お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- なぜ数珠を自分で買っちゃダメなの?
- どうやって数珠を入手すればいいの?
- 数珠はちゃんと自分で選んで買いたい。
「知ってた?数珠は自分で買っちゃダメらしいよ。」
誰かにこんなふうに言われ、そして本記事にたどり着いたあなたへお伝えします。
数珠は自分で買っても問題ありませんよ。
というか、むしろ数珠は自分で買うべきです。
数珠を自分で買ってはいけないと言われる理由は、
- 数珠を自分で買うと縁起が悪いから
- 数珠は自分で買うものではないという地域の習慣があるから
というものです。
しかし、【縁起が悪い】というのは完全な《迷信》ですし、【地域の習慣】についてはあくまで《その地域だけの考え方》であって大多数の人には無関係。
数珠には『仏様のチカラ』が宿り、数珠を持つ人を清めてくれるので、自分が使う数珠は自分自身で選んで買うことがとても大事です。
この記事では、『数珠を自分で買ってはいけない』と言われる理由と、その真偽についてお坊さんの観点から解説しています。
最後まで読むと安心して数珠を買えるようになりますので、ぜひチェックしてみてください。
※数珠を買うときはこちらの記事をご参考にどうぞ。
数珠を自分で買ってはいけないの?

ときどき「数珠を自分で買ってはいけないよ。」と言う人がいます。
そんなことを言われたら、自分で数珠を買うのが【悪いこと】みたいで心配になりますよね?
でも、ご安心ください、数珠は自分で買っても問題ないですから。
むしろ、数珠は自分で買うようにしてください。
なぜなら、『数珠には仏様のチカラが宿り、数珠を持つ人を清める』とされているからです。
お葬式で数珠を持つのは、故人の前で自分の体を清めるという意味があります。
焼香をするときは自分の体を清めることが《故人に対する礼儀》ですから、そのために数珠を持つんですよね。
よく『他人(家族)の数珠を借りている人』を見かけますが、じつは【数珠を借りるのはよくないこと】なので注意してください。
数珠には、持ち主の【仏様や故人に対する感謝と供養の気持ち】がたくさん詰まっており、だからこそ数珠に仏様のチカラが宿って持ち主を清めてくれるのです。
それなのに、他の人が数珠を借りてしまうと、数珠の持ち主が受け取るはずの《仏様のチカラ》を、借りた人が横取りすることになってしまいます。
それは【数珠の持ち主】や【チカラを宿してくれた仏様】に対してとても失礼なこと。
あなたと数珠にも『ご縁』があるので1度探してみてください、たくさんある数珠の中から《気になる数珠》が出てくるはずですから。
数珠を購入するときには、あなた専用の数珠を、ちゃんとあなたの目で見て選んで、そしてあなた自身が買うようにしましょう。
数珠が買える場所については、別記事の『数珠はどこで買うべき?売ってる場所と数珠の選び方をお坊さんの僕が徹底解説!』を参考にしてみてください。
「数珠を自分で買ってはいけない」と言われる理由

数珠はちゃんと自分で買うべきですが、なぜ「数珠を自分で買ってはいけない。」なんて言う人がいるのでしょう?
その理由として、
- 誰かの不幸を暗示するみたいで縁起が悪い
- 最初から【数珠は人から貰うもの】という考え方になっている
- その地域のルール
ということが挙げられます。
誰かの不幸を暗示するみたいで縁起が悪い
数珠を買うことは『誰かの不幸を暗示するみたいで縁起が悪い』と言われています。
しかし、そんなのは完全な《迷信》ですから、まったく気にしなくてもいいですよ。
『数珠を使う場面』といえば多くの人は【お葬式】を連想するので、数珠を買うことが『近いうちにお葬式があると予想して準備をすること』のように解釈されているんです。
それがさらに飛躍して「自分で数珠を買うと《身近な人》の不幸を招く。」とも言われていますが、そんなことはないので安心してください。
くだらない迷信は無視をして、数珠はちゃんと自分で買うようにしましょう。
人はいつ命を終えるか誰にも分かりませんが、必ずそのときはやって来ますので、いざというときにちゃんと数珠を手にして冥福を祈ることができるようにしておくべきです。
そもそも、数珠を使う場面はお葬式だけでなく、
- 寺院への初詣
- 仏式の結婚式
- 仏式の七五三
- 仏式の地鎮祭
- 墓石の新規建立
など『お祝いの仏事』のときにも数珠を使用します。
【縁起が悪い】という発想になるのは、数珠を《お葬式》で使うことばかり考えている証拠なんです。
本来なら数珠は日常的に使うものなのですから、ちゃんと自分で選んで買いましょう。
最初から【数珠は人から貰うもの】という考え方になっている
数珠は【嫁入り道具】の1つとして贈ることもあります。
嫁入りする娘のために新しい数珠を買って贈ったり、あるいは親が使っていた数珠をキレイに直してから贈るのです。
そのような《嫁入りする娘に数珠を贈る》という慣習がある地域に住む人たちは、最初から【数珠は人から貰うもの】という認識が根付いているため『数珠を自分で買ってはいけない』という考え方になります。
しかし、先ほども言いましたが、本来なら数珠は自分で買うもの。
とはいえ、嫁入り道具に数珠を贈ることはとても素敵な慣習だと思いますので、その数珠は大事に使ってほしいと思います。
その地域のルール
仏事というのは、地域によって【やり方】や【考え方】の違いがたくさんあるため、地域のルールで『自分で数珠を買うことを良しとしない』というところもあります。
そのような地域では、先ほど解説した【縁起が悪い】などの理由で、自然に『数珠を自分で買う=良くないこと』みたいな考え方が根強く残っているのでしょう。
しかし、それはあくまで【その地域だけのルール】にすぎません。
地域のやり方や考え方に従うことは大事ですが、基本的に【数珠は自分で買うもの】ということは忘れないでくださいね。
誰かの『お下がり』の数珠を使うのはOK

クドいようですが、自分が使う数珠はちゃんと自分自身で買うべきです。
しかし、【自分で買った数珠しか使ってはいけない】というわけではありません。
先ほども少し言いましたが《誰かが使っていた数珠》つまり誰かの『お下がり』の数珠を使うことは問題ありません。
使われなくなった数珠を誰かが引き継いで使うのは、その数珠を大切に扱っているので、とても素晴らしいことです。
亡くなった家族が使っていた数珠があるなら、それを処分せずに【形見】として大切に保管しておいてもいいですし、他の家族が引き継いで使ってもかまいません。
もしも修理が必要な状態であれば、房を交換したり、ヒモを締め直すなどリメイクしてから使いましょう。
自分で買うなら、どんな数珠を選べばいいの?

読者さんの中には「自分で数珠を買うにしても、どんなものを選べばいいのか分からない。」という人もいることでしょう。
まずは【数珠の形】ですが、数珠には、
- 本式念珠:お坊さんが使うような数珠
- 略式念珠:一般の人が使うような数珠
の2つがあります。
あなたが数珠を買うときには、とりあえず『略式念珠』の方を選んでください。
数珠の色については『赤色』以外なら何色でもいいので、あなたの好みの色を選んでください。
最後に、購入する数珠の価格は、3千円~1万5千円(税込)くらいを目安にすれば、比較的買い求めやすくて品質も十分に高い数珠が買えます。
数珠にはたくさんの種類がありますので、もしも「種類が多すぎて選べない!」という人は、別記事の『【2023年最新版】お坊さんが厳選したおすすめの数珠を男女別に紹介』を参考にしてみてください。
まとめ:数珠は自分で買いましょう。
ときどき「数珠を自分で買ってはいけないよ。」と言う人がいます。
そのように言うのは、
- 誰かの不幸を暗示するみたいで縁起が悪い
- 最初から【数珠は人から貰うもの】という考え方になっている
- その地域のルール
などが理由です。
しかし、いずれも《迷信》や《その地域だけのルール》ですから、数珠は自分で買っても問題ないですよ。
というか、数珠には【仏様のチカラ】が宿ると言われているので、自分が使う数珠は自分で買うべきです。
数珠を買うときは、価格が【3千円~1万5千円(税込)】くらいの『略式念珠』を選べば、使い勝手がよくて高品質な数珠が購入できます。
自分で使う数珠は、自分で選んで自分がお金を出して買うからこそ、愛着もわきますし大事に使えますので、あなたの周りの人が何と言おうと数珠は自分で購入しましょう。
※お葬式では数珠以外にも持ち物がたくさんありますので、こちらの記事を参考に準備をしてみてください。