- 結婚式に出席する日にお葬式が重なったら、どちらへ行けばいいの?
- 結婚式とお葬式、それぞれ出席と欠席を判断するための基準を知りたい。
- 結婚式とお葬式、欠席するときには何をすればいいの?
人間はいつその命を終えるのか誰にも分かりません。
ですから、お葬式の知らせはいつも急にやって来ます。
その結果、
あなたにとって大切な人の結婚式の日に、親戚のお葬式が重なった
ということもあります。
そんな時、あなたは【結婚式】と【お葬式】のどちらへ出席したらいいのか、ものすごく迷ってしまいますよね?
結婚式とお葬式が重なった場合、どちらへ行くかは、
あなたとその人(あるいは故人)の関係性
で決めましょう。
この記事を読めば、
- どのような場合にどちらへ出席する方がいいのか
- 欠席する場合はどのようにすればよいのか
が分かります。
結婚式とお葬式が重なることなんてあまりないですが、いざそうなった場合には役に立つ情報なのでぜひ読んでみてください。
基本的にはお葬式に参列する
お葬式の知らせは急に来るので、まれに【結婚式の日とお葬式の日が重なってしまう】ということがあります。
とても悩むところですが、結婚式とお葬式が同じ日に重なってしまった場合は、
お葬式に参列する
というのが一般的です。
僕も基本的にはその方がいいと思いますよ。
結婚式は、新郎と新婦の新たな門出を祝うために行われる慶(よろこ)びの儀式、いわゆる『慶事』です。
一方で、お葬式は、故人の逝去を悼み最後のお別れをする弔(とむら)いの儀式、いわゆる『弔事』です。
慶事はお祝い事なので、何度あってもよいことです(結婚式に限り、同じ人が何度もない方がいいですけどね)。
そして、お祝いをする気持ちは後になってから何回でも伝えられます。
反対に、弔事はお悔やみ事なので、できるだけ無い方がいいのです。
そして、故人の姿を見ながら感謝の気持ちを伝えることができるのはお葬式の日が最後、です。
つまり、弔事は一度きりのものです。
となると、
一度きりのものを優先するべき
という考えになるわけです。
このようなことから、
お葬式の方を優先させるべき
と言われるのです。
【結婚する知人】や【故人】が、あなたとどのような関係性にあるのかで判断する
一般的には結婚式よりもお葬式を優先させるのですが、必ずそのようにしなければいけない、というわけではありません。
結婚式とお葬式、どちらへ行くかの判断は、
- 結婚する知人とあなたの関係性
- 故人とあなたの関係性
によって変わります。
あなたと故人との関係性の方が【深い=近い】場合
結婚する知人、そして故人とあなたの関係性を考えてみましょう。
もしも、結婚する知人とあなたの関係性よりも、故人とあなたの関係性の方が【深い】場合は、お葬式の方へ参列しましょう。
では、あなたと故人の関係性において、どの範囲までを【関係性が深い】と考えればよいのでしょうか?
一般的には、
- 自分の両親
- 配偶者の両親
- 子
- 自分の祖父母
- 孫
くらいであれば、あなたと故人の【関係性が深い】と判断してよいと思います。
これらの【関係性が深い】人が他界された場合は、お葬式の方を優先すべきです。
というか、これだけ深い関係性にあれば、あなたが【喪主】を務めることもあるかもしれませんね。
ちなみに、関係性の深い人の中で『配偶者』は除外しておきました。
縁起でもない話ですが、仮にあなたの配偶者が他界された場合、きっとあなたが【喪主】になるでしょう。
あなたが喪主になったら、お葬式の日程を調整できます。
その時は、お葬式の日程を【結婚式の後】にすることが可能です。
そうなれば、知人の結婚式に出席することができます。
とはいえ、配偶者が亡くなったら、さすがに結婚式に出席できるような心理状態ではないですよね。
あなたの配偶者が他界した場合は、なるべく外出せずに故人のそばにいてあげましょう。
結婚式の直前に欠席する時のマナー
お葬式の方へ参列すると決めたら、結婚する知人にできるだけ早く欠席の連絡をしてください。
結婚式とお葬式の日が重なり、お葬式の方へ参列するということは、【結婚式の直前】に欠席の連絡をすることになります。
結婚する知人にとって、『直前に欠席の連絡が来る』というのは非常に迷惑なことなのです。
ですから、欠席の旨を知らせる際には、事情も説明して必ず謝罪をしてください。
よく、一般的なマナーとして、
結婚式の欠席の連絡をするときには、【お葬式】が理由であることを言わない方がよい。
と言われています。
でも、それは結婚する知人に対して失礼なことだと僕は思いますよ。
結婚する知人としては、【あなたが当日に出席してくれるもの】と期待をして準備していたはずです。
しかも、結婚式の直前というのは【キャンセル料】が発生する段階です。
そんな迷惑をかけるような段階で欠席の連絡をするんですよ?
それなのに理由を説明しない方がいいなんて、そんなのオカシイでしょ?
結婚式に招かれるくらいの間柄なのですから、変にゴマかさないでちゃんと理由を説明するのがマナーだと思いますよ。
そして、結婚式を欠席して、後日にお祝いを伝えに行く時には、ご祝儀を『本来渡すつもりだった金額のまま』で渡すようにしましょう。
また、めったにあることではありませんが、どうしても結婚式の当日になって欠席せざるを得ないということがあるかもしれません。
そのような場合、欠席の連絡は主催者本人ではなく、結婚式が行われる式場の方にするようにしてください。
結婚式の当日なんて、主催者は大忙しなので、あなたの連絡を受けているヒマなんてありませんから。
まぁいくらなんでも、『今日の深夜に他界して、そのまま同じ日にお葬式を行う』なんてことはありません。
だいたいの場合は、お通夜やお葬式の日までに2〜3日間くらいは空きます。
お葬式の知らせを受けて、結婚式の方を欠席すると決めたら、とにかくすぐに結婚式の主催者へ連絡するのがマナーです。
あなたと故人との関係性の方が【浅い】場合
結婚する知人とあなたの関係性の方が深く、故人との関係性が【浅い】場合は、結婚式の方へ出席してかまいません。
ただし、お葬式の方を欠席する場合には少し注意することがあります。
お葬式を欠席する時の注意点
お葬式の方を欠席する場合も、やはりできるだけ早く喪主に欠席する旨を連絡しなければなりません。
お葬式というのは、式の当日まで数日間しかありません。
その間には、お料理の数や返礼品の数を概算でも出さなくてはなりません。
ですから、喪主はお葬式の弔問客が何人くらいなのかを早く知っておきたいのです。
ですから、お葬式を欠席すると決めたら、すぐに電話で連絡しておきましょう。
そして、その後は、お悔やみの弔電を打っておき、後日に『御霊前』を持って改めて喪主宅へお線香をあげに行くとよいでしょう。
さて、ここで注意点が2つほどあります。
それは、
- 結婚式を理由にして欠席しない
- 結婚式とお葬式で『共通する知り合い』がいる場合は、お葬式に参列する方が無難
の2つです。
まず、『結婚式を理由にして欠席しない』ということに注意してください。
結婚式を欠席する場合はちゃんと理由を説明すべきですが、お葬式を欠席する場合は理由を言わなくていいです。
先ほども言いましたが、基本的には慶事よりも弔事の方が優先されます。
つまり、慶事である『結婚式』の方に出席するという理由は、故人との最後のお別れの方が優先順位が低い、と言っているのと同じことなのです。
ですから、『結婚式』を理由にお葬式を欠席することは、喪主に対して失礼にあたるわけです。
お葬式を欠席する時は、少し心苦しいかもしれませんが、
というような言い方で伝えておきましょう。
ちなみに、【結婚式とお葬式で共通する知人がいる】場合は、お葬式へ出席した方がいいですよ。
これもやはり、慶事より弔事が優先であることが理由です。
共通する知人がいて、仮にあなたが結婚式の方へ出席して、共通する知人はお葬式に参列したとします。
共通する知人は、あなたが本来は優先するべきお葬式には参列せず、結婚式へ出席したことが分かります。
そして、それが後々になって、共通する知人を介して《あなたが結婚式の方へ出席したことが喪主に知られてしまう》という可能性があるからです。
そうなると、あなたと喪主の今後の関係に悪い影響が出てしまうかもしれません。
ですから、共通する知り合いがいる場合、判断は非常に難しいと思います。
あなたにとって大切な人の結婚式なのであれば、もちろん結婚式へ出席することはかまわないと思います。
ただ、お葬式の方へ参列する方が無難であることには変わりません。
結婚式とお葬式の両方に出席できる場合
お葬式は午前中に行われることが多いです。
一方で、結婚式は午後から夕方にかけて行われることが多いです。
ですから、もしも、
- 【お葬式の閉式時間】と【結婚式の開式時間】との間に十分な時間がある
- それぞれの式場が近い場所にある
といった場合は、お葬式と結婚式の両方に出席することも可能です。
可能ではありますが、その日は非常にハードな一日となりそうですね。
お葬式に参列して、急いで着替えて、次の結婚式場に移動して、そこからまた約2〜3時間の結婚式に出席するのです。
想像しただけでも疲れてしまいそうなハードスケジュールです。
でも、もしそれができれば、喪主と結婚式の主催者の両者の顔を立てられます。
ただし、同じ日に結婚式とお葬式の両方へ出席する時は、
- 火葬場までは行かない
- 同じ礼服を着るなら【お香(焼香)】のニオイを消しておく
- 先にお葬式に参列してきたことを言わない
といった注意点があります。
火葬場までは行かない
結婚式に出席するためには、お葬式に参列した流れで火葬場まで行かないようにしてください。
お葬式は午前中に行うことがほとんどですが、この場合は火葬をする時間が午後になってしまうからです。
そして、火葬場での滞在時間は、およそ2時間半くらいあります。
ですから、火葬場まで行ってしまうと、たぶん結婚式には間に合わなくなるでしょう。
火葬場には、基本的に故人の家族や親族が行きます。
あなたが故人の親族の立場で、さらに知人の結婚式にも参列したいのであれば、
と喪主に伝えて、火葬場までは行かないようにしましょう。
もしも親族以外の立場であれば、お葬式に参列しただけでも十分なので、火葬場まで行く必要がありませんから大丈夫です。
火葬場まで行かない場合は、出棺時に式場での【お見送り】をするようにしましょう。
同じ礼服を着るなら【お香(焼香)】のニオイを消しておく
お葬式で着ていた喪服は、そのまま結婚式用の礼服として着て行くこともできます。
しかし、お葬式の式場は【お焼香】の煙で充満しており、式が終わる頃には礼服にお焼香のニオイが染みついています。
お焼香のニオイはけっこう強めです。
あなたが思う以上に周囲にお焼香のニオイを漂わせているはずです。
同じ礼服を着る場合、結婚式場にお焼香のニオイをさせていくのは良くないので、消臭スプレーなどで可能なかぎり消臭をした方がいいと思いますよ。
とはいえ、最近では、結婚式で礼服を着ているのはほとんどが親族なので、知人の結婚式に出席するときは【結婚式に適した他の服】に着替えることが望ましいですね。
先にお葬式に参列してきたことを言わない
結婚式はお祝いごとです。
お祝いの席なのですから、『ついさっきまでお葬式に参列していた』ことはわざわざ周囲の人に言わないでおきましょうね。
お葬式から結婚式というハードスケジュールなんてめったにないことなので、
みたいに、変な自慢をしたくなるかもしれませんが、それはヤメましょう。
お祝いの席にいるときには『縁起の悪いこと』を言わない方がいいのです。
これは、結婚式での最低限のマナーですから気をつけてください。
忌中や喪中のときは結婚式に出席していいの?
家族に不幸があった場合、その家族は一定期間、
- お祝い事は控える
- 派手な行動は控える
というのが慣例です。
これはつまり、しばらくの間は【故人を偲ぶ】ことが優先ですよ、ということです。
そして、この【故人を偲ぶ】べき期間というのは、
- 『忌中(きちゅう)』=49日間
- 『喪中(もちゅう)』=1年間
の2つがあります。
もしも、これらの期間に『知人の結婚式』への招待があった場合はどうすればいいのでしょう?
そのような場合は、
結婚式への出席は辞退する
というのが一般的です。
【忌中】も【喪中】も、故人を偲んで喪に服す期間なので、そこでお祝い事である結婚式には出席できない、ということですね。
特に、お葬式が終わって間もない【忌中】である場合は、結婚式への出席を辞退することが多いです。
ただし、それはあくまで一般的な話です。
僕は、【故人を偲ぶこと】と【お祝い事】は分けて考えていいと思いますよ。
あなたにとって大切な人の結婚式なら、忌中だろうが喪中だろうが、それはそれとして分けて考えて、結婚式には出席してちゃんと祝ってあげるべきだと思います。
っていうか、べつに、仏教では『人が亡くなったら一定期間は喪に服すべし!』なんて言っていませんから。
それに、亡くなった人だって、自分のために家族が喪に服してくれることは嬉しいかもしれませんが、それによって『行動を制限させている』としたら「えっ、いや、そこまで気にしなくてもいいんだけど・・・。」って言うんじゃないでしょうか?
だから、あなたが忌中や喪中のときに知人の結婚式の招待が来たら、ぜひ出席してあげてください。
それでも、忌中や喪中であることが気になるようであれば、
と、一応は、形式的に、とりあえず、軽~くお断りしてみます。
そこで、もしも知人が、
と言ったら、そこは気持ちにこたえて出席しましょう。
まとめ:基本的にはお葬式を優先。でも、あなたとの関係性を考えて決めましょう。
結婚式とお葬式が同じ日に重なるなんて、めったには無いことです。
でも、もしもそのような事態になったら、基本的には、
お葬式に参列する
ということを覚えておいてください。
そして、それは、
- あなたと結婚式の主催者の関係
- あなたと故人の関係
によって変えてもかまわないと思います。
いずれにせよ、どちらへ出席するのかを最終的に決めるのはあなたです。
どちらを選んでも悔いのないように、そして、欠席する方には誠意をもって連絡をするようにしてください。