お坊さん歴20年以上の未熟僧(みじゅくそう)と申します。
- ダメだ、お葬式なのにどうしても笑ってしまう・・・。
- お葬式では笑ってはいけないの?
- なぜお葬式で笑ってしまうんだろう?
- 笑いを抑える方法を知りたい!
お葬式では、深い悲しみの中で故人を偲び、最後のお別れをします。
しかし、そんな悲しみの中で、不謹慎だと分かっていても、
どうしても笑いが込み上げてくる
ということがありますよね?
笑いを抑えようとすればするほど逆に笑いが込み上げてくるんです。
自分でも何がそんなにオカシイのかよく分からないんですよ、アレは一体何なんでしょうね?
とにかく、一度【笑いモード】に入ってしまうと、もう止まらない。
そして、そんなあなたを見た他の人は、
ってドン引きするでしょう。
ですから、お葬式でどうしても笑ってしまうというあなたは『笑いを抑える方法』をいくつか知っておいた方がいいですよ。
とりあえず、その方法だけ先に言っちゃいますね。
笑いを抑え込むために、
- 腹の立った出来事を思い出す
- 頭の中でひたすら【6】と【7】を足し算していく
- 一度トイレに行く
- お坊さんを見ないようにする
- 諦めて開き直る
- ハンカチや手で口を隠すか、マスクを着用する
というのを、この中の1つでもいいので試してみてください。
この記事は、
- お葬式で笑ってしまう理由
- お葬式で笑いを抑える方法
について書いています。
笑ってはいけない場面で笑いが込み上げてくることはありますし、どうしても笑っちゃうんだから仕方がありませんが、それを抑えるためにできることがあればやってみるべきです。
ですから、この記事を最後まで読んでいただき、【お葬式なのに笑ってしまう】理由や対策をちゃんと知っておいてくださいね。
お葬式でどうしても笑ってしまう

お葬式でどうしても笑ってしまうあなたに1つお伝えします。
お葬式というのは、【基本的には】笑ってはいけないものですけど、『絶対に』笑ってはいけない、というわけじゃないですよ。
お葬式には、
- 笑ってはいけない場面
- 笑っても許される場面
があります。
多くの人は『お葬式の日は、1日中ずっと笑ってはいけない』と思っています。
でも、そうではなくて【笑っても許される場面】があるんです。
笑ってもかまわない場面があると分かれば、少しだけ気が楽になるんじゃないですか?
それに、あなたが笑ってしまうのは、《自分で必要以上にプレッシャーをかけていたから》かもしれませんよ。
お葬式で笑ってはいけない場面
お葬式というのは、当たり前ですが『悲しいシチュエーション』です。
大切な家族を亡くした喪主やご遺族は、とても深い悲しみの中で式を執り行っているのです。
ましてや、その日は【故人の姿を見ることができる最後の日】ですから悲しくないわけがありません。
ですから、お葬式の日というのは基本的に、1日を通して【笑い】というのは無くてもよいのです。
その中でも特に笑ってはいけない場面は、
- 式の最中
- 喪主のあいさつの時
- 棺にお花を入れる時
- 棺を火葬炉へおさめる時
です。
これらの共通点は、
悲しみが込み上げてくる場面である
ということです。
つまり、『涙しやすい場面』ということですね。
笑ってしまいやすい人はこれらの場面を何とか乗り越えてなくてはいけませんよ。
ここで笑っていると、あなたは『不謹慎な人』と認定され、一生それを言われ続けることでしょう。
お葬式で笑っても許される場面
じつは、お葬式で【笑っても許される場面】というのがあるんですよ。
それは、【精進落とし】の時です。
要するに、
お葬式が終わった後に食事をしている時
ですね。
お葬式が終わった後に、喪主から参列者へ食事を振る舞うことを【精進落とし】といいます。
※精進落としについては『精進落としの場所におすすめなのは火葬場!そもそも精進落としって何?』の記事で詳しく解説しています。
参列者みんなで食事をしながら『生前の故人の話』をしていると、話の中でちょくちょく【笑い話】が出てくるものなんですよね。
そういう時には無理に笑いを抑える必要なんてありませんよ。
というのも、この【精進落とし】の段階までくると、ほとんどの場合、喪主やご遺族は故人の死をある程度は受け入れているものです。
そして、人間は食事をすると緊張もやわらぎ少し落ち着いてきます。
このように【精進落とし】をする段階になると『みんなが少しだけ自然に笑える状況』に変わっているんです。
僕は今まで何回も【精進落とし】に同席させていただきましたが、普通に笑い声があちこちで起きていますよ。
というか、僕は『お葬式であっても、少しくらい笑いがあった方がいい』と思っています。
故人だって、みんなが悲しい顔ばかりしていたら安心してあの世に行けないんじゃないですか?
ですから、最後の食事の時くらいは故人に笑顔を見せてあげていいと思いますよ。
なぜお葬式で笑ってしまうのか

あなたはなぜお葬式で笑ってしまうのでしょう?
お葬式では『笑ってしまうほど面白い出来事』なんてそうそう起きないですよ。
もしかすると、あなたは、
自分でもよく分からないけど笑ってしまう
という状態なのではないですか?
そうだとすれば、きっとその時だけ『心理的に不安定』になっているのかもしれませんね。
強い緊張が原因
人間というのは本能的に自分の身を守ろうとします。
ですから、身体に何か急激な変化が起こると、それを元に戻そうと《自分の意思とは関係なく》身体が反応するんですよね。
あなたが【自分でもよく分からないけど笑ってしまう】のもコレが原因です。
お葬式というのは『非日常的な場面』ですから、そこへ行くだけでも心理的ストレスがかかります。
それに加えて【笑ってはいけない】なんていう強烈なプレッシャーが追い討ちをかけるわけです。
【笑う】とか【怒る】というのは《人の感情》の部分ですから、そう簡単にコントロールなんかできやしませんよ。
なのに、それをしなきゃいけないのですから、かなり大きな心理的ストレスがかかります。
大きな心理的ストレスを受けながら「笑っちゃいけない、笑っちゃいけない」と考えていると、それは『強い緊張』の状態となります。
そうすると、あなたの身体は、
「あれっ?なんかめっちゃ緊張してるやん。えっ、笑ったらダメ?そんな無理をしてるから緊張するんや!ほら、早く笑わんかい!」
って、逆に笑わそうとするんです。
笑ってはダメだと思えば思うほどドツボにはまっていくのはコレが原因なんです。
失笑恐怖症の可能性がある
笑ってはいけない場面で笑いそうになるのは誰でもあることです。
先ほども言ったように『強い緊張』が原因なので、誰にでも起こりうることなんです。
でも、それが頻繁にあるようなら、もしかするとあなたは、
失笑恐怖症(笑い恐怖症)
かもしれませんね。
失笑恐怖症は、
強い【緊張】【不安】【恐怖】を感じることで、心がその状態から逃げようとして、自分の意思とは関係なく笑ってしまう。
という病気です。
この症状は、お葬式の他に、
- 結婚式での【感動の場面】
- 会議中
- 叱られている時
- 人前で発表をしている時
といった場面でも出るのです。
緊張・不安・恐怖というのは人間なら誰でも感じるものではありますが、失笑恐怖症の人はそれをより強く感じてしまうのですね。
そして、日頃から『人と関わるのが苦手』という人の方がこの病気になりやすいのだそうです。
この病気は心理的なものが原因なので、要するに【過度な心理的ストレス】を取り除いてあげればいいのです。
ですから、『○○してはいけない』ではなくて、『○○してもかまわない』というように考え方をスライドさせていくことが大事です。
つまり、楽観的な考え方に変えていく、ということです。
そうはいっても、そんなことを急にできるようにはなりませんので、普段から少しずつ慣らしていくしかないですよね。
あとは、もしも笑いが込み上げてきた時のために『笑いを抑える方法』を知っていれば、それだけでも気が楽になるはずです。
ちゃんと対処法を知っておくというのも、楽観的な考え方に変えるための有効な手段なのです。
お葬式で笑いを抑える方法

お葬式で笑わないように『笑いを抑える方法』を知っておくと安心です。
これからいくつか方法を紹介しますが、人によって有効な場合とそうでない場合がありますので、あなたに合いそうな方法を試してみてください。
お葬式の予習をしておく
人が笑ってしまうのは、
予想もしないような面白いことが起こったとき
です。
反対に【これから何が起こるか分かっている】場合は、そんなに面白くないです。
ということは、お葬式がどんなものかを先に知っておけば、面白いポイントがかなり減るはず。
だから、初めてお葬式に参列するという人は、
お葬式の予習
をしておけばいいんです。
予習するのは、
- 服装や持ち物
- 受付のやり方
- お焼香のやり方
などです。
今は便利な時代ですから、スマホで検索すれば何でも調べられます。
葬儀社が出しているような【お葬式に関する動画】を観れば、何となくの雰囲気も分かるのでおすすめですよ。
腹の立った出来事を思い出す
込み上げる笑いを抑えるには【笑う時とは正反対の心理状態】になればいいのです。
要するに『怒っている』時の心理状態です。
笑いよりも怒りが勝っていれば、笑いたくても笑えない。
ですから、笑いを抑えるために、
腹の立った出来事を思い出す
というのが効果的ですよ。
職場での出来事でもいいですし、知人とケンカした時のことでもかまいません。
腹が立った出来事を思い出しているうちに自然と【ブスッとした表情】になってきます。
じつは、【ブスッとした表情】というのは、意外と【悲しんでいる時の表情】と似ているんですよ。
ちなみに、他のサイトには似たような方法で、『悲しいことを想像しろ』という人もいましたが、それはおすすめできません。
悲しいことを想像すれば笑いは消える、しかも自然と悲しい表情にもなる、ということらしいですが、僕はそれは無理だと思いますよ。
お葬式って【悲しい場面】ですよね?
そんな【悲しい場面】なのに笑ってしまうから困っているんでしょ?
だとしたら、【悲しい】ことを想像してしまうと、同じく【悲しい】場面である《目の前のお葬式》の方へ意識が戻りませんか?
それでまた笑いが込み上げてきちゃったら意味がありませんよね。
なので、笑いの感情を抑え込むには【悲しみ】ではなく【怒り】の方が効果的ですよ。
頭の中でひたすら【6】と【7】を足し算していく
笑いを抑えるには【まったく違うことに意識を集中させる】というのも効果的ですよ。
そこで試してほしいのが、
頭の中でひたすら【6】と【7】を順番に足し算していく
という方法です。
つまり、
6+7=13、13+6=19、19+7=26、26+6=32
というカンジです。
このように、頭の中で【単純だけど少し考えるようなこと】を考えていれば、それに集中して笑いのことなんて忘れてしまうでしょう。
お坊さんを見ないようにする
笑いというのは、人それぞれの【笑いのポイント】を見たり聞いたりすることで起きるものです。
お葬式という場面で【笑いのポイント】となりやすいのは『お坊さん』です。
ツルツルの坊主頭の人が真剣な顔をして何やらポクポク叩きながら意味不明なことをゴニョゴニョ言っているんですよ、しかも、宗派によってはいきなり声を張り上げるものもあります。
そんなのを見たら、笑いやすい人でなくても笑ってしまう可能性が大です。
ですから、お葬式の時には、
お坊さんを見ないようにする
という方がいいと思いますよ。
大丈夫、お坊さんだって「オレを見てくれ!」なんて思っていませんから。
お坊さんの僕が言うのも変ですが、どうしても笑ってしまう人はできるだけ意識の中から【お坊さんの存在を消す】ようにしましょう。
一度トイレに行く
僕はいつも、どうしてもツラいことがあったときは、1番気持ちの休まる場所まで行って『気分転換』をします。
お葬式で笑ってしまう人も僕と同じようなことをすればいいんです。
笑ってはいけないのに笑いをこらえるのはツラいでしょ?
だったら、一旦その場を離れて『気分転換』をすればいいんですよ。
とはいえ、外に出てしまうのではありませんよ。
外ではなく、
一度トイレに行く
といいでしょう。
そして、男性の場合は個室のトイレに入ってしまうんです。
中に入って扉のカギをしたら、できるだけ声を抑えながら笑ってしまってOK。
どうしても笑いそうになったら一度その場を離れてしまい、まずは気分を変えてしまうのです。
これだけでも笑いはけっこう消えるんですよね。
さらに、個室に入ることで人目を気にせず笑うことが可能になりますので、ここで一回笑っておきます。
これによって、自分を【我慢の状態】から解放してあげるんです。
でも、これは会場を出るという【目立つ行動】をすることになってしまうので、どうしても笑いそうな時にだけやってみてください。
諦めて開き直る
そのような人は、もう、
諦めて開き直る
しかありません。
だって、何をしても笑ってしまうんですからね。
だから、変にジタバタせずに、いっそのこと諦めて「笑ってしまうんだから仕方ない、それが自分なんだ」と最初から開き直ってしまえばいいんです。
そうすれば心理的ストレスが減りますから、意外と笑いが込み上げてこないかもしれませんよ。
あとは、もしも家族や知人と一緒にお葬式へ参列する場合は、あらかじめ事情を説明しておくといいですよ。
先に周りの人へ説明をしておけば、それも心理的ストレスを減らす有効な方法になります。
ハンカチや手で口を隠すか、マスクを着用ればいい
ここまでいくつかの方法を紹介してきましたが、どれを試してもダメな場合もあるでしょう。
どうしてもダメだったら、その場で声を出さずに笑ってしまってください。
そして、笑っている口元を隠してしまうんです。
つまり、笑いながら、
ハンカチや手で口を隠すか、マスクを着用すればいい
んですよね。
口を隠してしまえば、顔の半分が隠れますから、笑っていてもバレにくいです。
でも、声だけは出さないでくださいね、声を出して笑ったらもう終わりです。
どうしても声が出てしまうようなら、「ちょっと体調悪いからトイレ行ってくる。」とか言って、もうその日はずっとトイレにいるしかありませんね。
お葬式の場で声を出して笑ってしまうなら、それはきっと『失笑恐怖症』です。
後日に専門機関へ行って医師に相談をしましょう。
まとめ:お葬式で笑ってしまうは仕方ないが、その理由と対策を知っておこう。
お葬式のように『笑ってはいけないシチュエーション』なのに、それでも【どうしても笑ってしまう】ということはあります。
みんなが悲しんでいる中で1人だけ笑っているあなたを他の人が見たら、きっとあなたのことを【不謹慎な人】と思うことでしょう。
【生前の故人の話】をしている時にふと笑いが起きることは何の問題もありませんが、喪主やご遺族が涙を流して悲しんでいるような場面で笑ってしまうのはマズいです。
・・・って、あなただってそんなことは分かっていますよね。
それでも【笑ってしまう】わけですよね?
お葬式以外の場所でも同様のことが頻繁にあるのなら、もしかするとあなたは【失笑恐怖症】かもしれませんので、念のため専門機関に相談してみることをおすすめします。
「いや、そこまでじゃないけどね。でも、何となく笑ってしまうんや。」という場合は、きっと【強い緊張】が原因です。
そのような場合は、
- 腹の立った出来事を思い出す
- 頭の中でひたすら【6】と【7】を足し算していく
- 一度トイレに行く
- お坊さんを見ないようにする
- 諦めて開き直る
- ハンカチや手で口を隠すか、マスクを着用する
というのを試してみてください。
どんなに自分に言い聞かせても笑いが込み上げてくるのは仕方ありません。
ただ、そうなる理由とその時の対策は知っておいた方がいいですよ。
理由と対策を知っておくことで心の準備ができますから、笑いが込み上げてきても対応できますし、意外に何ともないかもしれません。
せっかくお葬式に参列するのですから、「笑ってしまうのではないか」ということばかりを気にするのではなく、ちゃんと【故人を偲ぶこと】に集中してほしいと思います。