お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 火事が心配だから【電気ろうそく】にしたい。
- 【電気ろうそく】にしたら仏様に失礼かな?
- 【電気ろうそく】のメリットとデメリットを知りたい。
毎日のように仏壇に手を合わせていると、けっこうなペースでろうそくを消費しますよね。
短くなったろうそくを換えようとしたのに新しいろうそくが無かった、なんてことはありませんか?
それに、仏壇のろうそくって、何度も交換するのが面倒だし、ろうそくを買うお金も意外とかかっちゃうんですよね。
僕は、仏壇のろうそくは【電気ろうそく】を使ってもいいと思います。
この記事は、
- 仏壇のろうそくが【電気ろうそく】でもいい理由
- 【電気ろうそく】の種類
- 【電気ろうそく】のメリットとデメリット
について書いています。
最後まで読んでいただければ【電気ろうそく】のことが一通り分かりますので、きっとあなたのお役に立つはずですよ。
仏壇のろうそくは【電気ろうそく】でもいいんです
あなたは毎日のように仏壇にお参りしていて、こんなふうに思ったことはないですか?
- 「あぁ、ろうそくが短くなってきたなぁ、もうすぐ交換だな。」
- 「そういえば、新しいろうそくがもう無かったかも、買いに行かなきゃ。」
- 「ろうそくの交換って意外と面倒だな、もっとラクな【電気式】のモノとかじゃダメなのかな?」
って。
仏壇のお参りは毎日するものなので、そうすると『ろうそくの交換』を頻繁にしなくちゃいけません。
しかも、ろうそくは火を使うので、
- ヤケドしないように気をつける
- 誤って倒してしまい火事にならないように気をつける
- 短くなったろうそくの後始末をしなくてはいけない
みたいなことも考えなくてはいけないんです。
要するに、仏壇に供える【ろうそく】って意外と面倒くさいんですよね。
そこで、お坊さんの僕からあなたにお伝えしたいことがあります。
仏壇のろうそくは【電気ろうそく】でもいいですよ。
「電気なんて、そんなの仏様に失礼なんじゃないの?」って思いましたか?
大丈夫ですよ、ろうそくの火は【本物の火】だろうが【電気】だろうが、そんなのは大した問題じゃないんですから。
あなたがもしも【電気ろうそく】にしたいと思っているのなら、何も心配はいりませんから、この記事を読み終わった後にでも交換しちゃって大丈夫ですよ。
電気ろうそくとは
まず先に【電気ろうそく】がどんなモノなのかを簡単に説明します。
電気ろうそくとは、火が【本物の火】ではなく【電気で光らせた火】になっているろうそくのことです。
形や大きさにいろんな種類があり、あなたの家の仏壇に合ったものをお好みで選べます。
操作は簡単で、スイッチ1つでろうそくの火(=電気)をON・OFFが可能。
電気ろうそくには、単純に豆電球がポッとつくタイプと、LEDライトを使って本物の火のようにユラユラと揺れて光るタイプがあり、LEDライトの方が少し高価です。
また、電気式のろうそくなので当然ながら【電気】が必要で、『電池式』のものと『コンセント式』の2種類があります。
本体の価格はいずれもだいたい、『2千円〜1万円』くらいですから、長く使えることを考えたらお手頃な金額だと思いますよ。
【電気ろうそく】であれば本物のろうそくみたいに頻繁に交換することはありませんし、しかも電気なので『安全』です。
【電気ろうそく】を使うなら、コチラのような『リモコン付き』が使いやすいと思いますよ。
仏壇のろうそくが【電気ろうそく】でもいい理由
仏壇で使うろうそくには、基本的に本物の火を灯します。
だから、この【電気ろうそく】に対しては否定的な意見もり、僕たちお坊さんの中でも賛否両論あるんですよね。
でも、僕は【電気ろうそく】でもいいと思っています。
なぜなら、ろうそくは《本物の火》にこだわる理由がないからです。
仏壇のろうそくの火には『悟りへの道しるべ』という意味があり、また、『お釈迦様の教え』を象徴しているものでもあります。
つまり、仏教では『ろうそくに火をつけることで、正しい道が照らし出される』というふうに考えているんですよね。
大事なのは、正しい道が【照らし出されること】なので、それは火でも電気でも、そんなのどちらでもいいと思います。
じゃあ、なぜ今でもろうそくを使っているかというと、電気が無かった時代のやり方をそのまま受け継いでいるだけの話ですよ。
じつは、他にも【仏様の温もり】や【煩悩を焼き払う効果がある】という意味はありますが、これらはどちらかというと二次的な意味です。
照らし出すことが大事なんですから、僕は【電気】を使った方が圧倒的にラクだし、安全だし、さらにコスパもいいと思いますけどね。
仏壇のろうそくに火をつける意味については、『多くの人が知らない【仏壇のロウソク(灯明)に火をつける意味】』の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。
電気ろうそくの種類
電気ろうそくには、
- コンセント式
- 電池式
の2種類があります。
どちらでもかまわないので、あなたのお好みで選べばいいですよ。
【コンセント式】の電気ろうそく
まずは、【コンセント式】の電気ろうそくの説明からしていきます。
【コンセント式】の電気ろうそくとは、ろうそくに付いている電気コードをコンセントに差し込んで使うタイプのものです。
ろうそくに電気コードが付いているので、それを仏壇のコンセントに差し込んで、スイッチをオンにするだけで明かりがつきます。
コンセント式はいつでもすぐに明かりを灯せますが、電気コードがモロに見えてしまうので、コードをろうそくの後ろに隠しても、少し【見た目の悪さ】があるんですよね。
あと、比較的コンパクトな仏壇の場合は、他の仏具を置くのに電気コードがジャマになってしまうことがあります。
【電池式】の電気ろうそく
電池式の電気ろうそくとは、本体の中に電池を入れて使うタイプのものです。
コンセント式とは違って電気コードがないので、仏壇のどこにでも置けますし、見た目も良くなります。
しかし、電池式ということで、ある程度使っていたら電池の交換が必要になります。
なので、たまに、仏壇のお参りをしようと思ったら電池切れで明かりがつかない、なんてこともあるわけです。
本物のろうそくを交換するほどではありませんが、『電池交換』の手間があるというのが電池式の面倒なところではあります。
そして、当たり前ですけど電池を買うための費用が継続的に必要となり、また、『電池を処分する』という手間もあります。
スイッチは【中間スイッチ式】と【リモコン式】がある。
電気ろうそくに明かりをつける『スイッチ』には、
- 【中間スイッチ】がついているタイプ
- 【リモコン】のスイッチがあるタイプ
があります。
【中間スイッチ】がついているタイプは、その名のとおり『電気コードの中間にあるスイッチ』でON・OFFをするものです。
【リモコン】のスイッチがあるタイプは、離れた場所からリモコンでスイッチのON・OFFをします。
僕は【リモコン】のスイッチがあるタイプをおすすめします。離れた所からでもスイッチのON・OFFができるんですから、その方が圧倒的にラクじゃないですか?
仏壇にはろうそくの他にもいろんな仏具があります。
中間スイッチの場合は、スイッチを入れるときにそれらの仏具に手や服を引っかけてしまったり、コードを引っ張って仏具を倒してしまうこともあるんですよね。
一方で、リモコンなら他の仏具に引っかかる心配はありませんし、スイッチの操作だけでいいのでとてもラクです。
ただし、リモコンを使うということで、リモコンの電池が必要になるんです。
とはいえ、リモコンの電池が切れるのはそんなに頻繁に起こることではありませんから、労力と金銭面を考えても十分に許容範囲だと思いますけどね。
ちなみに、【スイッチがない】というタイプもあります。
ただ、【スイッチがない】ということは、明かりをつけるたびにコンセントに抜き差しをしないといけないので、これは面倒くさいので僕はあまりおすすめしません。
電気ろうそくのメリットとデメリット
仏壇のろうそくは、本物のろうそくよりも【電気ろうそく】を使ったほうが圧倒的にラクです。
しかし、メリットだけではなく、やはりデメリットもあります。
電気ろうそくのメリット
電気ろうそくを使うことのメリットは、
- 操作が簡単
- 消し方に注意しなくていい
- ヤケドや火事の心配がない
- 短くなったろうそくのゴミが無い
- 低コスト
ということです。
先ほどから説明しているように、電気ろうそくの操作はスイッチのON・OFFだけなのでとても簡単です。
本物のろうそくの場合は実際に火を使うので、お参りの後にはちゃんと火を消さないといけません。
火を消すときには息を吹きかけてはダメなので、手であおいだり、『火消し』を使ったりします。
でも、電気ろうそくであれば、これらのことをしなくてもいいんです。
そして、火のついたろうそくを倒してしまったり、火を消し忘れるということもありませんから、ヤケドや火事の心配がありません。
悲しいことに、仏壇のろうそくの火が原因で火事になるケースが毎年必ずありますので、そういう意味でも電気の方がダンゼン安心です。
また、本物のろうそくは、もう使えないくらい短くなったら処分をしなくてはいけませんよね。
電気ろうそくだったら、そんなことをしなくてもいい。
こういういろんな手間や心配がないにもかかわらず、価格は比較的安いので費用対効果はバツグンですよ。
本物のろうそくを買い続けることを考えたら、比較にならないくらい低コストですみますね。
と、まぁいろいろと説明しましたが、電気ろうそくの主なメリットは、操作が簡単・安全・低コストということですね。
電気ろうそくのデメリット
つづいて、電気ろうそくのデメリットを紹介します。
電気ろうそくのデメリットは、
- 電池式の場合は電池代がかかる
- コンセント式の場合はコードが邪魔
- 線香の火がつけられない
- 電気ろうそくを良く思わない人がいる
ということです。
電気を使うろうそくなので、当然ながら【電池式】のものであれば電池代金が必要です。
なので、【電池式】の場合は、ろうそくを買わない代わりに電池を買うという手間はありますね。
一方で、電池を買わなくてもいい【コンセント式】のものは、電池の代わりに電気コードがありますので、それがジャマになってしまいます。
仏壇の中をスッキリさせたいという人にとっては電気コードの存在が気になるかもしれませんね。
そして、電気ろうそくの最大のデメリットは、線香に火をつけられないということです。
本物のろうそくであれば火があるので、その火で線香がつけられますが、電気ろうそくだとそれができません。
だから、線香だけはライターで火をつけなきゃダメなんですよね。申し訳ありませんが、こればかりは仕方ないんです。
最後に、もう1つのデメリット。
それは、『電気ろうそくを良く思わない人がいる』ということ。
たぶん、あなたも最初は「えっ、ろうそくの火が電気?本当にそれでいいの?」って思いましたよね?
おそらく、ほとんどの人があなたと同じ反応をします。
あなたの家に来たときに仏壇を見たら、「あれっ、最近はこんなのもがあるの?へぇ、便利だねぇ。」って言いますよ。
でも、それは本心ではなく、陰では「あんなのじゃ仏様に失礼だよねぇ。」と言ってます。
でも、それは気にしなくていいです。
その人は、僕がこの記事で説明した『電気ろうそくでもいい理由』を知らないだけなんですから。
ろうそくは『照らし出す』ことができればOK!
まとめ:仏壇のろうそくは【電気ろうそく】でもいいんです。
毎日のように仏壇をお参りをしていると、数日おきに『ろうそく』を交換する必要があります。
また、ろうそくは火を使うときには、手をヤケドしたり、ろうそくを倒して火事にならないように気をつけなくてはいけません。
しかし、【電気ろうそく】を使えば、ろうそくを交換する手間も、ヤケドや火事の心配もありません。
お参りするときにピッとスイッチを入れて、お参りが終わればまたピッとスイッチを切るだけなので、とても簡単で安全ですよね。
ただし、電気ろうそくでは線香に火をつけられないので、線香へ火をつけるときだけはライターやマッチが必要です。
僕は、仏壇のろうそくは【電気ろうそく】でいいと思います。
仏壇のろうそくは、明かりがついて『照らし出す』ことができれば、それで十分に役目を果たしているんです。
時代は変わっていくものなので、仏壇のお参り方法だって変わります。
だから、【電気ろうそく】に換えたいなと思っているのなら、いっそのこと換えてOKです。