お墓

お墓の形(デザイン)を決める時の注意点。本当にその形でいいの!?

「あらっ、このお墓の形は素敵ねぇ。」

先日、ある霊園で50代と見られるご夫婦が墓地の見学に来ていました。

すでに建っている様々な形のお墓を見てまわり、自分の家のお墓を建てる時の参考にしていたようです。

霊園にあるお墓は、お寺の墓地とは違っていろんな形のお墓が建てられています。

もちろん、和型(昔ながらの形)のお墓もありますが、最近では全体の半分以上は洋型が建っている印象です。

見学に来ていたご夫婦の目に留まったのも、やはり洋型のお墓でした。

あなたはどのようなお墓を建てようと考えていますか?

きっとあなたも、和型ではなく、デザイン性を重視した洋型のお墓なのでは?

でも、洋型のお墓の形を決める時はよ〜く考えてくださいよ。

デザイン性が豊かであるが故に、デザイン選びに失敗すると【代々にわたって迷惑をかける】ハメになりますからね。

お墓は、あなただけではなく代々受け継いでいくもの。

お墓の形は、後代の人に迷惑をかけないよう慎重に選ばないといけませんからね。

この記事では、

今回のテーマはコレ!

お墓の形を決める時の注意点

について書いています。

お墓の購入前にこの記事を読めば、お墓選びにおいて失敗をせずにすみますよ。

ぜひ最後まで読んでみてください。

お墓の形は自由です

まず、はじめにお伝えしておきます。

お墓にはいろんな由来や意味があって現在のような形になっています。

しかし、最近では、その形にこだわることなく、ある程度自由にデザインされたお墓が増えてきています。

お坊さんであるぼく自身も、基本的には、

お墓の形は自由に決めてかまわない

と考えています。

ただし、いくら『自由』とはいえ、常識的な範囲を逸脱するデザインや、後代に残すにあたって不適切なデザインは控えるべきかと。

あなたが建てようとしているのは『お墓』であって、『芸術作品』ではないんですよ。

ですから、お墓の形はあなたが自由に決めてもよいのですが、後述する注意点をよく考えた上で決めてください。

お墓は代々受け継いでいくもの

お墓は、亡きご家族のご遺骨を納めるための大切な場所です。

そして、ご遺骨を納めるだけではなく、あの世とこの世を結んでいる、とても神聖な場所でもあるわけです。

私たちは、お墓を経由してあの世の故人と通じ合うことができるんですよ。

お墓はそれくらい重要なものですから、形を決める時には、今のあなたの気分だけではなく、後の人たちのこともちゃんと考えなければいけないんです。

だって、お墓は、

代々受け継いでいくもの

なんだから。

というか、むしろ、あなたよりも後代の人の方がお参りする機会が多くなることをお忘れなく!

じゃあ、どのような形を選べばいいんでしょうね?

お墓の形は、

  • 【和型】:背の高い縦向きの三段構造の形
  • 【洋型】:背の低い横向きの二段構造の形

の二つに大別できます。

あなたくらいの年代なら、『お墓』といえば【和型】を最初にイメージするでしょ?

ぼくも同じ。

でも、最近は洋型のものが急増していて、お墓に対するイメージがずいぶんと変わってきています。

洋型のお墓は、和型のものよりも圧倒的に自由度が高いというか、デザイン性に富んでいるから人気があるんですよね。

ぼくの勝手な推測ですが、今後『和型』を建てる人はどんどん減って、近い将来には和型のお墓は姿を消すでしょうね。

あなたも洋型のお墓がいいんでしょ?

きっと、どんな形にしようかと、いろいろ想像が膨らんでいることでしょうね。

ところで、形を決める時にあなたのお子様にもちゃんと相談をしました?

先ほどから言っているように、お墓は後の人たちもお参りするものですからね。

お墓は、あなただけではなく、お子様の意見もしっかりと聞いて、【家族全体のもの】として考えなくちゃダメですからね。

家族みんなが「コレにしよう!」と納得して決めた形でお墓を建てるようにしましょう。

あなただけの意見で建てたお墓は、下手をすると《後代の人にとって迷惑なもの》になってしまうかもしれませんよ。

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霊園の規定を確認する

あなたがすでに契約している霊園には、

『建てるお墓に関する規定』

がありますか?

えっ?そんなの知らない?

それはマズいですねぇ。

ほとんどの霊園には、石の種類や石の高さ、といったものに規定があるんですよ。

自由にお墓の形を決めてよいと言いましたが、それは当然ながら『規定に沿っている』ことが前提。

お墓の形を決める前に、建てるお墓に関する規定がどのようなものか、事前に必ず管理事務所へ確認をしておいてくださいね。

せっかく家族で話し合って決めたのに、後になって「その形では建てられません」と言われた、なんてことのないようにしましょう。

お墓の形(デザイン)を決める時の注意点

お墓の形を決める時には、

  • 後代の人たちも使うことを考える
  • 霊園の規定に沿ったものにする

という点に注意してください。

何度も言いますが、特に【後代の人も使うことを考える】ということが大事ですからね。

この大事なことができていないお墓がたまにあるんですよ。

初めてそのようなお墓を見た時に、「えっ?何でこの形にしたの!?」と衝撃を受けたのを覚えています。

本当にその形でいいの?後悔しない?

ぼくが20年以上お坊さんをしてきた中で、とても印象に残っている【おすすめできない形のお墓】を2つ紹介します。

この2つは洋型の中でも『デザイン墓』と呼ばれる部類のお墓でした。

もしも、あなたが次の2つのうちのどちらかに該当していたら、すぐに考えを改めることを強くおすすめします。

ハート型のお墓

「あの、すみません。このお墓は何の形をモチーフにしているんですか?」

ぼくは、お墓の前にいた石材店の人に訊ねました。

すると、

「あぁ、これは【ハート】の形なんですよ。」

との返答。

それを聞いたぼくは、

「いやいやいや!これは【ハート】じゃなくて【お尻】に見えるってば!」

と叫んでいました。もちろん、心の中でね。

ぼくの言っていること、おわかりいただけます?

ハートの形をパンパンに膨らませたような形状なんですけど、お墓としても機能させたかったんでしょうね、無理やり横に膨らませ過ぎているもんだから、ハートの凹みの部分が、どう見ても『お尻の割れ目』そのもの。

あんな形じゃ、お墓参りのたびに【お尻に向かって手を合わせている】ようなもんですよ。

石材店の人は完成図をちゃんと施主に見せていたの?

そんなことを疑ってしまうような、ぼくにとっては衝撃的で忘れられない形のお墓でしたねぇ。

もともと、ハート型は字を彫刻できる面積を狭めてしまいますし、皆が好むという形ではありません。

なので、悪いことは言いません、ハート型はやめましょうよ。

野球ボール型のお墓

「こちらがウチのお墓です。」

施主に連れられてお墓の前に着いた時、ぼくは一瞬言葉が出ませんでした。

キレイに磨きあげられた球体の石にボールの縫い目が彫られていました。

そうです、【野球ボールの形】をしたお墓です。

お墓が野球ボールの形だなんて、まさに『変化球』!

その施主は、なぜ【野球ボールの形】にしたのでしょう?

理由はとてもシンプルで、故人が《大の野球ファン》だったから。

そうですよね、せっかくだから故人が大好きだったものを『お墓』という形で残したかったんですよね。

それだけ故人のことを大切に思っているのでしょう。

でもね。

そのお墓、いずれは他の家族も入るんじゃないの?

えっ、まさか家族全員が《大の野球ファン》なんですか?

さらに言えば、後代の人たちも全員が《大の野球ファン》になるに違いない、ということ?

このお墓も先ほどのハート型と同じですね、後代の人も使うものであることを考えてない!

お墓の形を決めるのは施主の自由ですが、あまり【その時の感情】だけに流されてはダメですよ。

故人のためを想って決めた形が、後代の人にとっては《自分には何の関係もない形》のお墓になっちゃいますんでね。

また、独特の形をしたお墓は目立ちますから、他のお墓と【差別化】できるのはいいのですが、もしかすると、それは『単なるあなたのエゴ』かもしれませんよ。

オリジナルデザインを追求し過ぎたお墓は、結局はその使い勝手の悪さから撤去される運命となりますので要注意ですよ!

おすすめできない彫刻のデザイン

おすすめできない形の次は、【おすすめできない彫刻のデザイン】を紹介します。

お墓の正面には、『〇〇家之墓』というような家名や、『絆』『和』『感謝』といったようなメッセージを彫刻します。

その他にも、絵などの図柄を彫刻するというお墓も多いのです。

じつは、お墓の形だけではなく、この『彫刻』にも注意が必要なんです。

海や山の図柄の彫刻

「故人は本当に海が大好きで、一生懸命お金を貯めて、よくハワイ旅行に行ってたんですよねぇ。」

故人のご家族がお墓を見つめながらおっしゃいました。

ご家族の視線の先には、お墓の正面に大きく【ワイキキの浜辺】の絵が・・・。

海はいろんな生命を生み出した場所であり、海の中には今も数えきれないほどの生物が生命活動を続けています。

しかし、時には、その海が猛威をふるい多くの生命を奪うことだってあるのです。

また、毎年のように海では水難事故が発生し、多くの命が失われているんですよ。

何が言いたいかというと、『今後、もしもご家族の誰かが川や海で亡くなってしまったらどうするんですか?』ってこと。

もしも、不幸にも家族の誰かが海で亡くなってしまった場合、ご遺骨を【ワイキキの浜辺】のお墓に納骨するの?

これは、海だけではなく『山』の場合も同じことがいえます。

もしも、雪山で遭難して亡くなった家族を【富士山】の彫刻があるお墓に納骨するつもりなの?

これって、ぼくの考え過ぎですかね?

故人を大切に思う気持ちは、本当に素晴らしくて清らかなものです。

しかし、お墓の形を決める時と同じように、あなたの【その時の感情】だけでお墓への彫刻のデザインを決めてしまわないよう、十分に注意してほしいと思います。

一人の仏様だけを特別に扱う内容の彫刻

おすすめできないお墓の彫刻のデザインがもう一つあります。

それは、【一人の仏様だけを特別に扱う】内容の彫刻をすることです。

以前に見たのですが、お墓の正面の全スペースを使って、「◯◯君に捧ぐ。ここに君の生きた証を〜」と、一人の仏様に対する手紙のような長文メッセージが彫刻されていたお墓があったんです。

それは、故人のご両親がどれほど我が子を愛し、そして、どれほどの悲しみであったのか、若くして亡くなった我が子に対する親の気持ちがよく表れている内容でした。

愛する我が子に先立たれたのですから、そのようなお墓にしたくなるのは当然ですよね。

その気持ちはとてもわかります。

わかるのですが、やはり、お墓が一人だけのものではないことを忘れてはいけません。

もしも、そのお墓が一人しか納骨しない『個人墓』であるならば、まったく問題はありません。

でも、そのお墓は大きくて立派なもので、明らかに【代々受け継いでいくため】のものでした。

その家で後から亡くなられた他のご家族は、そのお墓に自分の居場所が無いような気になってしまうんじゃないですかね?

しつこいようですが、お墓は【後代の人もお参りするもの】であることを決して忘れないでくださいね。

じゃあ、どんなお墓がいいの?

お墓の形を決める時の注意点についてはもう大丈夫ですよね?

となると、次は、

「じゃあ、どんなお墓がいいの?」

ってことになるわけです。

すでにお伝えしたように、あまりに【独特】な形はおすすめできないです。

かなりの確率で後悔するでしょうね。

実際に、独特な形のお墓を建てて後悔する人はいるんですよ。

ぼくは、あなたにそんな思いをしてほしくないんですよね。

ということで、ここからは【ぼくだったらコレにするかな】というものをご紹介します。

大谷石と白御影石は選択から外す

まず、『石の種類』のチョイスからいきますね。

ぼくが石の種類を決めるとしたら、とりあえず、

  1. 大谷石(おおやいし)
  2. 白御影石(しろみかげいし)

この2つはまず除外しますね。

特に『大谷石』は論外!

あっ、大谷石の関係者の皆様ごめんなさい。

でもね、ぼく、ウソつけないの。

大谷石は、《値段が比較的安い上に、軽くて加工がしやすい》という理由で数十年前に流行ったんですよ。

でも、これがなかなかの問題児でございまして・・・。

ものすげぇスピードで腐食するもんですから、建てた当時はよくても、数十年後には『うかつに触れると崩れる』ような危険なお墓の出来上り。

もしかすると、昔は採れる石の種類自体が少なくて、選択肢がなかったんでしょうかね?

まぁ、もちろん同じ大谷石でも上級ランクのものだったらそんなことはないのかもしれませんが。

でも、上級ランクの大谷石を使うんだったら、もっと頑丈な【御影石】でもいいんじゃねぇの?って思うんですよ。

どうしても大谷石にこだわりがある人以外は、他の石を使うようにした方がいいです。

大谷石が論外となると、もはや御影石くらいしか墓石の選択肢がありません。

しかし、御影石にも注意が必要です。

もし、御影石でも『白御影石』を選ぶのなら、一つだけお伝えさせてください。

白御影石は、頑丈でありながら比較的お値段も安くて人気の石です。

でも、残念なことに、白御影石はそのまま字を彫っただけだと【刻んだ文字が見えにくい】んですよねぇ。

これが白御影石の唯一のデメリット、本当に惜しい!

だから、白御影石を選ぶのであれば、お金は別途必要ですが、刻んだ文字にはペンキで着色した方がいいんです。

そして、仏様が増えるたびに、字を彫ってペンキを入れてもらってください。

ぼくは、そういうのが面倒なので白御影石は選ばないです。

ということで、ぼくが墓石を選ぶなら、

  1. ブラック
  2. グレー
  3. グリーン

の御影石ですね。

これらの色の御影石なら、そのまま字を彫っても自然に文字が浮き出て見えますから。

そして、白御影石よりも見た目の重厚感と高級感が全然違います。

あなたなら、どんな石を選びますか?

お墓の形は、洋型で【四角形】を基本にする

なぜ、お墓って四角形で造られているんでしょうね?

お墓は本来、五輪塔(ごりんとう)を元に造られているので、もっと凹凸がたくさんあるんです。

それが、時代を経て現在のような四角形になったんです。

理由は簡単、

管理するのに効率が良い形だから

です。

まず、お墓を拭き掃除する時ですが、あちこち凹凸があるよりも、表面が平らな方が断然ラクですよね?

そして、四角形の方が字を彫刻する面積を効率よく、より広く確保できるんですよ。

あとは、昔の技術だと、四角形の方が石材を加工する(石を切る)時に簡単だったので、加工の費用もそれだけ抑えられたようです。

それに、誰にも文句を言われない形というのも安心じゃないですか?

家ごとに多少の違いはあっても、だいたい同じような形をしているのには、それなりの理由があるということでしょうね。

つまり、ハート型やボール型のような奇抜なデザインではなく、基本的には四角形をベースにした方が結果的にいいんですよ。

そこから、

  • 頭の部分を少しカーブさせたり、ウェーブさせる
  • 墓石の角を丸める(面取り)
  • 正面を少しだけ丸く膨らませる
  • 落ち着いた絵柄を彫刻する

といったような、オリジナルの部分を作り出していくんです。

古い考えかもしれませんが、長く使っていくもの、ということを考えると、四角形をベースにした洋型のお墓がいいのではないでしょうか?

インターネットを見て、建てたいお墓の形や彫刻のデザインをあらかじめ決めておく

お墓の形を決めるにあたり、できるだけ失敗しないようにするコツがあります。

まぁ、コツというほどのものではないんですが、

インターネットを見て、建てたいお墓の形や彫刻のデザインをあらかじめ決めておく

といいと思いますよ。

霊園に行けば、石材店の人がいろいろと案内をしてくれます。

そして、すでに建っているお墓などを参考にしながら、お墓の形や彫刻のデザインを決めていくんです。

この時に、先にインターネットを見ておいて、あらかじめ希望の形や彫刻のデザインを決めておくと後の話がスムーズに進められますよ。

インターネットで十分に予習をして、あなたが建てたいお墓のイメージをちゃんと固めておくんです。

石材店の人だって、お客さんの希望がハッキリしている方が案内をしやすく、詳しく説明する方に時間を使うことができますから、双方にとってメリットがあります。

まずは、できるだけたくさんのサイトを見て、十分に比較検討をしてください。

この記事にたどり着いているあなたなら、そのくらいの検索はできるはず。

まとめ:お墓の形は自由ですが、後代の人のこともよく考えてから決めましょう

最近の傾向としては、新規にお墓を建てる場合、和型よりも洋型のお墓を選ぶ人が圧倒的多数を占めています。

そりゃそうですよね、現在はあらゆる面で『個人の意思を尊重する』時代なんですから、デザインの自由度が高い【洋型】を選ぶに決まってます。

どのようなお墓を建てるのかは『あなたの自由』です。

霊園の規定内であれば、どんな石を使って、どんな形にして、どんな文字で彫刻するか、すべてあなたの好きなように決めていいんですよ。

ただし、それらを決める時は本当によく考えてください。

そのお墓を守るのは、あなただけではありませんからね。

後代の人たちによって【代々受け継がれていくもの】であることを忘れちゃいけませんよ。

今のあなたの感情だけでお墓の形を決めると、きっと後悔することになります。

必ずご家族と話し合って、よく考えて、それからお墓の形を決めてくださいね。

この記事を最後まで読んでくださったあなたは、【建てるべきではないお墓】がどのようなものか、もうわかっていますよね?

あなたの建てたお墓が、100年後も変わらずお参りされているような素敵なお墓となることを願っています。