お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 夏に着る喪服って暑すぎない?
- 夏のお葬式でも、やっぱり喪服の上着は着なきゃダメなの?
- 喪服を着たときの暑さ対策を教えて!
私たちは、真夏のどんなに暑い日でも、お葬式に参列するときには喪服を着なくてはいけません。
しかし、ご存じのとおり喪服は、
- 半袖や半ズボンがない
- 色は【真っ黒】
というように『夏には不向きな服』です。
何もしていないのに汗があふれ出てくるので、夏の場合はせめて喪服の上着くらい脱ぎたくなりますよね。
結論から言いますと、喪服は、どうしても暑い場合は上着を脱いでもいいですよ。
この記事では、
- 夏は喪服の上着を脱いでもいい理由
- 夏に喪服を着る場合の暑さ対策
について書いています。
もう『夏の喪服の暑さ』に悩まされずにすみますので最後まで読んでみてください。
夏のお葬式でも喪服の上着は着るべきか?

真夏の場合、暑さのあまり【喪服の上着を脱ぎたくなる】のは自然なことです。
しかし、どこを見ても喪服の上着を脱いでいる人なんていません。
なぜなら、暑くても『喪服の上着は脱がないのがマナー』とされているからです。
たしかに、基本的に喪服の上着は脱ぎませんが、もしも35℃を超えるような気温だとしたら、暑くて上着なんか着ていられないですし、最悪の場合は体調を崩してしまうかもしれません。
ですから、どうしても暑い場合は喪服の上着を脱いでもいいですよ。
喪服を着ることには大事な意味がありますが、無理をしてまで着るものではありません。
とりあえず【喪服】を着ていればよい
僕はべつに「暑いときには喪服なんか着なくてもいい」と言っているわけではありません。お葬式にはちゃんと喪服を着てください、それが故人や遺族に対する礼儀です。
僕が言っているのは、どうしても暑いときには【上着】だけは脱いでもよいということです。
喪服を着ることは、心から故人を偲び、冥福を祈る気持ちを表現しているので、ちゃんと『喪服を着ること』が大事です。
しかし、喪服を着ることが大事なのであり、喪服を上下ともに着用することが大事なのではありません。
お葬式では、故人を偲び冥福を祈る気持ちがあるなら、とりあえずズボンだけでも喪服を着ていれば問題ありません。
それに、故人や遺族からすれば、あなたがずっと『暑くてツラそうな表情』をしていたら申し訳ない気分になってしまいます。
ですから、どうしても暑いときには喪服の上着を脱いでしまいましょう。
熱中症になったら大変
ここ20年くらいの【夏の暑さ】は異常です。
今は真夏に35℃を超えることは当たり前ですが、僕が子どもの頃は35℃を超える予報なんて出たら大騒ぎでした。
ですから、喪服の着用についても昔と同じ感覚で考えていたらダメなんです。昔と今では環境がぜんぜん違うのですから、喪服の着方だって変えなきゃいけません。
さらに、同じくここ20年くらいで流行りだした『熱中症』という言葉。毎年のように、夏になると多くの人が『熱中症』で救急搬送されていますので、当然ながらお葬式でも『熱中症』には要注意です。
喪服は色が真っ黒なので、太陽の熱をグングン吸収してしまうため、ずっとガマンして喪服を着ていたら、服の中で熱がこもって『熱中症』になってしまいます。
大事なお葬式で救急車を呼ぶハメにならないように、どうしても暑ければ上着を脱いで、ちゃんと自分で体調管理をしてください。
喪服の暑さの対策

どうしても暑ければ喪服の上着を脱いでしまってかまいませんが、基本的には上着を着ておくものであることを忘れてはいけません。
ここからは『できるだけ上着を脱がない暑さ対策』を紹介します。
喪服の中に着るワイシャツは半袖のものにする
男性用の喪服の場合、半袖はありません。
そして、中に着るワイシャツも長袖だと、とても暑い中で『長袖&長袖』という状態になってしまいます。
だったら、喪服の中に着るワイシャツは半袖にするのがいいですよ。
お葬式には『なるべく肌の露出をしない』という一応のマナーはありますけど、喪服の中が半袖なだけですから【露出】という点では問題ありません。
それに、喪服の中に半袖のワイシャツを着たって、ほとんどの人はそんなこと気にしません。
ですから、お葬式の日がかなり暑くなると分かっているなら、思い切って中に着るワイシャツは『半袖』にしてください。
夏用の喪服を買う
あなたは喪服を何着持っていますか?
喪服はそんなに頻繁に使うものではないので、じつは『オールシーズンの喪服を1着だけ持っている』という人が多いんですよね。
ほとんどの人にとってはオールシーズンの喪服が1着あればそれでいいと思います。
ただし、オールシーズンということは、どの季節でも使用できるように作られているわけですから【とても暑い日】には不向きです。
特に『自分は人よりも暑がりだ』という人には不向きで、オールシーズンの喪服というのは、人によっては【便利なようで、じつは中途半端】ともいえます。
ならば、いっそのこと夏用の喪服を買うのもアリではないでしょうか?
中途半端に【裏地】のあるオールシーズンではなくて、しっかりと通気がされている夏用の喪服を買えば、涼しく着られますし、中に着るワイシャツだって長袖を着られます。
とはいえ、喪服は頻繁には使わないので、久しぶりに着ようと思っても【体型が変わって着られない】というリスクもあります。
でも、夏用の喪服はとても涼しいので、体型維持さえできれば暑さ対策には有効です。
式場の冷房があるから意外と暑くない

本記事のテーマは『暑いときには喪服の上着を脱いでもいいのか?』ということで、つまり【式場内が暑い】ことを想定して書いています。
お葬式は『喪主の自宅』や『近所の自治会館』などで行われることもあるので、クーラーが無かったり、クーラーがあっても人数が多すぎて効かないこともあります。
だから、夏のお葬式は本当に暑いのです。
しかし、近年は【葬儀社所有の式場】とか【公営の葬儀式場】で行われることが多くなっているので、それらの式場にはちゃんと冷暖房が完備されているんですよね。
ですから、式場の冷房があるから意外と暑くないので、お葬式が【葬儀社所有の式場】や【公営の葬儀式場】で行われる場合は、暑さに関してはそんなに心配しなくてもいいと思います。
それでもやっぱり暑いという場合は、先ほど言ったように、上着を脱いでしまいましょう。
まとめ:夏のお葬式でどうしても暑い場合は、喪服の上着は脱いでもいい。
最近は真夏になると当たり前のように【人間の体温を超える気温】になってしまいます。
そんな暑さの中でも、お葬式では喪服を着なくてはいけません。
しかし、夏に喪服を着ると本当に暑いので、ずっとガマンをしていると場合によっては体調を崩してしまうかもしれません。
ですから、夏のお葬式で、どうしても暑い場合は喪服の上着は脱いでもいいですよ。
喪服を着ることで、故人を偲び、冥福を祈る気持ちを表現するためなので、お葬式で喪服を着用することは必須です。
まずは、喪服の上着を着ながらの暑さ対策として、
- 喪服の中には半袖のワイシャツを着る
- 夏用の喪服を持っていなければ、いっそのこと購入してしまう
ようにしましょう。
それでもダメなら、もうそれ以上はどうしようもないので、上着を脱いでしまってかまいません。
お葬式では【喪服】の着用は必須ですけれども、上着については柔軟に対応するようにしましょう。
※お葬式の参列するときは忘れ物にご注意ください。