儀』が流行り始めてるらしいから、何となくウチも。
- 以前からお坊さんに対するイメージが良くないから。
みたいな理由だと、後でトラブルを招く可能性があるので注意してください。
無宗教葬儀をするには、親戚などにしっかりと説明できる理由を用意しておきましょう。
無宗教でも服装は【喪服】です
無宗教葬儀は従来のお葬式とはまったくの別物です。
だとすれば、『服装』についても従来とは違うのかというと、そうではありません。
『無宗教葬儀』でも【喪服】を着用します。
無宗教葬儀とはいえ【お葬式】であることに変わりはありません。
喪服には、
- 故人の死を悼む
- 心から冥福を祈る
- しばらくの間は行動を慎む
といった意味があります。
故人を偲び、最後のお別れをするときには【喪服】を着るのが故人に対する礼儀です。
いくら無宗教で自由だからといって、普段着で参列するなんてことは絶対にしないでください。
御香典はちゃんと持って行く
お葬式に参列するときには【御香典】を持って行きますよね。
しかし、無宗教葬儀は従来のお葬式と違うのですから【御香典】は不要なのかというと、そうではありません。
無宗教葬儀でも【御香典】は必要ですし、式場にはちゃんと受付もあります。
ただし、無宗教葬儀の場合は、現金を【御香典】という表書きで包むことはしません。
無宗教葬儀で包む袋の表書きは『御花料』にしておけば、特定の宗教に関係ない表現になるので無難です。
ときどき「御霊前でもいい」と言う人もいますが、【霊】という表現が宗教的なニオイを漂わせていますので、『御霊前』と書くのはギリギリのところで不可です。
無宗教葬儀の流れ
無宗教葬儀というのは従来のお葬式とはまったく別物なので【お葬式の流れ】も違います。
無宗教葬儀のプログラムは喪主が自由に組めますが、だいたいは、
- 参列者が入場・着席
- 開式の辞
- 黙祷
- 献奏
- お別れの言葉
- 弔電紹介
- 献花
- 感謝の言葉
- お別れ【お花入れ】
- 閉式の辞
- 出棺
- 会食
という流れになります。
それぞれ順番に解説をしていきますが、無宗教葬儀をしたい人は『通夜』をしないでしょうから、ここでは【お葬式だけを行う】という前提で書いています。
①参列者が入場・着席
お葬式が始まるまでは、
- 故人の好きだった音楽
- 故人の思い出の写真のスライドショー
- ピアノやエレクトーンの生演奏
などが流れ、参列者を迎えます。
また、式場の入り口には故人の【思い出の品】や【写真】などを飾り、式が始まる前から【故人の世界観】で参列者を迎えるのです。
②開式の辞
開式の時刻になると、司会者によって開式が告げられます。
多くの場合、ここで故人の生涯に関する簡単な紹介をします。
また、開式の時点で司会者から【無宗教葬儀で執り行うこと】を説明してもらうことが大事です。
もしかすると、参列者の中には『無宗教葬儀』で行われることを知らない人がいるかもしれません。
そのような人は「あれっ?お坊さんはどうした?」と思ってしまうので、先にちゃんと知らせておく必要があります。
③黙祷(もくとう)
開式が告げられた後は、参列者みんなで『黙祷』をします。
黙祷は、従来のお葬式でいう【お坊さんが読むお経】の代わりみたいなものです。
故人を偲び、哀悼と感謝の気持ちで頭を少し下げ、目をつむって、だいたい1分くらい黙祷をします。
仏式のお葬式には黙祷なんてありませんから、ここがまず【無宗教葬儀の違和感】の1つめになるでしょう。
④献奏(けんそう)
黙祷が終わると、次に『献奏』があります。
献奏というのは、
- 故人の経歴などを紹介するスライドショー
- 故人の好きだった音楽
- 故人との思い出の曲
- 故人が映っている思い出のビデオ
- バンドによる生演奏
などをかけることをいいます。
ビデオやスライドショーであれば、その当時の故人の様子が分かりますよね。
しかし、曲の場合は故人とのエピソードを付け加えてあげないと、その曲と故人に何の関係があるのか参列者には分からないので注意しましょう。
⑤お別れの言葉
次に、故人に対して参列者が『お別れの言葉』を伝えます。
これは参列者全員ではなく、代表する数人だけがやります。
要するに、従来のお葬式での【弔辞】にあたるものです。
弔辞と同じように、故人の功績や思い出、そして生前のご恩に対する感謝の気持ちを述べ、お別れの言葉を故人に伝えます。
⑥弔電紹介
お葬式のときには、参列できなかった人たちから『弔電』が届きます。
それらの弔電の中から、代表して2~3通だけ司会者によって読み上げられます。
従来のお葬式の場合、式中に弔電を読み上げる時間がほとんどなく、読み上げられるのは【式の1番最後】になってしまいます。
しかし、『無宗教葬儀』の場合は時間が十分にあるので、お別れの言葉の後に弔電を読み上げる時間をちゃんと取ることができます。
⑦献花(けんか)
続いて、遺族・親族・一般の順番で『献花』を行います。
これは、従来のお葬式での【焼香】にあたるものです。
焼香は仏式の作法であり、亡くなった人に対して焼香をすることには非常に重要な意味があります。
しかし、無宗教葬儀で【お焼香】をするわけにもいきませんので、代わりにお花を故人に捧げるのです。
⑧感謝の言葉
弔電の読み上げの後は、遺族代表が参列者にむけて『感謝の言葉』を伝えます。
これは、いわゆる【謝辞】ですね。
事前に文面を紙に書いておくのもいいですが、可能であれば、遺族としての素直な気持ちを自分の言葉でそのまま参列者へ伝えてあげてほしいなと思います。
⑨お花入れ
感謝の言葉が終わると、棺桶に『お花入れ』をします。
祭壇に飾られたキレイなお花を、参列者みんなで棺桶の中へ入れます。
このときに、お花だけではなく、故人が来ていた服、故人に宛てた手紙、または故人の写真なども一緒に入れてあげるといいですよ。
ただし、火葬のときに燃え残ってしまったり、有毒物質を出してしまうようなものは入れられませんので注意しましょう。
亡くなった人のまわりにお花を飾るというのは、宗教というものが生まれるずっと前の時代から行われていたようです。
ですから、故人にお花をたむけるという行為は、宗教を超えた全世界共通のものです。
⑩閉式の辞
最後は、司会者から参列者へ閉式が告げられて式は終了となります。
ちなみに、閉式の後はすぐに【出棺】となりますので、トイレに行くならこのタイミングしかありません。
⑪出棺
式が終わると、故人はいよいよ火葬場へ向かいます。
棺桶を、専用の車(霊柩車)に乗せて送り出しますことを『出棺』といいます。
霊柩車へ乗せるときは、男性6名くらいで棺桶を手で持って運びます。
このとき、葬儀社のスタッフさんが必ず「どなたか男性の方で6名様ほど、ご乗棺のお手伝いをお願いいたします。」と言うはずです。
最後のご奉仕ですから、故人と関係の近い男性みんなで棺桶を乗せてあげましょう。
⑫会食
火葬場に着くと、最後に故人の顔を見て、そのあと棺桶が火葬炉に納められます。
最近では、火葬をしている間に会食(精進落とし)をするケースが多くなっています。
火葬場での食事の時間は1時間程度になってしまいますが、参列者のみんなで在りし日の故人についてたくさんお話をしてあげましょう。
火葬場ではなく、お葬式をした式場に戻ってから会食をしてもかまいませんが、火葬場で会食をした方が何かとラクではあります。
【関連記事】:精進落としの場所におすすめなのは火葬場!そもそも精進落としって何?
無宗教葬儀をするときの注意点
無宗教葬儀は、あらゆることが自由です。
ですから、従来のような決まり事がたくさんある面倒くさいお葬式をせずにすみます。
しかし、無宗教葬儀はまだ世間に十分に認知されていないので、予想もしないトラブルがおきる可能性もあるんです。
ここからは、無宗教葬儀での注意点についていくつか紹介します。
ついつい手を合わせてしまう
日本で執り行われるお葬式のほとんどが『仏式』なので、式中ではいろんな場面で手を合わせます。
そのため、無宗教葬儀でも【献花】のときや棺桶への【お花入れ】のときに無意識に手を合わせてしまう人がいます。
無宗教葬儀では手を合わせちゃダメです。
強い信念をもって無宗教葬儀を選んだのであれば、その信念は最後まで貫くべきです。
それができないような【あやふや】な信念ならば、無宗教葬儀なんかしちゃいけません。
絶対にお坊さんには来てもらわない
従来のお葬式では、お坊さんが来てお経を読んで供養をします。
しかし、『無宗教葬儀』の場合は絶対にお坊さんに来てもらってはいけません。
お坊さんというのは、間違いなく【仏教の信者】です。
せっかく『無宗教』でお葬式をしようとしているのに、そこに【仏教の信者】であるお坊さんがいたら、そのお葬式は《仏式》になってしまいます。
それに、無宗教葬儀なのにお坊さんに来てもらうなんて、そのお坊さんに対して非常に失礼。
無宗教葬儀ということは、式中でお坊さんは何もすることがなく、ただ祭壇の前に座るだけです。
お坊さんというのは、お葬式の中で、故人を【最も安全で、最高に幸福な状態に導く】という重要な仕事をしています。
しかし、無宗教葬儀ではそれをしたくないわけですから、お坊さんに来てもらうなんていうことは絶対に考えてはいけません。
【関連記事】:お葬式をする目的。お葬式でお坊さんがしていることを具体的に解説!
菩提寺がある場合はトラブルになる
『無宗教葬儀』をするなら、まずは【自分の家のお墓がどこにあるのか】を必ず確認してください。
もしも【お寺】にお墓があるという場合、残念ながらあなたの家は無宗教葬儀ができません。
あなたの家のお墓が【お寺】にある場合、そのお寺は『菩提寺』といって、あなたの家のすべての供養をする立場にあるお寺となります。
そういう約束がされているからこそ、あなたの家のお墓がそのお寺にあるので、どんなに『無宗教葬儀』をしたいと思っていても菩提寺が許してくれないでしょう。
それでも、「どうしても無宗教葬儀にしたい!」というなら手段は1つで、そのお寺との付き合いを解消してお墓も他の墓地へ移動するしかありません。
菩提寺があるのに『無宗教葬儀』を選ぶということは、それは『離檀』を意味しますので、その点は十分にご注意ください。
親戚の理解を得るのが大変
しっかりと家族で話し合い、その結果『無宗教葬儀』にすることが決まったとします。
そうしたら、次は親戚の理解を得るということも大事です。
多くの場合、お葬式は親戚にも参列してもらいます。
親戚の人たちは従来のお葬式をするものだと思っているでしょうから、『無宗教』でお葬式をする理由をちゃんと説明しなくてはいけません。
しかし、僕のように『無宗教葬儀』に対して否定的な考えの人もいますから、それを説得するのはかなり大変です。
それでもしっかりと『無宗教葬儀』を貫いてください、それくらいの信念がなければダメですよ。
式の内容をしっかりと決めておかなきゃいけない
無宗教葬儀はいろんなことを本当に自由に決められます。
従来のお葬式は、とにかく【それぞれの宗教や宗派のやり方】に縛られてしまいます。
一方で、『無宗教』の場合はそんな縛りは一切なく完全に自由。
しかし、自由というのは、逆に言うと、
- すべてのことを遺族が自分で考え、率先して進めていかなきゃいけない。
- 無宗教葬儀をしたことによるトラブルはすべて遺族の責任。
- 式のプログラム構成がヘタだと、大事なお葬式が【台無し】になる。
ということです。
すべてが『自由』ということは、他の誰にも文句を言うことができず、すべて『遺族の責任』のもとで執り行うということを忘れてはいけません。
ですから、事前の準備や手配をミスしてしまわないように、式の内容をしっかりと決めておかなきゃいけないのです。
最初はみんな「もっと自分の思うように、自由にお葬式をしたい!」と考えます。
しかし、実際に無宗教葬儀をやってみると、従来のお葬式のような【定型があること】のありがたさに気づきます。
予想以上に費用がかかる可能性がある
お葬式のすべてを自由に決めるということは、【必要のないもの】まで組み入れてしまうリスクもあります。
無宗教葬儀を選ぶ理由として【費用をできるだけ抑えたいから】という人も多くいます。
それで、費用を抑えるためには、まず【お坊さんに支払うお布施】を削減しようということで無宗教葬儀を選ぶわけです。
ところが、せっかく【お坊さんに支払うお布施】を削減したのに、お葬式のプログラムを構成していく中で次々にオプションを追加してしまい、結果的に予想以上に費用がかかったということもあります。
何でもそうですが、【◯◯セット】みたいにある程度『定型』のモノを選べば費用は安くてすみます。
しかし、自由に作り上げるということは、定型外の単品価格で構成していくことになるんですよね。
お葬式の費用を抑えたくて『無宗教葬儀』にしたのに、あれもこれもと詰め込んでしまうと、結果的に相場を超える大出費となりますので十分に注意してください。
何となく心残りがある
無宗教葬儀など『費用を抑えたお葬式』を選んだ人の中には、何となく心残りがあるという人も多くいます。
いろいろ考えて『無宗教葬儀』を選び、ちゃんと親戚も説得して、無事に理想通りのお葬式をすることができました。
それなのに、後になって『無宗教葬儀』をしたことを悔やむ人が多いんですよね。
従来のお葬式とあまりに違うので、
と心配になってしまうのです。
しかし、もう一度お葬式をすることはできませんので、その後ずっと悔やむことになります。
無宗教葬儀をするかどうかは遺族の自由ですが、ほんの少しでも「もしかしたら後悔するかも?」と思ったら従来のお葬式をした方が無難です。
無宗教葬儀をした後、故人の遺骨はどうする?
無宗教葬儀をしたら、故人の遺骨は【お寺の墓地】に納めることができませんので、他の場所に納めるしかありません。
とはいえ、無宗教でも納骨できる場所というのはある程度限られています。
無宗教葬儀は、遺骨の納める場所に困ってしまうケースがあるので注意しましょう。
遺骨は自宅に置いておく(=手元供養)
『無宗教葬儀』をした人の多くが、遺骨は自宅に置いておくという選択をしています。
たしかに、遺骨は【絶対にどこかに納骨しなくてはいけない】ということはありません。
大切な家族の遺骨を、故人の住み慣れた自宅に置いておきたいと考える人は多いです。
さすがに、その後も代々にわたって自宅に置き続けることはできませんが、気持ちが落ち着くまでは自宅に置いておくというのも悪くないと思いますよ。
霊園にお墓を建てて埋葬する
事情があって遺骨を自宅に置いておけないというケースもあります。
そして、「お坊さんは不要だけど、ちゃんとしたお墓は必要だ。」という人もいます。
そのような人は『霊園』にお墓を建てて埋葬するといいですよ。
霊園であれば、宗教や宗派にまったく関係なく立派なお墓を建てることができます。
宗教や宗派がまったく関係ないので、行事などへの申し込みを強要されることはなく、寄付をする必要だってありません。
永代供養をする
近年では、遺骨をしかるべき場所に埋葬したくても、お墓を持つことができないという人が急増しています。
たしかに、お墓を建てるのにも、それを維持していくのにもたくさんのお金が必要です。
そのような人たちが最終的にたどり着くのが『永代供養』という選択です。
永代供養というのは、あなたの家の仏様達を、あなたの代わりにお寺がずっと供養し続けてくれるというものです。
最初に永代供養の費用を全部納めてしまえば、あとはもうお金を払う必要がありません。
もしも何らかの事情で故人の供養ができなくなっても、お寺が代わりに供養をするので安心できますよね。
樹木葬をする
永代供養というのは、一般的に『他の人の遺骨』と一緒になって埋葬されることになります。
そして、この【他の人の遺骨と一緒になる】というのを嫌がる人がとても多いんですよね。
そのような人は、樹木葬がいいですよ。
樹木葬であれば、多くの場合、
- その場で永代供養をしてもらえる
- 他の人の遺骨と一緒になることがない
- 費用が比較的安い
というメリットがあります。
じつは、最近では樹木葬がすごく人気なので、いろんなお寺や霊園でも樹木葬の墓地を造成しています。
今や樹木葬は多くのお寺や霊園で当たり前のようにありますので、興味があれば最寄りの場所で探してみてください。
海洋散骨をする
最後に、少し変化球のような方法も紹介します。
それは、海洋散骨です。
人は自然から生まれ、やがて自然に返っていくものなので、故人の遺骨も自然に返してあげたいという人がいます。
しかし、日本の場合は、そこらの土の中へ勝手に埋めてしまうのは違法ですし、どこかの山奥にまいたり近所の川に流してしまうのはマナー違反です。
海洋散骨なら、決められた場所以外に【埋める】わけでもなく、誰かに通報されることもありません。
法律的に少し【グレーゾーン】ではありますが、一応は合法的に遺骨を自然に返すことができます。
ただし、当然ながら、遺骨を海へまいてしまったら二度と取り戻すことはできませんので、海洋散骨は慎重によ~く考えてくださいね。
まとめ:葬儀のカタチは自由!でも無宗教葬儀をするなら、ちゃんと注意点を理解しよう。
お葬式は、故人と最後のお別れをする大事なものです。
それをどのようなカタチで行うかを決めるのは遺族であり、本来はお葬式のカタチは自由なものです。
それに、時代はどんどん変わっていくのですから、お葬式のカタチだって変化していくに決まっています。
ですから、もしも『無宗教葬儀』をしたいと思うのなら、その気持ちを尊重してください。
むしろ、誰も望んでいない宗教的な儀式は【無駄】でしかないので、無理に取り入れる必要はありません。
もちろん、無宗教葬儀をするなら【お坊さん】も必要ありません。
ただし、『無宗教葬儀』はまだ世間では浸透しておらず、菩提寺がある場合は高確率でトラブルが発生します。
何も考えず、
- お坊さんに来てもらうと面倒だから
- 御布施の分のお金を節約したいから
- 無宗教葬儀が流行っているから
みたいな理由で無宗教葬儀を選んでしまうと必ず後悔します。
お葬式のカタチは自由ですが、『無宗教葬儀』をするなら注意点をしっかり理解した上で話をすすめてくださいね。
とにかく、『悔いの残るお葬式にだけはしてほしくない』というのがお坊さんの僕としての願いです。