お墓

お墓の継承者がいない!墓じまいから永代供養や改葬までの流れ

この記事は、

今回の内容は要するにこれです
  • 墓じまいの方法
  • 永代供養や改葬手続きの紹介

について書いています。

お墓の継承者がいなくて困っておられますか?

あなたと同じように、「お墓を継ぐ人がいない」という人が近年どんどん増え続けています。

どうしてもお墓の継承者がいないのであれば、まずは『墓じまい』をするべきでしょう。

そして、その後の【ご遺骨の供養】の方法にはいくつかの選択肢があります。

この記事では、お墓が無くなってしまった後のことを心配しているあなたに向けて書いています。

一度お読みいただければ、きっとあなたの悩みが解決すると思います。

お墓の継承者がいない場合はどうすればいいの?

10くらい年前からですが、

「ウチはお墓を継いでくれる人がいません。そのような場合にはどうすればいいのですか?」

という問い合わせがものすごく増えました。

たぶん、このような事態はウチの寺だけではないはずです。

なぜ、このような『お墓の継承者がいない』という家が増えているのでしょうか?

それは、昨今の少子高齢化や核家族化など社会的な変化が原因でしょう。

昔のように家族の人数が多ければ、誰か一人くらいはお墓を継承することができました。

しかし現代では、少子高齢化の勢いが収まることなく、それに伴いお墓を継承できる人も減り続けています。

したがって、『お墓を継承していく』ということが難しくなっています。

いろんなお寺や霊園のチラシとかホームページを見ていても、その多くが『永代供養』のできるお墓があることを謳っています。

今や、永代供養ができないお寺や霊園は、【墓地を管理する施設として不十分】と見なされてしまいます。

永代供養の需要が増え続けているのは、それくらい、『お墓の継承者がいない』家が急増している証拠なのです。

では、どうしても『お墓の継承者がいない』という場合にはどのようにすればよいのでしょうか?

そのような場合、基本的には、

墓じまい

をすることになります。

それから、次に、

  1. 永代供養をしてもらう
  2. 改葬をして他の場所にお墓を移す

という2つの選択肢になるのではないかと思います。

墓じまいをする

墓じまいというのは、言ってみれば『最終手段』です。

本来であれば、墓じまいをする前に、あなたの兄弟姉妹や親戚などにお墓を継いでくれるような人がいないかをまず探すべきです。

どうしてもそのような人がいない時には、墓じまいをして、その後のご遺骨の供養方法を考えていかなければなりません。

お墓の継承者は本当にいませんか?

お墓の継承者はどのように決めるものなのでしょうね?

お墓の継承者は、ただ何となく「どうする?誰が継ぐの?」みたいなカンジで決めるわけではありません。

お墓の継承者は民法第897条で定められています。

条文では、

  • 《民法第897条》
  • 【1項】系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
  • 【2項】前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

というように定められています。

要するに、

  • 系譜・仏壇・位牌・墓地・墓石といった【祭祀財産】は、故人の住んでいた地域の慣習に従って継承者(主になって祭祀をする人)を決めてください。
  • ただし、生前に故人からの指定があったら、指定された人が受け継いでください。
  • もしも、慣習が明らかでない(【慣習があるのかどうか】【その慣習はどのようなものなのか】ということがわからない)場合は、家庭裁判所が継承者を決めます。

ということです。

このように継承者は法的に決められてはいるのですが、実際のところは、

  • 地域のやり方や故人の遺志などを考えて家族や親戚で話し合って決めてください。

ということです。

明治期から始まった『家制度』の影響で【お墓は長男が引き継ぐもの】というイメージが定着していますが、本当は長男以外の人でも継承することはできます。

しかも、もっと言うと、じつは血縁関係者以外の人でもお墓を継承することが可能なのです。

要するに、『被相続人の指定』があれば、お墓の継承は血縁関係者に限らず誰でもできるということです。

ちなみに、系譜・仏壇・位牌・墓地・墓石といったものは『祭祀財産』と呼ばれます。

これは、他の財産とは別に相続される財産で、相続するのは一人だけです。

例えば、兄弟や親戚で、

「私は仏壇を守るので、あなたはお墓の方を守ってください。」

といったように、【何人かで分けて相続することができない財産】なのです。

念のため、本当にお墓を継承する人が誰もいないのか、もう一度確認をしてみてください。

そして、もしもお墓を継承できる人が現れた場合でも、本当にその人に一任してよいか、ということもしっかりと話し合って決めるようにしてください。

墓じまいの方法

どうしてもお墓の継承者がいないのであれば、まずは『墓じまい』をする必要があります。

『墓じまい』とは、先祖代々受け継がれてきた【お墓を閉じる】ことです。

お墓を閉じるとは、

お墓の中のご遺骨を取り出し、墓石を解体し処分した後に、墓地を【使用する前の状態に戻す】こと

です。

ですから、取り出したご遺骨は他の場所へ納骨するか、どこかで保管をしなければなりません。

墓じまいとは、あくまで墓地や墓石を解体して閉じることであって、後のご遺骨の供養については別問題です。

閉眼供養

墓じまいをするには、まず、

お墓の『閉眼(へいげん)供養』

をしなければなりません。

閉眼供養とは、墓石を【お墓としての役目を終わらせる】ために執り行うものです。

これは、お坊さんに依頼をして必ず執り行ってください。

お坊さんに閉眼供養をしてもらう時には、やはりお布施が必要となります。

閉眼供養のお布施は、お寺にや霊園によって金額が違いますので、事前に確認をしておくようにしましょう。

閉眼供養のお布施の相場としては、だいたい1万円〜5万円くらいではないかなと思います。

ちなみにウチの寺は閉眼供養料として3万円を納めていただいています。

また、閉眼供養の際にお墓の中のご遺骨を取り出すのが一般的ですが、この作業は石材店へ依頼をしてください。

ごく稀に、「お墓の中にあるお骨を自分で取り出したい」と言う人がおりますが、それはヤメておきましょう。

まず、ご遺骨を取り出すには、お墓の【蓋石】を動かさなければいけませんが、これがかなり重たいのです。

たぶん、あなたが想像しているよりも重たいですよ。

コツをしらない人が蓋石を動かすとケガをする可能性がありますので、ヤメておいた方が無難です。

次に、ご遺骨を取り出す時にも注意が必要です。

お墓の中のお骨を取り出すことは私たちでも不可能ではありませんが、骨壺に水が溜まっていたりしますので、これもまた結構重たいです。

万が一、手を滑らせて骨壺を落としてしまってはいけません。

ご遺骨の取り出し作業は、全面的に石材店の方にお任せするようにしてください。

墓石撤去工事

閉眼供養が終わり、ご遺骨を全て取り出したら、後は石材店が墓石の解体と墓地の整地を行い、墓地を元の状態に戻します。

石材店へ支払うこれらの費用の相場は、もちろん地域によっても違いますが、

1㎡あたり約6万〜10万円

くらいになるかと思います。

また、墓じまいの際に依頼をする石材店ですか、お寺や霊園には指定の石材店】があるというのが一般的です。

指定店以外の複数社で相見積もりを取りたいところですが、トラブルを避ける意味でも指定の石材店で撤去工事をしてもらいましょう。

永代供養をしてもらう

お墓から取り出したご遺骨は、何らかの場所へ納骨するか、あるいは保管をしなければなりません。

ぼくの今までの経験では、墓じまいをした後に『永代供養』をする、というケースが多いです。

永代供養とは、

お寺や霊園でご遺骨を預かり(ほとんどは専用のお墓へ納骨)、そして依頼が無くてもずっと供養をしてくれる

ことをいいます。

つまり、誰にも供養されていないというご遺骨があったとしても、代わりにお寺や霊園がずっと供養をしてくれるのです。

ですから、永代供養をしてもらえば、あなたの家のご先祖様達が『無縁仏様』にならずに済む、ということです。

そして、気になる永代供養に関する費用ですが、お寺や霊園によって違いがあります。

というか、永代供養の費用は、お寺や霊園によってあまりに違いがあり過ぎますので、ここでは目安の金額でさえもお伝えできません。

永代供養墓へ納骨する

最近では、多くのお寺や霊園で『永代供養墓』が設けられています。

永代供養墓には、

  1. 骨壺からご遺骨を出して、他の人のご遺骨と一緒にして供養(=合祀)
  2. 骨壺のまま個別に供養

の2つの形式があります。

多くの永代供養墓は、骨壺からご遺骨を出して他の人のご遺骨と一緒に供養していく形式、だと思います。

そうなると、「えっ、見ず知らずの人と一緒になっちゃうのかぁ・・・」とためらってしまう人もいます。

墓じまいとは、そういうことを受け入れなければならないこともある、ということを予め知っておいてください。

でも、たまに「骨壺のまま永代供養をいたします」という宣伝を見かけます。

これは、それ相応の大きな土地や納骨施設がないとできないことです。

ですから、骨壺のままの個別の永代供養墓もあるにはありますが、そんなに数は多くないと思います。

永代供養墓以外のところへ納骨する

墓じまいの後にすぐ永代供養墓へ納骨してしまうことに抵抗がある人は、ひとまず他の場所へ納骨することを考えてみてもよいと思います。

納骨施設などへ納骨する

最近では、とても綺麗な施設でご遺骨を個別に預かってくれる所もあります。

中には、ビル全体が納骨施設となっていて、ボタン一つで各家のご遺骨に手を合わせることができる、というような所もあるようです。

このような施設は、よくテレビのCMで流れていたりもしますので、一度ご見学されてみてはいかがでしょうか。 

また、『納骨堂』というような施設を用意している所もあります。

納骨堂は、専用のロッカーであったり、あるいは個別に仕切りがある棚などでご遺骨を預かるというものです。

このような納骨堂は、比較的多くのお寺や霊園に設けられています。

しかし、これらの納骨施設は永代供養墓のようにずっとそこに預けていられるわけではありません。

一定の契約期間が終われば、結局はその施設に関連するお寺などで永代供養墓へ合祀されることになるでしょう。

一時的には個別で預かってもらえますが、最終的には永代供養墓へ納骨されることになるのです。

樹木葬墓地へ納骨する

最近特に人気が出ているのが『樹木葬』です。

樹木葬とは、今まで私たちがイメージするような【墓石を建てて供養する】お墓ではなく、【緑豊かな自然の中にご遺骨を納める】お墓のことをいいます。

樹木葬はその名のとおり、シンボルとなる木の周りにご遺骨を納めていくので、

  • 費用が安く抑えられる
  • 自然思考の方に人気

といった特徴があります。

私たちは、自然の中で生まれて、そしていずれは再び自然の中へ帰っていくものです。

そのような意味では、樹木葬が私たち生き物とって本来の納骨形式なのかもしれません。

ただ、樹木葬にも、

  • ご遺骨をそのまま土中へ帰すもの
  • ご遺骨を一定期間が過ぎたら永代供養墓へ移すもの

という2つのケースがあるのでご注意ください。

都心から離れた場所にある樹木葬墓地であれば、広大な土地を確保できるので【ご遺骨をそのまま土中へ帰す】ことができます。

一方で、都心に近い樹木葬の場合は、一定期間は骨壺のまま土中へ納め、最終的には永代供養墓へご遺骨を移す、ということが多いです。

ですから、樹木葬だからといって『このままずっとここに納められている』とは限りませんので、どのような形態のものかを必ず事前に確認しておきましょう。

散骨する

ごく最近に出てきた方法ですが、ご遺骨を、どこにも納骨することなく、山や川や海などに『散骨』してしまうという人もいます。

「そんなことをして大丈夫なのか?」と思われるかもしれませんが、今のところ違法にはならないそうです。

ただし、自治体の条例などで禁止されている場合はあるので、よく調べてから散骨をするようにしてください。

また、散骨を自分で行う場合には、

必ず『粉骨』をしてください。

粉骨の目安は、【2ミリ以下の大きさ】になるまで、です。

大事なご家族のご遺骨を砕くというのは気が引けるかもしれません。

また、ご遺骨を砕くのは意外と大変な作業になります。

だからといって、【ほとんど粉砕せずに】散骨してしまうと、それを知らずに後からお骨を見た人は驚くことでしょう。

場合によっては警察へ通報が行ってしまいます。

そのような事態を避けるためにも、ご遺骨は必ず2ミリ以下まで粉砕してください。

散骨をすると、その後のご遺骨の管理をする必要がないため、とても経済的です。

また、故人の望む場所へご遺骨をまくことができるので、家族にとっても満足のいく方法です。

しかし、一度散骨をしてしまうと、二度と元には戻せません。

親戚の方々とよく話し合った上で、後々のトラブルを招かないように、散骨は慎重に執り行ってください。

特別祭祀をしてもらう

お寺によっては、『特別祭祀(とくべつさいし)』という供養をしているところもあります。

これは、わかりやすく言うと、

  • 自分以外には誰もお墓の継承者がいないから、自分が他界した後は、お寺や霊園で契約期間の〇〇年間はお墓の維持管理と供養をしてください。
  • 契約期間が過ぎたら、お墓の中の遺骨は永代供養墓へ移して、墓石も解体してしまってください。
  • 墓地の維持管理費用や撤去時の費用、そして供養料も前もって全額お支払いしておきます。

というものです。

もしかすると、地域によっては別の呼び方があるかもしれません。

特別祭祀は、「お墓の継承者がいなくなった後すぐにお墓が無くなってしまうのは寂しい」「しばらくはお墓をそのままにしておきたい」という方が利用している供養方法です。

このような供養方法がある所はまだ少ないですが、もしあなたの近くにこの供養方法を導入しているところがあれば、一度話を聞いてみてはどうでしょうか?

改葬をして他の場所にご遺骨を移す

先日も、「お墓の継承者がいない」と相談に来られた方の話をよくよく聞いていると、

  • 実家のお墓がある場所は、今自分が住んでいる場所から遠く離れているので、とても管理できない。
  • でも、そのお墓は自分以外に継ぐ人がいない。
  • じつは、自分の住まいの近くにもう既に自分達が使うことができるお墓がある。

ということでした。

こういう【自分が管理すべきお墓が2つあるが、実際には1つしか管理できない】という人はけっこう多いのです。

このような場合であれば、墓じまいの後に改葬』するという選択肢もあります。

『改葬』とは、簡単に言うと【ご遺骨の引っ越し】です。

つまり、先日相談にいらした方の例でいえば、遠くにあるお墓は墓じまいをして、ご遺骨だけは自分の住まいの近くに用意してあるお墓に引っ越すのです。

このように、お墓を継ぐことはできなくても、ご遺骨を引き取ることはできる、というケースがけっこうあります。

ご遺骨の引っ越し先があるのであれば、永代供養をするのではなく『改葬』することを考えてみる方がいいかもしれません。

改葬手続きの流れ

改葬をする場合には、どのような手続きが必要なのでしょうか?

簡単に改葬の流れを説明します。

まず、改葬をするには、『墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)』によって定められている手続きをしなければなりません。

ですから、勝手にご遺骨を移動させてはいけないのです。

改葬の手続きは、

  1. 移転先の墓地を確保し、移転先の墓地の管理者から『受入証明書』を発行してもらう。
  2. 現在の墓地の管理者の承諾を得て、『埋葬証明書』を発行してもらう。※この段階で現在のお墓からご遺骨を出しておくことが多い。
  3. 現在の墓地がある場所の市町村役場に行き、『改葬許可申請書』へ必要事項を記入して、『受入証明書』と『埋葬証明書』と合わせて提出する。
  4. 提出した書類に不備がなければ『改葬許可証』が発行される。
  5. 発行してもらった『改葬許可証』を、移転先の墓地の管理者に提出し、納骨をする。

と、だいたいこのような流れとなっています。

いろんな所からいろんな書類を出してもらわなければいけないので大変ですね。

しかし、改葬をすることにより、遠く離れた場所ではなく、自分の近くで自分の家族のお骨を供養できるようになります。

きっと、あの世からお礼を言っていると思いますよ。

離檀をする際の注意点

改葬をするにあたり、少し注意しておくべきことがあります。

お寺にお墓がある場合、墓じまいをした後に改葬をするということは、それはその【お寺の檀家としての付き合いを解消する】ことになります。

お寺の檀家としての付き合いを解消することを『離檀(りだん)』といいます。

離檀をする際に、場合によってはお寺から『離檀料』を請求されることがあります。

離檀料の金額は、お寺によって大きく異なりますし、ウチの寺のように『離檀料は不要』という場合もあります。

もしも、何百万円といった法外な金額を請求された場合は、法律の専門家に相談してみましょう。

ほとんどの場合、『そんなものを納める必要はない』という結果になります。

法外な金額を納める必要はもちろんありませんが、『お世話になりました』という意味で1万〜5万円くらいを納めておくといいかもしれませんね。

まとめ:お墓の継承者がいなくても、必ず良い方法がありますのでご安心ください

どうしてもお墓の継承者がいないという場合は、墓じまいをすることになります。

先祖代々受け継がれてきたお墓を閉じてしまうのは、とても心苦しいことかと思います。

しかし、お墓を継承することは、墓地の清掃などの管理面や、毎年の管理料など費用面でも大変な負担となります。

また、どうしても継承できない事情があるという方もおられます。

ご先祖様や亡きご家族の眠るお墓を守ることはとても大切なことではありますが、まずあなたの今の生活を優先してください。

お墓の管理や供養を誰もすることができないのであれば、『永代供養墓』へ納骨し、お寺や霊園に永代供養をしてもらいましょう。

あるいは、他の納骨施設や樹木葬など、新しい納骨形態を利用してもいいと思います。

もしも誰か他にご遺骨を受け入れてくれる人がいるのであれば、その人の管理する墓地へ『改葬』するというのもいいでしょう。

いずれにせよ、まったく誰にも供養や管理をされないお墓がないように願うばかりです。

ですから、もしもお墓を継承できなくなったら、お寺や霊園にご相談ください。

あなたのお墓の継承者がいなくても、あなたの家の仏様達が『無縁仏様』とならないようにする方法はちゃんとありますので、どうぞご安心ください。

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