あなたは、お墓参りのときに【何となく】お供え物をしていませんか?
じつは、お墓へのお供え物には、故人を敬い、あなた自身を成長させるという深い意味が込められているのです。
その意味を知らずにお供えをしても、それはただの作業にすぎません。
せっかくお墓参りをするなら、形だけではなく、ちゃんと『心』を届けてほしいのです。
僕がお坊さんとして大切にしている【お供え物の本当の意味】を、この記事でしっかりとお伝えします。
次からのお墓参りが、より質の高いものとなりますので最後まで読んでみてください。
お墓参りのときには『お供え』をしよう
お墓参りのときには、線香や花などの『お供え』をしますよね。
お線香を用意し、新しいお花を買って、それらをお墓へ供えてから最後に手を合わせます。
でも、「お墓参りでは必ず『お供え』をしなきゃだめなの?」と思ったことはありませんか?
ご先祖様にご挨拶をすることがお墓参りの主な目的ですから、お墓の前で『手を合わせる』だけでもよさそうですよね。
じつは、お墓参りというのは、手を合わせるだけでもかまいません。
お墓参りで1番大事なのは、ご先祖様に向けて『心を込めて手を合わせる』ことですから。
でも、僕は、せっかくお墓参りをするなら『お供え』をしなきゃもったいないと思っています。
なぜなら、『お供え』をすると【ご先祖様】と【私たち】の双方にとって得るものが多くなるからです。
お墓参りには、
- ご先祖様の供養
- 私たち自身の修行
という2つの意味があります。
これは要するに、お墓参りをすることによってご先祖様と私たちが同時にご利益を得られる、ということなんです。
そこへ『お供え』をすると、さらに大きなご利益が得られます。
『お供え』を追加することで、より一層『丁寧な供養』となり、より一層『丁寧な修行』ができます。
それに比例してご先祖様と私たちが得られる功徳やご利益が増えるので、『お供え』をすることによってお墓参りの質が上がるのです。
ですから、せっかくお墓参りをするなら、ちゃんと『お供え』をしなきゃもったいないですよ。
お墓参りのときにお供えすべき『5つの供物=五供(ごく)』
ここからは、『お墓に供えるもの』について具体的に解説していきます。
お墓参りで供えるものには、基本となる5つのお供えがあります。
その5つのお供えとは、
- 線香
- 花
- 水
- 供物
- 灯明(ロウソク)
です。
もしかすると、すでに日頃からこの5つをお供えしているかもしれませんね。
この5つのお供えのことを、仏教では【五供(ごく)】といいます。
この五供は、お墓参りだけではなく仏壇をお参りするときにもお供えするので、それくらい『お供えの基本』となっています。
線香
お墓参りのときに、ほとんどの人は『線香』をお供えしています。
線香はできるだけ供えてあげてください。
仏教では、線香を燃やしたときに出る【香り】が仏様の『食べ物』になると考えています。
線香を供えることは、ご先祖様に食事をしていただくことなのです。
あなたは、大事なお客様が家に来たら、その方へお茶菓子やお食事をふるまいますよね。
食べ物をふるまうという行為は、大切な相手に対する親愛や敬意を示すことです。
線香を供えるのも同じことで、ご先祖様に対して親愛と尊敬を示しています。
さらに、線香を供えることは、私たちにとって『精進(しょうじん)=努力を惜しまず進み続けること』も意味しています。
ご先祖様にお食事をしていただき、同時に「私は何事も途中で諦めず、一生懸命に努力を続けます」ということの意思表明をしているのです。
線香などの『お香』に関することは、『お線香のあげ方やマナーを場面別に詳しく紹介。お焼香の作法も合わせて紹介』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
あと、お墓の前でお線香に火をつけるのに苦労している人がとても多いので、僕が唯一おすすめできるライターも一緒に紹介しておきますね。
ちなみに、よく【風よけ付きライター】というのが販売されていますが、あれはハッキリ言って役立たずなので購入はしない方がいいですよ。
お墓参りには『強い火力のあるターボライター』さえあれば大丈夫です。
【関連記事】:【火がつかないイライラを解消】お墓参りに1番適したライターはこれだ!
花
続いて、線香と同じようにほとんどの人が供えているのは『花』です。
『花』を供えることは、
- その場を仏界のように鮮やかに彩る
- 仏様の着ている衣服の役割
- 『無常』の象徴
という意味があります。
また、私たちにとっては、仏教でいうところの『忍辱(にんにく)=目標達成のために辛抱強く耐えること』を意味します。
花を供えてお墓を彩り、それと同時に「私は、心を平静に保ち、辛抱強く耐えます」ということを表しているのです。
そんな花ですから、左右がバラバラにならないようにして、できるだけキレイに揃えてお供えしましょう。
お墓へ供える花については、本当であれば『生花』が望ましいですが、場合によっては造花でもいいと思いますよ。
【関連記事】:【お坊さんの僕が徹底解説!】お墓に造花を供えるのはダメ?お花を供える理由を考えて判断
水
墓石の中央部分には『水鉢(みずばち)』という、丸いくぼみの部分があり、そこには水を供えます。
水鉢の中に『水が入った湯呑』を置いている人もいますが、この部分には水だけをそのまま注げば大丈夫ですよ。
ちなみに、僕が見てきた限り、お墓に置いている湯呑みって、なぜか『魚の名前』がたくさんかいてある湯呑みが多いんですよね。
あなたは見たことがありますか?何ですかね、流行っているのでしょうか?
ちなみに、僕の父も『魚の名前』の湯呑みを愛用しています。
お墓に水を供えるときは、湯呑を使ってもいいですし、何の器にも入れずそのまま直接水を注いでもかまいません。
水を注ぐことには、
- 仏様に水を飲んでいただく
- 仏様の教えを映し出す鏡の役目
- 鏡のように澄んだ心を象徴する
という意味があります。
その他に、お墓へ水を注ぐことは『布施(ふせ)=施し恵み与えること』を意味します。
水は仏様の飲み物であると同時に、あらゆる生物にとっても必要なもの。つまり、水は『命の源』です。
『命の源』である水を供えることで、仏様へのお供えだけではなく、この世のすべての生物に対する布施の意味もあるのです。
お墓にはできるだけ『きれいな水』を供えてください。
できれば、お墓へ供える水は『家から持ってきた水』の方がいいと思います。
あなたがいつも仏壇へ供えている水、それと同じ水をお墓にも供えましょう。
【関連記事】:仏壇に【水】を供える意味をお坊さんが詳しく解説します。
灯明(=ロウソク)
お墓には『灯明(=ロウソク)』を供えることもあります。
ロウソクそのものを供えるのではなく、お墓の前でロウソクに火を灯すということです。
ロウソク(灯明)の火というのは『お釈迦様の教え』を象徴するものなんですよね。
灯明の火は、その明かりで暗闇を照らし出します。
苦しみという暗闇の中でさまよう私たちを、灯明の火が【正しい方向】へと導き照らし出してくれるのです。
お墓参りをするときに灯明へ火をつけるのは、お釈迦様はもちろん、ご先祖様が導いていただくことを意味しています。
それと同時に、私たちにとっては「これからも正しい方向へ歩んでいきます」という決意表明もしています。
ただし、お墓にロウソクを立てるときには【専用の筒】が必要です。
よく墓地の中の空きスペースに火のついたロウソクをそのまま立てる人がいますが、あれは危険ですし、墓石を傷める原因にもなるのでやめた方がいいですよ。
ひどい場合は、火をつけたまま帰ってしまう人までいるので、僕としては「お墓参りに灯明(ロウソク)はなくてもよい」と思っています。
外でロウソクに火を灯しても、風ですぐに火が消えてしまったり、危険性もあるので、あまりおすすめできません。
灯明に火をつけるなら、仏壇の中にあるロウソクにつけてください。
仏壇の中には位牌が置いてありますよね。
位牌というのは『お墓の縮小版』であり、お墓と同じ役割をしています。
ですから、位牌の近くで灯明をつけることは、お墓の前で火をつけるのと同じ。
部屋の中であれば、風で灯明の火が消えることもなく安心で安全ですよ。
供物
お墓参りでは、線香、花、水、灯明の他にも『供物』を供えることがあります。
厳密に言えば、これまで説明してきた線香や花なんかも『供物』なんですけどね。
ここで言う『供物』というのは、主に【食べ物】を想定しています。
多くの人は、亡きご家族が好きだったお菓子類などをお供えしています。
人によっては自家製のものをお供えしているんですよね。
もしかして、「あれっ?線香の『香り』が仏様の食べ物なんでしょ?さらに食べ物を供えるの?」と思いましたか?
そうなんです、じつは『供物』は必要というほどのものではありません。
でも、先ほども言いましたが、お供えをすることでお墓参りの質が上がるんですよね。
供物は必要というわけではないですが、供物があれば、より丁寧なお墓参りができて、より丁寧な供養になりますよ、ということです。
まとめ:お墓参りをするとき『五供』の意味を意識して供えましょう
お墓参りをするときには『お供え』をしましょう。
お墓参りでお供えするのは【五供(ごく)】と呼ばれる、
- 線香
- 花
- 水
- 供物
- 灯明(ロウソク)
の5つです。
お墓参りで『五供』をお供えすることには、
- 仏様の供養
- 私たちの修行
という2つの意味があります。
お墓にお供えをすることによって、仏様だけではなく、あなた自身にもご利益があるのです。
このような意味をちゃんと知っているのと知らないのとでは『お墓参りの質』が全然違います。
この記事をここまで読んでくださったあなたは、もう質の高いお墓参りができるでしょう。
今後は五供を意識して、より『質の高いお墓参り』にしてほしいなと思います。
※お墓参りには供物以外にもいろんな持ち物がありますので、こちらの記事も読んでみてください。




