お墓

お彼岸にお墓参りをする理由とお彼岸の意味をお坊さんが解説します。

この記事は、

今回の内容は要するにコレ
  • お彼岸の意味
  • お彼岸にお墓参りをする理由

について書いています。

一年のうちに『お彼岸』と呼ばれる期間が、春と秋に一週間ずつあります。

あなたもお彼岸になるとお墓参りに行きますよね?

でも、なぜお彼岸になるとお墓参りをするのでしょうね?

お彼岸のお墓参りには、命日供養やお盆の時とは少し違う意味があるんです。

この記事を読んでいただき、お彼岸の意味を知れば、どのような心持ちでお彼岸のお墓参りをするべきなのかがわかります。

お彼岸の意味

始めに、お彼岸とは何なのかという基本的なところについて書いていこうと思います。

まずは【彼岸】という言葉の意味について簡単に説明をします。

彼岸とは何?

仏教では、あらゆる苦しみから解放され、絶対的な安らぎを得ることをめざしています。

しかし、現実の私たちは、いつも何らかの苦しみにさらされ、それに耐え続ける日々を送っています。

いま私たちがいる世界のことを、此岸(しがん)】といい、苦しみや迷いに満ちた世界を意味します。

一方、あらゆる苦しみから解放された絶対的な安らぎの世界、つまり仏様たちがいる世界のことを、

【彼岸(ひがん)】

といいます。

もう少し詳しく説明すると、

《悟り》という名の非常に大きな川をはさんで、悟りをひらけない私たちがいるのは、

此方(こちら)側のなので【此岸】

一方で、悟りをひらいた仏様たちがいるのは、大きな川をはさんだ向こう側、はるか遠くの、

彼方(あちら)側のなので【彼岸】

ということですね。

彼岸へ渡るには、お釈迦(しゃか)様のように悟りをひらく必要があり、そのためにはいろいろな仏道修行を続けていかなければなりません。

ですから、春と秋のお彼岸とは、

私たちが仏様の世界へ近づく(=悟りをひらく)ために修行をする期間

なのです。

言い方を変えると、お彼岸は私たちにとって年に2回の『修行キャンペーン期間』みたいなカンジです。

【暑さ寒さも彼岸まで】の意味

『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉を聞いたことがありますか?

一般的には、

【夏の暑さ、冬の寒さ】というものは、お彼岸の時期を過ぎれば、ずいぶんとやわらぎますよ

という意味で使われます。

つまり、気候の移り変わりのことを言っています。

これを仏教的な目線で解釈すると少し違います。

私たちが感じる、【暑い】とか【寒い】という感覚は、『苦しみ』のひとつです。

あらゆる苦しみから解放された世界が【彼岸】なので、

暑いとか寒いという肌の感覚的な苦しみも含めて、

『あらゆる苦しみ』というものは、彼岸にわたる前までのものであって、修行をして彼岸にわたってしまえば無くなるのですよ

という、【悟りへの道すじ】的な意味になります。

やはり、彼岸へわたるためには、修行が不可欠ということなんですね。

お彼岸にお墓参りをする理由

ところで、

あなたは、3月の『春分の日』と9月の『秋分の日』をご存知ですよね?

どちらも休日であり、しかも気候が良い時期なので、どこかへ出かけたくなるかもしれません。

でもね、これらの日は優先的に・・・

お墓参りをしませんか?

『春分の日』と『秋分の日』は、いわゆる

お彼岸の【中日(ちゅうにち)】

つまり、お彼岸期間の真ん中の日にあたります。

そして、じつはこの一週間、

お墓参りには最適なのです。

お彼岸の時期は、昼と夜の時間がちょうど半分ずつになります。

この『ちょうど半分』が非常に重要なんです。

【中道】による解釈

仏教を世に広めたお釈迦様は、『中道(ちゅうどう)』という教えを説かれました。

中道とは、生きていくうえで【両極端にかたよらない】考え方や判断をすることが大切である、という教えです。

両極端にかたよる、というのは、欲望におぼれ過ぎたり、逆に、禁欲によって自分を押さえ込み過ぎたりする、ということです。

または、「これしかないのだ!」と、自分にとっての正解をひたすら探し続けて、ほかの大事なものに目を向けられない、ということです。

そんな“自分で自分を苦しめている人たち”に対してお釈迦様が、

「どちらか一方へ極端にかたよるのではなく、ちょうど良いバランスの、

真ん中の道を進みなさい

と教えてくださったのです。

それで、中道の教えにしたがって、昼と夜の時間が同じになる時期に修行をするとよい、と考えられるようになりました。

お墓参りは、日ごろ私たちがしている『ご先祖供養』であり、供養することは修行のひとつです。

それで、修行に最も適した【修行キャンペーン期間】であるお彼岸の時期にお墓参りをするようになりました。

極楽浄土への最短距離

お彼岸の時期に、昼と夜の時間がちょうど半分になるということは、

太陽が、『真東から昇って、真西に沈んでいく』ということです。

今度は『真西に沈んでいく』というのがキーワードです。

みなさんは【阿弥陀如来(あみだにょらい)】という仏様をご存じですか?

たくさんいらっしゃる仏様たちの中でも、5本の指に入る実力者で、とてもありがたい仏様です。

阿弥陀様がいらっしゃる場所は【西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)】とよばれ、その名のとおり西の方向にある、とても清らかな世界だそうです。

お彼岸の時期は、太陽が真西に沈むので、この時期に修行をすれば、

西にある極楽浄土への道を、迷うことなくまっすぐに最短距離で進むことができる

という考え方が生まれました。

それで、

太陽が真西に沈む時期(お彼岸)に修行の効果が最もあらわれるから、みんなでお墓参りをしましょうね。

ということになったのです。

【関連記事】:お墓参りをする意味とは?お墓参りの基本的な手順と注意点も詳しく解説します。

まとめ : お彼岸のお墓参りはあなた自身の修行です

お彼岸になると、ウチの寺にもたくさんの方がお墓参りに来られます。とてもありがたいことです。

ただ、お盆やご命日のお墓参りとは違って、

お彼岸のお墓参りは《私たち自身の修行》が目的です。

ですから、

お彼岸の一週間は、毎日お墓参りをすべきです。

えぇ、そうですよね、わかってますよ。

いくらなんでも毎日なんて無理ですよね。

さすがに、そんなことはウチの信者さんたちにだって言えません。

でも、せっかくお彼岸にお墓参りをするのなら、本来の意味を知っていてもらいたいです。

お彼岸は年に2回の貴重な修行の期間です、毎日でなくてもかまいませんから、せめて一度はお墓参りをしてみませんか?

お墓参りをして、あなた自身をさらに成長させていきましょう!