仏事全般

人前で話す時は緊張するのが当たり前!緊張をほぐす方法や考え方とは

この記事では、

今回の内容は要するにコレ!
  • 人前で話す前に知っておいて欲しいこと
  • 人前で話す際に、できるだけ失敗しないために気をつけること

について書いています。

ぼくは20年以上お坊さんをしています。

お坊さんは、お通夜や法事の時など、人前で話をする機会が多いです。

というか、人前でいろんな仏教の話をするのが本来の役目です。

でも、慣れないうちは人前で話をすると緊張します。

そうはいっても、ずっと緊張しているわけにもいかないので、何とかそれを克服していかなければなりませんでした。

この記事では、人前で話すための、ぼくのお坊さんとしての経験や考え方、そして普段から意識していることを書いています。

ですから、他の専門の方々が推奨されている考え方や克服方法とは違うことも多いかもしれません。

ただ、いつも人前で話をしているぼくが日頃から実践していることを書いたので、いくらかは参考になると思いますよ。

人前で話す時は緊張するのが当たり前!

あなたは多くの人の前で話をする時、めちゃくちゃ緊張しませんか?

というか、たった数人の前でも緊張しませんか?

なぜでしょうね、目の前にいる人たちは、別に自分のことをテストするために来ているわけでもないのに、ものすごくプレッシャーを感じてしまいます。

気持ちの整理もつかないまま喋り始めてしまい、話の途中で、

  • つっかえる
  • 言葉を噛む(大事な所で噛むと悲劇)
  • 次の手順を忘れる

などの失敗をします。

そして、それをまるで『大失敗』したかのように感じてしまうんですよね。

自分でも「あ〜ぁ、ヤっちまったな〜」と気にしているところに、仲間から少しイジられて、さらに恥ずかしい思いをします。

そんな経験をしてしまうと、もうね、次にまた人前で話をしなきゃいけない時は地獄ですよ。

あの時のあの光景、あの悪夢がフラッシュバックして夜も眠れなくなります。

そんなあなたの気持ち、わかります、とてもよくわかりますよ。

できる限り人前で話なんかしたくないですよね。

でもね、

そんな思いをしているのは、あなただけではありませんよ。

多くの人は人前で話すことが得意ではないと思います。

だいたいの人は、あなたと同じ状況に置かれたら、あなたと同じ道をたどることになるでしょう。

ぼくはお坊さんをしているので、法要の後に大勢の人の前でいろんな話(法話)をしています。

今でこそ大勢の人の前で話すことにはだいぶ慣れてきましたが、最初はやはりガチガチに緊張しまくっていました。

当時は、とにかく早くその状況から脱したいという一心で、話を聞いている人の表情や反応なんかをロクに見ず、話をドンドン進めてしまう始末でした。

しかも、緊張すると、とにかく【焦って】しまい、徐々に早口になっていくのです。

そうすると、早口になれば【滑舌が悪く】なりますし、【噛む】回数も多くなってしまいます。

こんなことをしていると、当然ながら自分が伝えたいことは全く伝わらず、話す方も聞いている方もただただツラい時間を過ごすことになります。

今思うと、当時のぼくは、

  • 自分は他の人よりも【緊張しやすい】んだな
  • 自分は他の人よりも【話す才能が無い】んだな

と思っていました。

自分に自信がなかったんですね。

今のあなたも同じことを思っていませんか?

でも大丈夫ですよ。

きっと多くの人は『人前で話すのは苦手』で、あなたと同じように緊張します。

人前で上手に話ができるあなたの知人も、最初はきっとあなたと同じだったはずですよ。

あなたと同じ段階から経験を重ねて、コツを掴んだというだけです。

ですから、誰だって、

人前で話す時は緊張するのが当たり前

なのです。

上手く話そうとすると失敗します

人間というのは不思議です。

どういうわけか、『みんなの前で上手く話をしなくちゃ』と思えば思うほど失敗するんですよね。

『◯◯をしなくてはいけない』と意識をすればするほど出来なくなってしまうんです。

たぶんそれは、強く意識することで、必要以上に自分で自分に【プレッシャー】をかけてしまっているからです。

過度のプレッシャーは人間のパフォーマンスを大きく下げてしまいます。

だから、『別に少しくらい失敗してもいいや、命を取られるわけでもないし。』くらいに思うことができれば、あなた本来の実力が発揮できるはずです。

意識が強すぎても、意識が薄すぎてもいけません。

肩の力が抜けた本当の意味での『いい加減』がベストです。

自分で自分を追い込まない

人前で話すと、すぐに緊張してしまうあなた。

もしかして、よく人から「真面目だね」とか「几帳面だよね」とか言われたりしませんか?

日頃から何でも、

  • できるだけキッチリとやりたい
  • 正確に行いたい
  • ベストを尽くしたい

という意識の人は、自分に対して厳しいです。

そのような人は、ついつい『◯◯しなくてはいけない』という思考になりがちです。

これは、自分自身で余計なプレッシャーを作り出しています。

もっと『肩の力を抜く』ことが必要です。

また、他の人に、

  • 話すのが下手だと思われたくない
  • 失敗するところを見られるのが恥ずかしい

というような、『周りからどう見られるか』を気にし過ぎてしまうことも、やはり余計なプレッシャーを自分自身で作り出してしまいます。

でもね、周りの人は、あなたが思っているほど『あなたのことなんか気にしていない』から大丈夫ですよ。

あなたが勝手に『周りからの目』に対して身構え過ぎているだけです。

このように、人前で話す時の緊張は、他人が作り出すのではなく、自分が作り出しているものです

つまり、自分で自分にプレッシャーかけるのをやめることができれば、緊張も無くなります。

どうか、

自分で自分を追い込まない

ようにしてください。

ソロモンのパラドックス

あなたは『ソロモンのパラドックス』というものをご存じでしょうか?

これは、

  • 《人間は、他人のことに関しては冷静で客観的な判断ができるが、自分のことになるとそれが出来なくなる

というものです。

そしてこの言葉は、『常に自分自身のことを他人事としてみる視点を持っておけば、判断を誤ることが少なくなりますよ』ということを伝える時によく用いられます。

しかし今回は、この『ソロモンのパラドックス』が【誰にでもおこる現象】であるところに注目してみます。

あなたの周りにも『人前で話すのが上手』な人はいますよね?

いつも堂々としてスムーズに話を展開しているので、きっとあなたはその人のことを「話が上手ですごい人だなぁ」と思っていることでしょう。

でも、ちょっと待ってください。

あなたは冷静で客観的にその人のことを「すごいなぁ」というふうに見ています。

でも、あなたが「すごいなぁ」と思って見ているその人も、もしかすると、本人にとっては【心臓バクバクの緊張状態】なのかもしれませんよ。

つまり、

あなたが他人を見て「すごいなぁ」と思っているように、他人も《じつは緊張しまくっているあなた》が話している姿を見て「すごいなぁ」と思っているんじゃないですか?

ということです。

あなただけが「うわ〜、緊張するわ〜、失敗したらどうしよう。」と思っていて、実際のところ他人はそのことに気がつきません。

結局、あなたが思っている以上に、他人からは『上手く話ができている』ように見えているのだと思いますよ。

だから、そんなに心配しなくてもいいんです。

人前に出れば、あなただけではなく、誰だって緊張しますし、そんなに上手く話なんてできません。

だって、それが人間の習性なんですから。

ですから、緊張することを【仕方のないこと】として受け入れましょう。

そして、上手く話すということを良い意味で諦めてしまいましょう。

ベテランでも普通にヤラかします

人前での話は数をこなせば次第に慣れてくるものです。

しかし、それはあくまで『慣れてきた』だけであって、相変わらず緊張そのものはします。

そして、もちろん失敗もします。

ぼくにはいつもお世話になっている先輩のお坊さんがいます。

その人は30年以上お坊さんをしているベテランです。

ぼくはその人から、今までたくさんのことを教わってきました、『ベテランでも緊張する』ということも。

とある法要で、その先輩と一緒にお勤めをすることになりました。

ぼくは、先輩がどのように法要を進め、どのような話をするのか楽しみにしていました。

ところが、先輩はお話をするの中でずいぶんと【噛んだ】のです。

先輩とは以前にもご一緒したことがありますが、その時はスラスラとお話をしておられましたので、本来はお話が上手な人なのです。

おそらく、序盤でちょっとした言い間違いをしたので、それで少し焦ってしまい、その時はそのまま崩れてしまったのかもしれません。

ぼくよりもずっと先輩でも、時にはそのような失敗をするのだな、と先輩には申し訳ないですが安心をしました。

このように、人前で話すことをたくさん経験して慣れているはずの人でさえも、時にはヤラかすのです。

噛んだ後はゴミ箱へ♪

ある漫才コンビが、テレビ番組の中でネタを披露していました。

そこで、ボケ担当の芸人さんがセリフを噛んでしまいました。

それを見たツッコミ担当の芸人さんが、すかさず「はい、噛んだ後はゴミ箱へ♪」と言って、芸人さん2人揃って噛み終わったガムを捨てる仕草をしたのです。

とてもタイミングが良く、失敗を笑いに換えてしまうとてもよくできたリカバリー方法だなと笑ってしまいました。

もしかすると、セリフを噛んだことも、わざとやっていたのかもしれませんけどね。

でも、これは緊張時にはイイかもしれませんよ。

あなたも、もし話の途中で何か失敗をしてしまった時は、このセリフを自分の心の中で言えばいいのではないでしょうか?

失敗をしてしまったものは仕方ありません、もう一度やり直すわけにもいきません。

ですから、その失敗を引きずらないように、スパッと諦めて次に進むことを考えなければいけません。

先ほどの先輩は、噛んだ後にゴミ箱が見つからなかったのだと思います。

あなたは、もし何か失敗をしても、心の中で「はい、噛んだ後はゴミ箱へ♪」と言って、さっさと次に向けて気持ちを切り替えてしまいましょう。

ちなみに、『諦める』という言葉は、仏教では『明らめる』というふうに解釈し、それは【事実をそのまま受け入れること】を意味します。

つまり、失敗してしまった事実をそのまま受け入れて、さっさと次に向かって気持ちを切り替えましょう、ということです。

仏教でも芸人さんと同じように、あなたの失敗はあなたのゴミ箱へ捨ててしまえと教えているのですね。

できるだけ失敗をしないために

人前で話をする時に失敗をしても、そんなの気にしなければいいだけです、誰だって緊張するものなんですから。

でも、もし失敗を回避できるのならそれに越したことはないですよね?

できるだけ失敗を回避するには、やはりある程度の【心づもり】と【準備】をしておいた方がいいでしょう。

まあ、これは何においても言えることです。

備えあれば憂いなし、ということですね。

最初に結論を言ってしまう

ぼくはお話をする時に、最初に【これから話す内容の結論】を話してしまいます。

人間は、

しっかりと集中して話を聞いていられるのは、長くても【5分】程度

なのだそうです。

たった【5分程度】ですよ?

高級なカップラーメンが出来上がるまでの時間とほとんど同じです。

ついさっき話が始まったと思ったら、もう飽きてしまっている、みたいな感覚ですよね。

でも、言われてみると確かにそうかもしれません。

お通夜や法事の時に話をしていても、ウンウンと聞いてくれるのは5分くらいのものです。

となると、もはや余計なことを話しているヒマはありません。

ですから、

結論(伝えたいこと)は最初の5分間のうちに言ってしまう

ようにした方が賢明です。

話す内容の原稿を作成する時には、最初に一番伝えたいことを書いておきましょう。

でも、結果的にはその方がイイのかもしれません。

ダラダラと話を続けて何も伝わらないよりも、伝えたいことを最初にをズバッと結論として言っておけば、最低限のことは伝わるでしょう。

それに、あなただって最初に重要なことを伝えてしまっておけば、後は話をロクに聞いてもらえなくても特に問題はないですよね?

そして、最初の5分間に全神経を集中して話をすれば、その後はもう気楽なものでしょう?

気楽になれば緊張もほぐれて、話の全体がスムーズに展開されていきます。

そうなれば、最終的にあなたの話はとても上手なものだったという印象が残ります。

話題はできれば2つまで

最初のたった5分間で言いたいことを伝えるには、いくつも話題を詰め込むのは無理があります。

話を聞く方だって、いくら集中して聞くことができる時間とはいえ、最初にいくつもの情報をババっと言われたところで覚えきれません。

ちゃんと内容を覚えていられるのは、多くても【2つ】が限界ではないでしょうか?

1つの話題に対して持ち時間が2分半です、しっかりと要点をまとめて話をするには、これくらいの時間が必要ではありませんか?

ぼくはこれでも結構キビシイのでは?と思っています。

また、短い時間なのにいくつも伝えることがあると、あなた自身がパニックになってしまいそうです。

パニックになってしまうと、ほとんど何も伝わりませんし、あなたが変な汗を大量にかいてしまうだけです。

ですから、人前で話すときの話題の数はできるだけ少なくした方が無難です、多くても2つに抑えておきたいところです。

2つの話題の要点だけを最初に伝える、というような原稿を作成してみてください。

また、本番で2つの話題について要点を話したら、最後にもう一度「今日みなさんにお伝えしたいのは、◯◯ということ、そして、□□ということ、この2点でした。これだけを覚えておいてください。」と念を押しておきましょう。

とにかく【ゆっくり】と話す

先ほど、話をする時に緊張すると早口になると言いました。

早口になると、言葉を【噛む】リスクが一気に跳ね上がります。

ということは、逆に【ゆっくり】と話すことができれば、言葉を【噛む】リスクがグッと減りますので、自然とスムーズに話を進められます。

しかも、【ゆっくり】と話すと、それだけでなぜか『余裕がある』ように見えるのです。

面白いものです、話す方は失敗しないように頑張って【ゆっくり】と話しているのに、それが聞いている方には『余裕』に見えるのですから。

実際のところ、話す本人もゆっくりと話すことで、先の手順を考える時間ができるので、本当に余裕が出てきます。

そういえば、ある有名な『戦場カメラマン』の方がおられまして、この方はとても【特徴的な話し方】をするのです。

何が特徴的かというと、この方はとにかく【ゆっくり】と話をするのです。

しかも、かなりの【ゆっくり】です。

不思議なことに、そのような話し方でも、聞いている方はイライラしないのです。

それどころか、いつの間にか話に引き込まれてしまうんですよね。

試しに『戦場カメラマン ゆっくり』などで検索してみてください。

昔から『急いては事を仕損じる』といいますが、人前で話す時にもこの言葉は当てはまります。

とにかく、ゆっくりです。

ゆっくりと話をするように心がけてみてください。

緊張していると、自分ではゆっくりと話しているつもりでも、実際は普段より早口になっています。

ですから、結構ゆっくりなペースで話すつもりで丁度良いかもしれません。

スマホの自撮りで練習

あなたは『自分がどのような話し方をしているのか』をご存じでしょうか?

正直に意見を言ってくれる仲間に聞いてみるのもいいですし、ビデオカメラで撮影して自分で見てみるという方法もあると思います。

ぼくは、あなたに一度『自分が話をしている姿を見る』ということをおすすめします。

もしかすると、初めて見た時はまぁまぁ悶絶するレベルの恥ずかしさかもしれません。

それでも、目をそらさずに現実を見つめてください。

よく見てみると、あなたが想像していたよりも、『意外と自分はちゃんと話ができていた』ということがわかると思います。

そうなんです、アレもコレも失敗したと思っているのは【あなただけ】で、他人から見ると小さな失敗なんか気が付きません。

まずは、自分が意外にちゃんと話せていることを知って、自分の力を自覚してください。

それから、人前で話す練習をしてください。

そして、できれば、何回か練習したら再び自分の話す姿のチェックをしてみてください。

きっと、前よりも間の取り方や話すテンポなどが上手くなっているはずです。

ただ、何度も仲間に見てもらうわけにもいかないですし、ビデオカメラをいちいち準備するのも面倒です。

そこで、誰にも迷惑をかけず、ビデオよりも簡単に録画できるのが『スマホ(スマートフォン)』です。

スマホのムービー録画の機能を使えば、いつでもどこでも話す練習ができます。

スマホでムービーを自撮りして、自分の話す姿の改善点を見つけ出し、それを意識しながらもう一度練習します。

これで自分一人でも思う存分に練習できます。

ここまでしっかりと練習をしていれば、大きな失敗はしないでしょう。

それに、もう大丈夫だ、と自分に少し自信もついていると思います。

緊張していることを受け入れる

さて、いよいよ人前で話す時が来ました。

本番を目の前にしたあなたは、

「誰だって人前に立てば緊張はするものだし、できるだけそうならないために自分はいろいろと準備もしてきた。」

と、頭ではもう大丈夫だとわかっているのに、それでも心臓はバクバクしてしまいます。

わかります、そうなんですよね。

緊張って、人間の本能レベルの素直な反応なので、そう簡単には制御できないんですよ。

そんな時は、本能レベルの反応に逆らわないようにした方がいいですね。

反対に、

「うわ〜っ!今の自分、変な汗が出てるし、心臓がバクバクしてるし、これはメチャクチャ緊張してるわ〜。」

と、あえて自分に緊張していることを意識させるのです。

意識させながら、

  • 緊張状態というのは、心臓がバクバクしますが、これは、これから来るであろう『恐怖』に対して身体が準備をしている状態なのです。
  • やがて来る『恐怖』に備えて、いつでも活動できるように、全身に血液を送り出し、身体中の細胞に新鮮な酸素を行き渡らせているのです。

このようなことを、自分で自分に説明していくのです。

今の自分の状態を自分自身に向けて客観的に説明することで、論理的で冷静な思考が戻り、緊張が緩和されます。

簡単にいうと、

緊張したら、それをそのまま受け入れてください

ということです。

まとめ: 誰でも緊張するので、上手く話さなくていいです。それでも十分に伝わりますから

人前で話をする時に緊張してしまうのは、『上手く話さなくてはいけない』と自分で自分を追い込んでいることが原因です。

そして、それはあなただけではなく誰だって同じことをしてしまうんです。

人前で話す経験をたくさん積んだ人でさえ、時には失敗してしまいます。

だから、もう『上手く話そう』とするのはやめましょう。

それはかなりの逆効果となってしまいますから。

自分なり準備をしたら、あとは開き直って本番に臨んでください。

話の途中で少しくらい失敗してもいいじゃないですか。

そんな失敗はあなたの心の中のゴミ箱にポイっです。

そもそも、聞いている人のほとんどは、その失敗に気づくことさえありません。

ですから、緊張で多少のミスをしたところで、話の要点さえ最初に言っておけば、それで話の内容は十分に伝わります。

あまりアレコレ考えずに、もっと気軽にいい加減に臨んでください。