お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 低コストで快適な家に住みたい。
- 墓地のすぐ近くにお得な不動産物件があるけど・・・なんだか怖そう。
- 墓地のすぐ近くの家に住むメリットとデメリットは何?
不動産屋でいろんな物件を見ていると、ときどき【墓地のすぐ近く】の物件があったりします。
でも、墓地といえば、
- 幽霊が出そうで怖い
- なんだか寂しい
- 夜は真っ暗
- とにかく不気味
みたいな《マイナスのイメージ》がありますよね?
実際にそのようなマイナスのイメージを持つ人が多いせいで、墓地のすぐ近くの物件は価格が安いのです。
しかし、墓地の近くなんてすぐに慣れますし、じつは『お得な条件』が揃っているので、それを知っている人だけが【好条件なのに安い物件】を掴むことができています。
ですから、墓地に対するマイナスのイメージを拭い去ることができるなら【墓地のすぐ近くの家】に住むのはおすすめです。
この記事では、
- 【墓地のすぐ近くの家】の魅力
- 【墓地のすぐ近くの家】に住むメリットとデメリット
について書いています。
墓地の近くの家に住むのはおすすめです
多くの人は、お寺や霊園などの『墓地』に対して、
- 幽霊が出そうで怖い
- 静かで寂しい
- 暗い
- 不気味
といったような【マイナスのイメージ】を持っています。
お墓には《人の遺骨》が納められていますから、どうしても『死』を連想させるのでマイナスのイメージになってしまいます。
実際のところ、『墓地』のすぐ近くの家というのは避けられがちで、住宅や土地など不動産物件の価格が他の場所よりも安いのです。
それくらい墓地の近くというのは不人気なのですが、それってかなり『もったいない』ことなんですよね。
まず、一度住んでみると分かりますが、墓地のすぐ近くというのは昼間なんてけっこう明るいので全然怖くないです。
しかも、後述しますが、墓地のすぐ近くの物件は価格以外にもメリットがたくさんあってかなり【お得な物件】なので僕としてはおすすめです。
それなのに、多くの人はマイナスイメージだけが先行して、好条件なのに安い物件を見過ごしているのですから、なんと『もったいない』ことでしょう!
墓地のすぐ近くの家に住むメリット
墓地のすぐ近くに住むことに対して抵抗があるのは最初だけです。
人間は《適応力》がありますので、はじめは墓地が目の前にあるのがイヤでも、しばらくすれば慣れてしまい、その後は『墓地のすぐ近くのメリット』を実感するようになります。
墓地のすぐ近くの家に住むメリットは、パッと思いつくだけでも、
- 静かな場所であることが多い
- 風通しがよい
- 墓地が家の南側にあれば、日当たりは最高
- 安定した地盤であることが多い
- 住宅などの不動産物件の価格が安い
- 賃貸アパートなどは良質な設備にしている場合もある
というようなものがあります。
静かな場所にあることが多い
墓地というのはご先祖様や亡き家族が眠るとても【神聖な場所】です。
そのため、墓地というのは《車通りの多い道から離れている所》や《自然豊かな所》といったような静かな場所にあることが多いのです。
しかも、目の前が墓地であれば、夜になっても店舗の照明や看板のライトが気になることがありません。
よく、「夜の墓地は暗くて静かだから怖い。」と言う人がいますが、逆を返せば【無駄な明かりや騒音がなく静かなので眠りやすい】ともいえます。
風通しがよい
墓地には基本的に『高い建物』がありません。
ですから、お墓がすぐ近くにある家というのは風通しがよいのです。
風通しがよければ、
- 湿気が少なくてカビやシロアリが発生しにくい
- 洗濯物がしっかり乾く
- 夏場は少し窓を開ければ気持ちよい風が入る
などのメリットがあります。
住宅が密集している場所だと、家が建っている条件によっては湿気がたまりやすくなります。
しかし、目の前が墓地であれば遮るものがありませんから、風が気持ちよくスーッと抜けていきます。
風通しのよい環境だったら家が長持ちしますし、私たちにとっても住みやすい家になるのでいいですよ。
墓地の北側に家があれば日当たりは最高♪
墓地には基本的に『高い建物』がないので、日中は墓地の北側に『日陰』ができません。
ですから、墓地の北側に家があれば日当たりは最高なんですよね。
しかも、他の場所だと将来的にマンションやビルなど『高い建物』が建ってしまう可能性がありますが、墓地にはそれがないのです。
なぜなら、法律で『墓地として使用される土地には、他の目的の建物を建ててはいけない』と定められているからです。
また、洗濯物などは南向きの方が圧倒的に乾きますし、日光もよく入って家全体が明るくなるので、間取りによっては日中は室内の照明がなくても大丈夫。
安定した地盤である可能性が高い
墓石というのは非常に重いので、墓地となる場所は《地盤が固くて安定していること》が条件なんです。
実際に、霊園を新規開園する場合には必ず【地質調査】をして、その場所が墓地として使用できる安定した地盤かどうかを確認します。
また、お寺というのも、昔の人の経験で《洪水》や《地震の影響》を受けづらい土地を選んで建てられていることが多いです。
つまり、墓地のすぐ近くは『安定した地盤』である可能性が高いのです。
せっかく借りた家、あるいは35年ローンを組んで建てた家が、地盤が悪いせいで傾くなんて絶対に嫌ですよね。
目の前に墓地があることさえ気にならなければ、しっかりと家を支えてくれる地盤の上で安心して過ごせるのです。
住宅などの不動産物件の価格が安い
多くの人にとって墓地というのはマイナスイメージがありますから、墓地の周辺は住宅などの不動産物件の価格が安いという傾向にあります。
でも、これは墓地に対するマイナスのイメージがない人にとってはラッキーです。
人間はどうしても【イメージ先行】で物事を判断してしまいがちなので、その結果『偏見』や『思い込み』が生まれます。
そのため、『偏見』や『思い込み』によるマイナスイメージが強い人は【お墓のすぐ近く】というだけで物件選びの候補から外してしまうんですよね。
一方で、マイナスのイメージにとらわれず【物事の本当の価値を見ることができる人】だけが好条件の物件をちゃんと掴んでいます。
あなたは、
- 偏見や思い込みで【損】をしてしまう人
- 物事の本当の価値を見ることができて【得】をする人
どちらの人になりたいですか?
賃貸アパートなどは良質な設備になっている場合がある
以前に不動産会社の人から聞いた話ですが、墓地の近くの場合、賃貸アパートなどは良質な設備になっていることが多いのだそうです。
これもやはり、多くの人が墓地に対するマイナスイメージがあるため、他の物件よりも良い設備にして差別化しなきゃいけないのでしょうね。
ということで、やはり偏見や思い込みがなくて【物事の本当の価値を見ることができる人】だけが、同じ家賃でもより良い条件で借りることができるんですね。
墓地のすぐ近くの家に住むデメリット
墓地のすぐ近くの家に住むことには、メリットだけではなく当然デメリットもあります。
デメリットとしては、
- 風で塔婆が揺れるとうるさい
- カラスや猫がよく来る
- お盆や彼岸などは、線香の煙とニオイがすごい
- 墓地側から自分の家を見られてしまう
- 住宅などの不動産物件の価格が安い
- 風水的には良くない
ということがあります。
風で塔婆が揺れるとうるさい
あなたは『塔婆(とうば)』というものをご存じですか?
塔婆というのはお墓の後ろに建てる【長い木の板】のことで、法事やお盆供養をしたときにお墓の後ろへ建てる仏具です。
お墓には、塔婆を建てるための『塔婆建て』があるのですが、塔婆が風を受けて揺れると『塔婆建て』に接触してカタカタと音がするんですよね。
塔婆は基本的にずっとお墓に建てっぱなしなので、風が強いときにはカタカタと音がし続けます。
ですから、普段は静かな墓地でも、天候によっては風で揺れる塔婆がうるさいこともあります。
ご近所様にとっては少し迷惑な塔婆ですが、塔婆は供養に欠かせないものなので、そこはなんとかご理解をいただきたいです。
【関連記事】:塔婆(卒塔婆)って何なの?塔婆の意味と必要性を説明します
カラスや猫がよく来る
お墓参りのときには、線香・生花・水を供えますが、その他にも故人が好きだった食べ物などの『供物』を供える人も多いです。
たまにお供え物をそのままお墓に置いて帰ってしまう人がいますが、それを狙ってカラスや猫がよく来るようになります。
カラスや猫などの動物は、残ったお供え物を食べてしまうだけならいいのですが、
- 墓地の花にイタズラをしてまき散らす
- そこらじゅうにフンや尿をする
- お墓参りに来た人に危害を加える
など、他にも【悪さ】をしてしまいます。
そして、そのような被害が『墓地のすぐ近くの家』の人たちにも及んでしまうことがあるのです。
しかし、近年ではほとんどのお寺や霊園で『お供物は必ずお持ち帰り下さい。』という注意喚起をしているので、カラスや猫による被害は以前にくらべると激減しています。
お盆や彼岸の時期は線香のニオイと煙がすごい
当たり前ですが、お寺や霊園にはたくさんのお墓があります。
お盆や彼岸の時期になると多くの人がお墓参りをするので、墓地には一日中ずっと線香のニオイと煙が漂っています。
そして、風向きによっては線香のニオイや煙が近隣の家の方に流れ続けます。
つまり、墓地のすぐ近くの家は、お盆や彼岸などの時期は線香のニオイと煙がすごいということを覚悟しなくてはいけません。
ですから、お盆と彼岸の時期にはあまり窓を開けないようにして、洗濯物もできるだけ外で干さないようにした方がいいと思います。
墓地側から自分の家を見られてしまう
メリットのところで紹介したように、墓地には遮るものがありませんので、墓地のすぐ近くの家からは墓地全体が見渡せます。
しかし、これは逆に言うと、墓地側から自分の家を見られてしまうということにもなります。
ですから、墓地側に面している窓には必ずカーテンをつけなくてはいけません。
また、遮るものがないので、場合によっては家の中の【テレビの音】や【話し声】なんかも墓地の方まで聞こえてしまうんです。
とはいえ、大きめのテレビの音量や家の中で誰かを呼ぶ声が聞こえるというカンジです。
お盆や彼岸など大勢の人がお墓参りに来る時期には、念のため窓とカーテンを閉めた方がいいでしょう。
不動産物件の売却価格が安い
墓地がすぐ近くにあるというだけで『不動産物件の価格』が安くなるので、物件の購入をするときには非常にお得です。
しかし、不動産物件の価格が安くなるのは《物件を手放すとき》も同じことが言えます。
つまり、引越しなどで物件を手放すときは不動産物件の売却価格が安いということになります。
安く買えるものには『安いなりの理由』があるので、物件を手放す時にも当然ながら『安いなりの理由』が付いてまわるということですね。
風水的には良くない
最後にもう1つ、念のためにデメリットとして紹介しておきます。
墓地の近くに家があるというのは、風水的には良くないとされています。
風水では、
- 家は【陽】
- お墓は【陰】
なのだそうです。
【陽】と【陰】というのは反対の性質なので、それらは近くにない方が良いとのこと。
つまり、家の窓からすぐ目の前に墓地が見えたり、墓地の《陰の気》が家に流れてくることが風水的にはダメなのだそう。
ですから、風水を気にする人にとっては【家のすぐ近くに墓地がある】ことがマイナスポイントとなってしまいます。
でも、風水ってそんなに重要なのでしょうか?
まとめ:墓地のすぐ近くの家に住むのはおススメです
墓地のすぐ近くの家に住むというのは、多くの人にとっては【少し抵抗があること】です。
墓地といえば『暗くて怖い』みたいなイメージがあると思いますが、そのようなマイナスのイメージはあくまで【単なるイメージ】にすぎません。
墓地に対するマイナスのイメージがなくなれば、徐々に墓地の近くであることのメリットが分かってきます。
実際に【墓地の近くの家】に住んでいる人たちは、僕と同じで、
- 想像しているほど怖くない
- 意外にメリットが多い
ということをよく知っています。
だから、賢い人は墓地のすぐ近くに住んでいても引越しなんかしていません。
墓地が目の前にあることのデメリットもいろいろとありますが、それ以上にメリットの方が大きいのです。
ですから、僕は墓地のすぐ近くの家に住むのはおすすめです。
もしもあなたが『好条件なのに安い物件』を探しているのなら、【墓地の近く】を重点的に探してみるといいかもしれませんね。