仏事全般

お香(こう)を供える意味とは?焼香の手順や線香の供え方も紹介します

この記事は、

今回の内容は要するにコレです
  • お香を供えることの意味
  • お香の供え方

ついて書いています。

みなさんがお葬式やご法事の時に必ず行う『お焼香』

そして、お墓やお仏壇に供える『お線香』

この二つに共通しているのは、当たり前ですが、

お香(こう)を燃やして(=供えて)いる

ということです。

お香を供えることにはどのような意味があるのでしょうか?

お香を供える意味を知っていると、お参りの質がグッと上がりますよ。

この記事を読めば、お香について誰かに質問されても一通り説明できるくらいには詳しくなれますので、ぜひ最後までお読みください。

お香を供える意味

お香を燃やすと、周辺によい匂いが広がります。

ぼくの両親の実家に帰省した時は、玄関を開けると、いつもお線香の匂いがしていました。

ご年配の方は、だいたい毎日ちゃんとお仏壇にお線香をお供えしますからね。

ぼくの記憶としては、祖父母の家の匂い=お線香の匂い、でした。

お香の匂いは、原材料となる木の種類によってまったく違いますし、

お線香の場合は、【バラ】や【ラベンダー】などの匂いを意図的に付けていたりもします。

いつも同じお香の匂いでもかまいませんが、たまには他のモノに替えてみるのもイイかもしれませんね。

では、そんな【お香】を供えることにはどんな意味があるのでしょう?

【香り】は食べ物

ところで、お香の匂いを楽しんでいるのは私たちだけではないんですよ。

じつは、お香というものは、燃やした時に出てくる【匂い=香り】

が、とても重要なんです。

というのも、亡くなられた人や仏様は、

お香の『香り』を食べる

と、いわれているからです。

仏教では、これを『香食(こうじき)』とよんでいます。

つまり、お焼香をしたり、お線香を供えることは、

亡くなられた人や仏様にお食事を召し上がっていただくということです。

みなさんがお墓やお仏壇でお線香を供えている所は【香炉(こうろ)】といいますが、

ここは、『お口』と同じであると考えていいでしょう。

香炉は線香の燃え残った灰ですぐに汚れてしまうので、こまめに掃除をしてください。

これは、私たちが日頃している、【歯みがき】みたいなカンジですね。

【香り】でニオイ消し

仏教の発祥地であるインドは、ご存知のとおり、いつも暑い国です。

それはお釈迦様のいらした時代も同じだったようです。

陽射しの強い外よりも、日陰のある涼しい場所とか、雨風をしのげる部屋の中で法を説いたのです。

部屋の中に人が集まると、どうしてもニオイがこもってしまいます。

たぶんそれは、体臭というか、良いニオイではなかったはずです。

当時はクーラーの効いた部屋なんてありませんから、なおさらですよね。

そこで、お香の香りでその場のニオイをごまかしたそうです。

お香は、いわゆる【芳香剤】の代わりだったんですね。

【香り】は《清める》ためのもの

ぼく達お坊さんは、法要を始める前に『塗香(ずこう)』というお香を体に塗ります。※宗派によっては塗らないかもしれません。

お香には、穢(けが)れを落とし、浄化させる力があると考えられております。

つまり、お香を身体に塗ることで、自分を清めるんです。

ありがたい仏様の前でお経を読んだり、いろんな作法をするのですから、まずはお坊さんが自分自身を清めなければなりません。

他にも、法要で使う仏具や経本なんかも、お香の香りに触れさせて清めています。

法要のある日は、前もって本堂でお香を焚いておき、本堂全体を先に清めておきます。

お香の香りは、空間やモノだけではなく、私たちの心も清めてくれます。

みなさんもお香の匂いを嗅ぐと、何となく気持ちが落ち着いて、心が洗われるような気になりませんか?

それは、お香の匂いや煙が、少し時間がたつとスッと消えて無くなるように、私たちの穢れを洗い落とし、身も心も清めているからです。

お焼香の回数は?

お葬式やご法事に参列すると、式中に必ず『お焼香』をしますよね?

ぼくが信者さんからよく尋ねられる質問は、

「お焼香は何回すればいいのですか?」

というものです。

お答えしますと・・・

『回数に決まりはありません』

となります。

原則として回数に決まりはないのですが、◯◯宗では◯回で△△宗では△回といったように、宗派によって【考え方による回数の違い】はあります。

ですから、その法要が何宗で執り行われるのかを確認しなければなりません。

ちなみに、主な宗派のお焼香回数は以下のようなカンジです。※間違いがありましたらご容赦ください。

  • 【浄土宗】  1~3回
  • 【浄土真宗(本願寺派)】  1回
  • 【浄土真宗(大谷派)】  2回
  • 【天台宗】  3回
  • 【真言宗】  3回
  • 【臨済宗】  1回
  • 【曹洞宗】  2回
  • 【日蓮宗】  1~3回

ただし、お焼香の回数は状況に応じて変えることも多いので注意してください。

お葬式の時なんかは特に注意が必要だと思います。

もしも、みなさんが法要の【施主】や【喪主】となる場合は、お寺さん(ご葬儀の場合は司会者の方でも結構です)に確認をしておいた方がよいでしょう。

心当たりがあると思いますが、お焼香の作法の基準となるのは【最初の人=施主または喪主】です。

後続の人は、最初の人と同じように焼香をしてしまいます。

参列者の立場であれば、前の人にならってお焼香すれば大丈夫です。

でも、ちゃんと前の人の【お焼香の回数】を見ておいてくださいね。

油断をしていると他の人に迷惑をかけてしまうかもしれませんよ。

参列者が多い場合は、時間内に全員のお焼香が終わらなければいけないので、「お焼香は心をこめて1回だけ」ということがあります。

みんなが1回のお焼香をしている中、もしアナタが3回のお焼香をしたら、後の人もアナタと同じように3回してしまうかもしれません。

それが連鎖していくと、時間内に全員がお焼香をできなくなるという悲劇がおこります。

また、お焼香をする時に数珠を忘れる人がとても多いので注意してくださいね。

数珠を持つことにも大事な意味があります。

ぼくは、できるだけ他人の数珠を借りずに、自分だけの数珠を持つことをおすすめします。

その理由はコチラの記事で詳しく解説していますので読んでみてください。

数珠とは何か?数珠を持つ意味と使い方(持ち方)を説明します。

お焼香の手順【お葬式】

ここで、お葬式でのお焼香の手順を簡単に説明しておきます。

  1. 喪主からお焼香が始まります。続いて、家族、親族、一般弔問客という順番でお焼香が行われます。
  2. 自分の順番が近づいたら席を立ち、お焼香の最後列に加わります。この時に数珠を忘れないように気をつけてくださいね。
  3. 順番が来たら、少し焼香台の方へ歩み出て、まずは遺族に向かって礼をします。
  4. 次に、故人がおられる祭壇に向かって深く頭を下げます。
  5. 焼香台の前まで進み、親指・人差し指・中指の三本の指で抹香(まっこう)を少しつまみます。
  6. 頭を少し下げ、つまんだ抹香を額の高さまで持ち上げます。これを『押しいただく』といいます。
  7. 抹香をゆっくりと静かに香炉へ落としたら、数珠を左手(または左腕)にかけて合掌します。
  8. 合掌が終わったら、そのまま1、2歩ほど後ろへ下がり、再び遺族に礼をします。
  9. あとは、自席へ戻ればOKです。

このようなカンジでお焼香をすれば大丈夫です。

お線香の供え方

続いて『お線香』について、です。

少し前までは、ご法事を自宅で行なうことが結構ありました。

その時に尋ねられたのが、

お線香の供え方

について、です。

たとえば、

  • 何本お供えするのか
  • お線香を『立てる』のか『寝かせる』のか
  • お線香は折ってもいいのか

という質問が多かったかなと思います。

それぞれ順番にお答えしていきます。

お線香を何本お供えするのか

仏壇にある香炉を想定して書きますが、

この質問の答えは、先ほどの【お焼香】と同じ考え方なので、

本数に決まりはありません

となります。

そして、やはり、各宗派の考え方によって供える数が違います。

ちなみに、各宗派の数はこんなカンジです。※こちらも間違いがあったらご容赦ください。

  • 【浄土宗】  1~2本
  • 【浄土真宗(本願寺派)】  1本
  • 【浄土真宗(大谷派)】  1本
  • 【天台宗】  3本
  • 【真言宗】  3本
  • 【臨済宗】  1本
  • 【曹洞宗】  1本
  • 【日蓮宗】  1本

お焼香の場合もそうなんですが、どうして同じ仏教でありながら宗派によって供える数が違うんですかね?

まぁ、それが仏教の寛容なところなんですけど。

お墓参りの場合、線香の本数はあまり気にせずに、1束~2束をその場にいる人数で分けてお供えください。

そして、一般的には、

お線香の火が着いている方を、自分から見て左側になるように寝かせる

という作法があるので、覚えておくとよいでしょう。

仏壇に供える時は、お線香を【立てる】のか【寝かせる】のか

お仏壇へお線香を供える時に、お線香を『立てる』とか『寝かせる』というのは、これも宗派によって違いますが、

どちらでもかまいません。

あとは、香炉の大きさや形状によって供え方が変わります。

私たちがよく目にするのは、香炉の口が丸い形のものだと思います。

このタイプの香炉は、お線香を『立てる』ことがほとんどでしょう。

それで、これまたよく聞かれたんですよ、

「たとえば、3本のお線香を立てる時は、【それぞれ1本ずつ離して立てる】のか、それとも【3本を一つにまとめて立てる】のか」

と。

お線香を【離す】or【まとめる】は、これも本当にどちらでもOKです。

ただ、お線香を供える人が他にもいる場合は、まとめた方が後の人のジャマになりにくいので親切かな、とは思いますけどね。

大きめの香炉であれば、お線香を横に寝かせて供えても全く問題ありません。

お線香は折ってもいいのか

つい最近も尋ねられました。

「香炉が少し小さいので、お線香を折っているんですが、仏様に失礼でしょうか?」と。

折っても大丈夫です。

お香は仏様の食べ物です。仏様が食べやすいように【小分けにした】というふうに考えればいいと思います。

ちなみに、浄土真宗ではお線香を『二つに折って横に寝かせる』という供え方があります。

また、他の宗派でもそうだと思いますが、本来、香炉でお香を焚く時は、香炉の中の灰に溝を作り、そこへ粉のお香を盛っていき、左端に火を着ける、のです。

お線香を横に寝かせて供えるのは、この名残りです。

まとめ : お香を供えることの意味を知れば供養の質が変わります

お葬式やご法事には欠かせないお焼香、そしてお墓とお仏壇に必ず供えるお線香。

仏事には必要な【お香】ですが、意味もわからずに何となく供えるのと、ちゃんと意味がわかっていて供えるのとでは、同じ行為をしていても、まったく価値の違うものになります。

意味を知っていれば、仏様と向き合う【心がまえ】が違いますので、供養の質が格段に上がります。

大切な亡き人へ、あるいは感謝すべきご先祖様にお供えしている【お香】です。

みなさんには、お香の意味をちゃんと知ってもらって、仏様たちに最高の供養をしていただきたいなと思います。