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仏事全般

【やっぱり不謹慎?】喪中に誕生日のお祝いをしてはいけないの?

黒くて四角い箱のプレゼントを持つスーツ姿の男性

お坊さん歴20年以上の未熟僧みじゅくそうと申します。

こんな人に向けて書いています
  • 喪中に誕生日のお祝いをしたら不謹慎なの?
  • 喪中でも家族の誕生日のお祝いをしてあげたい。
  • 喪中でも誕生日祝いをする方法はないの?

日本では【喪中の祝い事を避ける】という習慣があるため『喪中に誕生日祝いをしてはいけない』とされています。

そうすると、喪中の1年間は家族全員の誕生日を祝えないことになりますよね。

しかし、喪中とはいえ、そこまでして祝い事を避ける必要があるのでしょうか?

結論を言いますと、喪中でも誕生日のお祝いをしてかまいません。

この記事では、

  • 喪中の意味
  • 喪中に誕生日祝いをしてもいい理由
  • 喪中に誕生日祝いをする方法

について書いています。

あなたには『故人を偲ぶ気持ち』と『家族の誕生日を祝う気持ち』の両方を大切にしてもらいたいので最後まで読んでみてください。

喪中とは何か

人が亡くなると、その家族は1年間の【喪中】と呼ばれる期間を過ごします。

喪中の期間は、できるだけ『祝い事』や『派手な行動』を慎むべきとされています。

喪中の意味

あなたは12月に『喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます』というような【喪中ハガキ】を受け取ったことがありますよね?

ご存じのように【喪中ハガキ】とは、喪中の人が『新年のお祝いの挨拶を控える』ことを知らせるハガキです。

このように、日常生活で【喪中】という言葉がたびたび使われます。

じつは、喪中という言葉は略語であり、本来は『服喪中(ふくもちゅう)』といいます。

服喪中とは、字のとおり【喪に服す期間中】のことであり、亡くなった家族を偲んで慎ましやかに過ごす期間を意味し、これがやがて『喪中』と略されました。

そして、『喪中』の期間は【1年間】というのが一般的です。

つまり、【喪中】は亡くなった家族を偲ぶことに専念する1年間ということです。

喪中は祝い事や派手な行動を慎む

1年間は【亡くなった家族を偲ぶ】ことに専念するといっても、具体的にはどのように過ごせばいいのでしょう?

喪中は、

  • 祝い事をしない
  • 派手な行動を控える

という期間なので、『結婚式』なんていうのはダメなんですよね。

実際に僕の友人でも、結婚式を1か月後に控えていたところ、同居していた祖父が亡くなってしまい式を1年後に延期したという人がいました。

結婚式以外にも祝い事はありますが、基本的に喪中はすべての祝い事を控えなければいけません。

また、旅行、家の新築やリフォームなどは『派手な行動』となり、喪中の間は慎むべきとされています。

喪中に誕生日のお祝いをするのは不謹慎?

喪中の『祝い事』がダメなので、当然ながら【誕生日のお祝い】もダメということになります。

誰かの誕生日を祝うときには「誕生日おめでとう!」と言いますよね。

家族が亡くなって1年もたたずに『おめでとう』の言葉は不謹慎であるため、喪中の1年間は家族みんなの誕生日のお祝いができないのです。

・・・とはいえ、誕生日は1年に1度の大切な日ですから、たとえ喪中でもちゃんと祝いたいですよね。

ですから、喪中でも誕生日のお祝いをしてかまわないですよ。

とりあえず仏教には『喪中の誕生日祝い』に関する決まりはないので家族の誕生日くらいは喪中であることを気にしなくても問題ありません

それに、あなたが家族の誕生日を祝いたいと思うように、故人も家族の誕生日を祝いたいと思うのではないでしょうか?

故人だって家族と一緒に「お誕生日、おめでとう!」と言いたいはず。

本当に故人を偲んでいるのなら、故人に喜んでもらうためにも、ちゃんと家族の誕生日を祝ってあげましょうよ。

ですから、世間では「喪中に誕生日祝いをするのは不謹慎だ」と言われていますが、そんなの気にせず誕生日のお祝いをしてあげてください。

そもそも、日本人は仏教と神道とキリスト教の行事をごちゃ混ぜにしてるくらい【宗教】に対してアバウトなのに、誰かが亡くなったときだけ急に「喪中だから・・・」なんて言っているのはおかしい。

宗教に対してアバウトな日本人だからこそ、喪中であっても誕生日のお祝いをしたっていいのではないですか?

喪中に誕生日祝いをする方法

喪中でも誕生日祝いをしたってかまいません。

とはいえ、やっぱり少し喪中のことが気になるあなたのために、僕が『こういう方法で祝えばいいかな』というものを紹介します。

他の人には言わず、家族だけで祝う

僕は、【故人を偲ぶため】にも故人と一緒に家族みんなで誕生日のお祝いをするのがいいと思っています。

大丈夫、『不謹慎』なんてことはありませんから気にしなくてもいいです。

ただし、他の人がどう思うかは分かりませんよ。

他の人はこの記事を読んでいないので【喪中の誕生日祝い=不謹慎】だと思っているかもしれません。

ということで、喪中の誕生日のお祝いは、他の人には言わず、家族だけで祝うのが無難です。

もしも親戚や知人で【慣習やしきたりにうるさい人】がいたら、その人には内緒にしておきましょう。

そういう人に喪中に誕生日祝いをしたことを話したら「そんな不謹慎なことをして!」って言われるのはもちろん、いくら説明したところで理解してもらえません。

ですから、他の人には言わないで家族だけでお祝いをしましょう。

「おめでとう」ではなく「ありがとう」と言ってみては?

ここまで読んでくれたあなたは、もうだいぶ「喪中でも誕生日のお祝いをしてもいいかな。」と思ってくれていますよね?

しかし、それでもまだ【喪中】が気になる人もいるでしょう。

おそらく「おめでとう」の言葉を発することが気になる原因の1つなのだと思います。

それなら、「おめでとう」ではなく「ありがとう」と言ってみてはどうでしょう?

つまり、「お誕生日、ありがとう!」と言うのです。

・・・違和感がありますか?

誕生日を祝う目的は、今年も無事に誕生日を迎えられたことを喜ぶためです。

無事に1年間を過ごすことができたのは『家族』の存在があったからこそ。

ですから、誕生日を迎えた当人は、家族に対して「おかげ様で、また無事に誕生日を迎えられました、ありがとう。」と言いましょう。

そして、家族は誕生日を迎えた人に対して《あなたが無事に誕生日を迎えてくれて嬉しいよ、ありがとう》という意味で「お誕生日、ありがとう!」と言いましょう。

誕生日を通じて【祝い】の言葉の代わりに、家族同士でお互いに【感謝】の言葉を言い合ってください。

もちろん、家族の中には【故人】も含まれていますよ。

家族以外で喪中の人の誕生日を祝う場合

あなたの家族の誕生日は、喪中であっても余計なことは気にせずお祝いをしてかまいません。

しかし、家族以外で喪中の人の誕生日を祝う場合は、ある程度の配慮が必要になります。

家族以外の人の場合は、その人の《状況》や《性格》を考えてあげることが大事です。

身内が亡くなってまだ間もない人の場合

家族以外で喪中の人に対しては、誕生日であっても『おめでとう』の言葉は出さないほうが無難です。

特に、身内を亡くしてまだ間もないような人に『おめでとう』は禁句です。

しかし、その人の誕生日を祝ってあげたいと思うなら、お祝いの言葉を使わずに気持ちを伝えてみてください。

喪中に『おめでとう』を使うことが不適切なのであれば、誕生日を迎える人に向けた言葉から【祝いの要素】を抜いてあげましょう。

例えば、

  • 「今日は誕生日だね。」と事実をそのまま伝える
  • 「いつもありがとう。」などの感謝の気持ちを伝える

といった方法であれば喪中でも問題ありません。

直接的な祝いの言葉を使わず、あなたの《表情》や《声のトーン》でお祝いの気持ちを伝えてみてください。

しかし、身内を亡くして間もない場合【誕生日どころではない】という心境になっていることもあります。

あなたとしては祝いたい気持ちがあっても、そこはやはり相手の状況を優先し、しばらく間を空けて後日に祝ってあげてください。

誕生日を重要視している人の場合

誕生日というのは1年に1度の重要なイベントですから【誕生日を重要視している人】は多いものです。

そのような【誕生日を重要視している人】が喪中であった場合、普段通りちゃんと誕生日のお祝いをしてあげてください。

誕生日を重要視している人は、喪中と誕生日をしっかりと切り離して考えていますので、たとえ喪中であろうと《誕生日のお祝いをしない》という選択肢は当人の中にはありません。

喪中を迎えている当人が「誕生日を祝ってほしい。」と思っているのですから、そこは要望に応えてあげて、誰も何も気にすることなく普段通りのお祝いをしてあげてください。

まとめ:喪中でも誕生日のお祝いをしてください

【喪中】の期間は『祝い事』を避けるべきとされているため、「喪中に『誕生日のお祝い』をしてはいけない」と言う人がいます。

たしかに誕生日は『祝い事』なので、喪中期間には慎むべきものかもしれません。

しかし、大事な家族の誕生日なのですから、喪中であってもお祝いをしてかまいません。

あなたの家族は【故人の家族】でもありますので、きっと故人だって家族の誕生日を祝ってあげたいと思っているはずです。

ですから、とりあえず他の人には言わないようにして、故人も含めて家族みんなで祝えばいいんですよ。

でも、喪中に『おめでとう』の言葉を発することに対して抵抗がある場合は、「おめでとう」を「ありがとう」に替えてみてください。

誕生日祝いというのは本来【1年間を無事に過ごせたこと】を喜び、そして家族に感謝をする日です。

喪中の期間は、誕生日を迎えたことの《喜び》よりも《感謝》の方をメインに考えて過ごしましょう。

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