お葬式

お葬式に小さな子どもを連れて参列するのは非常識?《お坊さんが答えます》

人はいつ、その命を終えるのか、それは誰にもわかりません。

訃報の連絡はいつも突然やって来るものです。

数日後にはお葬式に参列をしなければならないけれど、あなたには小さなお子様がいます。

そうすると、

「小さな子どもを一緒に連れて行った場合、もしかすると、式の途中で泣き出したり、騒いだりするかもしれない。そのせいで他の参列者の人達に迷惑をかけてしまう可能性だってある。」

というふうに考えるでしょう。

そんなことを考えていると、

「まだ小さな子どもを連れてお葬式に参列したら、やっぱり非常識かな?」

と、すごく迷ってしまいますよね?

この記事では、

今回の内容は要するにコレです
  • 小さなお子様にもぜひ参列してほしい理由
  • 小さなお子様と参列する時の注意点

を、【お坊さんの立場】として書いています。

これを読んでいただいた後に、少しでもあなたの不安が無くなっていることを願います。

お葬式に小さな子どもを連れて参列するのは非常識?

小さな子どもを連れてお葬式に参列していいものかどうか、多くの人が迷ってしまいます。

小さな子どもを連れて行くかどうかの判断は、

  • 故人とあなたのお子様の関係性

によって変わるものだと思います。

例えば、

  • 故人が【あなたの友人のご家族】や【あなたの職場関係の人】など、あなたのお子様との関係が遠い

という場合は、お子様と一緒に参列するのは見送る方が無難だと思います。

お子様を家族など他の誰かに預けて、あなただけ参列しましょう。

もし誰にも預けられない場合は、参列を辞退することも考えなければなりません。

それが世間一般のマナーになるかと思いますので。

しかし、親戚同士など、故人とお子様の関係が近い場合は話が全く変わってきます。

関係が近い場合は、あなたのお子様が体調不良でもない限り、お葬式にはできるだけ、

一緒に参列をしてください!

特に、故人とお子様の関係が【孫と祖父母】という関係の場合は、ぜひとも参列してもらいたいです。

べつに式の途中であなたのお子様が泣いたっていいじゃないですか。

少しくらい騒いだっていいじゃないですか。

だって、まだ【小さな子ども】なんですから。

故人と近い関係であれば、

小さなお子様と一緒に参列をしても、まったく非常識ではありません

ので大丈夫ですよ!

たしかにお葬式は故人を弔うための厳粛な法要です。

でも、厳粛というのは『物音ひとつたてずに、ずっと静かにしていなければならない』ということではないと思うんですよ。

故人だって、きっとお子様が参列することを望んでおられますよ。

ご年配の方の話を聞いていると、我が子はもちろん可愛いけれども、やっぱり『【孫】は別格で可愛い!』という人が多いですよ。

あなたのお子様は、故人にとって大切な家族であり、そして別格に可愛い『孫』なんです。

お葬式というものは、故人を弔うために執り行うのです。

参列者に向けて執り行うものではありません。

ですから、故人が喜ぶようなことを優先してあげるべきなんですよ。

故人はきっと、「自分にとって本当に最後の時間を、可愛い孫と一緒に過ごしたい」と願っておられるはずです。

故人との関係が近ければ近いほど、できる限りお子様と一緒に故人を送り出してあげましょう。

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小さなお子様が泣いたり騒いだりしても、お坊さんは気にしていません

小さな子どもがいる親御さんの中には、

「法要中に子どもが泣き出したり騒ぎ出したりしたら、参列者のみんなだけでなく、お坊さんにも迷惑をかけてしまう。」

と心配する人もいます。

大丈夫ですよ。

お坊さんに関しては、小さな子どもが法要中にいくら泣こうが騒ごうが気にしていませんから。

ぼく達お坊さんにとって、法要中に【子どもが泣き出す】なんてことは日常茶飯事です。

子どもが泣いたことに対して「うるさい、静かにさせなさい!」なんてことを言うお坊さんは、少なくともぼくのまわりには1人もいませんよ。

もしそんなお坊さんがいたら、その人はお坊さんには不向きです。

あるいは、お坊さんとしての経験があまりにも不足し過ぎています。

ですから、お子様が泣き出してしまうことが【お経を読んでいるお坊さんに対して失礼になる】なんてことは一切考えなくて大丈夫です。

お坊さんのことなんか放っておいて、泣いているお子様の機嫌をとってあげることに注力してください。

先日のお葬式でもありましたよ。

ぼくが読経をしていると、後ろの方から聞こえてきました。

「えっ・・・ぅえっ・・・うぇ〜ん!」

赤ちゃんの可愛い泣き声が式場内に響き渡ります。

あなたもご存じのように、赤ちゃんの声ってものすごく【通る】んですよね。

ぼくの読経の声が子どもの泣き声に負けてしまうこともあります。※まだまだ修行が足りない証拠ですね、反省します。

それで、親御さんは泣き出した赤ちゃんを連れて式場の外へ出ていかれました。

その一部始終をぼくは見ていました。

あっ、お坊さんて前を向いてお経を読んでいますが、後ろの様子はだいたい見えていますからね。

祭壇前にあるお坊さん用の机には、線香をたてる香炉(こうろ)があるのですが、そこに後ろの様子が映るのでバッチリ見えています。

しかも、香炉は側面がカーブしているので、まるでパノラマ写真のように式場全体が見えてしまうのです。

ご家族が悲しそうに何度もハンカチで涙を拭う様子も、他の参列者がコソコソとお話をしているのも、眠そうにアクビをしているのも、全部見えていますよ♪

余計な話でした、話を戻します。

赤ちゃんが泣くのには理由がありますよね。お腹が空いた、暑いあるいは寒い、着ている服の位置が気に入らない、今の体勢が苦しい、何となくいつもと違う雰囲気に慣れない、などなど。

なぜ泣いているのかは、その親御さんがよくわかっていますので、式場の外へ出たことをどうこう言うつもりはありません。

でも、慌てて赤ちゃんを抱きかかえて式場を出る親御さんに対して、本当はこう言いたかったです。

もしも、【赤ちゃんの泣き声】を気にしてその場を離れようとしているのなら、

「どうぞ、そのまま座っていてください。」

って。

もちろん、授乳やトイレ、または体調不良といった理由なのであれば、すぐに退出して対処をしてあげてくださいね。

しかし、そうではなく、お子様の泣き声だけが理由なのであれば、そのまま座っていてください。

周りのことを気にする必要なんてありません。

赤ちゃんは泣いていろんなことを伝えてくれています。

もしかすると、赤ちゃんも一緒に悲しんでいるのかもしれませんよ。

また、泣いているあなたのお子様を見て「泣くとわかっているのに、小さい子どもを連れてくるなんて、常識がない!」と言う人もいるかもしれません。

人それぞれにいろんな考え方がありますからね。

中には《小さい子どもは連れて行かない》という選択をする人だっていることでしょう。

それでもぼくは、ぜひ小さなお子様を一緒に連れてお葬式に参列してほしいなと思います。

子どもの泣き声は【お焼香】の代わり

こう考えてみてはいかがでしょう。

小さな子どもの泣き声は【お焼香】の代わりである、と。

当たり前ですが、小さなお子様は【合掌】をして【お焼香】なんてできません。

親御さんがお子様の代わりに合掌と焼香をすることが多いと思いますが、それはやはりお子様本人の行動ではありません。

ぼく達大人が【合掌】して【お焼香】をするように、小さな子どもが自分でできる葬送の作法は【泣く】ことです。

もしかすると、あなたのお子様なりに故人の供養をしているかもしれませんから、泣き出してもすぐには外へ連れ出さず、少し様子を見てあげませんか?

あなたのお子様が泣き始めたら、「あぁ、一緒に故人を弔ってくれているのだな」くらいに解釈してみてください。

たぶん、そのうち泣き止んで寝てしまうのではないでしょうか?

参列する時の注意点

さて、ここまで長々と【お葬式に小さなお子様をぜひ連れて行きましょう】とぼくなりの考えを書いてきましたが、いかがでしょうか?

お葬式にあなたのお子様を一緒に連れて行こうと決心されましたか?

されましたよね?

では、参列をするにあたり、いくつか注意点がありますので参考になさってください。

喪主には事前に伝えておく

お葬式の代表者である『喪主』に、

あなたのお子様を連れて参列したい旨を事前に伝えて、了承を得ておく

ようにしましょう。

あなたがまだ小さなお子様を連れて行くかどうか迷うように、喪主の方でも【あなたが小さな子どもを連れ来るのかどうか】ということを気にかけているのです。

また、喪主は参列者にふるまうお料理の用意をします。前もってあなたのお子様が参列することを伝えておけば、料理業者によっては【子ども用の料理】を取り扱っていますので、喪主が用意してくれるというケースもあります。

したがって、『お香典』の金額は、お子様の分も考慮して包む方がよいと思います。

オモチャやお菓子などを持参しておく

お葬式は長時間にわたって行われます。

小さな子どもは大人のようにじっとしていられない場合が多いです。

時にはどうしようもなく機嫌が悪くなることだってあります。

そのような時には、最終手段として、オモチャやお菓子で子どもの気を紛らわせることもやむを得ないと思います。

ただ、オモチャやお菓子となると賛否両論あるかもしれません。

この辺の判断はあなたに委ねるほかありませんが、ぼく個人の考えとしては、大人であればそれを許すくらいの寛容さがあってもいいのでは?と思いますけどね。

ただし、持って行くオモチャは《音の出ないモノ》、お菓子は《匂いの少ないモノ》にしておきましょう。

小さな子どもを連れて行く側にも最低限のマナーを守ることは必要ですよね。

また、どうしても式場を出ないといけない場面もあると思います。

そのような時のために、小さなお子様と親御さんはなるべく端の席に座る方がイイですね。

子どもにも【相応の服装】をさせる

あなたが礼服を着てお葬式に参列するように、お子様にも【相応の服装】をさせてあげましょう。

保育園や幼稚園に通っているお子様であれば【制服=園服】を、それ以外のお子様は、地味な色〔黒・グレー・紺〕の服を着せてあげれば問題ありません。

最近はとても可愛らしい【子供用フォーマル服】が売られています。

小さな子どもであっても立派な【参列者】です。

できる範囲でお子様の身なりを整えてあげて、しっかりと故人を送り出してください。

まとめ : 家族みんなで送り出してあげましょう

お葬式は、故人と過ごせる『本当に最後の時間』です。

故人にとっても、最後の時間を共に過ごしたい相手は、自分の妻や夫・子ども・孫といった【身近な家族】だと思います。

お葬式では故人の望むようなことを優先させましょう。

子どもが泣いてしまうと周りに迷惑をかける?

小さな子どもを連れて来ること自体が非常識だと思われてしまう?

あなたはそんなことを気にしなくてもイイです。

故人はきっと、

あなたのお子様にも参列してほしいのです。

そして、

あなたのお子様の声が聞きたいのです。

そちらの方を大事にしましょうよ。

ぼくにも子どもがおりますので、あなたの不安はメチャクチャよくわかります。

子どもがいつ泣き出すんじゃないかと心配でたまらなくなりますよね。

でもね、子どもの泣き声をすごく気にしているのは、たぶん親だけです。

ぼく達お坊さん、そして他の参列者のみなさんも、あなたが心配するほど子どもの泣き声は気にならないと思いますよ。

ですから、何も心配せずに、ぜひ小さなお子様を連れてお葬式に参列をしてください!

最後は【家族みんな】で故人を送り出してあげてください。