家族が亡くなると、お寺(お坊さん)にお葬式を依頼します。
そのため、「お葬式のことは全部お寺が手配してくれる。」と思っている人が多いです。
しかし、お葬式に関することを全部やってくれるお寺はごく少数です。
では、お葬式をするときには一体どこへ依頼をすればよいのでしょうか。
この記事では、お坊さんの僕が【お葬式をするときの依頼先】について解説しています。
お葬式の依頼先について誤解している人がとても多いので、この記事で確認をしてみてください。
筆者:未熟僧(みじゅくそう)
お坊さん歴25年超の経験をもとに、仏事(お葬式・お墓など)の疑問解消、人間関係の悩み対策、僧侶の裏事情について発信しています。
お寺で『お葬式に関すること全部』を手配してくれるの?
先日、僕がいる寺の信者さんにこんな質問をされました。
「お葬式をする場合、お寺さんにお願いすれば全部手配をしてもらえるのですか?」
じつは、お葬式に関することを全部お寺が手配する、というのは稀なケースです。
ですから、基本的に『全部お寺に任せれば大丈夫』ということはないです。
では、お葬式はどこに依頼をすればよいか。
お葬式は、もちろん【お寺】に依頼をしますが、その他にも【葬儀社】へ依頼をします。
依頼をする順番としては、
- 葬儀社
- お寺
の順です。
ご遺体の搬送や火葬場の予約など、先に決めなくてはいけないことがあるので、まずは葬儀社へ依頼します。
その後で、お寺へ故人の供養の依頼をします。
ちなみに、昔は家族が亡くなると、たとえ深夜でもすぐにお寺へ連絡をしていました。
これは、仏事があるときには、何よりもお寺を優先していたからです。
しかし、お寺としては深夜に連絡を受けたところで、すぐに自宅まで行ってお経をあげるわけではなく、早くても翌朝に対応することになります。
ですから、近年では、深夜に亡くなった場合でもすぐにお寺へ連絡せず、翌日の午前中に連絡することがほとんどです。
お寺と葬儀社に依頼をする内容の違い
お葬式のときに『お寺』と『葬儀社』に依頼をするのは、両者の役割がまったく違うからです。
葬儀社に依頼する内容
家族が亡くなると、まずは葬儀社に連絡をします。
近年では病院で亡くなるケースが多いですが、その場合、ご遺体をなるべく早く他の場所へ搬送する必要があります。
ご遺体は葬儀社が搬送してくれるので、家族が亡くなったら、まずは葬儀社へ連絡しなくてはならないのです。
また、日本の場合はご遺体を火葬する必要がありますが、火葬場の空き状況を確認できるのも葬儀社です。
このようなことから、優先的に連絡をするべきなのは、お寺ではなく葬儀社となります。
そして、葬儀社との打ち合わせでは、概ね以下のようなことを決めていきます。
- どのような形式で執り行うのか
- 日程や式場
- 使用する物品と個数(祭壇・棺・料理・引き出物など)
- 役所への手続きなど代行してもらうもの
つまり、お葬式の事前準備から当日のことまで、【お葬式の全体】については葬儀社へ依頼をするのです。
ちなみに、お葬式について他にも決めることはたくさんあり、詳しくは別記事で紹介していますので読んでみてください。
お寺に依頼する内容
葬儀社に連絡をした後は、お寺に連絡をします。
お寺に依頼するのは【故人の供養(法要)】に関する部分です。
そのため、お寺へ連絡したら、以下のことを行います。
- 葬儀日程の許可を得る
- お葬式の形式の確認
- 戒名(法名)に関する打ち合わせ
- お布施の確認
このように、お寺が関わるのはあくまで【故人の供養】のところだけで、その他については関与しません。
ですから、家族が亡くなってすぐに連絡すべきは、お寺ではなく葬儀社なのです。
もちろん、お葬式というのはいろんな形があるので、場合によっては『お寺への依頼なし』で行うこともできます。
ただし、あなたの家のお墓が【お寺】にある場合は『お寺への依頼なし』でお葬式をすることができません。
どうしても『お寺(お坊さん)無し』でお葬式をしたければ、お寺との付き合いを解消する必要があるのです。
お寺との付き合いを見直したいという場合は、別記事の『お寺の檀家とは何か。檀家になるとデメリットだらけでメリットは少ない』を読んでみてください。
葬儀社を事前に決めておくとスムーズ
「お寺より先に葬儀社へ連絡といっても、どこの葬儀社へ連絡をすればいいの?」と思いますよね。
互助会などで日頃から付き合いのある葬儀社があれば、もしものときはその葬儀社へ連絡をしてください。
しかし、どこの葬儀社とも付き合いが無いというケースもあるでしょう。
そんな場合は、病院から紹介された葬儀社へ連絡をするという選択肢もあります。
ただし、病院から紹介された葬儀社だからといって、必ずしも優良な葬儀社であるとは限りません。
じつは、病院紹介の葬儀社とのトラブルというのはよくあることなのです。
ですから、お坊さんの僕としては、いずれお世話になる葬儀社を事前に決めておくことをおすすめします。
前もって複数社の資料を取り寄せ、それをもとに家族みんなで比較検討し、最適な葬儀社を選んでおきましょう。
また、事前に互助会に入って契約コースを決めておけば、いざというときに慌てずスムーズにお葬式を執り行うことができます。
さらに、互助会で積み立てを済ませておくことで、お葬式のときに大きな特典を受けられ、葬儀費用を大幅に軽減できます。
終活の1つとして互助会に入っている人も多いので、互助会について知っておくだけでも損はないでしょう。
【関連記事】:互助会って結局なに?知らないと損する互助会の基礎知識をやさしく解説
まとめ
お寺は、お葬式の手配を全部やってくれるわけではありません。
家族が亡くなったら、まずは葬儀社へ連絡をし、その後で日中の時間帯にお寺へ連絡をしましょう。
葬儀社は【お葬式の全体】に関することを担い、お寺は【故人の供養(法要)】に関することだけを担います。
人はいつ命を終えるか分かりませんので、いざというときのために今のうちから『いずれお世話になる葬儀社』を決めておくとよいでしょう。
葬儀社を決めるときは、互助会のあるような『規模が大きく信頼できる葬儀社』を選んでおけば安心です。
お葬式については、いろんな資料を見ながら家族みんなでよく話し合い、できるだけ早くから準備をしておきましょう。
※互助会を選ぶときは、こちらの記事をご参考にどうぞ。
