お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- お墓参りの時には何かお供えをしなきゃいけないの?
- お墓には何を供えればいいの?
- 五供(ごく)の意味を知りたい
お墓参りをする時にはいろんな『お供え』をします。
あなたもきっと、生花・線香・水・供物・ロウソクなどをお参りのたびに供えていることでしょう。
でも、「お墓に供えているものって、どんな意味があるんだろう?」と思ったことはないですか?
お墓に供えているものには、ちゃんとそれぞれに大事な意味がありますよ。
この記事では、お墓に供えているものについて、その意味を詳しく解説しています。
最後まで読んでいただければ、『供えているものの意味』が分かりますので、他の【何となく供える】という人よりもずっと質の高いお墓参りができますよ。
せっかくお墓参りをするのですから、ご先祖様や亡きご家族により良い供養をしてあげましょう。
なお、本記事では【ご先祖様や亡きご家族】のことを『仏様』と表現していますので予めご了承ください。
※お墓参りには供物以外にもいろんな持ち物がありますので、こちらの記事も読んでみてください。
お墓参りの時にはお供えをしましょう
お墓参りをする時には、線香や花などの『お供え』をしていますよね?
お参りのたびに、ちゃんと新しい花を買って、お線香も持って行って、それらをお供えしてから最後に手を合わせていると思います。
ところで、あなたは、「お墓参りの時には必ず『お供え』をしなくいちゃいけないの?」って疑問に思ったことはないですか?
お墓参りでは《仏様にご挨拶》をしているのですから、べつにお墓の前で【手を合わせるだけ】でもよさそうですよね?
まぁ、正直に言うと、お墓参りは【手を合わせるだけ】でも大丈夫なんです。
1番大事なのは仏様たち向かって『心を込めて手を合わせる』ことですからね。
しかし、です。
どうせお墓参りに行くなら『お供え』をしなきゃもったいないんですよ。
なぜなら、『お供え』をすることで、
【仏様たち】と【あなた】の双方にとって得るものが多くなるから
です。
まず、お墓参りには、
- 仏様たちの供養
- 私たち自身の修行
という2つの意味があります。
これは要するに、
お墓参りをすることによって、仏様たちと私たちが同時に得をする
ということなんです。
そして、『お供え』をするとさらに得をするんですよ。
手を合わせることだけでなく、そこへさらに『お供え』を追加するのですから、それだけ【より丁寧な供養】であり【より丁寧な修行】になるわけです。
となると、当然ながらそれに比例して仏様たちと私たちが得られる功徳やご利益といったものが増えるんです。
つまり、『お供え』をすることで【お墓参りの質が上がる】のです。
だから、せっかくお墓参りに行くのなら『お供え』をして、お参りの質を上げた方がみんなが得をするでしょ?ということです。
というわけで、お墓参りに行く時には『お供え』をしましょう!
お墓参りの時にお供えすべき『5つの供物=五供(ごく)』
ここからは、『お墓に何を供えればいいのか』について書いていきます。
お墓参りで供えるものには【基本となる5つのお供え】があります。
その5つのお供えとは、
- 線香
- 花
- 水
- 供物
- 灯明(ロウソク)
です。
もしかすると、すでに日頃からこの5つをお供えしているかもしれませんね。
ちなみに、この5つの『お供え』のことを、仏教では、
『五供(ごく)』
といいます。
この五供は、お墓参りだけではなく仏壇をお参りする時にもお供えしています。
それくらい【お供えの基本】ということなんです。
では、順番に説明をしますね。
線香
お墓参りの時にほとんどの人は『線香』をお供えしているでしょう。
線香はできるだけ供えるようにしてくださいね。
なぜなら、
線香を燃やした時に出る【香り】が仏様の『食べ物』になる
からです。
あなたは、大事なお客様が家に来た時には、その方に【お茶菓子】あるいは【お食事】をふるまいませんか?
【食べ物をふるまう】という行為は、大切な相手に対する親愛とか敬意を意味します。
そして、線香を供えることは、私たちにとって、
- 『精進(しょうじん)=努力を惜しまず進み続けること』
を意味します。
仏様にお食事を召し上がっていただき、同時に「私は何事も途中でやめてしまわず、一生懸命に努力を続けます」ということを意思表明するのです。
このように『線香』にはとても大事な意味がありますので、お墓参りに行くならぜひお供えしてほしいですね。
線香などの『お香』に関することは、『お線香のあげ方やマナーを場面別に詳しく紹介。お焼香の作法も合わせて紹介』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
また、お墓の前でお線香に火をつけるのに苦労している人がとても多いので、僕が唯一おすすめできるライターを紹介しておきますね。
よく【風よけ付きライター】という、いかにも便利そうなものが販売されていますが、あれはハッキリ言って役立たずなので購入はしない方がいいと思います。
お墓参りには『強い火力のあるターボライター』さえあれば大丈夫ですよ♪
【関連記事】:【火がつかないイライラを解消】お墓参りに1番適したライターはこれだ!
花
続いて、線香と同じようにほとんどの人が供えているのは『花』です。
『花』を供えることは、
- その場を仏界のように鮮やかに彩る
- 仏様の着ている衣服の役割
- 『無常』の象徴
という意味があります。
また、私たちにとっては、
- 『忍辱(にんにく)=目標達成のために、ツラくても辛抱強く耐えること』
を意味します。
花を供えてお墓を彩り、それと同時に「私は、心を平静に保ち、辛抱強く耐えます」ということを表しているのです。
ですから、花は左右がバラバラにならないようにして、できるだけキレイに揃えてお供えしましょう。
ちなみに、お墓へ供える花は本当であれば『生花』が望ましいですが、場合によっては造花でもいいと思いますよ。
【関連記事】:【お坊さんの僕が徹底解説!】お墓に造花を供えるのはダメ?お花を供える理由を考えて判断
水
墓石の中央部分には『水鉢(みずばち)』という【丸くヘコんだくぼみ】があります。
ここに水を供えます。
よく水鉢の部分に【水が入った湯飲み】を置いている人がいますが、べつに湯飲みでなくても、直接この部分へ水だけを注いでおけば大丈夫ですよ。
水を注ぐことには、
- 仏様に水を飲んでいただく
- 仏様の教えを映し出す鏡の役目
- 鏡のように澄んだ心
という意味があります。
そして、私たちにとっては、
- 『布施(ふせ)=施し恵み与えること』
を意味します。
水は仏様の飲み物であると同時に、あらゆる生物にとっても必要なものです。
つまり、水は『命の源』なんですよね。
そんな『命の源』となる水を供えることで、仏様へのお供えだけではなく、【この世のすべての生物に対する施し】を意味するんです。
ですから、お墓へ供える水はできるだけ『キレイな水』を供えてあげることが大事です。
さらに、お墓へ供える水は【家から持ってきた水】の方がいいと思います。
つまり、お墓に供える水は、あなたがいつも仏壇へ供えている水と同じものを持って行けばいいんです。
【関連記事】:仏壇に【水】を供える意味をお坊さんが詳しく解説します。
灯明(ロウソク)
ここからは【供えることもある】というお供えです。
お墓には『灯明(=ロウソク)』を供えることもあります。
もちろんロウソクそのものを供えるのではなく、お墓の前でロウソクに火を灯すということです。
灯明の火というのは、その明かりで暗闇を照らし出してくれます。
つまり、『暗闇の中でさまよう私たちを、灯明の明かりが【正しい方向】へと導き照らしてくれる』というふうに仏教では考えています。
ですから、灯明の火は『お釈迦様の教え』を象徴するものなんですよね。
お墓参りをする時に灯明へ火をつけて、お釈迦様はもちろん、【ご先祖様や亡き家族】が導いてくれていることに対する感謝の気持ちを表しているんです。
それと同時に、私たちにとっては「これからも正しい方向へ歩んでいきます」という決意表明もしているわけです。
ただ、お墓にロウソクを立てる時には【専用の筒】が必要です。
よく墓地の中の空きスペースに火のついたロウソクをそのまま立てる人がいますが、あれは危険ですからやめてください。
ひどい場合は、火をつけたまま帰ってしまう人までいるので、僕の個人的な意見としては、
- お墓参りに灯明(ロウソク)は不要である
と思っています。
外でロウソクに火を灯しても、風ですぐに火が消えてしまったり、先に述べたような危険性もあるので、おすすめできないのです。
あなたは仏壇の灯明に火を灯していますよね?
そして、その仏壇の中には位牌が置いてありますよね?
だったら、灯明に火をつけるのは『仏壇の方だけ』で十分ですよ。
なぜなら、位牌というのは【お墓の縮小版】であり、お墓と同じ役割をしているものだからです。
部屋の中であれば風で灯明の火が消えることはありませんよね。
供物
続いて、【供えることもある】お供えの2つめです。
線香、花、水、灯明の他にも『供物』を供えることがあります。
まぁ、厳密に言えば、これまで説明してきた線香や花なんかも『供物』なんですけどね。
ここで言う『供物』というのは、主に【食べ物】として説明をします。
多くの人は、『供物』として亡きご家族が好きだったお菓子類なんかをお供えしますよね。
中には自家製のものを供物としてお供えしている人もいますね。
・・・んっ?もしかして、あなた今、
- 「あれっ?線香を燃やして出る【香り】が仏様の食べ物なんじゃなかったの?そこへさらに食べ物を供えるの?」
って思いましたか?
すごい!正解です!
そうなんです、じつは『供物』って、べつに必要というほどのものではないんです。
あくまで【追加のお供え】というだけです。
でも、先ほども言いましたが、お供えをすることによって【お墓参りの質が上がる】んです。
なので、供物は必要というわけでなはいのですが、供物を供えるとより丁寧なお墓参りになって、そしてより丁寧な供養になりますよ、ということです。
まとめ:お墓参りをする時は、『五供』の意味を意識して供えましょう
お墓参りをする時には『お供え』をするようにしましょう。
とはいえ、何でもお供えすればいいというものではありません。
お墓参りでお供えするべきなのは、
- 線香
- 花
- 水
- 供物
- 灯明(ロウソク)
の5つです。
仏教では、この5つのお供えのことを、
『五供(ごく)』
といいます。
お墓参りで『五供』などをお供えすることには、
- 【仏様の供養】を意味するもの
- 【私たちの修行】を意味するもの
という2つの意味があります。
つまり、お墓にお供えをすることによって、仏様だけではなく『あなた自身』にも得るものがある、ということです。
このような意味をちゃんと知った上でお供えをするのと、意味を知らずに何となくお供えをするのとでは、『お供えの質』が全然違います。
『お供えの質』が違うということは、それはそのまま『お墓参りの質』も違うということなんです。
もちろん、ちゃんと意味を知っている方が【より質の高いお墓参り(=供養)】ができ、あなた自身も【より多くのものを得る】ことができます。
もしも、あなたが【お墓参りは、そんなに頻繁には行けない】というのであれば、せっかくお参りした時には、ぜひこの五供の意味をしっかりと意識しながらお供えをしてください。
逆に【家のすぐ近くにお墓があるから、頻繁にお墓参りに行っている】というのであれば・・・やっぱり同じですね、五供の意味をちゃんと意識しながらお供えをしてください。
だって、せっかくお墓参りをするんですから、五供の意味を意識してお供えをしないともったいないんです。
何となくお供えしている間は、ずっと『質の高いお供え』をしそこなっているのです。
この記事をここまで読んでくださったあなたは、もうすでに『質の高いお供え』ができるはずです。
今後あなたには、五供の意味をしっかりと意識した『質の高いお供え』をしてもらい、今まで以上に『質の高いお墓参り』にしてほしいなと思います。
※お墓参りには供物以外にもいろんな持ち物がありますので、こちらの記事も読んでみてください。