愛犬は大切な【家族の一員】なので、お墓参りにも一緒に連れて行ってあげたい。
とはいえ、
- お墓に愛犬を連れて行ってもいいのかな?
- もしものトラブルがあったらどうしよう・・・。
- お寺や霊園に対して失礼にならないかな?
と不安になりますよね。
じつは、お坊さん歴25年以上の僕の立場としては、お墓参りにワンちゃんを連れて行くことにあまり賛成できないのです。
お墓参りをするときは、可哀想ですが、愛犬には『自宅で留守番』をしてもらうことをおすすめします。
この記事では、
- 愛犬に『自宅での留守番』を強く勧める本当の理由
- もしも一緒にお墓参りをする場合、絶対守るべきマナーと注意点
について書いています。
未熟僧『愛犬を連れてのお墓参り』に関する心配や疑問が解消されますので最後まで読んでみてください。
この記事を書いている僕『未熟僧(みじゅくそう)』は、お坊さん歴25年以上。仏事の疑問を解消するいろんな情報を発信しています。
お墓参りに愛犬を連れて行ってもいい?
愛犬と暮らしている人の中には、



ウチの子は大事な家族の一員だから、お墓参りにも一緒に行くわよ。
という人もいます。
僕もワンちゃんが好きなので、その気持ちはよく分かるんですよね。
しかし、『お墓参り』をするとなれば、愛犬には《自宅で留守番》をしてもらう方がいいです。
どんなにお利口なワンちゃんでも、思わぬ失敗をしたりトラブルを起こす可能性があります。
その場合、相手の怒りや恨みが、飼い主ではなく愛犬に向かってしまうこともあるんです。
また、仏教的にも《お墓に動物がいること》はあまり好ましくありません。



なので、可愛いワンちゃんのためにも、お墓参りには連れて行かない方がいいですよ。
とはいえ、愛犬を連れて行くことが【絶対にダメ】というわけではありません。
後ほど紹介する『お墓参りに連れて行くときの注意点』を守っていただければ、愛犬と一緒にお墓参りをすることは可能です。
それに、ワンちゃんだけ家に残すと「自分がいないときに何かあったらどうしよう。」と心配になりますよね。
きっと外出先でも愛犬の様子ばかり気になってしまうはず。
無理に連れて行ってトラブルになるより、あなたも愛犬も安心できる方法を選びませんか?
最近では『家にいる愛犬の様子をスマホで見られる』という便利なアイテムがあります。
これを使えば、離れていても様子をリアルタイムで確認できるため、安心してお墓参りができますよ。
スマホさえあれば、いつでもどこでも様子を確認できて便利なので、気になる方はチェックしてみてください。
お墓参りに愛犬を連れて行かない方がいい理由
愛犬と一緒にお墓参りをしたくても、それができないケースがあります。
じつは、お寺や霊園ではペットの同伴を禁止しているところが多いんですよね。
なぜ禁止されているのか、その背景にはお寺や霊園の事情、そして宗教的な理由があるので詳しく説明します。
どんな子でも【失敗】をしてしまう可能性がある
お墓参りに愛犬を連れて行かない方がよい理由の1つめは、どんな子でも【失敗】をしてしまう可能性があるからです。
普段はとてもお利口さんで行儀のよい子でも、いつもと違う『慣れない場所』では、つい本能的な反応が出てしまうこともあります。
例えば、もしもワンちゃんが【他の家のお墓にオシッコをかけてしまった】としたらどうでしょう?
その家の人は間違いなく怒りますよね、大切なお墓にオシッコをかけられたわけですから。
そうなると、あなたがどんなに謝罪をして、どんなにキレイにそのお墓を掃除したとしても、その家の人はずっと、



あぁ、ここにオシッコをかけられたんだよなぁ・・・。
と忘れることはありません。
あなたも、それ以後はその家の方に合わせる顔がないですよね。
何より悲しいのは、相手の『怒り』や『恨み』が、罪のないあなたの愛犬に向いてしまうこと。
それは、飼い主としては1番避けてあげたいですよね。
さらには、お墓だけではなく、
- お寺や霊園の建物
- 通路
- 植栽
などにもオシッコをしてしまう可能性があります。
僕がいる寺で実際にあったケースですが、本堂から墓地へとつながる通路の脇に、ワンちゃんの尿と思われる『薄い黄色』の小さな水たまりがあったのです。
直前に、その通路の方から中型犬と一緒に歩いてこられた檀家さんがいたので、おそらく、小さな水たまりを作ったのはそのワンちゃんなのだと思います。
しかし、そのときは明らかな証拠がなかったので、特に注意はせず、すぐにその通路の脇を清掃しました。
また、ワンちゃんは本能的な反応が出てしまうことがあります。
万が一、あなたの愛犬が急に興奮して【他の人に噛みついてケガをさせた】なんてことがあると大変です。



場合によっては損害賠償請求をされます。



そんな、ウチの子はお利口だから大丈夫よ。
そうですよね、きっとあなたのワンちゃんはそんな失敗をしないでしょう。
しかし、飼い主であるあなたにはそのことが分かっていても、他の人にとっては『何をするか分からない存在』として見られてしまうんです。
そのため、多くのお寺や霊園では、みんなが安心してお墓参りができるようにペットの連れ込みを禁止しているのです。
鳴き声を「うるさい」と感じる人もいる
お墓参りに愛犬を連れて行かない方がよい理由の2つめは、鳴き声を「うるさい」と感じる人もいるからです。
僕のように、犬が好きな人にとっては鳴き声があまり気になりません。
しかし、犬が苦手な人にとっては鳴き声が【騒音】として聞こえるんです。



あと、急に大きな声で吠えられると、かなりビックリします。
それに、犬が苦手な人にとっては【鳴き声】そのものが怖いのです。
お墓参りというのは【心静かに手を合わせる】ものですが、すぐ近くで犬の鳴き声が響いていたら、それは難しいですよね?
周囲の平穏を乱さないことも、お墓参りの大事なマナーだと僕は思います。
仏教では愛犬も『畜生道で生きている』と考える
お墓参りに愛犬を連れて行かない方がよい理由の3つめは、仏教では『動物は畜生道で生きている』と考えるからです。



これは完全に【宗教的な理由】です。
仏教には、以下の6つの世界で生死を繰り返す『六道(ろくどう)』という考え方があります。
- 天道(てんどう)
- 人道(にんどう)
- 修羅道(しゅらどう)
- 畜生道(ちくしょうどう)←ここが動物の世界
- 餓鬼道(がきどう)
- 地獄道(じごくどう)
これは、悟りを得るまでは【6つの苦しみの世界】で生死を繰り返す、という仏教の世界観です。
そして、1番目の『天道』に近づくほど苦しみが少ない世界、つまり【仏界に近い、高い次元の世界】となります。
六道の考え方によると、私たち人間は2番目の『人道』の世界を生きており、動物たちは4番目の『畜生道』の世界を生きています。
これは、同じ空間にいても人間と動物とではそれぞれに【違う世界】を生きていること、そして人間は他の動物よりも【高い次元の世界】に生きていることを意味するのです。



決して【命の重さ】に優劣をつけているわけではありません。
それで、ここからが大事なところです。
お墓というのは『この世とあの世を結ぶ清らかな場所』とされています。
ですから、そのような清らかな場所に、人間よりも《俗なる存在》とされる動物を連れて行くことは、その場の清浄さを損なう不適切な行為と見なされることもあります。
愛犬家の皆様から猛バッシングを受けそうですが、仏教では人と動物の立場を明確に区別しているため、『ペットの連れ込み禁止』とするお寺や霊園が多いのです。
愛犬と一緒にお墓参りに行くときのマナーと注意点
「どうしても愛犬と一緒にお墓参りがしたい!」という場合もありますよね。
愛犬と一緒にお墓参りする場合は、以下のマナーや注意点をしっかりと守ってください。
- ペットの同伴が可能かどうか、お寺や霊園に必ず確認をする
- 必ずリードをつけて絶対に目を離さない
- できるだけ自宅で排泄させる
- ペット用のオムツをつける
- 他の家の墓地には入れない
- 他のお墓の供物を食べないようにする
- 動物が苦手な人は意外と多いことを意識する
- 夏は日陰に入れてあげる
ペットの同伴が可能かどうか、お寺や霊園に必ず確認をする
まず、ワンちゃんを勝手に連れて行くのは絶対にNGです。
必ず事前に、ホームページや電話などでペットの同伴が可能かどうかをお寺や霊園に確認してください。
近年では『ペットと一緒に入れるお墓』や『ペット専用のお墓』が増えており、そのようなお墓がある霊園であれば、ペットの同伴を許可しているでしょう。
ちなみに、僕がよく行く霊園では【ペットと一緒に】をスローガンに掲げており、ペット連れの霊園利用者で賑わっています。
ペットとお墓に関する記事は別記事でも詳しく解説していますので、興味がある方は読んでみてください。
【関連記事】:愛犬と一緒のお墓に入りたい!お寺がNGを出す理由と解決法
必ずリードをつけて絶対に目を離さない
愛犬とお墓参りをするときは、必ずリードをつけて絶対に目を離さないということだけは厳守してください。
これはもちろん、
- 他の人に接触させないため
- 他のお墓へのマーキングを防ぐため
- 他の人に「飼い主がちゃんと制御している」と安心してもらうため
です。
リードを付けて監視しておくことは、ペットと一緒にお墓参りをする上での絶対条件です。
お墓参りのときには、できるだけ伸縮しない『スタンダードタイプのリード』を使うようにしてください。
ワンちゃんにとっては動きにくく窮屈な思いをさせてしまいますが、お墓参りの間は我慢してもらいましょう。
できるだけ自宅で排泄を済ませておく
お墓参りへ出かける前に、ワンちゃんにはできるだけ自宅で排泄を済ませておくように促してください。
また、もしも外で排泄をしてしまったときのために、【BOS防臭袋】などの《排泄物処理の袋》を持っておくと安心です。
お墓参りは静かで厳粛な場。
お参りをしているときに排泄物のニオイが漏れてしまうと、せっかくの空気を壊してしまいます。
【BOS防臭袋】は排泄物のニオイをしっかり閉じ込め、バッグに入れてもまったく気になりません。
しかも、薄くて軽いため持ち運びもラクで、必要なときにサッと取り出せて便利です。
もしものときに備える、このひと手間が大きな安心につながりますよ。
ペット用のオムツをつける
いくらお利口な子でも、出かける前に排泄できないこともありますよね。
そのようなときにはペット用のオムツをつけてあげてください。
オムツをつけていれば墓石にマーキングしてしまうことがないので安心です。
ただ、オムツを嫌がる子もいるでしょう。
そのようなときは【排泄するのを待ってから出かける】か、あるいは【いつも使用しているトイレシートを持参する】などの対策をしてください。
他の家の墓地には入れない
お墓は【この世とあの世をつなぐもの】であり、とても神聖な場所です。
ですから、他の家の墓地に愛犬を入れないように十分に注意をしてください。
わざとではなかったり、何も悪さをしなかったとしても、それでも他の家の墓地に入れてはいけません。
かなり厳しい言い方ですが、勝手に動物を墓地に入れることは、その墓地を穢(けが)し、その家の仏様たちを冒とくする行為と捉えられかねません。
他の墓地の前を通るときには細心の注意を払いましょう。
他のお墓の供物を食べないようにする
愛犬とお墓参りをするときは、ワンちゃんが他のお墓の供物を食べないように注意してください。
犬の嗅覚は非常に優れており人間の【100万倍~1億倍】とも言われています。



なので、他の家のお墓にある『供物』の匂いしっかりとキャッチしています。
ですから、お墓の前を通るときに美味しそうな供物があると、クンクンクン・・・パクッ!なんてことも。
最近の霊園では小さなお墓を建てる人が増えています。
小さなお墓は、通路と墓石の距離がほとんどないため、通路からそのままお墓へ、線香・お花・供物を供えることができます。
しかし、それはワンちゃんにとっても『口が届く距離』となるので、小さなお墓の前を通るときには特に気をつけましょう。
動物が苦手な人は意外と多いことを意識する
世の中には【犬が苦手】という人も大勢います。
お墓参りをする人は愛犬家ばかりではなく、犬に近寄ることさえできない人だっているんですよね。
以前、僕が法事の参列者のみなさんと墓地の通路を歩いていたところ、目の前にポメラニアンを連れた檀家さんがいました。
すると、そのワンちゃんは僕たちに向かってキャンキャンと激しく吠え始めたのです。
ワンちゃんにとっては、大勢の見知らぬ人間がゾロゾロと自分の方に迫ってくるわけですから、そりゃあ吠えちゃいますよね。
そして、小型犬とはいえ、吠えているときの声量はなかなかのものでした。
すると、参列者の中にいた小学校低学年くらいの女の子が「ママ、怖いよ~」と泣き出してしまったのです。
ペット連れの檀家さんの「あっ、ヤバい!」という顔と、参列者の「ペットは連れて来ないでよ!」という厳しい顔が、その場を何とも『バツの悪い空気』にしたことを今でも覚えています。
同じように、あなたの愛犬が誰かを怖がらせてしまい、結果として愛犬に冷ややかな視線が向けられる可能性があります。
周囲に配慮してお墓参りをすることは、愛犬を守ることにもなるのです。
夏は日陰に入れてあげる
愛犬を夏のお墓参りに連れて行くなら、日陰に入れてあげるようにしましょう。
最近の夏の暑さは異常で、アスファルトや石畳も非常に高温になっています。
真夏の場合は、アスファルトの表面温度が60℃を超えることもあるそうです。
想像してみてください、あなたは【顔の近くがずっと60℃以上の状態】でどのくらいの時間耐えられますか?
地面に近いワンちゃんは、私たちが感じる何倍もの過酷な厚さの中にいるんです。
「ちょっとの間だから大丈夫」という油断が、愛犬の命を危険にさらします。
基本的に愛犬は日陰に入れてあげて、すぐに水分の補給もできるように準備をする。
これができないなら、夏のお墓参りには絶対に愛犬を連れて行くべきではありません。



夏のお墓参りは、いつも以上に注意してあげてください。
小中型犬ならキャリーカートを活用しよう
あなたの愛犬が『小中型犬』なら、キャリーカートに入れて一緒にお墓参りをするという方法もあります。
キャリーカートが1台あれば『犬連れでのお墓参りの注意点』の多くがクリアできます。
キャリーケースには、
- 飼い主の腕が疲れない
- ワンちゃんもラクに過ごせる
- 雨や日差しから守ってあげられる
- カートの収納スペースに犬用グッズを入れられる
- 他の人も「ちゃんと管理されている」と安心できる
というメリットがあります。
ずっと抱っこしておくこともできますが、じつはワンちゃんにとっては意外と窮屈なもの。
キャリーカートの中でくつろげる方がストレスも少なくて快適でしょう。
キャリーカートの中で安心して過ごしてくれる子なら、ぜひ活用してみてください。
ペット連れのお墓参りができるお寺や霊園で、なおかつ愛犬がキャリーカートの中で安心して過ごしてくれる子なら、ぜひ活用してみてください。
犬を車内で待たせるのはどう?
お墓参りをしている間、愛犬を【車の中】で待たせている人がいますが、これは絶対におすすめしません。
お彼岸やお盆の時期によくあります、駐車場でワンちゃんの鳴き声が聞こえたのに、その姿がどこにもいない、ということが。
よく見ると、誰かの車の窓が3分の1ほど開けられており、そこからワンちゃんの鼻が出ているんですよね。
愛犬の『車内待機』は本当にやめてあげてください。
たしかに、車の中で待っていれば誰にも迷惑はかかりませんが、夏場では短時間でも命に関わる危険性があります。
夏場だと、エアコンを切った車内は50℃以上まで上昇し、熱地獄へと変わります。
少し窓を開けていたとしても、それだけで涼しくなるわけではありません。
あなた自身が暑い車内で耐えることを想像してみてください。
しかも、ワンちゃんは「暑いよ、誰か助けて!」って言葉に出せないんですよ?
冬場なら車内温度の問題はありませんが、一緒にお墓参りをしないのであれば、そもそも家で留守番をしてもらえばいいのではないでしょうか?
車内で待たせるくらいなら、一番落ち着く自宅でお留守番をしている方がワンちゃんにとっても快適でしょう。
まとめ
愛犬は大切な【家族の一員】なので、「どこへ出かけるにも一緒に連れて行ってあげたい。」という気持ちになります。
しかし、お墓という神聖な場所に連れて行くなら、しっかりとマナーと準備を整える必要があります。
愛犬と一緒にお墓参りをするときの注意点は以下のとおりです。
- ペットの同伴が可能かどうか、お寺や霊園に必ず確認をする
- 必ずリードをつけて絶対に目を離さない
- できるだけ自宅で排泄させる
- ペット用のオムツをつける
- 他の家の墓地には入れない
- 他のお墓の供物を食べないようにする
- 動物が苦手な人は意外と多いことを意識する
- 夏は日陰に入れてあげる
小中型犬ならキャリーカートを使うことでさらに安心です。
愛犬とのお墓参りは、ちょっとした心配りと準備で、周囲にもワンちゃんにも優しい時間となります。
みんなが気持ちよく過ごせるように、最低限のマナーを守ってお墓参りをしてくださいね。
※お墓に関するこちらの記事もよく読まれています。

















