あなたは、誰かにこう言われませんでしたか?
「数珠を自分で買ってはいけないよ。身近な人の不幸を呼んでしまうから。」
何だか怖いですよね、こんなことを聞いたらうかつに数珠を買えません。
でも、大丈夫、安心してください。
お坊さんの僕から言わせれば、それはウソというか、大きな誤解です。
むしろ、『自分で買った数珠』を持つことは、あなた自身を守り、故人への敬意と感謝を深めることになるのです。
この記事では、《数珠を持つこと》と《故人の供養》の関係について解説しています。
安心して数珠を買えるようになりますので最後まで読んでみてください。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴25年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
数珠を自分で買ってはいけないの?
一部では「数珠を自分で買ってはいけない。」と言われていますが、数珠は自分で買っても問題ありません。
というか、むしろ自分の数珠は自分で買うべきです。
数珠を長く使い続けていると、やがて数珠に【仏様のチカラ】が宿り、持ち主を清めるとされています。
ですから、語弊があるかもしれませんが、数珠というのは『自分で買って、使い続けて育てるもの』なんです。
一般的に、お葬式や法事で『焼香』をするときに数珠を持ちますよね?
あれは、焼香の前に数珠を持つことで、自分の体を《数珠に宿った仏様のチカラ》で清めてもらっているんです。
ときどき、焼香のときだけ数珠を借りている人を見かけますが、じつは数珠を借りるのはよくないことなので注意してください。
数珠には、持ち主の《仏様や故人に対する感謝と供養の気持ち》がたくさん詰まっており、だからこそ数珠に【仏様のチカラ】が宿るのです。
なのに、他の人が数珠を借りてしまうと、持ち主に注がれるはずの【仏様のチカラ】を、借りた人が《かすめ取る》ことになってしまいます。
それは、例えば、あなたの友人が家庭菜園で愛情込めて育てた野菜を、あなたが全部もぎ取ってしまうようなものです。
あなたは、他人の労力や愛情がたくさん詰まったものを、横から奪い取りますか?そんなことはしませんよね。
なので、僕は、他人に数珠を借りることを『ご利益の横取り』と言っています。
それに、タイミングによっては数珠を借りられませんよ。
お葬式では、多くの場合、複数人が同時に焼香をします。
あなたが親族として参列する場合、家族全員で並んで焼香する可能性が高いので、そうなると、あなたは家族に数珠を借りることができません。
それに、数珠を借りることができたとしても、ゴソゴソと数珠の受け渡しをする姿は、正直に言って《みっともない》ですよ。
ですから、ちゃんと1人ずつ《自分専用の数珠》を持ち、それを使い続けていくべきなんですよね。
あなたにも『ご縁のある数珠』がありますので1度探してみてください、たくさんの数珠の中から《気になる数珠》が出てくるはずですから。
とはいえ、数珠の種類なんて何百種類もあって「どれを選べばいいのか分からない!」という人も多いです。
そこで、お坊さんの僕が『これならどこへ持って行っても恥ずかしくない』という数珠を性別ごとに厳選しておきました。
まずは、この中からあなたがピンとくる『ご縁のある数珠』を探してみてください。
なぜ「数珠を自分で買ってはいけない」と言われるのか
数珠はちゃんと自分で買うべきですが、なぜ「数珠を自分で買ってはいけない。」と言う人がいるのでしょう?
その理由は、
- 数珠を買うと誰かの不幸を暗示するようで縁起が悪い
- 最初から【数珠は人から貰うもの】という考え方になっている
- その地域のルール
ということが挙げられます。
数珠を買うと誰かの不幸を暗示するようで縁起が悪い
数珠を買うことは【誰かの不幸を暗示するようで縁起が悪い】と言われています。
数珠を使う場面といえば、多くの人は【お葬式】を連想しますので、数珠を買うことを『お葬式に向けた準備』のように解釈する人がいるのです。
それがさらに飛躍して、いつの間にか「自分で数珠を買うと《身近な人》の不幸を招く。」と言われるようになりました。
でも、僕はこの考え方に違和感があるんですよね。
数珠を買うことがお葬式の準備になる…まぁ、言いたいことは何となく分かります。
しかし、お葬式の準備をすると、それが原因で不幸を招く…ここが分かりません。
お葬式の準備をすることと、誰かの不幸を招くことはまったく無関係。
それって、例えば「交通事故に備えて《保険》に入ると、事故が起こる。だから、そもそも車を買ってはいけない。」みたいなことでしょうか。
何だか変じゃないですか?僕にとってはかなりの違和感です。
当たり前ですが、お葬式の知らせは急にやってきます。
なので、いざというときにちゃんと数珠を手にして冥福を祈ることができるように準備をしておくべきです。
そもそも、数珠を使う場面はお葬式や法事だけでなく、
- 寺院への初詣
- 仏式の結婚式
- 仏式の七五三
- 仏式の地鎮祭
- 墓石の新規建立
など『お祝いの仏事』のときにも数珠を使用します。
【縁起が悪い】という発想になるのは、数珠を《お葬式》で使うことばかり考えているからです。
本来なら数珠は日常的に使うものなので、ちゃんと自分で選んで買いましょう。
最初から【数珠は人から貰うもの】という考え方になっている
数珠は、嫁入り道具の1つとして贈ることもあります。
嫁入りする娘のために新しい数珠を買って贈ったり、あるいは親が使っていた数珠をキレイに直してから贈るのです。
嫁入り道具として数珠を贈るのは、
- 娘の幸せを願う『御守』の代わり
- ちゃんとした数珠を持たせて、娘に恥をかかせないようにする
という意味があります。
そのような《嫁入りする娘に数珠を贈る》という習慣がある地域に住む人たちには、最初から【数珠は人から貰うもの】という認識が根付いているため『数珠を自分で買ってはいけない』という考え方になります。
しかし、本来なら数珠は自分で買うものであり、人から貰うというのは特殊なケースなんです。
あとは、『親から貰った数珠が、どうしても自分の趣味に合わない』ということもありますよね。
そんなときは、地域の習慣に従って、まずは親から数珠を貰ってください。
その後、貰った数珠は大切に保管をして、普段のときには自分で選んで買った数珠を使いましょう。
その地域のルール
仏事というのは、地域によって【やり方】や【考え方】が大きく違います。
そのため、地域のルールで『自分で数珠を買うことを良しとしない』というところもあります。
そのような地域では、先ほど解説した【縁起が悪い】などの理由で、自然に『数珠を自分で買う=良くないこと』という考え方が根強く残っているのでしょう。
しかし、それはあくまで地域の限定的なルールです。
地域のルールに従うことは大事ですが、基本的に【数珠は自分で買うもの】ということに変わりはありません。
数珠の購入についてよくある質問
数珠は自分で購入してください。
しかし、数珠を買うにあたりいろんな疑問が出てくることでしょう。
ここからは、数珠を購入するときの【よくある質問】をいくつか紹介します。
数珠は他の家族の『お下がり』を使ってはダメですか?
他の家族や故人が使っていた数珠など、誰かの『お下がり』の数珠を使っても大丈夫です。
原則として数珠は自分で買うべきですが、べつに【自分で買ったものしか使ってはいけない】というわけではありません。
他の家族が以前に使用していた数珠があるなら、それを引き継いで使うのは問題ありません。
また、亡くなった家族が使っていた数珠があれば、それを処分せずに【形見】として大切に保管しておいてもいいですし、他の家族が引き継いで使っても大丈夫です。
使われなくなった数珠を引き継いで使うのは、《前に使っていた人》と《引き継いだ人》の両者の思いが込められた大事な数珠になります。
もしも修理が必要な状態であれば、房を交換したり、ヒモを締め直すなどリメイクして使いましょう。
修理して使い続けることは『授かった命を全うする』という御仏の教えにも沿うものです。
ただ、もしも数珠が大きく破損してしまったら、それはもう寿命ということでしょう。
そんなときは、数珠に感謝しながら手放し、新たな数珠(ご縁)を探してみてください。
数珠はどこで買えばいいですか?
数珠を購入できる場所には、
- オンラインショップ
- 念珠店
- 仏具店
- お寺(規模の大きな寺)
- デパート(百貨店)
- 紳士服専門店
- 大型ショッピングモール
- 葬儀式場や霊園
- 雑貨店やホームセンター
- 普通の服飾店
- 大手ディスカウントショップ
- コンビニ
- 100円均一ショップ
などがあります。
数珠の購入場所としておすすめなのは、種類の多さ、値段、品質、購入の手間などを総合的に考えると『オンラインショップ』です。
オンラインショップなら数珠の種類がとても豊富で、スマホやパソコンを使っていつでも購入できるので非常に便利。
しかも、大手のオンラインショップならだいたい購入日の翌日~3日間程度で届くので、急いで買いたい人は利用してみてください。
数珠を買うときは、どんな数珠を選べばいいですか?
数珠の形には大きく分けて、
- 本式念珠:お坊さんが使うような数珠
- 略式念珠:一般の人が使うような数珠
の2つがあります。
数珠を買うときには、とりあえず『略式念珠』を選んでください。
『略式念珠』なら宗派を問わず使用でき、さらに取り扱いがラクで価格も安いので、略式念珠を1つ持っておけば問題ありません。
数珠の色については『赤色』以外なら何色でもいいので、あなた好みの色を選びましょう。
購入する数珠の価格は『1,500円以上』を目安にすれば、比較的買い求めやすくて品質も高い数珠が買えます。
数珠にはたくさんの種類がありますので、もしも「種類が多すぎて選べない!」という人は別記事の『【初めて数珠を買う人向け】数珠の選び方と購入時の注意点』を読んでみてください。
まとめ
「数珠を自分で買ってはいけない」という言葉の裏には、誰かの不幸を案じる心理や、地域の習慣があります。
しかし、お坊さんの僕から言わせれば、数珠は「自分で選び、自分で購入し、自分と一緒に育てていくもの」です。
数珠には【仏様のチカラ】が宿るとされているので、あなたの《感謝や供養の気持ち》を数珠にどんどん送り込んでください。
年月が経ち、その数珠があなたの手にしっかりと馴染む頃には、世界にたった1つの『あなた専用の御守』になっているでしょう。
数珠を買うときは、価格が【1,500円以上】の『略式念珠』を選ぶと、使い勝手がよくて高品質な数珠が購入できます。
今のあなたにしっくりくる『ご縁のある数珠』を、ぜひ見つけてみてください。




