- 家に仏壇が2つあるのはダメかな?
- 仏壇を2つ置く場所なんてないから、1つにまとめたい。
- 仏壇を1つにまとめる方法や注意点を知りたい。

家に仏壇が2つあって困ってるんだけど、どうしたらいいの?



仏壇が2つあるなら1つにまとめるといいですよ。
近年では『仏壇を守る人がいない』という家が急増しています。
そのせいか、家に『夫の家の仏壇』と『妻の家の仏壇』の2つを置いても大丈夫なのか?という問い合わせも増えてきました。
仏壇は、その家の人達がずっと手を合わせてきた非常に大事なものですが、それが家に2つあると扱いに困りますよね。
結論を言いますと、家に仏壇が2つある場合はできるだけ1つの仏壇にまとめることをおすすめします。
この記事では、
- 仏壇を2つ置くことの不都合
- 仏壇を1つにまとめる方法
- 仏壇を1つまとめるときの注意点
について書いています。
2つある仏壇をどうしようかとお困りのあなたに役立つ内容なので最後まで読んでみてください。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴20年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
家に仏壇が2つあってもいいの?


10年くらい前からですが、
今住んでいる家には、夫の実家の仏壇がある。
事情により、妻の実家の仏壇を引き受けることになった。
これにより、家に2つの仏壇があるが、このまま2つの仏壇を置くのか、それとも1つにまとめるのか、どうしたらいいか分からない。
という問い合わせが増えています。
このようなケースであれば、僕は仏壇を1つにまとめるというのをおすすめします。



『仏壇が2つあるのはダメ』と言っているわけじゃないですよ。
家に仏壇が2つあっても大丈夫ですが、いろいろと不都合が出てくるんですよね。
仏壇は2つあってもよいが管理が大変。
仏壇が2つあることについては『容認派』と『反対派』に分かれます。
夫側と妻側で宗派が違うときには『反対派』の方が多くなります。
一般的に、1つの家で1つの宗派を信仰しているので、宗派の違う仏壇があったら「どちらの宗派を信仰するの?」という話になるんですよね。
また、「仏壇が2つあると、それぞれのご先祖様達の気分が落ち着かないから良くない。」と言われたりもします。
でも、あなたは仕方のない事情があって仏壇を2つ置いているんですよね?
とりあえず、家に仏壇が2つあること自体は問題ありませんのでご安心ください。
ただ、仏壇が2つあると管理が大変なんですよね。
まず、2つの仏壇を置くための【スペース】が必要です。
仏壇2つ分のスペースとなれば、まぁまぁの広さになっちゃいます。一般的なマンションの間取りだと、2つも仏壇があったらかなりジャマです。
スペースのことを考えると、どちらかの仏壇あるいは両方の仏壇を【コンパクトな仏壇】に買い替えるという選択もあるでしょう。



コンパクトな仏壇なら、値段も比較的安いですからね。
そうはいっても、やはり仏壇の買い替えは大きな出費ですから、よ〜く考えてから買わなくちゃダメです。
あとは、仏壇が2つあるなら、お参りや掃除をそれぞれにしなきゃいけません。
仏壇のお参りは、
- お花とお水と供物をあげる
- ろうそくに火をつけ、線香を供える
- 心をこめて手を合わせる
というのを2回やることになります。
そして、日々の仏壇の掃除も2回です。年末には仏壇の大掃除も2回やることになります。
それぞれのご先祖様には申し訳ないですが、正直言って面倒くさくないですか?
最初は頑張っても、いずれ両方とも手抜きになってしまうかもしれませんね。
2つの仏壇の置き方
仏壇を2つ置くにしても、どのような『置き方』をすればいいのか分かりませんよね?
ここで、2つの仏壇を置き方を簡単に紹介します。
仏壇を置く部屋は別々にする
あなたは2つある仏壇をどのように置いていますか?とりあえず『横並び』ですかね?
じつは、横並びはあまり良くないとされています。
仏壇が2つある場合、一般的には『仏壇を置く部屋は別々に分けた方がよい。』と言われます。
これは、
- それぞれの家のご先祖様が戸惑わないようにするため
- 宗派が違う仏壇の場合、自宅での法要のときに、お坊さんに対して失礼とならないようにするため
という理由なんですよね。
ちゃんと部屋を分けて別々に供養することで、それぞれの家のご先祖様に対して敬意を表しているわけです。
仏壇の上にも部屋がある場合は、仏壇の天板に『空』『天』『雲』のいずれかを記載する
住宅というのは【1階建ての平屋】だけではありません。
2階建てや3階建ての住宅もたくさんあります、もしかすると今は平屋の方が少ないかもしれませんね。
となると、 【仏壇を置く部屋】の上にも他の部屋があるため、仏壇の上を人が移動するような環境になります。



仏様やご先祖様の上をバタバタ、歩き回るのは失礼ですよね。
この場合には、仏壇の天井あるいは天板の部分に『空』『天』『雲』のどれかの文字を書いた紙を貼るという作法があります。
仏壇の上に『空』『天』『雲』のどれかの文字を書いた紙を貼ることによって、それより上には何も無いものとみなすのです。
そして、仏壇の上には何も無いものとして、それをちゃんとご先祖様にも「これ以上、もう上には何もありませんよ。」とお伝えしているのです。
もしもあなたがマンションやアパートなどの集合住宅にお住まいで、上にも部屋がある場合は、仏壇の天板に『空』『天』『雲』のどれかの文字を書いた紙を貼っておくといいですよ。
それぞれの仏壇を置くときの【向き】
仏壇を置くときに【向き】を気にする人は多いです。
仏壇の【向き】に関しては、いろんな人のいろんな考えがあります。
じつは、仏壇を置く向きに決まりはありません。
決まりはないですが、縁起の良い方向とされている『東向き』がいいと言う人はけっこう多いです。
仏壇を縁起の良い『東向き』に置けば、それを拝む人は阿弥陀様がいる極楽の方向である『西向き』に手を合わせることができます。
しかし、僕の考えとしては『南向き』がよいと思っています。
というのも、昔から【高貴な身分の者は南向きに座り、その他の者は北向きに座る】という考え方があるからです。
この考え方に準じて多くのお寺ではご本尊様が南を向いているのです。
仏壇は『お寺の本堂の代わり』をしているものなので、向きについてもお寺と同じにしてあげるのがイイと思いますよ。
とはいえ、そんな都合よく南向きに仏壇を置けるとは限りませんので、あくまで【可能であれば】という程度です。
仏壇の向きに明確な決まりはないので、家の間取りに合わせて、置ける場所に置いてあげればいいですよ。
【関連記事】:仏壇の意味と役割とは?仏壇の準備からお参り方法まで丁寧に解説
自宅で法事をするなら、それぞれの宗派のお坊さんに来てもらう
もしも仏壇が2つあって、しかもそれぞれの宗派が違うという場合、自宅で法事をする際には少し面倒くさいことがあります。
それは、それぞれの宗派のお坊さんに来てもらう必要があるということです。
例えば、夫がA宗、そして妻はB宗だとします。
夫側の法事をするときにはA宗のお坊さんに来てもらいます。
しかし、妻側の法事をするときにはB宗のお坊さんに来てもらわなくてはいけません。
あっ、今もしかして、



もとは同じ仏教なんだから、法事はどちらもA宗のお坊さんに頼んじゃえば?
と思いましたか?
言いたいことは分かりますが、そういうわけにもいかないんですよね。
宗派によって読むお経や作法が違いますし、他宗派のお坊さんにそれを考慮しながらやってくれというのは非常に失礼なんです。
なので、ちゃんとそれぞれの宗派のお坊さんに来てもらいましょう。
それで、いざ自宅で法事をするときに宗派の違う仏壇が2つ横並びだと、お坊さんはかなり戸惑います。
ですから、仏壇を2つ置くなら、お坊さんに対する配慮という意味でも、できるだけ部屋を分けておいた方がいいんですよね。
2つある仏壇を1つにまとめる方法


家に仏壇が2つある場合、何かと不都合があることはお分かりいただけたと思います。
ですから、やはり僕は仏壇を1つにまとめることをおすすめします。
ここからは、仏壇を1つにまとめる方法について紹介します。
少しだけ手間がかかりますが、ずっと2つの仏壇を管理していくより100倍はラクですから、面倒くさがらずに頑張ってみてください。
処分する仏壇は、必ずお坊さんに魂抜きの供養(閉眼供養)をしてもらう
仏壇を1つにまとめるためには、どちらかの仏壇を処分しなくてはいけません。
では、【夫側の仏壇】と【妻側の仏壇】のどちらを処分するのか?
これも明確な決まりはないのですが、基本的には【妻側の仏壇】が処分の対象となります。
嫁いできた妻側の方が『後から入ってきている』ので、どちらかを処分するとなると基本は妻側の仏壇になってしまうんです。



とても時代錯誤な考え方ですけどね。
仏壇を処分するときには、必ずお坊さんに魂抜きの供養(閉眼供養)をしてもらうようにしてください。
魂抜きの供養とは、仏壇の中央におられる仏像(ご本尊様)に対して御礼をして、それから仏様としてのチカラが宿らないようにすることです。
魂抜きの供養をしないで処分してしまうと、それまでお世話になったご本尊様に何の挨拶もせずに、いきなり音信不通の状態にするようなもんです。
つまり、ご本尊様に対してメチャクチャ失礼になってしまうんですよね。
魂抜きは、仏壇だけではなく、位牌や墓石を処分するときにも必ず行ないましょう。



じゃあ、魂抜きの供養は【妻側の宗派のお坊さん】に依頼すればいいの?



そうですね、本来であればそのようにするのが望ましいです。
でも、魂抜きくらいであれば、そこまでキッチリとしなくても大丈夫ですよ。
お坊さんの僕が言うのもアレですが、魂抜きの供養であれば、宗派によるやり方の違いなんて気にしなくていいレベルです。だって、どうせ魂を抜いてしまうんだから。
ですから、仏壇の魂抜きであれば宗教が違ってもかまわないので、夫側の家といつも付き合いのあるお坊さんに依頼して大丈夫です。
依頼されたお坊さんだって、「いや、それはウチではできない。」なんて言わないでしょう。
宗教が違っても、ちゃんと魂抜きの供養をするというのが大事なんです。
【関連記事】:仏壇を処分するときに魂抜きをしないとどうなる?仏壇の処分方法をお坊さんが詳しく解説!
位牌をもう片方(夫側)の仏壇へ移す
お坊さんに魂抜きの供養をしてもらったら、妻側の位牌を夫側の仏壇へ移します。
位牌は、夫側の位牌と同じ段に置いてかまいませんよ。位牌の置き場所に優劣をつける必要はありません。
ただ、もしかすると、こんな問題が生じるかもしれません。



ありゃ、位牌が入りきらない・・・。
それぞれの家にご先祖様たちがいるので、位牌の数だってそれなりにあるでしょう。
仏壇に位牌が入らないときは、
- 『先祖代々の位牌』にまとめる
- 『回出(くりだし)位牌』にまとめる
という、どちらかの方法で位牌を置くスペースを最小限に抑えられます。
そうすると、位牌をまとめるとすれば【夫側と妻側のどちらの位牌をまとめるのか】を、夫婦間そしてお互いの親戚間などで話し合いをして決めましょう。
あるいは、『両家とも、それぞれに位牌を1つにまとめてしまう』という選択肢もあります。
例えば、両家ともに『先祖代々の位牌』を新規に作って、以後はそれだけを置けば、位牌の数が2つだけになります。
とはいえ、『先祖代々の位牌』にすると、戒名などの【故人の情報】が分からなくなってしまうのが大きなデメリットです。
でも、じつは非常に便利な位牌が他にあるのです。
それは、『回出位牌(くりだしいはい)』 といって、これなら9人分の情報を残しながら位牌を1つにまとめられるんですよ。
つまり、両家それぞれに『回出位牌(くりだしいはい)』に作り直せば、両家の仏様達の情報を残しながら、仏壇の中の位牌を2つだけにできるのです。
位牌が2つだけなら、その後の管理がとてもラクになりますし、後代の人にかかるも減らすことができます。
ただし、新たに位牌を作ったら、必ずお坊さんに依頼して『位牌の魂入れ』をしてもらってください。
仏壇を1つにまとめることは、その後のことも考えるための良い機会なのかもしれませんね。
【関連記事】: 位牌がいっぱいあって仏壇に入らない!増えた位牌を1つにまとめる方法
仏壇は仏具店に依頼して処分してもらう
位牌を移動したら、いよいよ仏壇を処分します。
仏壇自体は【ただの木の箱】なので、粗大ゴミとして処分しても大丈夫です・・・意外でしたか?
仏壇というのは自治体のルールに従って粗大ゴミで処分してもらえるんです。ただ、そうはいっても心情的にそれができない人の方が多いでしょう。
ではどこで処分をすればいいのか。
ベストなのは、仏具店に依頼して処分してもらうという方法ですね。
もちろん処分費用は支払わなきゃいけませんが、なにしろ仏具を取り扱う専門店なんですから、確実に、そして丁寧に処分をしてくれます。
しかも、先ほど言ったような【先祖代々の位牌】や【回出位牌】を作ろうと考えている場合、その仏具店で注文をすれば、仏壇の処分費用を安くしてもらえる可能性が高いです。
ちなみに、リサイクルショップへ持って行くことを提案している人もいますが、僕はおすすめできません。
だって、ずっとご先祖様の位牌を安置していた大事な仏壇を、まったくの他人が使うんですよ?
あとは、お寺に持って行くことをおすすめする人が多いですね。
お坊さんは仏具の取り扱いには慣れていますし、それにお坊さんに処分を依頼すれば何となく安心感もあるからでしょう。
でも、お寺に持って行ったところであまり意味がありませんよ。なぜなら、お寺は仏具店に仏壇の処分を依頼しているからです。
しかも、場合によってはお寺が【実際に必要な処分費用にいくらか追加して請求する】かもしれませんよ。というか、きっと追加します。
お寺だって、仏具店に処分をしてもらうまで、しばらくの間は仏壇を保管しなきゃいけないんです。
仏具店に直接依頼すればよいところを、わざわざお寺を経由するのですから、そこで少し費用が乗っかることは覚悟しましょう。
ちなみに、お寺に仏壇を持って行くと、ほとんどのお坊さんは、「うわっ、面倒くさいなぁ。」と思いますよ。
ということで、悪いことは言いませんから、仏壇の処分は『仏具店』に依頼した方がいいですよ。
仏壇を1つにまとめるときの注意点


仏壇が2つあるなら、思い切って1つにまとめましょう。
でも、仏壇を1つにまとめるときには注意点があります。
あとでトラブルにならないように、とりあえず最低限の注意点だけを紹介します。
ちゃんと夫婦間や近い親族間で話し合う
仏壇というのは家族みんなが手を合わせるものです。
また、仏壇の中にはご先祖様の位牌が置いてあり、手を合わせるたびに位牌を通じて私たちとご先祖様が通じ合えます。
言ってみれば、仏壇はその家にとって『中心的な存在』であり、そんな仏壇の1つを処分するわけですから、ちゃんと夫婦間や近い親戚間で話し合うことが大事です。
おそらく、夫婦間ではすぐに話が決まるでしょうけど、問題は親戚ですよ。
もしかすると、親戚の中には仏壇を1つにすることに否定的な人がいるかもしれません。
それでも、頑張って説得をしてくださいね。仏壇を2つも管理するなんて本当に大変ですから、じっくり時間をかけてでも説得しましょう。
とはいえ、常識のある人ならちゃんと事情を理解してくれますので、話し合うというより、ほとんどの場合は【報告をして了承を得ておく】というカンジですね。
お坊さんに1つに仏壇をまとめることを知らせる
仏壇を1つにまとめることを親戚以外にも報告しておいた方がよい人がいます。
それは、夫側と付き合いのあるお坊さんです。
夫側のお坊さんに、ちゃんと、



今度、妻の家の仏壇を処分して、ウチの仏壇にまとめることになりました。
と報告をします。
そして、報告をするときに、妻側の仏壇の『魂抜きの供養』を依頼するといいですよ。
さらに、位牌を移動したあとに、夫側の仏壇の前で『先祖供養』をしてもらうのが理想的です。
両家の位牌が1つの仏壇に入るのですから、両家のご先祖様の【顔合わせ】じゃないですけど、一度ちゃんと供養しておきましょう。
まとめ:家に仏壇が2つあるなら、1つにまとめよう。
仏壇は、家族みんなが手を合わせる『家の中心的な存在』でとても大事なものです。
しかし、事情によって家に仏壇が2つあるなら、1つにまとめることをおすすめします。
仏壇を処分するときは、必ずお坊さんに仏壇の『魂抜きの供養』をしてもらってください。
そして、妻側の位牌を夫の家の仏壇に安置します。
場合によっては、位牌を【先祖代々の位牌】か【回出位牌】にするなど、位牌も1つにまとめることを考えましょう。
これらがすべて終われば、妻側の家の仏壇は仏具店に依頼をして処分をしてもらってください。
仏壇を1つにまとめても、両家のご先祖様たちに対して失礼になることはありません。
両家のご先祖様たちは、家族がちゃんと手を合わせてくれれば、それで十分満足してくださいます。
ですから、何も心配はいりませんので安心して仏壇を1つにまとめてください。
\ 仏壇の処分もおまかせ!/