あなたが毎朝、仏壇に供えている『ご飯』。
「毎朝ご飯を供えないと、仏様に申し訳ない。」と思いながら、炊きたてのご飯を供えていることでしょう。
でも、習慣になっているとはいえ、毎朝ご飯を供えるのって大変ではないですか?
じつは、毎日仏壇にご飯を供えなくても問題ないですよ。
仏様はご飯を食べるわけではありません。
毎日お供えすべきは『お線香』で、ご飯を供えるのは余裕があるときだけでも大丈夫。
この記事では、
- 仏壇に供える『ご飯』の意味
- 仏壇に供える『ご飯』の供え方
について書いています。
今までより気楽にご飯をお供えできるようになりますので最後まで読んでみてください。
仏様に供えるご飯の名前は何ていうの?
仏様に供えるご飯には仏式の呼び方があります。
仏様に供えるご飯のことを、
- 飲食(おんじき)
- 仏飯(ぶっぱん)
- 仏供(ぶっく)
などと呼んでいます。
これは宗派や地域ごとに呼び方が違うのですが、べつにどのように呼んでもかまいません。
呼び方を覚える必要もないですし、簡単に『仏様のご飯』と言った方が分かりやすくていいです。
仏壇にご飯をお供えする意味
仏壇に供えるご飯の意味は、もしかすると、あなたが想像しているものとは少し違うかもしれません。
仏様は『ご飯』を食べていない
あなたはきっと、仏様に食べてもらうためにご飯を供えていますよね?
冒頭でも言いましたが、仏様はご飯を食べていないのです。
残念ながら、どんなに心を込めて供えても、仏様はご飯を召し上がることはありません。
仏様はお線香に火をつけたときに出る『香り』を食べているんです。
仏教ではこれを、香食(こうじき)といいます。
もしも毎朝ご飯を供えるのが大変なら、無理をせずお線香を供えるだけでも十分ですよ。
香食やお線香のあげ方については別記事で詳しく解説していますので、ここでは割愛させていただきます。
家の中をお線香の匂いで充満させたくない人は、煙と匂いの少ないお線香もあるので使ってみてください。
仏壇にご飯を供える意味
仏様が食べているのは『ご飯』ではありません。
では、何のためにご飯を供えるのか。
仏壇にご飯を供えるのは、ご本尊様やご先祖様に【感謝の気持ち】を伝えるためです。
お米というのは、日本の食卓には欠かせない貴重な食べ物。
ご飯を供えることで、貴重な食べ物があることに対して【感謝の気持ち】を表現しているのです。
他にも、お花などと同様に、炊きたてのご飯の香りをお届けする意味もあります。
ご飯を供える目的は、仏様に食べてもらうのではなく、私たちが豊かに暮らせている様子をご覧いただくということですね。
供えるご飯は『炊き込みご飯』や『赤飯』でもOK
先日、当ブログの読者様から「仏飯には『炊き込みご飯』や『赤飯』を供えてもいいですか?」というお問い合わせをいただきました。
仏壇には『炊き込みご飯』や『赤飯』を供えてもいいですよ。
私たちの豊かな暮らしぶりを仏様に見ていただくのですから、それが炊き込みご飯でも赤飯でもかまいません。
特に、赤飯はお祝いのときに食べることが多いので、仏様にも一緒にお祝いしていただきましょう。
仏壇に供えるものは、べつに『お米』でなくてもいいですよ。
亡くなった家族が『パンが大好物』だったら、ご飯ではなくパンを供えてください。
ご飯以外にも、いろんな物を食べて幸せそうにしている姿をご本尊様やご先祖様に見せてあげましょう。
仏壇へのご飯の供え方
仏壇のご飯には、供え方が一応あります。
本当は供え方なんてあまり気にしなくてもいいのですが、信者さんからもよく質問されるので、この機会にあなたにもお伝えします。
ご飯は毎日供えた方がいい?
まず、よく受ける質問の1つめは、「ご飯は毎日供えた方がいいですか?」です。
これに対する回答は、『毎日である必要はなく、できるときに供えれば十分。』となります。
私たちは毎日のようにご飯を食べているので「仏様にも毎日ご飯を供えなきゃ。」と思ってしまうんですよね。
でも、仏様はご飯を食べていないので、毎日供えるべきなのは『お線香』です。
というか、毎日供える必要はなく、感謝の気持ちを伝えたいときに供えれば十分。
ここで1つ、あなたに提案です。
毎日ご飯やお線香を供えるのは大変ですから、普段は『ニセモノのご飯』でもいいと思いますよ。
最近のものは非常に精巧にできているので、とりあえず普段は『ニセモノのご飯』を供えておきましょう。
それで、命日やお盆などの節目となるときには、ちゃんと本物のご飯を供えるというのでも大丈夫です。
ご飯をお供えするタイミング
次に、よく受ける質問の2つめは「ご飯はいつお供えすればいいですか?」です。
これに対する回答は『いつでもいい』となります。
仏様にご飯を供えること、つまり、感謝の気持ちを伝えるタイミングなんて考える必要はありません。
あなたが「仏様にご飯をお供えしよう。」と思ったときがベストタイミングです。
「毎日ご飯をお供えしなきゃ。」という義務感ではなく、もっと気楽に考えて大丈夫ですよ。
ご飯は、生前に故人が使っていた茶碗に盛ればいいの?
よく受ける質問の3つめは「ご飯を盛る器は、生前に故人が使っていた茶碗がいいですか?」です。
これに対する回答は、『器は何でもよいが、専用の仏飯器を使うと便利』となります。
器は何でもかまいませんから、あなたが自由に選んでください。
でも、せっかくなら『故人が生前に使用していた茶碗』で供えてあげたいですよね。
故人に喜んでもらうために生前使っていた茶碗を使うのであれば、ぜひその気持ちを大事にしてください。
たまに「故人は仏の世界に行ったのだから、生前に使用していた茶碗で供えるのはよくない。」と言う人もいますが、そのような意見は無視していいです。
器にそこまでこだわる必要はありません。
ただ、仏様にご飯を供えるための『仏飯器』という専用の器が一応はあります。
仏飯器のサイズは小さいので、少しご飯を盛るだけで大丈夫。
しかも、故人が使っていた茶碗で供えるためにはそれなりのスペースが必要ですが、仏飯器なら小さなスペースでも供えられるので便利です。
ご飯の盛り方
次に、よく受ける質問の4つめはご飯はどうやって器に盛ればいいですか?」です。
これに対する回答は、『器に乗る量を丸い形に盛ってください』です。
ご飯の盛り方は、だいたい、
- 円柱形
- 半球形
- 宝珠(ほうじゅ)形
の3パターンです。
『円柱形』とは、丸い柱を横に切った形ですので、断面の形は丸くなっています。
『半球形』とは、ボールを半分に切った形です。
『宝珠形』とは、半球形の先を少し尖らせたような形です。
これらの形の共通点は『丸い形』であること。
丸い形なのは、ご飯を、蓮(はす)の『つぼみ』や『実』に似せているからです。
蓮は『仏様の教え』や『仏様そのもの』を象徴する花で、仏教ではとても大事な意味を持っています。
とはいえ、少しくらい形が崩れても仏様は文句を言いませんから、ご飯は何となく丸い形に盛っていれば大丈夫ですよ。
お箸は立てた方がいいの?
次に、よく受ける質問の5つめは「供えるご飯にはお箸を立てるのですか?」です。
これに対する回答は、『仏壇に供えるご飯には、お箸を立てなくてよい』となります。
人が亡くなると、茶碗にご飯を山盛りにして、その上からお箸を立てて供えますが、これは『枕飯(まくらめし)』といって、お葬式のときの供え方です。
お葬式の後は、お箸を立てて供える必要はありません。
そもそも、仏教発祥の地であるインドではお箸を使わないので、ご飯にお箸を立てるのは日本独特のやり方です。
というか、あの世におられる仏様は『ご飯』を食べていないので、お箸自体が不要ですね。
供えたご飯を下げるタイミング
よく受ける質問の6つめは、「供えたご飯はいつ下げればいいですか?」です。
これに対する回答は『いつでもいい』となります。
でも、何らかの目安がほしいですよね。
1つの目安としては、朝にご飯を供える家が多いので『家族が朝食を食べ終わるタイミング』で一緒に下げるとよいでしょう。
あるいは、ご飯の湯気が出なくなったら下げる、みたいな感じでもいいですね。
仕事で出てしまうなら、帰宅してから下げても大丈夫。
ちなみに、仏様の世界では『食事を午前中にする』というルールがあるそうなので、午後になってから下げる人もいます。
ご飯を下げるタイミングには決まりがないので、あなたの都合の良いときに下げてください。
下げたご飯はどうするの?
最後に、よく受ける質問の7つめは「下げたご飯は捨ててもいいですか?」です。
これに対する回答は、『下げたご飯は食べてあげるのが理想的』となります。
仏様は、お供えをしてもらった分の【7分の1】だけを受け取ります。
そして、「どうもありがとう。少しだけもらえれば十分だから、あとはみんなで分けてね。」と、残りの【7分の6】は私たちに返してくれるのです。
これを仏教では『七分獲一(しちぶんぎゃくいつ)』といいます。
だから、供えたご飯のほとんどは私たちへのお返しになるんですよね。
せっかく私たちのために返してくれたものですから、ありがたく食べるのが理想的。
とはいえ、供えてから長い時間が経っていたら無理に食べる必要はありません。
仏壇から下げたご飯を食べない場合は、他のものと一緒に『可燃ゴミ』として処分してください。
たまに、「お庭にまいて鳥などに食べてもらうのがよい。」という人もいますが、それはやめた方がいいですよ。
鳥はエサのある場所を学習しますから、その後もお庭に鳥が集まってきますし、そこらじゅうにフンをします。
カラスだと、時期によっては人間を攻撃してきますので危険です。
周辺に住宅がないような場所ならかまいませんが、住宅が密集しているような場所ではご飯をお庭にまくなんてことを絶対にしてはいけません。
まとめ:感謝の気持ちを表すために仏壇へご飯を供えましょう
仏壇に毎日『ご飯』を供えるのは大変ですから、無理して供える必要はありません。
仏様が食べているのはご飯ではなく、お香を燃やしたときに出る『香り』です。
仏壇に『ご飯』を供えているのは、ご本尊様やご先祖様に対して【感謝の気持ち】を表すためです。
ご飯を供えるタイミングはあなた次第なので、べつに毎日でなくてもかまいません。
ご飯の供え方についても、器に乗る量を丸い形に盛れば大丈夫です。
下げたご飯は家族みんなで食べてしまってください。
無理のない程度に仏壇へ『ご飯』を供えて、あなたの【感謝の気持ち】をアツアツの湯気に乗せてお伝えしてあげましょう。
※一通り仏具を揃えるなら、こちらの記事をご参考にどうぞ。







