- お墓の形にはちゃんとした決まりがあるの?
- 自分の好きな形(デザイン)でお墓を建てたい。
- お墓の形を決めるときの注意点は?
お墓を建てようと思っても、どんな形にすればいいのか悩んでしまいませんか?
仏事には決まりごとが多いので《お墓の決まり事》についても気になりますよね。
でも、安心してください。お墓の形はあなたが自由に決めていいですよ。
しかし、自由であるからこそ、お墓の形は慎重に決めなくてはいけません。
よく考えずにお墓の形を決めてしまうと、後代までずっと迷惑をかけてしまうことになります。
この記事では、
- お墓の形を決めるときの心得
- お墓の形を決めるときの注意点
- どんなお墓の形にすればいいのか
について書いています。
お墓選びで失敗をせずにすみますので最後まで読んでみてください。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴20年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
お墓の形は自由です

あなたはどのようなお墓を建てようと考えていますか?
おそらく、形式の決まっている昔ながらの《和型》ではなく、デザインが豊富な《洋型》をお考えなのでは?
洋型のお墓の形を決めるときは、よ〜く考えてくださいね。
デザインが豊富であるが故に、デザイン選びに失敗すると【代々にわたって迷惑をかける】ことになります。
お墓は、あなただけではなく代々受け継いでいくものですから、後代の人に迷惑をかけないようにお墓の形は慎重に選びましょう。
和型のお墓にはいろんな由来や意味があって現在のような形になっています。
ですから、自由なデザインが可能な《洋型のお墓》に対して否定的な見方をする人もいるんですよね。
でも、お坊さんの僕としては、お墓の形は自由に決めていいと思います。
じつは、お墓を建てることは供養の気持ちを表す最上級の方法なんです。
どのように供養の気持ちを表すかは人それぞれに自由ですから、お墓の形も自由ということです。
ただし、いくら『自由』とはいえ、常識の範囲を逸脱するデザインや、後代に残すにあたって不適切なデザインは控えるべきです。
あなたが建てようとしているのは『お墓』であって『芸術作品』ではありませんので、そこは十分に注意してください。
お墓の形はあなたが自由に決めてかまいませんが、後述する注意点をよく考えた上で決めましょう。
お墓は代々受け継いでいくもの

お墓は、亡き家族の遺骨を納めるための大切な場所です。
そして、お墓は遺骨を納めるだけではなく、じつは、『あの世とこの世を結んでいる神聖な場所』でもあるのです。
お墓に関する詳細ついては『お墓の意味や役割とは何?お墓参りでお墓はパワースポットに育つ?』の記事で解説していますので興味のある方は読んでみてください。
私たちは、お墓を経由してあの世の故人と通じ合うことができるんです。
お墓はそれくらい重要なものですから、今のあなたの気分だけでお墓の形を決めてはいけません。
では、どのような形にすればいいのでしょう?
お墓の形は、
- 【和型】:背の高い縦向きの三段構造の形
- 【洋型】:背の低い横向きの二段構造の形
の2つに大別できます。
あなたくらいの年代なら、『お墓』といえば【和型】を最初にイメージしませんか?
でも、最近は【洋型】のものが急増していて、お墓に対するイメージがずいぶんと変わってきています。
洋型のお墓は、和型よりも圧倒的に自由度が高いというか、デザイン性に富んでいるから人気があるんですよね。

きっと近い将来、和型のお墓は姿を消すでしょう。
ちなみに、あなたも、どちらかというと洋型のお墓をお考えですよね?
きっと、どんなデザインにしようかと、いろいろ想像が膨らんでいることでしょう。
そんなあなたに大事なことをお伝えします。
お墓の形を決めるときは、あなたのご家族、特にお子様とも相談をしてくださいね。
お墓は後代の人たちも使うので、お子様の意見もしっかりと聞いて、お墓を【家族全体のもの】として考えなくてはいけません。
あなただけの意見で建てたお墓は、ヘタをすると《後代の人にとって迷惑なもの》になってしまうかもしれませんよ。
お墓の形(デザイン)を決める時の注意点


お墓の形を決めるときには、
- 後代の人たちも使うことを考える
- 霊園の規定に沿ったものにする
- お墓として適さない形や彫刻は避ける
という点に注意してください。
何度も言いますが、【後代の人も使うことを考える】というのが非常に大事です。
でも、この非常に大事なことができていないお墓がたまにあるんですよ。
初めてそういうお墓を見たときに、「えっ?何でこの形にしたの!?」と衝撃を受けたのを覚えています。
まずは霊園の規定を確認する
多くの霊園には、石の種類や墓石の高さなど【建てるお墓に関する規定】があります。
自由にお墓の形を決めてよいと言いましたが、それは当然ながら『霊園の規定に沿っている』というのが前提です。
お墓の形を決める前に、建てるお墓に関する規定がどのようなものか、事前に必ず管理事務所へ確認をしておいてください。
せっかく家族で話し合って決めたのに、後になって「その形だと建てられません」と言われないようにしましょう。
お墓に適さない形は避ける
僕が20年以上お坊さんをしてきた中で、とても印象に残っている【お墓には適さない形】を2つ紹介します。
この2つは洋型の中でも『デザイン墓』と呼ばれる部類のお墓でした。
もしも、あなたが次の2つのうちのどちらかに該当していたら、すぐに考えを改めることを強くおすすめします。
ハート型のお墓
ある霊園に法事で行ったとき、何やら変な形のお墓が目に入りました。
そこで僕は、お墓の前に立っていた石材店の方に、



あの、すみません。このお墓は何の形をモチーフにしているんですか?
と、失礼ながら訊ねてみました。
すると、



あぁ、これは【ハート】の形なんですよ。
との返答。
それを聞いた僕は、



これはどう見たって【ハート】じゃなくて【お尻】やろ!
と心の中で叫んでいました。
そのお墓は、ハートの形をパンパンに膨らませたような形状でした。
きっと、お墓としても機能させたかったんでしょうね、無理やり横に膨らませ過ぎているもんだから、ハートの凹みの部分が、どう見ても『お尻の割れ目』そのもの。
あれじゃ、お墓参りのたびに【お尻に向かって手を合わせている】ようなもんです。
石材店の人は完成図をちゃんと施主に見せていたのか?そんなことを疑ってしまうような、僕にとっては衝撃的で忘れられない形のお墓でした。
というか、もともと、ハート型は字を彫刻できる面積を狭めてしまいますし、皆が好むという形ではありません。
なので、悪いことは言いませんから【ハート型】のお墓はヤメた方がいいですよ。
野球ボール型のお墓



こちらがウチのお墓です。
施主に連れられてお墓の前に着いたとき、僕は言葉が出ませんでした。
キレイに磨きあげられた球体の石にボールの縫い目が彫られていました。そうです、【野球ボールの形】をしたお墓です。
お墓が野球ボールの形だなんて、まさに『変化球』!
なぜ施主が【野球ボールの形】のお墓にしたかというと、理由はとてもシンプルで、故人が《大の野球ファン》だったからです。
そうですよね、せっかくだから故人が大好きだったものを『お墓』という形で残したかったんですよね。それだけ故人のことを大切に思っているのでしょう。
でもね。
そのお墓、いずれは他の家族も入りますよ。えっ、まさか家族全員が《大の野球ファン》なんですか?
さらに言えば、後代の人たちも全員が《大の野球ファン》になるに違いない、ということでしょうか?
このお墓も先ほどのハート型と同じで、後代の人も使うことをまったく考えていないんです。
これが、1人しか納骨しないような『個人墓』であれば何も問題はありませんが、でも、家族みんなや後代の人たちが使うには《不適切》と言わざるを得ません。
お墓の形を決めるのは施主の自由ですが、あまり【そのときの感情】だけに流されてはダメなんですよね。
特定の人のためを想って決めた形は、後代の人にとっては《自分には何の関係もない形》のお墓になっちゃいます。
また、独特の形をしたお墓は目立ちますから、他のお墓と【差別化】できるのはいいのですが、もしかすると、それは単なる『あなたのエゴ』かもしれませんよ。
オリジナルデザインを追求し過ぎたお墓は、結局はその使い勝手の悪さから撤去される運命となりますので要注意です。
お墓に適さない彫刻のデザインは避ける
【お墓に適さない形】の次は、【お墓に適さない彫刻のデザイン】を紹介します。
お墓の正面には、『〇〇家之墓』というような家名や、あるいは『絆』『和』『感謝』といったようなメッセージを彫刻します。
その他にも、絵などを彫刻しているお墓も多いです。
じつは、お墓の形だけではなく、この『彫刻』にも注意が必要なんです。
海や山の図柄の彫刻



この人は本当に海が大好きでねぇ。一生懸命お金を貯めて、よくハワイ旅行に行ってたんですよ。
故人のご家族がお墓を見つめながらおっしゃいました。
ご家族の視線の先には、お墓の正面に大きく【ワイキキの浜辺】の絵が・・・。
海はこれまでにいろんな生命を生み出した場所であり、今でも数えきれないほどの生物が海の中で生命活動を続けています。
ですから、海はまさに生命の象徴です。
でも、お墓には『海』の絵を彫刻しない方がいいと思います。
海は多くの恵みをもたらしてくれますが、時には猛威をふるって多くの人命を奪うこともあります。
また、海では毎年のように水難事故が発生し、たくさんの命が失われています。
何が言いたいかというと、『今後、もしもご家族の誰かが水難事故で亡くなったらどうするんですか?』ということです。
例えば、家族の誰かが海で亡くなってしまった場合、遺骨を【ワイキキの浜辺】が彫刻されたお墓に納骨しますか?海で亡くなった故人を、海の景色が彫ってある場所に?
これは、海だけではなく『山』の彫刻も避けた方がいいと思います。
もしも、家族の誰かが山で遭難して亡くなった場合、【富士山】の彫刻があるお墓に納骨するのですか?
故人を大切に思う気持ちは、本当に素晴らしくて清らかなものです。
しかし、お墓の形を決めるときと同じように、あなたの【そのときの感情】だけでお墓への彫刻のデザインを決めないよう、十分に注意してほしいと思います。
1人の仏様だけを特別に扱う内容の彫刻
おすすめできないお墓の彫刻のデザインがもう1つあります。
それは、【1人の仏様だけを特別に扱う】内容の彫刻をすることです。
以前に見たのですが、お墓の正面の全スペースを使って、「◯◯君に捧ぐ。ここに君の生きた証を〜」と、1人の仏様に対する手紙のようなメッセージが彫刻されていたお墓があったんです。
それは、故人のご両親がどれほど我が子を愛し、そして、どれほどの悲しみであったのか、若くして亡くなった我が子に対する親の気持ちがよく表れている内容でした。
愛する我が子に先立たれたのですから、そのようにしたくなるのは当然ですよね。
僕にも子どもがおりますので、その気持ちはとてもよく分かります。
でもね。
やはり、お墓が1人だけのものではないということを忘れてはいけません。
もしも、そのお墓が1人しか納骨しない『個人墓』であるならば、まったく問題はありません。
でも、そのお墓は大きくて立派なもので、明らかに【代々受け継いでいくため】のものでした。
そうすると、後代の人たちにとっては、そのお墓に自分の居場所が無いような気になるんじゃないですか?
しつこいようですが、お墓は【後代の人もお参りするもの】であることを忘れないでくださいね。
どんなお墓にすればいい?





じゃあ、どんなお墓を建てればいいの?
あまりに【独特すぎる形】はおすすめできません、高確率で後悔をしますので。
ということで、ここからは【お墓を建てる上での最低条件】を紹介します。
大谷石と白御影石は選択肢から除外
まず、お墓を建てるには、使用する『石の種類』の選択をしなければいけません。
僕だったら石の種類を決めるときは、
- 大谷石(おおやいし)
- 白御影石(しろみかげいし)
この2つをまず除外しますね。
特に『大谷石』は論外!
あっ、大谷石の関係者の皆様ごめんなさい。僕はウソをつけないので。
大谷石は《値段が比較的安い上に、軽くて加工がしやすい》という理由で数十年前に流行ったんですが、これがなかなかの問題児でございまして・・・。
ものすごい早さで腐食するもんですから、建てた当初はキレイでも、数十年後にはうかつに触れると崩れる【危険なお墓】になります。
もちろん同じ大谷石でも高級なものだったらそんなことはないのかもしれません。
でも、高級な大谷石を使うくらいなら、そのお金で頑丈な【御影石】を使う方がいいと思うんですよね。
なので、どうしても大谷石にこだわりがある人以外は、他の石を使った方がいいですよ。
大谷石が論外となると、もはや御影石くらいしか墓石の選択肢がありません。
しかし、御影石にも注意が必要です。
もし、御影石でも『白御影石』を選ぶのなら、伝えておかなきゃいけないことがあります。
白御影石は、頑丈でありながら比較的お値段も安くて人気の石です。
でも、残念なことに、白御影石はそのまま字を彫っただけだと【刻んだ文字】が見えにくいです。これが白御影石の唯一のデメリット、本当に惜しい!
だから、白御影石を選ぶのであれば、お金は別途必要ですが、刻んだ文字にはペンキで着色した方がいいと思います。そして、仏様が増えるたびに、字を彫ってペンキを入れてもらってください。
ちなみに、僕はそういうのが面倒なので白御影石は選びません。
僕が墓石を選ぶなら、
- ブラック
- グレー
- グリーン
の御影石ですね。
これらの色の御影石なら、そのまま字を彫っても自然に文字が浮き出て見えます。そして、白御影石よりも見た目の重厚感と高級感が全然違いますよ。
お墓の形は、洋型で【四角形】を基本にする
なぜ、お墓って四角形で造られているんでしょうね?
お墓は本来、『五輪塔(ごりんとう)』を元に造られているので、もっと凹凸がたくさんあるものなんですが、時代を経て現在のような四角形になりました。
四角形になった理由は簡単で、管理しやすい形だからです。
まず、お墓を拭き掃除する時ですが、あちこち凹凸があるよりも、表面が平らな方が断然ラクですよね?
そして、四角形の方が字を彫刻する面積を効率よく、より広く確保できます。
あとは、昔の技術だと、四角形の方が石材を切るときに簡単だったので、加工の費用もそれだけ抑えられたようです。
それに、誰にも文句を言われない形というのも安心じゃないですか?
家ごとに多少の違いはあっても、だいたい同じような形をしているのには、それなりの理由があるということです。
つまり、ハート型やボール型のような奇抜なデザインではなく、基本的には四角形をベースにした方が結果的にいいんですよね。
そこから、
- 頭の部分を少しカーブさせたり、ウェーブさせる
- 墓石の角を丸める(面取り)
- 正面を少しだけ丸く膨らませる
- 落ち着いた絵柄を彫刻する
といったような、オリジナルの部分を作り出していくんです。
古い考えかもしれませんが、長く使っていくもの、ということを考えると、四角形をベースにした洋型のお墓が無難なんですよね。
インターネットを見て、建てたいお墓の形や彫刻のデザインをあらかじめ決めておく


お墓の形を決めるにあたり、失敗をしないよう先にインターネットを見ておいて、建てたいお墓の形や彫刻のデザインをあらかじめ決めておくといいですよ。
霊園に行けば、石材店の人がいろいろと案内をしてくれます。
そして、すでに建っているお墓などを参考にしながら、お墓の形や彫刻のデザインを決めていきます。
このときに、あらかじめインターネットで予習をして、あなたが建てたいお墓のイメージをちゃんと固めておくと、後の話がスムーズに進められるんですよね。
石材店の人だって、お客さんの希望がハッキリしている方が案内をしやすく、より詳しく説明することができますから、双方にとってメリットがあります。
まずは、できるだけたくさんのサイトを見て、十分に比較検討をしてください。
この記事にたどり着いているあなたなら、そのくらいの検索はできるはず。
まとめ:お墓の形は自由ですが、後代の人のこともよく考えてから決めましょう
最近は、和型よりも洋型のお墓を選ぶ人が圧倒的多数を占めています。
現在はあらゆる面で『個人の意思を尊重する』時代なので、デザインの自由度が高い【洋型】を選ぶに決まってます。
どのようなお墓を建てるのかは『あなたの自由』です。
霊園の規定内であれば、どんな石を使って、どんな形にして、どんな文字で彫刻するか、すべてあなたの好きなように決められます。
ただし、そのお墓を守るのは、あなただけではありません。
後代の人たちによって【代々受け継がれていくもの】であることを忘れないでください。
今のあなたの感情だけでお墓の形を決めると、きっと後悔することになります。
お墓の形を決めるときは、必ずご家族と話し合って、じっくりと考えてくださいね。
※お墓を建てる前にコチラの記事も読んでみてください。