お坊さん歴20年以上の未熟僧と申します。
- 自分は40代だけど、今から『終活』を始めた方がいいかな?
- 『終活』に興味はあるけど、何をすればいいのか分からない。
- もしものときに家族へ迷惑をかけないように今からちゃんと準備をしたい。
- 独身の場合はどんな『終活』をすればいいの?
あなたは、【自分の死】について考えたことがありますか?
少しくらいは考えたことがあるはずですよ、だって『死亡保険』に加入をしていますよね?
死亡保険があれば、あなたにもしものことがあっても、とりあえずは家族にそれなりの【お金】を残すことができます。
でも、【お金】のことを考えるだけでは不十分。
お金のこと以外にも、
- お葬式
- 財産相続
- 様々な名義変更手続き
- 遺品の整理
- お墓や仏壇の購入
など、【残された家族がしなきゃいけないこと】についても考えておく必要があります。
今のうちから『将来のこと』をよく考えて、できる範囲で事前に決めておけば、あなたに《もしものこと》があっても家族が大変な思いをしなくてすみます。
要するに、
早めに『終活』をしましょう
ということです。
『終活』を早く始めることで、あなたの家族に迷惑をかけずにすみますし、何よりもあなたの人生がさらに【安心感があり充実したもの】にもなります。
とはいえ、多くの人は『終活』といっても何をすればいいのか分かりません。
この記事では、
- 何のために『終活』をするのか
- いつから『終活』をすればいいのか
- 『終活』で具体的に何をしておけばいいのか
について詳しく解説しています。
最後まで読んでいただければ、『終活』について一通り分かるようになりますので、ぜひチェックしてみてください。
終活とは何?

私たち人間は、生まれたからには、いつか必ず【死】を迎えます。
そして、死を迎えて大変な思いをするのは、死を迎えた本人ではなく【家族】です。
残された家族が、すべてのことを整理したり処理しなきゃいけないのです。
だったら、家族へ迷惑をかけないように、必ず来る【死】に向けて今から準備をしておいた方がいいと思いませんか?
『備えあれば憂いなし』といいますが、何事においても準備というのは重要ですから、早いうちから取り組んでおきましょう。
自分の老後あるいは死後のために生前から準備しておくことを、
『終活(しゅうかつ)』
といいます。
多くの人は『終活』という言葉を知っていて、何となくそれが大事なものであることも分かっています。
しかしながら、統計によると、実際に終活に取り組む人は《全体の20%程度》なのだそうです。
なぜ、終活が大事なことだと分かっていながら20%程度の人しか取り組んでいないのでしょう?
それは、
- 本心では「自分はまだ終活をするような年齢ではない。」と思っている。
- 同年代の知人たちもまだ終活をしていない。
- 大事だと分かっているけど、正直なところ面倒くさい。
- 終活を始めたいけど、何をすればいいのか分からない。
からです。
じつは、『終活』をする目的は【自分の死後のため】だけではないですよ。
早いうちから『終活』をしておくことによって、あなたの今後の人生を、より《安心》で《充実》したものにするためでもあるのです。
早いうちから準備をしておけば、あなたの家族も、あなた自身も安心ですよね。
安心があれば、心に余裕が生まれます。
心に余裕があれば、あらゆることへの視野が広がったり、人に対しても優しくなれますので、より充実した人生を送ることができます。
ですから、『終活』をする主な目的は【自分の死後に家族へ迷惑をかけないため】ですが、それと同じくらい大切な【自分の人生を充実させるため】という目的があるのです。
40代から終活をしておくべき理由

何度も言いますが、『終活』は早いうちからやっておきましょう。
お坊さんの僕としては、40代になったら『終活』を始めた方がいいと思っています。
じつは、40代の多くの人はそう思っているんですよね。
40代の多くの人は、まだ終活を始めていません。
そして、その後もずっと『終活』を先延ばしにしてしまい、その結果、いざというときに家族へ迷惑をかけてしまうんです。
でも、40代から『終活』をしておけば時間がたくさんあるんですよね。
時間がたくさんあるということは、何をしておくべきかをじっくりと考えることができ、必要な費用を準備する上でもかなり有利です。
ですから、『終活』は40代から始めるくらいでちょうどいいのです。
家族に安心してもらうため
40代から『終活』をする理由としては、
家族に安心してもらうため
というのがあります。
40代のあなたは今まさに働き盛り。
そんなあなたが今のうちから『終活』を始めたら、あなたの家族はどう思うでしょう?
とりあえず、
って思うことでしょう。
そこで、40代から『終活』をする理由をあなたがちゃんと説明をしてあげてください。
家族のためにやっていること、人生を豊かに過ごすために早くから取り組んだ方がいいこと、これらを丁寧に説明してあげてください。
もしかすると「今からそんなこと、縁起でもない。」と言われるかもしれませんが、そうではないことをちゃんと伝えましょう。
もしかすると、恩着せがましいくらいに『家族のために終活をする』ということを強調するくらいで丁度いいかもしれません。
そうすれば、あなたの家族は【40代からの終活】に対して理解をし、「家族のことをいろいろと考えてくれているんだな。」と安心してくれるでしょう。
将来に向けて計画的に行動するため
『終活』というのは【自分の死】について考えるわけですから、いろんなことを《ゴールから逆算して考える》ということです。
ゴールから逆算して、【いつまでに何をしておくのか】ということを区切りをつけながら順序だてて計画をしておくのです。
つまり、『終活』は、
将来に向けて計画的に行動するため
にやるのです。
多くの人は、年齢が60歳を過ぎた頃からようやく終活を始めます。
しかし、それでは『手遅れ』なこともあります。
特に【お金】に関することは早めに取り組んでおかないと、年金生活になってから後悔することも多いのです。
働き盛りの40代のうちから、貯金や投資などで【自分が死を迎えるまでの資金】をしっかりと準備しておく必要があります。
先ほども言いましたが、『終活』は、自分の死後のためだけではなく、自分の人生を豊かにするために行うものでもあります。
将来のことをしっかりと見据えて計画的に行動することで、より安心で充実した人生を歩むことができます。
そのためにも、『終活』をして【自分の死】までのこともしっかりと計画を立てておきましょう。
自分の親と一緒に終活ができる
40代からの『終活』は、じつは【あなたの親】にとっても良いことなんですよね。
あなたが40代から『終活』をすると、
自分の親と一緒に終活ができる
のです。
40代の子どもを持つ親のほとんどは年齢が60代後半~80代前半であり、この年代は《真剣に終活に取り組むべき年代》なのです。
しかし、先ほども言ったように、多くの人はなかなか終活をしません。
また、せっかく終活を始めたとしても、高齢者の場合は【何をすべきか、何を知っておくべきか】ということをちゃんと判断できないんですよね。
実際に、そのような高齢者を狙った【終活に関連する詐欺】がたくさんありますし、今後も増えていくはずです。
そこで、あなたの出番ですよ。
あなたが、あなたの親と一緒に『終活』をすればいいんです。
40代のあなたなら、いろんなことをちゃんと判断できる。
まずは『あなた自身の終活』のためにスマホやPCでたくさん情報を集めてください。
そして、集めた情報をもとに何が必要なのかをよく学んで、それをあなたの親に教えてあげてください。
あなたも一緒に『親の終活』に取り組んであげると、あなたの親にとってはとても心強くて安心できるはず。
しかも、《人に教える》というのは学んだ知識を整理して、それをちゃんと理解しないとできませんから、あなたにとっても非常に良い勉強になります。
ですから、40代からあなたの親と一緒に『終活』をすれば、あなたの親からは感謝されて、あなた自身にとってもよい勉強になるという、まさに【一石二鳥】なのです。
40代の終活でするべきこと

ここからは、《40代からの終活》でするべきことについて紹介します。
『終活』というのはすることがたくさんありますので意外と大変です。
『終活』ですることは、以下のようなことです。
- 『エンディングノート』を作る
- できる範囲で身辺整理
- 『自分の財産』の確認と情報共有
- スマホやPCのデータ整理
- 資産運用をする
- 現在加入している保険を見直す
- お葬式のことを話し合っておく
- 交友関係を一覧表にする
- お墓のことを話し合っておく
- 日頃からできるだけ『自分の写真』を撮る
- できるだけ物を増やさず、買うものを厳選する
- 自分が『いつまで働くのか』を大まかに決めておく
- 介護を受けることを想定する
- 運動をする
ご覧のようにけっこうありますよね。
だからこそ、動けるうちから早めに取り組んだ方がいいんです。
これらのことを、今のうちから1つずつ着実にこなしていってください。
『エンディングノート』を作る
『終活』をする上で欠かすことができないのが、
『エンディングノート』を作る
ということです。
『エンディングノート』は、いわゆる【遺言書】とはまったく違うものです。
【遺言書】というのは、《亡くなった後のこと》に関する内容を文書に残すこと。
しかし、『エンディングノート』は亡くなった後のことだけではなく、自分が今後どのように過ごしたいかなどの《自分自身の思いや考え》も記しておくものです。
また、『エンディングノート』はあくまで個人の思いや考えを記しておくものですから、【遺言書】のような法的な効力はありません。
『エンディングノート』に書く内容としては、
- 自分自身の思いや考えについて
- 家族へ伝えたいことについて
- 個人情報について
- 医療や介護について
- お葬式やその後の供養について
- いざというときの連絡先について
- 財産相続について
- あらゆる物の保管場所について
などです。
この『エンディングノート』は家族にとって欠かせないものとなります。
当たり前ですが、あなたが死んでしまったら、家族に何かを伝えたくてもそれができません。
しかも、私たちは日頃の生活の中で【自分だけがわかっていること】というのがたくさんありますよね?
なので、家族に伝えておくべきことを事前に書面で書き残しておくのです。
そして、いざそうなったときに家族は『エンディングノート』を見て、それをもとに動いてくれます。
ですから『終活』をする上で『エンディングノート』は必須なのです。
できる範囲で身辺整理をする
僕が信者さんと話をしていてよく聞くのが、
という愚痴です。
ですから、『終活』をするなら、
できる範囲で身辺整理をする
ということがとても大事なんですね。
昔の人は物をとても大事にするので、簡単には捨てることができなかったのでしょう。
でも、物を捨てないならキッチリと整理をしておかなきゃダメ。
とはいえ、それができる人はそんなに多くありません。
また、いくら整理をしても物が増えていけば、だんだんと手に負えなくなってしまいます。
それで結局は物を整理しきれず、最終的に家族が大変な思いをするのです。
べつに、最近でいう『断捨離』をしろと言っているのではありませんよ。
きっと1つ1つの物が《思い出の品》なのでしょうから、無理にそれらを捨てる必要はないです。
でも、他の家族が見ても【何がどこにある】ということが分かるように、日頃からしっかりと整理をするようにしてください。
『自分の財産』の確認と情報共有
あなたも40歳を過ぎればそれなりの財産を保有していますよね?
でも、あなたの家族はそのことをご存じですか?
きっと全部をご存じではないですよね?
もしかすると、あなた自身もよく分かっていない可能性だってあります。
ですから、『終活』をするなら、
『自分の財産』の確認と情報共有
をしましょう。
財産というのは、ザックリ言えば、
- 金銭
- 土地
- 家屋
- 家具
- 貴金属
- 有価証券(持ち株など)
のことです。
まずは、自分がどんな財産を保有しているのかを確認しておきましょう。
そして、保有している財産に関する重要な書類などがちゃんと揃っているかも確認してください。
さらに、【財産の処分(売却)方法】までしっかりと確認できていれば最高です。
自分が保有している財産の確認ができたら、それらの情報を家族と共有してください。
当たり前ですが、あの世まで財産を持って行くことはできません。
あなたがいなくなったら、あなたの財産は家族が引き継ぐのです。
もしも家族があなたの財産のことを知らなければ、せっかくの財産が家族にとっては《存在しないもの》となってしまいます。
誰にも引き継がれない財産は、そのまま放置しておくと最終的には【国のもの】になってしまいます。
あなたが一生懸命に築いてきた財産が、よりにもよって【国のもの】になっちゃうんですよ。
そんなの悔しいと思いませんか?
生前にさんざん税金を巻き上げられているのに、その上さらに国のために寄付をするのですか?
あなたの貴重な財産は、国なんかのためではなく、大事な家族のために残してください。
そのためには、今のうちからあなたの財産に関する情報を家族と共有しておきましょう。
スマホやPCのデータ整理
最近では、多くのことを【スマホ】や【PC=パソコン】で行うことができます。
ですから、【スマホ】や【PC=パソコン】の中には重要なデータがたくさん入っています。
『終活』をする上で、
スマホやPCのデータ整理
はしっかりとやっておきましょう。
重要なデータがどこに入っているのかを、あなただけではなく家族が見ても分かるように整理をしてください。
そして、いざというときのために、あなたのスマホやPCを起動させる際の【サインイン番号】も家族にも分かるようにしておきましょう。
また、いろんなアプリやサイトにログインするための『アカウント情報』、つまり、
- IDまたはメールアドレス
- パスワード
といった情報の管理も大事です。
例えば、あなたには毎月お金を支払っているようなアプリやサイトはありませんか?
それらを解約するには、あなただけが知っているIDやパスワードが必要です。
でも、あなたがいなくなってしまい、IDやパスワードが分からなければ、スムーズに解約することができません。
そこで面倒だからといって解約をしなければ、そのまま料金を支払い続けてしまいます。
しかも、そのような支払いがいくつもあれば、毎月たくさんの【無駄金】が発生します。
ですから、あなたが利用している有料のアプリやサイトにログインするための情報は、あなたの家族も分かるようにしておいてください。
あっ、あなた今、
って思いましたか?
そうですね、たしかにそうかもしれません。
でも、あなたは【家族に迷惑をかけない】ために『終活』をするんですよね?
ならば、家族に迷惑をかける可能性があることに関しては【俺のプライバシー】は捨てましょう。
もしも、お金を支払う必要がなくて家族にも迷惑をかけないものであれば、それは【俺のプライバシー】として管理してください。
資産運用をする
40代から『終活』をした方がよい理由は、【自分の死】までに時間がたくさんあるからです。
時間がたくさんあれば、自分がするべきことを1つずつ順番にじっくりと考えられます。
また、時間がたくさんある方が、
資産運用をする
という点でも有利なんですよね。
こんなことを言うのもアレですが、やはり何をするにも【お金】が必要ですよね。
老後の生活をするにも、自分のお葬式をするにも、とにかく【お金】がないと何もできない。
そして、【お金】はすぐに得られるものではありません。
まとまった大きなお金を作ろうと思えば長い期間が必要となります。
しかも預貯金だけではお金が足りなくなる可能性も十分にあります。
なので、今のうちから預貯金の他にも『資産運用』をするということが重要になります。
もちろん資産運用は年齢に関係なくできます。
しかし、高齢になってから運用をすると、収入が無くなっている状態で《失敗したときのダメージ》が大きすぎるんですよね。
一方で、40代くらいであれば、仮に運用に失敗してもリカバリーが可能です。
また、資産運用をするには、運用期間の長い方がより大きな『複利の恩恵』を受けられるので有利です。
というか、未来のためにいろいろと準備をしている方が、あなたも精神的にラクじゃないですか?
資産運用は未来のためだけではなく『今』を安心して暮らせるように取り組むものでもあるのです。
ですから、40代のうちから預貯金をしながら、『終活』の1つとして資産運用をした方がいいんですよね。
ちなみに僕は、少額ではありますが投資信託をすでに始めています。
現在加入している保険を見直す
あなたは今、どんな保険に加入していますか?
そして、加入している保険の内容を正確に理解していますか?
というか、ずっと前に加入した保険をそのまま続けているんじゃないですか?
40代になったら、
現在加入している保険を見直す
ということをやってみましょう。
余計な内容が付いていないか、似たような内容で他社に安いものがないか、そもそも現在の保険に加入するべきか、など改めて考えるのです。
あなたにとって適切ではない保険に入っている可能性があるので、見直しはしておくべきですよ。
あと、もしもあなたが【昔からある大手保険会社】に加入しているなら、1度でいいから【インターネットの保険会社】の内容を見てみてください。
同じような内容でも【インターネットの保険会社】の方が掛け金がだいぶ安いですよ。
個人的には圧倒的に【インターネットの保険会社】をおすすめします。
だって、【昔からある大手保険会社】なんて駅前の一等地に店舗をかまえて、さらに多くの従業員を雇っているのですから掛け金が高くなるわけですよ。
一方で【インターネットの保険会社】は基本的に対面ではないので、ムダな店舗がなくて人件費も抑えられているから大幅に掛け金を安くできるのです。
なので、【インターネットの保険会社】なら掛け金が安くて内容の充実した保険に入ることができるんです。
しかも、これからは間違いなく【インターネットの保険会社】が成長していきます。
あなたも早めに【昔からある大手保険会社】の高い掛け金から卒業してください。
そして、【インターネットの保険会社】に乗り換えて浮かせたお金は、あなたの将来や家族のために残しておきましょう。
お葬式のことを話し合っておく
あなたはお葬式で『喪主』をした経験はありますか?
もしも喪主をしたことがあるなら『終活』の重要性がよく分かるはずです。
お葬式というのは喪主の負担がとても大きい。
その原因は【事前にお葬式に関することを細かく決めておかなかった】ことです。
喪主となる人は、お葬式までの数日間でたくさんのことを判断してすぐに決めなくてはいけないから負担が大きくなるんです。
ですから、『終活』をするときには、
お葬式のことを話し合っておく
というのがメチャクチャ大事ですよ。
というか、きっと多くの人は『終活』といえば【お葬式に関する準備】のことを連想するでしょう。
自分のお葬式をするときに、
- どこの葬儀社へ依頼するのか
- お葬式には誰に参列してもらうのか
- どのような形式のお葬式にするのか
- 参列者へふるまう料理はどんなものにするのか
- 生花はどうするのか
といったようなことをあらかじめ家族と話し合っておきましょう。
喪主がやることについては『お葬式で喪主がやることはコレ!事前の準備からお葬式後までの動き』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
お葬式のときに重要なのは【葬儀社】選びです。
あなたが現在どこかの葬儀社の会員になっているなら、いざというときにはその葬儀社へ連絡をしてください。
まだどこの葬儀社ともお付き合いが無い人は、今のうちからいろんな葬儀社の説明会に参加したり、あるいは資料請求などをしておきましょう。
残念ながら、葬儀社の中には悪徳葬儀社もあります。
悪徳葬儀社は、喪主の知識不足をいいことに「一般的にこれは必要ですよ。」なんて言いながら、不要なものまでガンガン追加します。
それで、何も知らない喪主は悪徳葬儀社に言われるがままに進めてしまい、最後に高額な請求をされることになるのです。
あなたの家族をそんな目に合わせたくないですよね?
だから、冷静に判断できる今のうちに、しっかりと比較検討をして、事前に『信頼できる葬儀社』を選んでおくことが大事なんです。
最近では、インターネットでも優良な葬儀社を探せますので、一度見てみる価値はありますよ。
交友関係を一覧表にする
お葬式をする場合、家族や親戚以外にも知人や友人に参列してもらうことがあります。
そのときのために、あなたの、
交友関係を一覧表にする
といいですよ。
あなたの交友関係が分かっていれば、いざそうなったときに家族はスムーズに連絡をすることができます。
とはいえ、あなたの交友関係のすべてを一覧表にしなくてもいいですからね。
要するに、『自分のお葬式に来てもらいたい人』の一覧表があればいいんです。
また、一覧表を作るときには、
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- あなたとの関係性
といった最低限の情報くらいは記載しておきましょう。
お墓のことを話し合っておく
あなたが死んでしまったら、あなたの遺骨を埋葬するための【お墓】がいります。
もうすでに『お寺』や『霊園』などに【お墓】があるなら問題はありません。
でも、まだ【お墓】がないなら、早いうちに、
お墓のことを話し合っておく
ことが大事です。
お墓というのは、家族の誰かが亡くなってから用意するという人がほとんどです。
お墓というのは後の人たちに代々受け継がれていくもの。
だから、お墓のことはじっくりと考えなきゃダメですよ。
しかし、その時の感情だけでお墓を用意してしまい、後になって悔やむ人がけっこう多いんですよね。
そんなことにならないように、
- どこにお墓を建てるのか
- どんなお墓を建てるのか
- 誰がお墓を守るのか
ということを家族でよく話し合っておきましょう。
お墓について話し合いが終わったら、どのくらいの費用が必要なのかを計算して、今のうちからお金を貯めておいてください。
あるいは、今のうちからお墓を建てておくのもいいと思いますよ。
墓石はとても硬くて丈夫ですから、普通に100年以上もちます。
ですから、金銭的に少し余裕があるなら、今のうちに建てておくと安心です。
ちなみに、お坊さんの僕としては、お墓を建てるなら『霊園』がおすすめです。
『霊園』だったら【お寺】に比べて圧倒的に便利ですし費用も安くてすむので。
また、遺骨は必ずお墓へ納骨しなくてはいけない、という決まりはありません。
遺骨をどのようにするかは残された家族の自由です。
最近では【海洋散骨】などをして、お墓は建てないという選択肢もありますよ。
【海洋散骨】に興味のある人は『海洋散骨についてお坊さんが徹底解説!遺骨を海にまくのは違法?』の記事で詳しく解説していますので読んでみてください。
日頃からできるだけ『自分の写真』を撮る
僕は今までに700回以上お葬式をしていますが、たまに、どう見ても【ずっと昔に撮った写真】を遺影として使っているケースがあるんです。
もしかすると、その故人は写真に撮られることが苦手だったのかもしれません。
とはいえ、あまりにも若い頃の写真だと遺影としては適切ではありません。
ですから、あなたも、
日頃からできるだけ『自分の写真』を撮る
ようにしておきましょう。
言い方は悪いですが、いつ死んでもいいように頻繁に【最近の自分の写真】を撮っておくのです。
べつに、写真を撮るときはいつも【遺影】を意識しろと言ってるわけではないですよ。
写真はその瞬間を切り抜いた『思い出の記録』です。
『思い出の記録』はたくさんある方がいいと思いませんか?
だから、日頃からできるだけたくさん写真を撮っておいてください。
その中にはきっと『良い表情のあなた』の写真がありますから、それをついでに【遺影】の候補として残しておいてください。
できるだけ物を増やさず、買うものは厳選する
『終活』の話題になると、お葬式のことはもちろんですが、その他に『いかに遺品を少なくするか』という話が出ます。
実際に、家族が亡くなって大変な思いをするのは遺品の整理なのです。
ですから、あなたは、
できるだけ物を増やさず、買うものは厳選する
ということを日頃から意識しておきましょう。
じつは、できるだけ物を増やさず買うものを厳選することのメリットは大きいのです。
まずは、遺品が少ないほど残された家族の負担は少なくなりますよね。
次に、日頃から余計な物を買わなくなるので金銭的に少し余裕が出てきます。
そして、物があまり増えないということは掃除や整理の時間もあまり増えないので、どんどん物を増やしてしまう人よりも多くの時間を確保できます。
乱暴な言い方かもしれませんが、人生を有意義に過ごせるかどうかは、【お金】と【時間】をどれだけ確保できるかで決まります。
【お金】と【時間】の両方が多ければ心に余裕ができますので、人に対しても優しくなれますから、そこで【良い人間関係】も生まれます。
また、買うものを厳選することで《自分にとって本当に必要なものかどうか》を考えるようになるんですよね。
このような【ものごとの本質】を考えるクセがつくと、簡単にはダマされないようになるのもメリットの1つです。
世間では【断捨離(だんしゃり)】というのが流行っていますよね。
『終活』においては、べつに必ず【断捨離】をするというわけではないですからね。
無理に物を捨てる必要なんかありませんよ。
あなたが残しておきたいと思うなら大事にとっておきましょう。
しかし、これからは『本当に必要かどうか』をよく考えてから買うようにしてくださいね。
自分が『いつまで働くのか』を大まかに決めておく
あなたは何歳まで働こうと考えていますか?
以前は定年といえば『60歳』でしたが、最近では『65歳』のところがほとんど。
しかし、人によっては定年後も『嘱託契約』での再雇用によって働き続けるケースもあります。
また、自営業やフリーランスの人は定年そのものがありませんよね。
終活をするにあたり、
自分が『いつまで働くのか』を大まかに決めておく
といいですよ。
何歳まで働くかによって将来を見据えて用意すべきお金の額がまったく違ってきます。
受給する年金だけではなく、それ以外のお金をどれだけ用意できるかで老後の生活レベルが大きく変わります。
となると、もしも年金だけでは不安だと思うなら、定年後も何らかの方法で働かなければいけません。
また、ただ生活するだけではなく、趣味や娯楽など《定年後の時間を豊かに過ごす》ためにもお金が必要ですから、定年後もある程度は働いて収入を得たいところです。
そのためには、年金以外にどのくらい稼げばよいのかを考えた上で、自分が何歳まで働くべきなのかを今から大まかにでも決めておきましょう。
しかし、様々な事情や病気などで【働きたくても働けない】という状況になることも十分にありえます。
だから、先ほども言ったように今から投資をして《お金にも働いてもらう》ことも同時に考えておくべきです。
とはいえ、未来がどうなるかは誰にも分かりません。
誰にも分かりませんが、まったくの無計画ではあまりにも無防備すぎます。
ですから、大まかでもいいので将来の収入について今から考えて、できることから準備を始めましょう。
介護を受けることを想定する
40代のあなたは心身ともに充実し、やろうと思えば何でも自分1人でできるでしょう。
でも、それがずっと続くわけではありません。
あなたもいずれ高齢者となったときには、日常生活を送るだけでも【誰かの助け】が必要になってしまいます。
場合によっては、あなたを助けてくれるのは【あなたの家族以外の人】になるかもしれません。
少子高齢化の止まらない日本ですから、高齢者となったあなたは専門の施設に入所して、専門の人たちのお世話になる可能性だって十分にあるのです。
ですから、念のために、
介護を受けることを想定する
ということも大事です。
家族以外の人に介護をしてもらおうとすれば、当然ながらそれなりの費用はかかります。
現在のあなたの家族構成を考えて、将来的に【家族以外の人】の介護を受ける可能性が高そうなのであれば、今からその費用の準備をしておきましょう。
運動をする
家族へ迷惑をかけないように自分の死後の準備をして、人生を豊かに安心して暮らすための用意もしました。
しかし、終活にはもう1つ大事なことがあります。
それは、
運動をする
ということです。
『体を健康に保つ』と言った方がいいかもしれませんね。
豊かに安心して人生を送るには、金銭的なことだけでなく、体が健康であるに越したことはありません。
また、想定外の出来事により準備したお金が無くなってしまっても、健康な体があればもう一度働いてお金を稼ぐことができます。
何よりも、家族にとっては『あなたが健康でいること』が1番大事なことなのです。
体の健康を保つためには、【バランスの良い食事】と【適度な運動】が必要です。
それで、多くの人まず.は【バランスの良い食事】の方から対策をしていきます。
だって、一般的に言われるような【適度な運動】っていうのは、ハードルが高すぎてなかなか続けられないから。
すぐに面倒くさくなってヤメてしまいますよね?
しかし、最初の『面倒くさい』の段階を過ぎてしまえば、その後は『習慣』になります。
適度な運動が『習慣』になってしまえば、もうあなたの勝ちですよ。
老後も健康な体で過ごすことができるでしょう。
何事もそうですが、継続するコツは【無理をしない】ことです。
いろんなメディアで【適度な運動】について紹介されていますが、そんなのは気にしないで下さい。
今のあなたができる範囲で決して無理をせずに運動することが、あなたにとっての【適度な運動】なんです。
40代で独身の場合はどんな終活をするべき?

結婚をして家庭を持っている人は、家族へ迷惑をかけないように40代の今から終活をしておくべきです。
では、独身の人の場合は終活をする必要がないのでしょうか?
僕としては、独身の人でも終活することをおすすめします。
人間は誰もがいつか必ず【死】を迎えますので、本来であれば、終活はすべての人がやっておくべきことなんですよね。
ただ既婚と独身ではその方法が違うというだけで、早めに終活をする必要性は既婚も独身も変わりはありません。
生前契約の準備をする
独身の人は、自分自身の《老後生活の手助け》や《亡くなった後のこと》を家族に頼むことができません。
でも、本当に誰も頼れる人はいないのですか?
親戚関係で誰か頼れる人はいませんか?
まずは【いざという時に頼ることができる人】が本当にいないかをもう一度確認してください。
それでも頼れる人がいない場合は、
- 生前事務委任契約
- 任意後見契約
- 死後事務委任契約
などの『生前契約』の準備をしておいた方がいいです。
生前事務委任契約とは
私たちは高齢になるにつれ、だんだんと身体の能力が衰えていきます。
また、身体だけではなく思考(判断)能力も徐々に衰えてしまいます。
そうなると、日常的な外出をするのも大変になりますし、また【何が必要で、何が不要なのか】というような判断もできず、最悪の場合は大事なお金を騙し取られるケースもあります。
そうならないために、ちゃんと【信頼できる人】に、
- 医療に関すること
- 介護に関すること
- 財産に関すること
などの事務手続きや管理を代行してもらうのです。
要するに、家庭を持っている人なら家族がやってくれるようなことを、独身の人の場合は《契約を結んだ信頼できる第三者》にやってもらうわけです。
これを、
生前事務委任契約
といいます。
この契約は、依頼者が『しっかりと物事を判断できる状態』のときに交わします。
非常に大事な手続きや金銭管理まで代行してもらうのですから、間違いなく依頼者の意思によって結ばれるものでなければいけません。
この契約を結んでおけば、依頼者が何らかの理由で動けなくなっても、契約内容のことをすべて代わりにやってもらえるので安心です。
任意後見契約とは
人は高齢になると思考(判断)能力がだんだんと衰えていき、やがて正しい判断ができなくなります。
正しい判断ができないと、重要な手続きができなかったり、そんな人を狙った詐欺にあうことも考えられます。
そこで、正しく判断ができなくなった依頼者の代わりに、
- 【財産の管理】:預貯金・不動産・年金の管理、公共料金や税金の支払い
- 【生活・介護の管理】:医療・入院費用の手続きや支払い、介護施設との手続きや支払い
などをしてくれる契約があります。
これを、
任意後見契約
といいます。
任意後見契約は、先ほど紹介した『生前事務委任契約』と一緒に結ぶことが多いです。
依頼者が自分で判断できる状態までは生前事務委任契約が適用されて、いよいよ判断ができなくなったら任意後見契約の内容を適用するのです。
ただし、任意後見契約では依頼者の判断力が低下している状態のときに代行をするものですから、代行者(=後見人)となる人を選ぶときには、くれぐれも慎重に、よ~く考えてくださいね。
ちなみに、万が一のことがあってはいけないので、後見人のことを監督している『委任後見監督人』という人がいます。
これによって、後見人は【依頼者との契約を正しく執行しているか】を厳しくチェックされているのです。
とはいえ、後見人と委任後見監督人が裏でグルになってしまったらどうしようもありませんけどね。
ですから、生前事務委任契約と任意後見契約を結ぶときには、代行者(後見人)を慎重に選ばなければいけないのです。
簡単に言えば【全部を託す人】を選ぶわけですから、ほんの少しでも疑問や不信感があるなら別の人に依頼すべきです。
また、生前事務委任契約と任意後見契約を結ぶときには『公正証書』で手続きをすることで、後々のトラブルを避けることができます。
死後事務委任契約とは
独身の人の場合は、頼る家族がいないため、自分が死んでしまったら【亡くなった後のこと】をする人がいません。
【亡くなった後のこと】というのは、
- 依頼者が亡くなったことの親族などへの連絡
- 葬儀、火葬、納骨の執行
- 役所への届け出などの手続き
- 遺品や家財道具などの処分
- クレジットカード、毎月支払いのあるもの、などの停止
- 上記の際にかかる費用の支払い
などです。
依頼者が亡くなったときに、これらのことを代行するのが、
死後事務委任契約
です。
死後事務委任契約を結び、前もって《自分の死後に何をどのようにしてほしいのか》を伝えておくことで、安心して今の生活を送ることができるのです。
人生を幸せに豊かに過ごすためには《安心》が必要です。
それには「自分が死んでしまった後はどうなってしまうんだろう?」という不安を常に抱えたままではいけません。
独身の人の場合は、この『死後事務委任契約』も契約しておくことをおすすめします。
ちなみに、こちらも生前事務委任契約と任意後見契約と同様に『公正証書』で手続きをしましょう。
緊急の入院や介護に備えておく
あなたは、これからいつどこで自分が病気やケガをするかを正確に予測できますか?
そんなことができるわけありませんよね?
ですから、
緊急の入院や介護に備えておく
ことが大事です。
予想もしないような病気や大ケガをしてしまうと、緊急の入院や介護が必要となることもあります。
独身の場合は、いろんな手続きや介護などを家族に任せることができませんから、第三者に依頼することになります。
しかし、第三者に依頼をしようにも、そのためのお金が無ければ話になりません。
ですから、自分が急な病気やケガなどで入院や介護が必要となったときのために、今からしっかりと準備をしておきましょう。
ただし、病気に備えるためとはいえ、やたらと民間の医療保険に入るのはヤメましょう。
日本には『高額療養費制度』という非常に優れた制度があり、制度の対象となる治療(保険適用の治療)に関しては10万円程度を支払うだけなので、治療費についてはさほど心配しなくて大丈夫です。
その他の費用については民間の医療保険で必要最低限だけまかなうか、それを見据えて今から貯金しておけばいいですよ。
個人的には、必要なときにお金を出してくれない保険なんかには加入せず、いつでも自由にお金を使えるように貯金しておくことをおすすめしますけどね。
将来を見据えた資産形成をする
日本は平均寿命がどんどん長くなっています。
それはつまり、老後に必要なお金もどんどん増えているということです。
最近ではこれを『長生きリスク』と呼んでいます。
長くなるかもしれない老後の生活のために、しっかりと資産を持っておいた方が安心ですよね?
そのためには、老後にどのくらいのお金が必要で、それを作るには今から何をしなくてはいけないのかをよく考えましょう。
先ほども言いましたが、老後の費用は老後生活が近くなってから作るのでは手遅れですよ。
だから、40代の今のうちから積極的に貯金や投資などで、
将来を見据えた資産形成をする
ようにすることがとても大事です。
積極的にパートナーを探す
独身の人は、老後生活の手助けや自分自身の死後のことを家族に頼ることができません。
ですから、あらゆることを自分で考えて、自分で用意しておかなければいけません。
・・・ところで、独身の人はみんな自ら望んで独身でいるのでしょうか?
独身を望んでいるのなら、それはその人の考えなので尊重すべきです。
しかし、『なかなか良い人に出会えない』という理由で独身なのであれば、
積極的にパートナーを探す
ということはヤメないでくださいね。
40代で独身の人は、何となく、
とパートナー探しをヤメてしまうのです。
たしかに、独身の方が圧倒的に自由ですし、若い頃の独身生活はまさに【天国】です。
だから、人生を自由に楽しく生きるために、今後も独身でいる選択をするのは決して悪いことではありません。
しかし、そうではなく結婚願望があるのなら諦めてはいけません。
諦めたら、その時点で自分から結婚の可能性を消すことになるのです。
でも、諦めることなく『行動』を続けていれば、少なくとも可能性が消えることはありません。
何でもそうですが、目的に向かって『行動』を続けないと達成はできません。
何らかの理由で「結婚だけはしたくない。」と思わない限りは、積極的にパートナーを探し続けましょう。
まぁ、結婚をするとそれはそれで大変なことも山ほどありますが、それも人生の醍醐味の1つです。
まとめ:家族へ迷惑をかけないために、終活は40代からやっておこう
私たちは、いつこの命を終えてしまうか分かりません。
昨日まで元気だった人が、今日は帰らぬ人となってしまうこともあります。
ですから、しっかりと【自分の死】について考え、なるべく早い段階から『終活』をしておきましょう。
それが、あなたの家族のためであり、また、あなた自身の人生を豊かにすることにもなります。
『終活』でするべきことは、
- 『エンディングノート』を作る
- できる範囲で身辺整理
- 『自分の財産』の確認と情報共有
- スマホやPCのデータ整理
- 資産運用をする
- 現在加入している保険を見直す
- お葬式のことを話し合っておく
- 交友関係を一覧表にする
- お墓のことを話し合っておく
- 日頃からできるだけ『自分の写真』を撮る
- できるだけ物を増やさず、買うものを厳選する
- 自分が『いつまで働くのか』を大まかに決めておく
- 介護を受けることを想定する
などです。
『終活』は高齢になって慌ててやるよりも、若いうちから始める方がいいですよ。
若いうちから始める方が、体力や判断力だけでなく時間も十分にあるからです。
備えあれば憂いなし、です。
あなたの家族に迷惑をかけないため、そしてあなた自身の豊かな人生のため、もしものときに備えて今からしっかりと準備をしておきましょう。