お葬式

お葬式をしない『直葬』の時代が来る!?直葬の増加でお坊さんは不要?

最近本当によく耳にするようになりました、『直葬(ちょくそう)』という単語を。

数年前まではその存在をごく一部の人だけしか知らなかったはずが、最近では信者さんの口からも普通に出てきます。

ぼくは20年以上お坊さんをしていますが、正直なところ、

「とうとうアイツ(直葬のことです)の時代が来てしまったか・・・。」

みたいなカンジ。

いやね、じつは以前から「あら〜、コレは流行っちゃうかもな〜」なんて思ってはいたんですよ。

なにしろ費用をメチャクチャ安く抑えることができますから。

ただ、思ったよりも流行の兆しが早く来ちゃいましたね。

あなたも、もしもご家族に不幸があった時には【直葬】にしようと考えているんでしょ?

確かに直葬にはメリットがたくさんありますよ。

でもね、そのメリットだけを見ていると、意外なデメリットに気がつかないかもしれませんよ?

この記事では、

今回の内容は要するにコレです
  • どうして直葬にしたいの?
  • 本当に直葬にしてもいいの?
  • ウソっ!?お坊さんなんてもう要らない?

について書いています。

直葬を選択する前に、一度この記事を読んで確認をしてみてください。

お葬式はせずに『直葬』の時代が来る!?

あなたが今気になっている『直葬』。

念のために、あなたの『直葬』に対する認識を確認しておきますよ?

『直葬』というのは、

人が亡くなった後、お葬式などは行わず、初めから【火葬場】へ行き、そのまま火葬をしてしまうこと

で、間違いないですね?

本当に間違いない?

そうですかぁ、やっぱり『直葬』ってそんなに魅力的に見えます?

まぁ、確かに『直葬』には、

  • 経済的にラク
  • 体力的にラク
  • 精神的にラク
  • 短時間で終わる

といったようなメリットはありますよね。

直葬の最大のメリットは、とにかく『費用を安く抑えられる』ということ。

もしかして、あなたが直葬を考えている理由もコレですか?

あとは、最初から火葬場へ行くので、体力的な負担は少なくてすみますし、ごく近い身内だけしかいないんだから、精神的にもラク。

さらに、お葬式さえしないのだから、打ち合わせや手続きの時間を含めても、時間を大幅に短縮できます。

う〜ん、まぁ確かに魅力的ですよねぇ。

だから、現代人にとってはメリットだらけに思えるのも理解できます。

ただ、ぼくはお坊さんなので、この『直葬』というものに対して、本音を言うと「ちょっとぉ、やめてよマジでっ!」って思いますよ、当然ね。

だって、直葬だとぼく達お坊さんの出番がないんだもん(これはぼく個人の意見だけど)。

あなただって内心では「直葬で本当に大丈夫なのかな?」って思いません?

直葬は、爆発的に増えているわけではないけど、着実にジワジワと増え続けています。

ってことは、直葬の需要が増える分だけ、確実に【お葬式】の需要が減るということなわけで、これはお坊さんとしても見過ごせない状況なんですよね。

しかし、どうやらこの流れは止まりそうにありませんね。

『直葬』なんて、ぼく達お坊さんや葬儀関係の業種の人しか使わなかったような単語ですよ?

それが、普通に信者さんの口から出てくるようになったんですからね。

そもそも【お葬式をしないで、いきなり火葬場に行く】という発想自体が昔はなかったんです。

しかし、今あなたはこのブログにたどり着いた。

ということは、きっと「お葬式なんてしなくてもいいんじゃない?なんか、お葬式なしで火葬する人もいるみたいだし。」みたいなカンジで検索していたんですよね?

最初から【お葬式はしないで、いきなり火葬をする】ことを念頭に置いて考えているわけです。

あっ、あなたを責めているのではないんですよ、あなたのような人は多いんですから。

ただ、このまま【お葬式なんかしなくてもいい】みたいな風潮が盛り上がらなきゃいいなと思ったんです。

ちゃんとしたデータを取ったわけではありませんが、そのようなニーズが増えているかどうかくらいは、現場にいれば肌感覚で何となくわかっていますしね。

いやぁほんと、お坊さんの立場からすると、直葬が増えたら非常に困るんですよねぇ。

でもね、間違いなく、

『直葬』の時代が来る

と思います。

認めたくはないですけどね、でも来る。

だから、あなたが『直葬』を選ぶことは、ある意味仕方ないというか、当然のことかもしれませんね。

直葬を選ぶ理由

ジワジワとではありますが直葬が増えてきたということは、『直葬を選ぶ理由』が多くの人にとって共感と納得ができるものだからです。

多くの人が直葬を選ぶ理由は、

  1. 経済的な理由
  2. お葬式(宗教行為)に必要性を感じない
  3. 故人の強い遺志

といったところかなと。

まぁ、これはぼくが今まで聞いたことがある理由というだけで、他にもいろんな理由はあるでしょうけどね。

経済的な理由

直葬が選ばれているダントツ1位の理由がこちら!

経済的な理由

ですよ。

まぁね、そりゃそうでしょう。

お付き合いのある葬儀社さんに聞いたことがありますが、直葬を選ぶ人の70%がこの理由なんですって。

たしかに、お葬式は何かとお金が必要。

何かとかかる費用の一つがお坊さんに渡す【お布施】ですよね。

これがお葬式の大出費ポイントの一つ目です。

お坊さんのぼくが言うのもなんですが、お布施は『高い』ですから。

えぇ、お坊さんのぼくから見ても『高い』です、ホントごめんなさい。

お布施は、当たり前のように『数十万円』単位のお金が必要になりますもんね。

直葬であればこれを無くせるんですから、誰だって選びたくなりますわ。

もしもぼくが喪主の立場だったら、同じように『直葬』の2文字が頭をよぎりますからね絶対。

ただ、お布施に関しては、お寺と適切に交渉をすれば安くしてもらえるんですけどね。

お布施を安くする方法を知りたい方は、

お布施を安くしたいなら値引き交渉すべし!値切る方法と注意点を伝授お坊さんに渡すお布施って高いと思いませんか?お布施は適切に交渉すればもっと安くしてもらえますよ!この記事ではお布施を値切る方法と注意点について、できるだけ詳しく書いています。きっとあなたの役に立つと思いますので、ぜひ一度読んでみてください。...

の記事も読んでみてください。

まぁ、いくらお布施を安くできるとはいえ、それでもやはり大きな金額は必要になることでしょう。

次に、お葬式に必要となってくる、

  • 式場や祭壇の使用料
  • 生花や供物の代金
  • 参列者へふるまう食事の代金
  • 参列者へ渡す返礼品の代金
  • 司会者や駐車場の誘導員などの人件費
  • その他もろもろの追加オプション料金

といったようなものが、直葬にすることで全て必要なくなるんです。

これらだけで一体いくら出費を削減できていることか、結構な金額を削ることができてますよぉ。

じゃあ、直葬に必要な費用はどんなものなのか?

直葬にかかる費用で主なものは、

  1. 寝台車(霊柩車)での搬送料金
  2. 棺の代金
  3. 火葬場の使用料
  4. 骨壺の代金

といったところですかね。

さすがに、ここから更なる削減は無理でしょ?

これは、マジで必要最低限ですよ。

で、この必要最低でどのくらいの費用がかかるのか、ですよね?

これだけ費用を抑えても30万円くらいは覚悟して!

えっ?それでも高い?

いや、もうこれ以上は無理っすよ。

中には10万円程度で直葬ができるかのように宣伝している業者もありますけど、実際には追加料金を支払わないと【満足のいくもの】とは程遠くなってしまうでしょうね。

故人のため、そしてあなたやご家族のため、納得のいく直葬にしたいのであれば、30万円くらいは必要になるんじゃないですかね。

これって、普通にお葬式をした場合に比べると5分の1程度に抑えられている金額なんですよ?

故人のために、何とか頑張ってもらえませんか?

お葬式(宗教行為)に必要性を感じない

「お前、わかってねぇな。お金が理由じゃないんだよ!お葬式そのものに必要性を感じねぇってことだよ!」

って声が飛んできそうですね。

なるほど、【お葬式そのものの必要性】ですか。

お葬式って、じつは【故人に対して今後の進むべき道をお伝えする】という超重要な宗教行為をしているんですよ。

故人が今後どこへ向かって進めばいいのかがわからないと、ずっとさまよってしまうと思いません?

だから、しっかりとお葬式を執り行っているんですよ。

ぼくが『直葬』というものを初めて知った時に、この【進むべき道の伝達が抜け落ちていること】がものすごく引っかかったんですよね。

でもこれは、あくまでぼくが【お坊さん】という宗教者としての考え方をしているから、きっとそのように思うんでしょうね。

宗教そのものに何の価値も見出さない人にとっては、確かにお葬式の必要性はゼロ。

「お葬式そのものに全く必要性を感じません。」

そう言われちゃったら、すみません、もうぼくは何も言えない。

だって、それは信教の自由の問題だから。

お葬式をする意味とは何?お葬式でお坊さんがしていることを具体的に解説!お葬式って何のためにするのでしょう?お坊さんはお葬式で何をしているのでしょう?この記事では、そんなあなたの疑問に答えられるよう具体的に解説しています。お葬式をすることの意味がよくわかる内容となっていますので、ぜひご覧下さい。...

故人の強い遺志

お葬式の必要性を感じないと言っている人、それが『故人』という可能性もあります。

つまり、お葬式をせずに直葬にしたいのは、

故人の強い遺志

ということもあるんですよね。

このケースもねぇ、何も言えなくなってしまいます。

お葬式は【故人のため】に行うもの。

故人に、【今後の進む道をお伝えする】ためのもの。

でも、それを当の本人が「絶対に要らない!」と言うわけでしょ?

じゃあ、お葬式なんてする意味ない。

ていうか、しちゃいけない。

本当にそれでいいの?

喪主や家族が【お葬式そのものに必要性を感じない】場合や【故人の強い遺志】によってお葬式をしないのであれば、ぼくは何も言えません。

しかし、そうではなく、『直葬のメリット』が大きいという理由でお葬式をしないつもりであれば、一度冷静になってください。

たしかに、直葬はメリットが多いですよ。

でもね、本当にそれでいいの?

メリットの方ばかりが視界に入って、直葬をした『その後』のことまでちゃんと考えてます?

親戚や参列希望者にはちゃんと説明できる?

故人やあなたには、親戚がいますよね?

そして、親戚の他にも『故人との最後のお別れをしたい』という人たちがいますよね?

直葬をする場合、そのような人たちには何て説明します?

例えば、

  • 「いやぁ、直葬の方がお金もかからないし、何かとラクなんで・・・。」

とか言うつもり?

本当にその説明で大丈夫?

あっ、誤解しないでくださいね。

ぼくは「直葬は絶対に反対です!」なんて言っていません。

故人をどのように弔うかは自由ですもんね。

ただ、直葬というのは、亡くなった人を弔う方法としてはまだまだ【新しいカタチ】なんです。

つまり、それを選んだ理由を説明することが必要になると思うんですよね。

特に親戚の人にはしっかりと説明をしておいた方がいいですよ、ってことを言いたいんです。

親戚の存在を無視してしまうと、後が厄介ですからね。

下手をすると、その後もずっとチクチクとイヤミを言われかねませんよ。

そう、今あなたの頭の中に浮かんだ、その親戚に後々まで言われるんですよ。

ですから、できるだけ【みんなが納得できる理由】というものをしっかりと考えておくようにしましょう。

お寺の了承は得た?

すみませんが、今さらな質問です。

あなたの家のお墓はどこにありますか?

「ウチのお墓は、お寺にあるよ。」と答えたあなた。

あなたの場合は、直葬っていうのはキビシイかも。

ご存じのように、今後あなたの家のご先祖様や亡き家族の供養をしていくのは、あなたのお墓があるお寺ですよ。

なのに、「お葬式をせずに火葬場へ直行しました。」なんて、そのお寺の住職に言えます?

まぁ、お寺にお墓があっても直葬をすること自体は不可能ではないんですよ。

後から故人にちゃんと戒名を授けて、それからお墓へ納骨することはできますからね。

でも、よほどの理由がない限り、ほとんどのお寺は『直葬』を許してくれないんじゃないかなぁ。

あなたの家のお墓がお寺にある場合は、先にお寺の了承を得ておかないと必ずトラブルが起きます。

どうしても直葬にしたいのなら、今後のこともちゃんと見据えて、何としてでもお寺の了承を得るようにしっかりと対策を考えておいてください。

もうお坊さんは不要?

直葬が増えてくるということは、今まではあった【お葬式でのお坊さんの出番】が無くなるわけです。

お葬式という『故人を弔うための大事な儀式』を省略してしまうんですから、まぁ当然のことですよね。

ぼく思うんですよね、

お葬式を省略した人の中で、一体どのくらいの人が【その後の故人の供養】をするの?

って。

50%くらいですかね?

えっ、もっと少ない?

もしかすると、10%未満くらいが現実?

特に理由もないのにお葬式を省略したいと考える人は、『供養』というものを否定的あるいは軽く考えているのでしょう。

まぁ、だからこそ、そういう人は理由もなく直葬を選ぶんですけどね。

そのような人は、お葬式の後も、あまり(というか、ほとんど)お寺やお墓に行かなくなる。

そうすると、ぼく達お坊さんは葬儀や法事といった【故人の供養】は当然のことながら、本来の役割である【説法】をする機会さえも無くなってしまう。

つまり、供養を否定的または軽く考える人たちに向けて、なぜお葬式をして、なぜ法事をするのかを説明することができないので、ある意味で、『お坊さんが挽回するチャンス』が失われます。

ヤバイです。

ヤバイっすよ、これは!

お坊さん、これじゃあ完全に『役立たず』になっちゃいます!

あれっ!?

ぼく達お坊さんって、もしかして、

もう『不要』なんじゃないの!?

でも、とりあえず今のところはまだ「お坊さんにお経をあげてらおう」とか「説法を聞きたいな」と言ってもらえます。

お坊さんとしての役割が少しは果たせています。

でも、油断していると一気に信者さん達からそっぽを向かれます。

直葬が流行りだしたのは、ぼく達お坊さんが今まで布教をサボったり、高慢な態度だったことが原因なんでしょうね。

そういう意味では、直葬のおかげで【お坊さんの意識改革】をする良い機会なのかもしれないですね。

よっしゃ、なんか燃えてきた!

中途半端なことをしても意味なし!

お寺によっては葬儀社からお葬式の依頼を受けているところがあります。

お葬式の依頼というのは、今まで一度も付き合いのない家のお葬式を頼まれる、ということです。

それで、やはり依頼の内容も、だんだんと『直葬(ちょくそう)』が増えてきてるんですよね。

んっ?

何ですか?

あっ、もしかして気がつきました?

ここで「何かおかしくない?」と思ったあなたはスルドイ!

そう、おかしいんですよ!

何がおかしいかというと、

『直葬』を選んだのに、お坊さんに読経を依頼している

という点。

これって、メッチャ【中途半端】じゃない?

お葬式をしたくないから、お坊さんにお経を読んでもらいたくないから、だから『直葬』を選んだんじゃなかったの?

なのに、「やっぱ、何もしないのは可哀想だから・・・。」っていう理由で、お坊さんに火葬場でほんの少しだけお経をあげてもらおう、ってことでしょ?

あのね、お葬式をしなかった時点で、お坊さんに少しだけお経を読んでもらったところで、もはや意味ないから!

お経を読むだけじゃ、故人をあの世に送り出すことなんて全然できないから!

ちゃんとお葬式をしないと、故人に【今後の進むべき行き先】を伝えられないんですよ。

ちゃんと、お葬式という『儀式』をしないとダメなんですよ、お経なんて【おまけ】みたいなもんですからね。

お坊さんが「お葬式をすることが大事だ」って言っているのは、儀式の中で故人へ伝えなきゃけないことがあるからなんです。

大事なのは、お経じゃなくて『葬』、つまり『儀式』の方なの!

だから、お葬式をしないんだったら、お坊さんにお経を読んでもらっても意味はありません。

それに、お坊さんに頼んじゃったら『お布施』が発生してしまいますよ。

変なところでブレちゃだめ!

中途半端なことをしても意味なし!

直葬にすると決めたら、お坊さんには何も頼まないこと!

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まとめ:直葬を選択するのもアリ。でも、後のこともよく考えて!

これからも『直葬』を選ぶ人は増えていきます。

これは間違いない。

だって、経済的な理由だけではなくて、お葬式をすること、もっと言えば【宗教行為】そのものに意味を感じない人が増えているんだから。

そのような人たちがですよ、面倒で、しかもやたらと出費の多い『お葬式』なんかをするわきゃない。

でも、それも自由なんですよね。

だから、あなたがどうしても望むのなら直葬もアリなんじゃないですか?

ただし、直葬をするにあたって、

親戚や参列希望者には何て説明するの?

お寺の了承は得ているの?

この辺の質問には即答できるようにしておかなきゃいけません。

特に面倒くさい親戚なんかは、ずっと後になってからもチクチクと「あの時はねぇ、まさかお葬式をしないなんてビックリしたわよぉ。」みたいにイヤミを言い続けますからね。

でも、それは仕方のないことなんですよ。

お葬式をしないなんて、そんな選択肢は今まで無かったんですから。

きっと、今は【お葬式の転換期】なんでしょうね。

もしかすると、意外と近い将来に『直葬』がスタンダードになってしまうかもしれないですね。

あっ、その前にまだ『一日葬』が残っているかな?

だとしても、一日葬の次は間違いなく直葬という流れが来ます。

直葬は、故人を弔う方法としてはまだ【新しいカタチ】です。

ですから、否定的な意見も当然ながらまだまだ出てくるわけですよ。

あなたが直葬を選択するということは、そのような否定的な意見に屈しない強い信念がなければいけません。

そういうことを覚悟して直葬をしてくださいね。