お葬式

無宗教葬儀をしたい。無宗教のお葬式でもお坊さんに来てもらう?

お坊さん歴20年以上の未熟僧(みじゅくそう)と申します。

この記事はこんな人に向けて書いています
  • ぜひとも『無宗教葬儀』をしたい!
  • 『無宗教葬儀』でもお坊さんに来てもらうの?
  • 『無宗教葬儀』の流れや注意点について詳しく知りたい。

キヨシさん
キヨシさん
最近は『無宗教葬儀』というのがあるんやろ?

ウチもそれにしようかと思うんやけど・・・。

未熟僧
未熟僧
お葬式のカタチは自由です。ただ、『無宗教葬儀』をする場合は、いくつか注意点がありますよ。

以前にテレビを見ていたら、ある葬儀社のCMで、

「無宗教なのに、お葬式ではなぜお坊さんを呼ぶのだろう」

というセリフがありました。

それを見て、僕は、

  • 「あぁ、みんな本当は無宗教でお葬式をしたいんだな。」
  • 「みんな、お葬式のときはお坊さんに来てもらうものだと【何となく】思っているんだな。」

って思いました。

テレビCMが流れるくらい多くの人から需要のある『無宗教葬儀』という葬儀のカタチ。

『無宗教葬儀』というのは、その名のとおり、

宗教的な儀式をしないお葬式

のことです。

故人に対して【どのようなお葬式をしてあげるのか】を決めるのは家族ですし、本来はお葬式のカタチなんて自由なんです。

ですから、ちゃんと家族みんなで話し合ったのなら、べつに『無宗教葬儀』を選択したってOK。

ただ、

お葬式のカタチは自由だが、『無宗教葬儀』をするなら、ちゃんと注意点を理解しておくべき

ですよ。

何も考えずに『無宗教葬儀』をしてしまうと、後になって高確率でトラブルが発生します。

この記事を読むと、

  • 『無宗教葬儀』とは、どんなお葬式なのか
  • 『無宗教葬儀』が、どのような流れで行われるのか
  • 『無宗教葬儀』をするときの注意点
  • 『無宗教葬儀』をした後の【遺骨】はどうするのか

が分かります。

お葬式は、故人との最後のお別れの場です。

絶対に後悔をしないよう、この記事を最後まで読んでから『無宗教葬儀』にするかどうかを決めてください。

※僕は一応お坊さんなので、基本的に『無宗教葬儀』に対して否定的であることは予めご了承ください。

無宗教葬儀をしたい

近年、突如として現れた新しいお葬式のカタチ。

その名も、

『無宗教葬儀

これがまぁ、とにかく人気急上昇なんですわ。

あなたも興味があるんでしょ?

でも、もしもあなたが『無宗教葬儀』をしたいと思っていても、それがどういうものかが分からないと、従来のお葬式との比較ができませんよね?

というわけで、まずは『無宗教葬儀』について概要を知っておきましょう。

無宗教葬儀って何?

最初に根本的なところで、『無宗教葬儀』って何やねん?って話ですよね。

『無宗教葬儀』とは、

宗教的な儀式をしないお葬式

のことです。

宗教というのは、

  • 仏教
  • 神道
  • キリスト教
  • イスラム教
  • ヒンドゥー教
  • ユダヤ教

のような有名なもの以外にも非常にたくさんあります。

当然ながら、それぞれの宗教によってお葬式(儀式)のやり方が違います。

しかし、『無宗教葬儀』というのは、それらのどの宗教のやり方にも合わせることなくお葬式を行うのです。

そして、宗教的な儀式をしないことによって、

圧倒的に自由なお葬式ができる

というのが『無宗教葬儀』の最大のメリットです。

あまりに圧倒的に自由なお葬式なので、別名で『自由葬』とも呼ばれているんですよね。

じゃあ、自由なお葬式であることの何がいいのでしょう?

自由にお葬式をすることで、

  • お葬式の内容に【故人らしさ】がよく出る
  • 遺族の考えや希望どおりにできる
  • 宗教的なものに対する出費がなくなる

のです。

お葬式というのは故人のために行うもの。

だから、

  • 「宗教的な儀式じゃなくて、【故人が喜んでくれるかどうか】とか【家族がちゃんと納得できるかどうか】の方が大事なんや!」

という考えの人だっています。

そのような人にとっては、『無宗教葬儀』であれば、完全に【故人】と【家族】のことだけを考えることができますよね。

なので、【従来のお葬式】に対してずっと疑問を感じていた人は、

コレや!こういうお葬式をしたかったんや!

と、『無宗教葬儀』に対してメチャクチャ興味を持っています。

まぁ、これはごく自然な流れなのかもしれませんね・・・。

なぜ無宗教葬儀にしたいの?

あなたは、具体的にどのような理由で『無宗教葬儀』にしたいと考えているのですか?

『無宗教葬儀』を望む人の多くは、

  • 何でもいいので、とにかく節約をしたいから
  • 何の宗教も信仰していない(していないつもり)から
  • お付き合いをしているお寺がないし、そもそもお坊さんの必要性を感じないから
  • 故人の「無宗教でお葬式をしてほしい!」という生前からの強い遺志だから
  • 家族みんなが信仰している宗教が違うから

これらの中のどれかの理由です。

あなたはどうでしょうか?

人それぞれに理由があると思いますが、『無宗教葬儀』にする場合は【ちゃんとした考えや信念】がなければいけませんよ。

言い換えれば、親戚などにしっかりと説明できるようにしておく、ということですね。

例えば、

  • 「ウチは仏教をまったく信仰していないから、当然お葬式も仏式にはしない。」
  • 「故人のためのお葬式なんだから、故人の遺志をちゃんと尊重してあげたい。」
  • 「家族がそれぞれに信仰する宗教があるから、どうしても1つの宗教で行えない。」

というような、他者に説明できるような理由があれば『無宗教葬儀』を選択してもいいと思います。

しかし、【ちゃんとした考えや信念】があるわけではなく、

  • 「お坊さんに支払う御布施の分を節約できるかなぁと思って。」
  • 「最近は『無宗教葬儀』が流行ってるらしいから。」
  • 「何となく、お坊さんなんか呼ばなくていいやって思ったから。」

みたいな理由だと、後でトラブルを招く可能性が高いので注意してくださいね。

『無宗教葬儀』をするには、しっかりと説明できる理由が必要であることを覚えておいてください。

服装はどうするの?

『無宗教葬儀』は今までのお葬式とはまったくの別物です。

となれば、参列するときの【服装】も全然違うのでしょうか?

服装に関しては、今までのお葬式と同じです。

『無宗教葬儀』でも、着ていくのはやっぱり【喪服】なんですよね。

無宗教葬儀も、今までのお葬式も、どちらも【お葬式】であることに変わりはありません。

お葬式では喪服着用は必須ですよ。

喪服には、故人の死を悼み、心から冥福を祈り、しばらくの間は行動を慎む、といった意味があるのです。

ですから、亡くなった人を偲び、最後のお別れをするときには、ちゃんと喪服を着るのが故人に対する礼儀なんですよね。

喪服については、『喪服を持っていない時はどう対処する?喪服の意味と必要性を解説します』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。

いくら無宗教だからといって、普段着で参列するようなことをしては絶対にダメなので、そこは気をつけましょう。

御香典はどうするの?

お葬式に参列する時には【御香典】を持って行きますよね?

『無宗教葬儀』は今までのお葬式とは違うのですから、もしかして【御香典】が不要なのでしょうか?

って、そんなわけがありません。

『無宗教葬儀』でも【御香典】は必要です。

ですから、参列者の方々は【御香典】を持ってきます。

だから、参列者用にちゃんと【受付】を用意しておいてくださいね。

ただ、『無宗教葬儀』の場合は、現金を【御香典】という表書きで包むことはしません。

【香典】というのは仏教の書き方だからです。

『無宗教葬儀』で包む袋の表書きは、

『御花料』

にしておくのが無難ですよ。

これなら特定の宗教に関係ない表現となっていますからね。

『御霊前』でもOKと言っている人もいますが、【霊】という表現が宗教的なニオイを漂わせていますので、『御霊前』と書くのはギリギリのところでアウトです。

【関連記事】:不祝儀袋【御香典(御香奠)・御霊前・御仏前】の意味、書き方、お札の入れ方を詳しく解説。

無宗教葬儀でもお坊さんに来てもらう?

お葬式といえば、お坊さんが来てお経を読んでいる、というのが一般的ですよね。

じゃあ、『無宗教葬儀』の場合はどうするのでしょう?

やっぱり、お坊さんに来てもらうのでしょうか?

・・・なんてね、もうお分かりですよね。

そうです、そのとおりです。

『無宗教葬儀』の場合、絶対にお坊さんに来てもらってはいけません。

お坊さんというのは、誰が見ても、どう考えても、間違いなく【仏教の信者】です。

『無宗教葬儀』をするのですから、【仏教の信者】であるお坊さんなんかに来てもらわなくていいんです。

せっかく『無宗教』でお葬式をしようとしているのに、そこにお坊さんがいたら、その瞬間に【仏式のお葬式】になってしまいます。

それに、『無宗教葬儀』なのにお坊さんに来てもらうなんて、そのお坊さんに対してメチャクチャ失礼です。

だって、『無宗教』なんだから、お坊さんの仕事はそこに何もありません。

お坊さんが宗教的な行為を何もしないのに、ただ無意味に祭壇の前に座らされるんですよ?

それは、もはやお坊さんに対する【侮辱】以外の何ものでもありません。

お坊さんというのは、お葬式の中で、故人を【最も安全で、最高に幸福な状態】にするという重要な仕事をしているんです。 

『無宗教葬儀』というのは、それを否定し、拒絶するものなんです。

ですから、『無宗教葬儀』をすると決めたら、その場にお坊さんに来てもらうなんていうバカなことは絶対に考えてはいけません。

【関連記事】:お葬式をする意味とは何?お葬式でお坊さんがしていることを具体的に解説!

無宗教葬儀の流れ

先ほども言いましたが、『無宗教葬儀』というのは今までのお葬式とはまったくの別物です。

ですから、【お葬式の流れ】も今までのお葬式とは違います。

『無宗教葬儀』のプログラムは、喪主が自由に組むことができるのですが、だいたいは、

  1. 参列者が入場・着席
  2. 開式の辞
  3. 黙祷
  4. 献奏
  5. お別れの言葉
  6. 弔電紹介
  7. 献花
  8. 感謝の言葉
  9. お別れ【お花入れ】
  10. 閉式の辞
  11. 出棺
  12. 会食

と、こんな流れになります。

それでは、流れをザックリと説明していきますね。

ちなみに、無宗教葬儀をする人は『通夜』なんかしないでしょうから、ここでは【通夜はせずに、お葬式だけを行う】という前提で書いています。

①参列者が入場・着席

お葬式が始まるまでは、

  • 故人の好きだった音楽
  • 故人の思い出の写真のスライドショー
  • ピアノやエレクトーンの生演奏

などが流れ、参列者を迎えます。

また、式場の入り口には故人の【思い出の品】や【写真】などが飾られています。

このように、式が始まる前から【故人の世界観】で参列者を迎えます。

参列者は、親族席と一般席を確認して、開式までに着席をします。

②開式の辞

開式の時刻になると、司会者によって開式が告げられます。

多くの場合、ここで故人の生涯に関する簡単な紹介をしますね。

また、司会者の人に【無宗教葬儀で執り行うこと】を説明してもらうことが大事です。

もしかすると、参列者の中には『無宗教葬儀』で行われることを知らない人がいるかもしれません。

そのような人は「あれっ?お坊さんはどうした?」と思ってしまうので、先にちゃんと知らせておく必要があります。

③黙祷(もくとう)

開式が告げられた後は、参列者みんなで『黙祷(もくとう)』をします。

黙祷は、今までのお葬式でいう【お坊さんが読むお経】の代わりみたいなもんですね。

故人を偲び、哀悼と感謝の気持ちで、頭を少し下げ、目をつむって、だいたい1分くらい黙祷をします。

仏式のお葬式には黙祷なんてありませんから、ここがまず【無宗教葬儀の違和感】の1つめになるでしょう。

④献奏(けんそう)

黙祷が終わると、次に『献奏(けんそう)』があります。

献奏というのは、

  • 故人の経歴などを紹介するスライドショー
  • 故人の好きだった音楽
  • 故人との思い出の曲
  • 故人が映っている思い出のビデオ
  • バンドによる生演奏

などをかけることをいいます。

ビデオやスライドショーであれば、その時の故人の様子が何となく分かります。

しかし、曲の場合は故人とのエピソードを付け加えてあげないと、その曲と故人に何の関係があるのか参列者には分からないので注意しましょう。

⑤お別れの言葉

次に、故人に対して参列者が『お別れの言葉』を伝えます。

これは参列者全員ではなく、代表する数人だけがやります。

要するに、今までのお葬式でいうところの【弔辞】にあたるものですね。

弔辞と同じように、故人の功績や思い出、そして生前のご恩に対する感謝の気持ちを述べて、お別れの言葉を故人に伝えます。

⑥弔電紹介

お葬式のときには、参列できなかった人たちから『弔電』が届きます。

それらの弔電の中から、代表して2~3通だけ司会者によって読み上げられます。

今までのお葬式の場合、式中に弔電を読み上げる時間がほとんどなく、読み上げられるのは【式の1番最後】になってしまいます。

しかし、『無宗教葬儀』の場合は時間が十分すぎるほどありますので、お別れの言葉の後に弔電を読み上げる時間をちゃんと取ることができます。

⑦献花(けんか)

続いて、遺族・親族・一般の順番で『献花』を行います。

これは、今までのお葬式で行われる【お焼香】の代わりにするものです。

じつは、【お焼香】というのは仏教の作法なんですよね。

亡くなった人に対してお焼香をすることは非常に重要な意味があるのです。

お焼香の意味については『お香(こう)を供える意味とは?焼香の手順や線香の供え方も紹介します』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。

ですから、『無宗教葬儀』で【お焼香】をするわけにもいきませんので、その代わりにお花を故人に捧げるのです。

⑧感謝の言葉

弔電の読み上げの後は、遺族代表が参列者にむけて『感謝の言葉』を伝えます。

いわゆる【謝辞】ですね。

事前に文面を紙に書いておくのもいいですが、可能であれば、遺族としての素直な気持ちを自分の言葉でそのまま参列者へ伝えてあげてほしいなと思います。

⑨お花入れ

感謝の言葉が終わると、故人の棺に『お花入れ』をします。

祭壇に飾られたキレイなお花を、参列者みんなで棺の中へ入れてあげましょう。

このときに、お花だけではなく、故人が来ていた服・故人に宛てた手紙、または故人の写真なども一緒に入れてあげるといいですよ。

ただし、火葬のときに燃え残ってしまったり、有毒物質を出してしまうようなものは入れられませんので注意しましょう。

棺に入れられるものについては『お葬式で棺の中に入れていいもの、いけないもの。副葬品の選び方。』の記事を参考にしてみてください。

この『お花入れ』は仏式のお葬式でも行われますが、『無宗教葬儀』でも行なって問題はありませんよ。

亡くなった人のまわりにお花を飾るというのは、宗教というものが生まれるずっと前の時代から行われていたようです。

ですから、故人にお花をたむけるという行為は、宗教を超えた全世界共通のものなんです。

⑩閉式の辞

最後は、司会者により参列者へ閉式が告げられて、式は終了となります。

ちなみに、閉式の後はすぐに【出棺】となりますので、トイレに行くならこのタイミングしかありません。

⑪出棺

式が終わると、故人はいよいよ火葬場へ向かいます。

故人が納められた棺を、専用の車(霊柩車)に乗せて送り出します。

これを『出棺(しゅっかん)』といいます。

棺を車へ乗せるときは、男性6名くらいで棺を手で持って運びます。

ここで葬儀社のスタッフさんが必ず、

  • 「どなたか男性の方で6名様ほど、ご乗棺のお手伝いをお願いいたします。」

と言います。

最後のご奉公ですから、故人と関係の近い男性みんなで棺を乗せてあげましょう。

⑫会食

火葬場に着くと、最後に故人の顔を見て、そのあと棺が火葬炉に納められます。

最近では、火葬をしている間に会食(精進落とし)をするケースが多くなっています。

火葬場での食事の時間は1時間程度になってしまいますが、参列者のみんなで在りし日の故人についてたくさんお話をしてあげましょう。

あっ、もちろん火葬場ではなく、お葬式をした式場に戻ってから会食をしてもかまいません。

ただ、いろんな面を考えると、式場よりも火葬場で会食をした方がいいと思いますよ。

【関連記事】:精進落としの場所におすすめなのは火葬場!そもそも精進落としって何?

無宗教葬儀をするときの注意点

『無宗教葬儀』は何もかもが自由です。

だから、今までのような決まり事がたくさんあって《きゅうくつ》なお葬式をせずにすみます。

ただ、『無宗教葬儀』というのはまだ世間に十分に認知されているわけではありません。

それゆえに、予想もしなかったトラブルを起こしてしまう可能性もあるんです。

ここからは、『無宗教葬儀』で注意すべきことをいくつか紹介します。

ついつい手を合わせてしまう

日本人の感覚としては、お葬式といえば『仏式』なんですよね。

そのせいでしょうか、お葬式の場面では、

ついつい手を合わせてしまう

のです。

特に【献花】のときや、棺への【お花入れ】のときなんかは、無意識に手を合わせてしまいがちです。

でも、あなたは絶対に手を合わせちゃダメですよ、それをした瞬間に『仏式』または『神式』のお葬式に変わってしまいますから。

あなたは、故人の最後を飾るお葬式に、強い信念をもって『無宗教葬儀』を選ぶんでしょ?

だったら、その信念は絶対に崩してはいけない。

それができないような【あやふや】な信念ならば、『無宗教葬儀』なんかしちゃいけません。

菩提寺がある場合はトラブルになる

あなたの家のお墓はどこにありますか?

『無宗教葬儀』をしたいなら、まずは【自分の家のお墓がどこにあるのか】を必ず確認しておいてください。

それで、もしも『お墓がお寺にある』という場合、あなたの家は『無宗教葬儀』ができません。

未熟僧
未熟僧
このことだけは【絶対に】知っておいてくださいね!

あなたの家のお墓が【お寺にある】という場合、あなたにとってそのお寺は『菩提寺』といって、あなたの家のすべての供養をする立場にあるお寺なのです。

そういう約束がされているからこそ、あなたの家のお墓がそのお寺にあるんです。

なので、あなたが『無宗教葬儀』をしたいと思っていても、

菩提寺がある場合はトラブルになる

ことは避けられないでしょう。

それでも、「どうしても無宗教葬儀にしたい!」というなら手段は1つです。

そのお寺との付き合いを解消して、お墓も他の墓地へ移動するのです。

ちなみにこれを『離檀(りだん)』といいます。

菩提寺があるのに『無宗教葬儀』を選ぶということは、それは『離檀』を意味しますので、その点はご了承ください。

【関連記事】:お寺の檀家(だんか)とは何か。檀家になるとデメリットだらけでメリットは少ない!

親戚の理解を得るのが大変

しっかりと家族で話し合い、その結果『無宗教葬儀』にすることが決まったとします。

その後にもまだやらなきゃいけないことがあります。

それは、

親戚の理解を得る

ということです。

これがけっこう大変なんですよね。

多くの場合、お葬式は親戚にも参列してもらいます。

親戚の人たちは【今までのお葬式】をするものだと思っているでしょうから、『無宗教』でお葬式をすることをちゃんと説明しなくてはいけません。

でも、僕のように『無宗教葬儀』に対して否定的な考えの人もいますから、それを説得するのはかなり大変だと思いますよ。

何でもそうですが、新しいことをしようとすると必ず【反対勢力】が出てきます。

それでもあなたは『無宗教葬儀』を貫いてくださいね、それくらいの信念がなければダメですよ。

式の内容をしっかりと決めておかなきゃいけない

『無宗教葬儀』って、いろんなことを本当に自由に決められるんですよね。

今までのお葬式は、とにかく【宗教や宗派】のやり方に縛られてしまいます。

でも、『無宗教』の場合は、そんな縛りは一切なく、完全に自由です。

何をしようとすべてあなたの自由!

さすが、別名『自由葬』と呼ばれるだけあります。

しかし!

自由というのは、逆に言うと、

  • すべてのことを遺族が自分で考え、率先して進めていかなきゃいけない
  • 『無宗教葬儀』をしたことによるトラブルはすべて遺族の責任である
  • 式のプログラム構成がヘタだと、大事なお葬式が【台無し】になる

ということです。

そうです、すべてが『自由』ということは、誰にも文句を言うことができない、すべてあなたの『責任』だ、ということをお忘れなく。

ですから、事前の準備や手配をミスってしまわないように、

式の内容をしっかりと決めておかなきゃいけない

のです。

もう一度言いますが、【全部】あなたが決めなきゃダメなんですからね。

最初から最後まで、細部にわたって式の内容をすべて決めていくのです。

コレって、あなたが想像するよりずっと大変な作業ですからね。

みんな「もっと自分の思うように、自由にお葬式をしたい!」と考えるんですよね。

でも、

  • ある程度の【定型】があることのありがたさ

だってあることをお忘れなく。

思った以上に費用がかかる可能性あり

お葬式のすべてを自由に決めるということは、【必要のないもの】まで組み入れてしまうことがあります。

『無宗教葬儀』を選ぶ理由として【費用をできるだけ抑えたいから】という人も多くいます。

それで、費用を抑えるためには、まず【お坊さんに支払うお布施】を削減しようということで『無宗教葬儀』を選ぶわけです。

ところが、せっかく【お坊さんに支払うお布施】を削減したのに、お葬式のプログラムを構成していく中で次々にオプションを追加してしまい、結果として、

思った以上に費用がかかった

なんていうこともあるんです。

何でもそうですが、【◯◯セット】みたいにある程度『定型』のモノを選べば費用は安くてすむんです。

しかし、自由に作り上げるということは、すべてを単品価格で構成していくことになるんですよね。

そうするとあっという間に金額が膨れ上がります。

お葬式の費用を抑えたくて『無宗教葬儀』にしたのに、あれもこれもと詰め込んでしまうと、結果的に相場を超えるような出費となりますので十分に注意してください。

何となく心残りがある

『無宗教葬儀』を選んだ人の中で1番多いのがコレです。

それは、

何となく心残りがある

ということです。

いろいろ考えて『無宗教葬儀』を選び、ちゃんと親戚も説得して、無事に理想通りのお葬式をすることができました。

それなのに、後になって『無宗教葬儀』をしたことを悔やむ人が多いんですよね。

きっと今までのお葬式とあまりに違いすぎるからなんでしょう、

  • 「本当にこれでよかったのかな・・・。故人は喜んでくれたのかな・・・。」

と思ってしまうのです。

しかし、もう一度お葬式をすることなんていうことはできませんので、その後ずっと悔やむハメになるんです。

『無宗教葬儀』をするかどうかはあなたの自由ですが、ほんの少しでも「もしかしたら後悔するかも?」と思ったら【今までのお葬式】をしておいた方が無難です。

無宗教葬儀をした後、故人の遺骨はどうする?

『無宗教葬儀』をしたら、先ほども言いましたように、故人の遺骨は【お寺の墓地】に納めることができません。

ですから、【お寺の墓地】以外の場所に納めるしかないんですよね。

とはいえ、無宗教でも納骨できる場所というのはある程度限られています。

『無宗教葬儀』は、遺骨の納める場所にも苦労することを覚えておきましょう。

遺骨は自宅に置いておく(=手元供養)

『無宗教葬儀』をした人の多くが、

遺骨は自宅に置いておく(=手元供養)

という選択をしています。

たしかに、遺骨は【絶対にどこかに納骨しなくてはいけない】ということはありません。

大切な家族の遺骨を、故人の住み慣れた自宅に置いておきたいと考える人は多いです。

さすがに、その後も代々にわたって自宅に置き続けることはできないでしょうけど、気持ちが落ち着くまでは自宅に置いておくというのも悪くないと思いますよ。

【関連記事】:手元供養でも大丈夫?手元供養のメリットとデメリット。

霊園にお墓を建てて埋葬する

事情があって遺骨を自宅に置いておけないケースも当然あります。

そして、「お坊さんは不要だけど、ちゃんとしたお墓は必要だ。」という人もいます。

そのような人は、

霊園にお墓を建てて埋葬する

というのがいいでしょう。

霊園であれば、宗教や宗派にまったく関係なく立派なお墓を建てることができます。

宗教や宗派がまったく関係ないので、行事などへの申し込みを強要されることはないですし、寄付をする必要だってありません。

ちゃんとしたお墓だけは建てたいという人には『霊園』がベストです!

【関連記事】:お墓を建てるなら霊園の方がいい?霊園のメリットとデメリット。

永代供養をする

遺骨はしかるべき場所へ埋葬したいけど、お墓を守っていくのは無理だという人が急増しています。

たしかに、お墓を建てるのにも、それを維持していくのにもたくさんのお金が必要ですからね。

そのような人たちが最終的にたどり着くのが、

永代供養をする

という選択です。

永代供養というのは、簡単に言うと、

  • あなたの家の仏様達を、あなたの代わりにお寺がずっと供養し続けてくれる

というものです。

ですから、あなたが最初に永代供養の費用を全部納めてしまえば、あとはもう一切の費用がかからないんですよ。

なので、もしもあなたが何らかの事情で故人の供養をできなくても、お寺が代わりに供養をするので安心ですよね。

まぁ、あなたが「お寺そのものと関わりたくないんだ!」という場合はダメですけどね・・・。

樹木葬をする

永代供養というのは、一般的に『他の人の遺骨と一緒になって埋葬される』ことになります。

この【他の人の遺骨と一緒になる】というのを嫌がる人がとても多いんですよね。

まぁ、その気持ちはよく分かりますけど。

なので、そのような人は、

樹木葬をする

というのがイイかなと思いますよ。

樹木葬であれば大体の場合、

  • その場で永代供養をしてもらえる
  • 他の人の遺骨と一緒になることがない
  • 費用が比較的安い

のです。

これだけの好条件ですから、今この樹木葬が猛烈な人気なんですよね。

そして、いろんなお寺や霊園でも、こぞって樹木葬の墓地を造成しています。

今や樹木葬は多くのお寺や霊園で当たり前のようにありますので、あなたの最寄りの場所で探してみてください。

海洋散骨をする

最後は、個人的にはあまり紹介したくない方法です。

ここ数年で増えてきた、

海洋散骨

です。

人は自然から生まれ、やがて自然に返っていくものです。

だから、故人の遺骨も自然に返してあげたいという人がいます。

とはいえ、そこらの土の中へ勝手に埋めてしまうと違法行為になってしまいます。

じゃあ、勝手に埋めちゃダメなら、どこか人目につかない山奥にまくか、近所の川に流してしまえばいい?

それもトラブルを招く可能性が高いのでヤメましょう。

万が一にも誰かがそれを見たら、あなたは『何らかの事件の犯人』として警察に通報されるでしょう。

だから、海洋に散骨するんですよね。

海洋散骨なら、決められた場所以外に【埋める】わけでもないし、誰かが遺骨を発見して警察に通報することもないんですよ。

法律的に少し【グレーゾーン】ではありますが、一応は合法的に遺骨を自然に返すことができます。

ただし、当然ながら、遺骨を海へまいてしまったら二度と取り戻すことはできません。

海洋散骨だけは、ホンマに慎重によ~く考えてくださいね。

まとめ:葬儀のカタチは自由!でも無宗教葬儀をするなら、ちゃんと注意点を理解しておこう。

お葬式は、故人と最後のお別れをする大事なものです。

それをどのようなカタチで行うかを決めるのは家族であり、本来はお葬式のカタチなんて自由なんですよね。

それに、時代はどんどん変わっていくのですから、お葬式のカタチだって変化していくに決まっています。

ですから、もしも『無宗教葬儀』をしたいと思うのなら、それは尊重されるべきものなので、無宗教でお葬式をしてください。

むしろ、誰も望んでいない宗教的な儀式は【無駄】でしかないので、無理に取り入れる必要なんかありません。

もちろん、無宗教ですから【お坊さん】も必要ありませんよ。

あなたが本当に望むような、自由で納得のいくカタチでお葬式をしてあげてほしいです。

ただし、『無宗教葬儀』はまだ世間では浸透していないですし、菩提寺がある場合は高確率でトラブルが発生します。

何も考えず、ただ単に、

  • お坊さんに来てもらうと面倒だから
  • 御布施の分のお金を節約したいから
  • 『無宗教葬儀』が流行っているから

みたいな理由で『無宗教葬儀』を選んでしまったら必ず後悔します。

お葬式のカタチは自由ですが、『無宗教葬儀』をするなら、ちゃんと注意点を理解した上で話をすすめてくださいね。

とにかく、『悔いの残るお葬式にだけはしてほしくない』、これが僕のお坊さんとしての願いです。