お坊さん歴20年以上の未熟僧(みじゅくそう)と申します。
- お墓の『花立て』を別のものに替えたい
- お墓の『花立て』にはどんな種類があるの?
- どんな『花立て』がベストなの?
お墓参りの時にお花を供えている筒のことを一般的には、
『花立て』
といいます。
『花立て』にはいくつかの種類があるのですが、お坊さんの僕としては、
【ステンレス製+落とし込み式】
のタイプがイチオシです。
あなたの家のお墓はどんなタイプの『花立て』ですか?
ずっと昔に建てられたお墓の場合、もしかすると最悪なタイプの『花立て』かもしれませんよ。
お墓参りではお花を供えるので、『花立て』の使い勝手というのはメチャクチャ重要なポイントです。
もしもお墓を建て直す予定があるなら、使いやすさを考えて、絶対に【ステンレス製+落とし込み式】にするべきです。
この記事を読むと、
- お墓の『花立て』の種類
- 選ぶべき『花立て』のタイプ
- 【ステンレス製+落とし込み】にするべき理由
が分かります。
しっかりと使い勝手のよい花立てを選んで、ストレスなくお墓参りをしてくださいね。
賢い人なら、お墓の花立てには【ステンレス製+落とし込み式】を選ぶ!
どんなお墓にも必ず【お花を供える場所】があります。
お花を供える場所のことを、
『花立て』
といいます。
または、『花筒』と呼ぶこともありますね。
お墓参りをする時にはお花を供えますから、この『花立て』は毎回取り外して洗う必要があります。
でも、この【花立てを取り外して洗う】という作業は意外と面倒なんですよね。
だから、『花立て』というのはできるだけ【使い勝手がよい】ものでなければいけません。
そこで、20年以上お坊さんをしている僕が『使い勝手がよい花立て』とはどのようなものかを紹介します。
【関連記事】:お墓参りの時にお供えする『5つの供物=五供(ごく)』の意味。
お墓の『花立て』の素材は【ステンレス】がいい
『使い勝手のよい花立て』であることの条件の1つは、
長持ちするような素材で作られていること
です。
お墓の『花立て』の素材にはいくつかの種類があり、だいたいは、
- ステンレス
- プラスチック
- アルミ
- 銅
- 陶器
の5種類ですね。
それぞれの特徴を紹介すると、
- 【ステンレス】:水に強くサビにくい。軽い。風雨に強いので耐久性がある。
- 【プラスチック】:価格が安い。とても軽い。耐久性に難があり劣化が早い。
- 【アルミ】:昔はよく使われた。風雨に強く耐久性はあるが、ステンレスに比べれば劣化は早め。
- 【銅】:少し高価。やや重い。殺菌作用があるため生花が長持ちしやすい。
- 【陶器】:お墓の花立てとしてはほとんど使われない。デザイン性に富んでいる。強い衝撃に弱い。
といったカンジです。
お墓の『花立て』というのは、ずっと屋外にあるものですし、洗う時には持ち運びをします。
ですから、お墓の『花立て』に適した素材というのは、
- 水に強くてサビない
- 硬くて丈夫
- 変色しない
- 軽い
ものでなければいけないんです。
まぁ要するに、
【ステンレス】が1番いい
ということです。
他の金属はどうかというと、せっかく丈夫でも長期間の使用でサビてしまったり、変形や変色をしてしまうものもあるんですよね。
となると、総合的に考えて、理想的なのはステンレス製なんですよね。
実際のところ、最近の『花立て』はほとんどがステンレス製なので、みんな同じようなことを考えているということでしょうね。
『花立て』の形状は【落とし込み式】がいい
『花立て』の素材はもうステンレスで決まりでしょう。
次は、どんな形状のものにするか、ですよ。
『花立て』の形状としては、
- 落とし込み式
- ネジ式
- 接着式
の3つのタイプがあります。
【落とし込み式】というのは、
最初から墓石に『花立て』を差し込むための穴が空けられていて、そこへ『花立て』をストンッ♪と落とし込むタイプ
のものです。
下の画像のように、墓石に丸い穴が空けられていて、ここへ『花立て』を差し込むわけですね。
キレイに洗った『花立て』をそのまま穴へ落とし込むだけですから、とても簡単でラクですよね。
そして、【ネジ式】というのは、
墓石にネジ式の取り付け金具があり、そこへ『花立て』をクルクル回して差し込んでいくタイプ
のものです。
こちらも画像があります。
墓石には丸い取り付け金具があって、筒の底にもネジ式の突起がありますよね。
この筒をクルクル回しながら差し込んでいくわけです。
最後に、【接着式】というのは、
最初から墓石に『花立て』が接着剤などで固定されているタイプ
のものです。
『花立て』が墓石にガッチリと固定されているので、取り外すことができません。
ですから、汚れた水を捨てるにも、中を掃除するにも、メチャクチャ面倒くさいです。
個人的には、接着式の『花立て』なんて論外のものであり、これを選ぶ理由が分かりません。
ちなみに、僕がいる寺では接着式の『花立て』を使っているお墓が1つもありません。
きっと皆さん僕と同じように思ったのでしょうね。
なので、接着式の『花立て』の画像も用意できませんでした。
このように、『花立て』には【落とし込み式】【ネジ式】【接着式】の3種類があるので、あなたの好きなタイプを選ぶことができます。
しかし、僕としては【落とし込み式】がおすすめです。
先ほども言いましたように、【落とし込み式】は『花立て』を落とし込んで設置するだけです。
一方で、【ネジ式】は『花立て』を回さないと設置できません。
ちょっとした違いに思えるかもしれませんが、『花立て』を設置するまでの時間が全然違います。
しかも、【ネジ式】は片手で回そうとすると上手くハマらないことがあります。
それで、結局は荷物を一旦置いて、それから両手で固定をしながら回さなきゃいけなくなるんです。
とても地味な違いですけど、これが毎回となるとストレスの差は大きなものになりますよ。
20年以上お坊さんをしてきて、やはり【落とし込み式】がいいと自信を持って言えますね。
お墓の『花立て』は【ステンレス製+落とし込み式】がベスト
お墓の『花立て』の素材は【ステンレス製】がいいです。
そして形状は【落とし込み式】の方がダンゼン使い勝手がいいですよ。
じつは、僕なんかが言うまでもなく、このことに気がついている人がたくさんいて、そういう人たちは『花立て』を【ステンレス製+落とし込み式】に替えています。
そして、他の人よりもストレスなくお墓参りをしています。
つまり、賢い人は、
お墓の『花立て』は【ステンレス製+落とし込み式】がベスト
だと知っているんですよね。
この記事を読みにきてくれたあなただって、もうすでに気がついていたのではないですか?
だったら、『花立て』は【ステンレス製+落とし込み式】にするべきです。
もしもお墓を建てかえる予定があるのなら、あなたはきっと賢い選択をすることでしょう。
【関連記事】:お墓の『花立て』を重ねて取れなくなった時の対処法
少し前までは【ステンレス製+ネジ式】が主流だった
あなたが墓地でよく目にするのは、たぶん上の画像のようなタイプの『花立て』ではないですか?
これは、
【ステンレス製+ネジ式】
のタイプです。
少し前まではこのタイプが主流だったんですよね。
ステンレス製なので、素材については問題ありません。
しかし、やはり【ネジ式】というのがダメなんですよぇ。
先ほども言いましたが、ネジ式は『花立て』をクルクル回さないと設置できません。
しかも、回すのは1~2回程度じゃだめです、6~7回くらいクルクルやんないと最後まで締まらないんですよ。
それに、ちゃんと最後までしっかり回さないと、締めが甘くて取り付け金具から外れてしまうことだってあるんです。
ちなみに、クルクル回さなきゃいけないのは、『花立て』を取り外す時も同じですからね。
洗う時にクルクル回して取り外し、それでまた設置する時にクルクル回すんですよ、あ〜もう面倒くさい!
正直なところ、「なぜこんな面倒くさい形状のモノを作ったんだ?」って思いますよ。
【ネジ式】なんて時代遅れというか、メリットはほぼありません。
お墓を建てかえる時は、『花立て』を【ステンレス製+ネジ式】にはしないようにしましょう。
【プラスチック製+ネジ式】の花立ては最悪。今すぐ交換すべき!
ここで、ヤメておくべきタイプの『花立て』を紹介します。
それは、
【プラスチック製+ネジ式】
のタイプです。
まず、長期間にわたって屋外で使用するものなのに、なんで【プラスチック製】やねん!って話です。
まぁ、たしかにプラスチック製だから価格は安い。
でも、プラスチック製は劣化が早いんです。
どんなに『雨に強くて劣化しにくいプラスチックを使用しています!』みたいな宣伝をしていたとしても、そんなもんはステンレスの足元にも及ばない。
実際にすぐ表面もザラザラになるし、色があせてしまって【見た目】の劣化がヒドいですよ。
しかも、すぐにヒビが入ってしまうので水が抜けてしまい、そうなると、もはや『花立て』の仕事をしていません。
なぜすぐにヒビが入ってしまうかというと、真冬になると『花立て』の中の水が凍ってしまうからです。
水は凍ると膨らみますよね?
それで、劣化した弱い花立てを割ってしまうのです。
買ったばかりなら大丈夫なんですけど、劣化している状態だと簡単にヒビが入りますから要注意です。
そんなプラスチック製に【ネジ式】なんかが合わさったら、もうそれは『最悪の花立て』となります。
なにしろ【プラスチック製の悪いところ】と【ネジ式の悪いところ】を合わせ持ったもの、ということですからね。
ということで、
【ネプラスチック製+ネジ式】の花立ては最悪
ですからヤメましょう。
もしもあなたの家のお墓にこのタイプの『花立て』があるのなら、悪いことは言いませんから、今すぐ交換することをおすすめします。
どこで『花立て』を購入するの?
この記事をここまで読んできて、
と思った人もいることでしょう。
では、『花立て』というのは、どこで購入すればいいのでしょう?
お墓の『花立て』は、
石材店に依頼をして購入する
のが1番いいです。
やはり、お墓に関することは『石材店』にお願いするのがベストです。
あっ、『花立て』だけを買うならホームセンターやインターネットでも大丈夫ですよ。
しかし、【ネジ式】から【落とし込み式】に変更する場合などは、『花立て』の台座となる《石》も交換しなければいけません。
そうなると、石材を専門に取り扱う『石材店』に相談する必要があるのです。
台座の《石》から購入する場合は、石材店の人にお墓を一度見てもらいましょう。
専門家の目でちゃんと見てもらうことによって、
- 適した『花立て』のサイズ
- 適した『花立て』の形状
- 適した石の種類
を正しく判断してもらえます。
また、『花立て』だけ購入する場合でも、石材店であればいろんな種類のものから選べるのでおすすめです。
ちなみに、『花立て』を購入する石材店は、基本的に【あなたの家のお墓を建てた石材店】にしましょう。
その方が、あなた自身も安心でしょうし、石材店の方も親切に対応してくれますよ。
『花立て』の手入れ方法
最後に、基本的な『花立て』の手入れ方法を紹介します。
お墓の『花立て』はずっと外にあるものですし、生花を供えるものですから、どうしても汚れてしまいます。
でも、ちゃんと手入れをしてあげれば、キレイに長持ちさせることができます。
お墓の『花立て』の手入れは、
- 毎回ちゃんと取り外して、しっかりと水洗いをする。
- 『花立て』の中の汚れは、市販の【コップ(グラス)用スポンジ】で落とす。
- もしもサビがあったら、素材に適した【サビ取り剤】を使ってサビを落とす。
- 洗った後の濡れた『花立て』は、絶対に重ねない!
といったカンジです。
『花立て』は毎回ちゃんと取り外して、ていねいに水で洗ってくださいね。
ここをサボると、表面の輝きが無くなって色がくすんだり、場合によってはシミのようなものができてしまいます。
そして、『花立て』で1番汚れるのが、筒の中です。
しかも、手を突っ込んでも指が奥底までなかなか届きません。
ですから、『花立て』の中は、市販の【コップ(グラス)用スポンジ】を使うといいですよ、奥底までキレイに汚れを落とせますので。
ずっと外にある『花立て』は、ときにはサビができてしまうことがあります。
できてしまったサビは、【サビ取り剤】を使って落としましょう。
ただし、サビ取り剤を使うときには、
- 使用できる素材
- 使用する量
を確認しておきましょう。
不適切なサビ取り剤を使うと『花立て』を傷つけてしまいますので注意してください。
しっかりと洗ってキレイになった『花立て』ですが、濡れたまま重ねないように十分に注意してください。
濡れたまま重ねてハマってしまうと、ビックリするほど固くて取り外せなくなります。
もしもハマってしまったときの対処法は、『お墓の『花立て』を重ねて取れなくなった時の対処法』の記事で詳しく紹介していますので読んでみてください。
まとめ:お墓の『花立て』は【ステンレス製+落とし込み式】にしましょう。
お墓参りの時にはお花を供えます。
だから、『花立て』はお墓参りのたびに洗う必要があるんですよね。
となると、『花立て』というのは【使い勝手のよさ】がメチャクチャ重要なポイントになるわけです。
取り扱いやすい『花立て』というのは、
ステンレス製+落とし込み式
のタイプです。
このタイプであれば、簡単には壊れませんし、洗う時にも取り外しがとてもラクなんですよね。
ネジ式だと取り外しが面倒ですし、プラスチック製は安価ですがすぐに劣化しちゃいますから、どちらを選んでもストレスがあるのです。
ネジ式もプラスチック製も、残念ながら【昔に流行った時代遅れなタイプ】といえます。
ですから、もしもお墓を建て直す予定があるのなら、ストレスなくお墓参りをするためにも、『花立て』は【ステンレス製+落とし込み式】にしましょう。